『ハリウッドの名監督たち』写真展を見て来た
超久しぶりに京橋の「国立映画アーカイブ」に行って来た。
ここのところご無沙汰していたのは興味の沸く展示がなかったからなのだが、今朝ナンの気なしにウェブサイトをチェックしたところ一瞬で食指をそそられる展示をしていることを知りすぐに出かけた。
コレで5回目ぐらいかな?
ココは入館料が250円と今時信じられないぐらい良心的な施設。
しかも来年の誕生日を迎えると無料になるんですわ、私。
今、『ハリウッドの名監督たち』と称した特別展を開催している。
常設展は「日本映画の歴史」だ。
もう何回も見てはいるのだが、来るたびに予備知識が増えていて、毎回注目する箇所が異なるので今回も興味深く見ることができた。
さて、その特別展。
アメリカの「映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences=AMPAS)」が所蔵するハリウッド映画の写真コレクションを公開する…という企画。
古い写真がズラ~っと飾ってあるだけなんだけど、見たことがないモノばかりでオモシロイのなんのって!
例えばコレ。
1939年の『スミス都へ行く(Mr. Smith Goes to Washington)』の撮影時のようす。
左は主役のジェイムス・スチュアート。
真ん中に座っているのが監督のフランク・キャプラ。
カメラのサイズにビックリ!
コレもジミー・スチュアートとキャプラのスナップショット。
『素晴らしき哉、人生!(It's a Wonderful Life)』を撮影している時のもの。
コレはタマらん!
この映画がもう何回観たかな?
観ればまだ泣ける。
私の場合、「泣かせる」ということにかけてはコレと『二十四の瞳』がチャンピオンだろうな。
小説では遠藤周作の『女の一生か?
こんな調子の写真が続く。
『駅馬車(Stagecoach)』撮影時のようす。
映画を観ていると舞台が西部だし、暑いイメージがあるけど、この写真では厚着している人もいて、寒い時期に撮影していたことがわかる。
私は子供の頃からちょっとジョン・ウェインが苦手なんだけど、やっぱりこの映画はすごくオモシロイよね。
酔いどれ医者を演じたトーマス・ミッチェルがすごく印象に残る。
真ん中に立っているのがジョン・フォード。
ジョン・フォード、デカくてカッコいいな。
黒澤さんは馬が走るシーンの迫力を出すために比重が軽いセメントを地面に撒いておくことをジョン・フォードから教わったのは有名な話。
『駅馬車』もそうして撮ったんでしょうな。
しかしこうして見ると、黒澤さんって雰囲気がジョン・フォードそっくりだな。
歳は黒澤さんの方が16歳若く、身長は183cmのジョン・フォードより1cm低かったようだ。
時折写真に混ざって展示されているポスター。
コレも2度ほど観たけど、いまだにヴィヴィアン・リーの行動から「?」を消し去ることができないでいる。
でも、コレって『君の名は』は当然のこと、小津さんの『風の中の牝鶏』の要素も入っているような気がしてきたな。
この映画、ヴィヴィアン・リーはイギリス人だし、原題は『Waterloo Bridge』だしでイギリス映画かとばかり思っていたがアメリカ映画なんだよね。
ま、監督のマービン・ルロイがアメリカ人なんだから当然か。
『カサブランカ(Casablanca)』の撮影時の写真だって!
右は監督のマイケル・カーティス。
この人、1946年にケイリー・グラントが主演を務めたコール・ポーターの伝記映画『夜も昼も(Night and Day)』を撮っているんだけど、コレがシンドイ。
コール・ポーターの伝記映画なんていったら観たいにキマってるでしょ?
ところが何度挑戦しても最後まで到達したためしがない。
反対に『カサブランカ』はどうしちゃったろう?と思わざるを得ないのだ。
しかし、イングリッド・バーグマンは問答無用で美しい。
スウェーデンの人なんだよね。
コレはジーン・ケリーが主演した1954年のミュージカル映画『ブリガドーン(Brigadoon)』。
ジャズの大スタンダード「It's Almost Like Being in Love」を輩出したことで知られている作品。
ってんでDVDを見つけて買ってみたが…コレも途中で離脱した。
ヴィンセント・ミネリが監督しているんだけどネェ。
ちょっとお花畑すぎちゃって…。
「It doesn't matter, it doesn't matter」の『理由なき反抗(Rebel Without a Course)』。
この時、会場に来ていた見知らぬ人から写真を撮ってくださいと頼まれた。
その人のリクエストで、後で出て来るポスターがズラリと展示してある壁の前で撮ると「もう1枚お願いします」と頼まれ、その移動した先はこの写真の前だった。
やっぱりジェイムス・ディーンは人気があるんだネェ。
カッコいいだけじゃなくて、どこかこう、物憂い雰囲気が実にいいんだよね。
私は『エデンの東』の「キャル」なんかその雰囲気が実にヨカッタ。
この映画も50年以上観ていないのでまた観てみようかな?
