寺田恵子ソロ at GARDEN <特大オマケつき>
寺田恵子13年ぶり、7枚目のソロアルバム、『PIECE OF MY HEART』が10月19日にリリースされ、9月10日の札幌を皮切りに全13本のレコ発ツアーが実施された。
今日はその千秋楽、10月22日の下北沢GARDENでのもようをお送りする。
出演はこのお三方。
客電が落ち、ジャニス・ジョプリンのア・カペラ・ナンバー、「Mercedes Benz」が場内に流れる中、三人がステージに現れる。
東京の直前の公演は16日の静岡。アルバムの発売前ということになる。
結果的にこのGARDENだけがアルバム発売後のライブとなった。
「皆さん、予習してきたと思いますけど…。アルバムを聴いていてもいなくても楽しめるライブにします。
でも、ノレる感じの曲がないのでタイミングを見計らってノッテね!」
1曲目はThe Rolling Stonesの「Jumpin' Jack Flash」でガス。
意外にもアコースティック・セットでツアーをするのは今回が初めてだとか…。
「今回のアルバムはソロの歴史。30代半ばでギターを始めて、いろいろ遊んでいる間に何となく弾けるようになってきたのでアルバムを作ってみました」
で、ニュー・アルバムに収録されていない「冷たい月」をシットリと…恵子さんの6枚目のソロ・アルバム『Wonderground』からのチョイス。
今回のアルバムは6月の『NAONのYAON』が終わってから制作に入り、9月には完成した。
しかし、ひと月ほどリリースが遅れ、上記のようにリリース後のライブが東京だけになってしまった…「ゴメンなさ~い」という説明があって…「SHOW-YAの曲を演ります。歌いやすいようにアレンジしました」、とココではじめてニュー・アルバムの収録曲を披露。
コレがまたおっそろしくドシっとした仕上がり。
なんかJohn Lee Hookerのブルースを聴いているようで、ヘタをするといつものバンド・バージョンよりヘヴィな感じ?
「たまにはこういう感じもいいでしょ?
座っている方、ユックリどうぞ。立っている方…ご苦労様です!
咳したい人は咳したっていいんだよ!
寒かったり、暑かったり、ラジバンダリ…ココ笑うとこ!」
…って恵子さん、それはチョット古いわ!ココはやっぱり「そ~なんです、山本さん」でしょう?
で、ココからドップリとニューアルバム・コーナーに入る。
MCでは丁寧に曲の説明をした恵子さん。
内容はSHOW-YAのウェブサイトと重複するので割愛する。
ただ、ひとつだけ…この曲は「Burning Bridge」という仮タイトルだったそうで、恵子さんによれば「『bridge』には『逃げ道』という意味もある」ということで、ソレが気になった。
日経ビジネスが英語を学習するビジネスマンのために推薦して英和中辞典のスタンダードになった大修館書店の『ジーニアス英和辞典』の第3版で調べてみると、見事に出ていない!
でも何かわかるまで調べないと気が済まないタチなので、インターネットで調査してみると、小学館の『プログレッシブ英和中辞典』の第4版で関連の表現を発見。こういうときは大辞典が欲しくなる。
この意味の「bridge」は成句で使われるようで、「a bridge of gold」とか「a gold bridge」で「うまい逃げ道」と言う意味になる。
また。恵子さんがおっしゃるように、「burn one's bridges(←複数形になっているところに注意!)」で「背水の陣をしく」という意味になるそうだ。
勉強になりました。
恵子さん、ありがとう!
続いてはダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「身も心も」。
1977年だったのか…もっと前のような気もするが…というのは、ダウン・タウンが「スモーキン・ブギ」で出て来た時のことをよく覚えているから。私が小学生の時のことだ。
「スモーキン・ブギ」は曲も見た目も衝撃的だった。その曲がElmore Jamesの「Shake Your Moneymaker」の改作だということを知ったのは、後年Fleetwood Macを通じてのことだった。
ものすごくどうでもいい情報としては、実は宇崎さんって中学、高校、大学と私の先輩なんだ。
ところで、この曲、恵子さんにピッタリだった。
サビの「♪身も~、心も~」のところはトリハダが立ったよ!
本当に自分の曲であるかのように入り込んで歌う姿には鬼気迫るものがあったよね。
そして、SHOW-YAで時折演奏している「Blue Rose Blues」。
恵子さんの歌にピッタリと寄り添うようにして弾く喧ちゃんのプレイがまたいいんだ。
出すぎず、かといって引っ込みすぎない完璧な伴奏。
お次はニュー・アルバムでは本家の木村さんと共演した「嫌んなった」。
私も中学から高校にかけて憂歌団に夢中になったことがあってね~、中間試験の最中にコンサートに行って親にひどく怒られた。
そんなだからシャッターを切りながら恵子さんと一緒に歌っちゃたよん!