右は監督のニコラス・レイ。
左はナタリー・ウッド。
まだまだ出て来る見たことのない写真の数々。
コレ、すごいでしょ?
顔なんか写っていなくても一瞬で2人が誰かがわかる。
今回一番気に入った写真。
女性はサイレント時代の大スター、リリアン・ギッシュ。
左はイギリスの名優チャールズ・ロートン。
でもこのロートンは俳優ではなく、監督のチャールズ・ロートン。
作品は1955年の『狩人の夜(The Night of the Hunter)』。
私は観たことがないが不評だったらしい。
そしてロートン監督の作品はこの1本にとどまった。
ロバート・ミッチャムとシェリー・ウインタースが主演ということなので、ロートン・ファンの私としてはチャンスがあれば観てみたいと思っている。
『十戒(The Ten COmmandments)』か…。
聖書ものはチト苦手。
小学校の時にテレビで仕方なく観た記憶はある。
ユル・ブリンナーかっこいいな。
女性はアン・バクスター。
眼鏡をかけたおジイさんは監督のセシルB.デミル。
デミルは1950年のビリー・ワイルダーの『サンセット大通り(Sunset Boulevard)』に自身の役で出演していて、それが巨匠感丸出しですごくいい感じなんだけど、その時とは異なり6年後のココではエラくおジイちゃんになっちゃってる。
この時デミル、75歳だったそうだ。
「メッサラ」だ!
スティーブン・ボイドとウィリアム・ワイラー。
もちろん『ベン・ハー(Ben Hur)』。
私は小学生の時にこの映画を観てあんまりオモシロくて小便チビったわ(少し)。
それ以来何回も観たけど、残念なことに映画館で観るチャンスがなかったのよ~。
ちなみに「ベン・ハー」の発音は「ベン・ハー」ではなくて「ベン・ハー」と後ろにストレスを置くのが正しい。
またジュダ・ベン・ハーの親友であり、宿敵でもある「メッサラ」は映画の中では「メッサーラ」と発音している。
1961年の『草原の輝き(Splendoe in the Grass)』。
左はシャーリー・マクレーンの弟のウォーレン・ビーティ。
今は「ウォーレン・ベイティ」とか呼ぶようだけど、昔は「ビーティ」って言ったのよ。
右は上にも出て来たナタリー・ウッド。
ロバート・ワグナーの奥さだったナタリー・ウッドは悲惨な死に方をして気の毒だったけど、若い頃はとても美しかった。
ま、わたしはやっぱり「マリア」だけどね。
彼女はこの作品でスターの座を獲得したというのだが、私は観ていない。
それなのにナゼこの写真を載せたかというと…真ん中のオジさん。
監督のエリア・カザン。
1950年代のハリウッドのレッド・パージで大変な目に遭ったが、私はとても映画づくりのうまい人だと思っている。
一番のお気に入りは1951年の『欲望と言う名の電車(A Streetcar Named Desire)』。
コレは映画公開時のポスター。
『北北西に進路を取れ(North by Northwest)』もこんなポスターだったのね?
ソール・バスがコレを見たら泣き出しそうだな。
この『North by Northwwst』というタイトルのナゾについてはいつか説明したことがあったけど、どこに書いたのかはもう忘れた。
『北北西に進路を取れ』を撮影中のヒッチコック。
どのシーンを撮っているんだろう?
小津安二郎がよろこびそうなロー・アングル。
小津さんはもっと低いけどね。
あの『汚名(Notorious)』がこんなポスターだぜ。
かわいそうに…。
私は『トパーズ』を除いてヒッチコックのトーキー作品は全部観たけど、コレはかなり好きな部類。
何度観ても入り込めないのは『白い恐怖(Spellbound)』と『泥棒成金(To Catch a Thief)』。
マザコンの悪役を演じるイギリスの俳優、クロード・レインズがすごく魅力的なのね。
この映画も昔は好きではなかった。
が、歳を取って観てみたら実にヨカッタね。
でも『あなただけ今晩は(Irma la Douce)』の方が好きかな?
コレはその『アパートの鍵貸します(The Apartment)』の撮影。
スゴイね。
受話器を持ったジャック・レモンの前でポケットに手を突っ込んでいる人がビリー・ワイルダー。
コレも帽子のオジさんがワイルダー。
シャーリー・マックレーンっていいよね~。
ちっとも美人ではないけどとても魅力的だ。
才能を見出して『ハリーの災難(The Trouble with Harry)』でシャーリーを起用したヒッチコックはやっぱりスゴイ。
1949年の『踊る大紐育(On the Town)』。
左からフランク・シナトラ、監督のスタンリー・ドーネン、ジーン・ケリー。
コレ、ニューヨークのビルの屋上のロケなんだろうけど、建物の縁に立っているんだよね。
さすがに書き割りなんでしょうネェ。
3人の水平がたった1日のニューヨークでの休暇を楽しむ話なのに、もう1人の水平、ジュールズ・マンシンが写っていない…でもそう気にならない。
というのは実は私はこの映画があまり好きではないのです。
でもレナード・バーンスタインの音楽は素晴らしい。
主題歌の「New York, New York」の他にもコミカルな「Come up to my Place」というニューヨークの古今の名所がたくさん出て来る曲なんてとても楽しい。
コレは妄想の域を出ないけど、フォーカスの「Round Goes the Gossip…」という曲の歌詞はコレを手本にしているのではないかと私は考えている。
『踊る大紐育』のスナップ。
レニーにはこの『On the Town』の他にやはりニューヨークを舞台にした『Wonderful Town』というブロードウェイ・ミュージカルの作品があって、コレが必殺の名曲揃いなんですよ。
今でもよくCDを聴いています。
『サウンド・オブ・ミュージック』の撮影風景。
「I Have Confidence」のシーンかな?
壁に手をついているのが監督のロバート・ワイズ。
今度は『マイ・フェア・レディ(My Fair Lady)』。
イライザ・ドゥーリトルがヒギンズ教授の邸宅に来たシーン。
ヘップバーンの向かって左隣が監督のジョージ・キューカー。
どれもそうだけど、こんな写真初めて見たわ。
ココはね、いつもガラガラなの。
「ア~ムスパータカス」
私がCMの仕事をしていたら「高須クリニック」の宣伝にはこの『スパルタカス(Spartacus)』を使うんだけどな。
若き日のキューブリック。
主演のカーク・ダグラスは、かつてキューブリックの脚本に惚れ込んで『突撃(Oath of Glory)』の主演を快諾したが、この『スパルタカス』の時にはどうしようなく仲が悪くなってしまってキューブリックのことをクソミソに言っていたとかいう話を聞いたことがある。
それとは関係なしにチャールズ・ロートンやピーター・ユスチノフらのデブっちょ俳優がいんだよ、この映画は。
脚本は『ジョニーは戦場へ行った(Johnny Got His Gun)』で有名なダルトン・トランボなんだね。
小学校の時にこの映画を観て絶望的に暗さにビックリしたことを覚えている。
マーロン・ブランド、イヤ、「ドン・ビトー・コルレオーネ」とフランシス・フォード・コッポラ。
『ゴッドファーザー(The Godfather)』は今でも、今すぐにでもまた観たい作品のひとつ。
「ファザー」を「ファーザー」としていまだに訂正しないのはコレいかに。
コッポラはナニを言っているんだろうね?
マーロン・ブランドはヤケにシリアスな顔をしているのが気になる。
小学校6年生の時に新宿のミラノ座で観た『スティング(The Sting)』はとても好きな映画だった。
コレはロバート・ショウが扮する「ドイル・ドネガン」をダマす最後の仕上げのシーン。
左は監督のジョージ・ロイ・ヒル。
ロバート・アルトマンはわからない。
『M★A★S★H』も『ナッシュル(Nashville)』もサッパリだったわ。
今観ればまた違うのかもしれないけど。
そんなだからこんな作品があるのを今日の今日まで知らなかった。
1977年の『3人の女(3 Women)』という作品。
シェリー・デュバルが出ている。
何でもコレを観たキューブリックが彼女を『シャイニング(The Shining)』の主役に起用したとか。
『タクシー・ドライバー(Taxi Driver)』は試写会で観たナァ。
ジョディ・フォスターの誕生日が自分と1日違いということを後で知って驚いた。
まだこの頃まではアメリカ映画もヨカッタねぇ。
と、展示アイテムをひとうひとつジックリと見てきた。
とてもオモシロかった。
映画好きの方にはおススメします。
250円だし。