この曲もダイナミックな恵子さんにピッタリだ。
まさか「おそうじオバチャン」や「パチンコ」っていうワケにもいかないだろうし…「シカゴ・バウンド」なんかも恵子さんが歌ったら絶対にいいと思うよ。
続いてはノリノリ系で「カッコマン・ブギ」。
コレもダウン・タウン・ブギウギ・バンドのナンバー。
シェイカーを片手にドライブする恵子さん!
恵子さんが「みんな参加型の曲」とこの曲を紹介したのは、ブレイクでお客さんに早口言葉を言ってもらうというスリリングなパートが仕込まれているから。
もちろんメンバーも!
「ブラジル人のビラ配り」?
「マグマ大使のママ、マママグマ大使」ってのはスゴイね。
恵子さんに指名されやしないかと客席は戦々恐々。
恵子さんと目を合わさないようしていると、「下向かない~!」って怒られちゃうし…。
でも、指名された皆さんもバッチリで大きな大きな拍手が沸き上がっていた。
「ノレる感じの曲がない」なんて冒頭で言っていたけど、とにかく笑いの絶えない楽しいライブ!
恵子さん、自前のスマホで客席をパチリなんてシーンも!二井原さんみたい?
さらに後ろの方のお客さんにそのスマホを渡して、後ろから自分を撮ってくれって!
コレは使い方をお客さんに説明しているところね。
「いい?ゼッタイに中を見ちゃダメよ!」と大騒ぎしながらお願いしちゃった!
「チョット!ゼッタイに見ないでよ!」
ナニが入っているのかな~。
宴も、イヤ、ショウもたけわなで、SHOW-YAナンバーをもうひとつ。
「ああ無情」をお見舞いした!
お客さんもすかさず「プワップワッ」って合いの手を入れるから大笑いしちゃったよ!
…と、結局大盛り上がりの体を見せて本編を終了した。
イヤ~、おもしろかったな~。
こういうのはいいね、ジックリ聴けて、ドップリ笑える。
最上のエンタテインメントだわ。
そして、アンコール。
「ファンの方々に感謝しています。ファンと一緒に音楽をやっているのが楽しいんだわ!
「で、『キミは人のために歌ったことがあるか?』って訊かれて、『キミを必要とする人たちがいて、その人たちのことを考えたことがあるか?』と言われ、人のために歌うということを思いました」
「人が笑顔になれることが幸せなんだということに気づいた」
…と恵子さんの音楽への思いを語って歌ったのは…
アルバムのタイトル・チューン「Piece of my Heart」だった、
感動のワン・シーン。
ガラっと変わって「何か聴きたい曲ある?」と、リクエストを受けた「紅」を惜しげもなくワンコーラス披露。
サービスも忘れない!
そして最後を締めくくったのはZeppelin!
Marshall Blogから偶然3日続けてLed Zeppelin!!
曲は「Rock and Roll」。
コレは喧ちゃんのライブに恵子さんがゲストで出演した時にも演っていたんだけど、何と言っても見どころは、途中で容赦なくアクセルレート(テンポを速くすること)していくところ!
「テンポ上げま~す!」
ココは恵子さんのギター・テクニック(?)の見せ場だ!
何せ恵子さん、エフェクターまでつないでるからね!
トレードマークのバラをあしらったブースター。カッコいい!
メンバーの二人も恵子さんと一体となってすさまじい疾走感を見せる!
お客さんも「♪ロンリロンリ」の大合唱でショウの最後を楽しく締めくくったのであった~!
イヤ~よく笑った。
長さもちょうどいいし、実に見ごたえのあるショウだったな。
ステージの去り際には恵子さんのルーティン、「みんな、愛してるよ~!」。
寺田恵子の詳しい情報はコチラ⇒KEIKO TERADA OFFICIAL SITE
<特大オマケ>
この日は終演後に恵子さんを囲んでの第二部、すなわち、「打ち上げ」が企画された。
「特大オマケ」としてそのようすもレポートしちゃうよ!
コレが第二部のステージ。
「大人のムーミン」をはじめとした恵子さんの楽しいネタやおしゃべり…
そして、ファンの皆さんに心を込めた感謝の気持ちが述べられた。
まだ終わんないんだよ。
続いては恵子さんとのツーショット大会なのだ!チョ~盛りだくさん!
こうして寺田恵子ソロツアーの千秋楽の夜は更けていったとさ…。
あ~、ホントに楽しかった!