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2019年9月26日 (木)

イギリス紀行2019 その11 ~ 大英図書館を楽しむ

 

「世界の4大博物館/美術館ってど~こだ?」というクイズの答えの定番は「メトロポリタン、ルーブル、エルミタージュ、ダイエー」らしい。
コレを聞いて「スゲエ!ダイエーってそんなにスゴい美術館を持ってるんですか?やっぱり福岡にあるんですか?」と、かつて私の目の前で本当にそう言ったバカがいた。
「ダイエー」ではない。
「大英」だ。
昔なら「ガメラ」だぞ。
で、「大英」とくるとどうしても「博物館」になっちゃうよね。
でも、もうひとつの「大英」もスゴクおもしろい。
それはこのおなじみのセント・パンクラス駅のお隣りにある。

10コレがそう。

40「British Library」、つまり「大英図書館」ね。
アリスの看板が目印…でもないか。
みんな大英博物館には行くけど、「大英図書館に行った」という人は滅多に聞かない。
そんなの絶対にモッタイない。

25v_2ね、後にセントパックラスのゴシック様式の尖塔が見えてる。

20同じ国営の図書館とはいえ、そのオモシロさたるや永田町の国立国会図書館なんか足元にも及ばない。
ま、図書館は遊び場ではないんだけどね。
でも国立国会図書館って大学生の時、一時期よく行ったんだよね。
というのは、アメリカ文学の授業で生きていて一度も聞いたことのないアメリカの小説が教材に選ばれた。
サラ・オーネ・ジュエットという女流作家の『The Country of the Pointed Firs』なる1896年の作品だった。
で、文学部の授業だから原文で読まなきゃならないんだけど、みんなそれがイヤなワケ。ペイパーバックしかなくて読みにくいし。
そんなのオモシロいハズがない。
それで生徒たちは血眼になって翻訳を探した。
当時はインターネットなんて構想すら知らなかった時代だからね。
で、どうしても見つからなかった。
今にして思うと、教授もそれを知っていてその作品を選んだのかも知れない。
ところが見つけたんですよ…私が!…国立国会図書館で!
特段その翻訳本を探しに行ったワケではなくて、ジャズの本を見に行って偶然見つけたような気がする。
早速、閲覧を申し込んでいならく待っていると、出て来たのは想像をはるかに超えた古い本で、すべて旧仮名に旧字体。恐らく戦前に上梓されて初版で絶版になった類に違いない。
何回か通ってコピーさせてもらって友達に配った。
みんなに大変ありがたがられたことは言うまでもない。
その翻訳本自体がとても読みにくく、結局はそれも読まなかったんだけどね…それでも成績は「可」でした。
単位が取れれば上出来!…ウソ。そんなことやってないで、もっとチャンと勉強しておけばヨカッタよ。

Cp_2私はココが好きでもう何回も来ているんだけど、今回初めてジックリと中を拝見させてもらった。

30前庭にある巨大なオブジェ。
え…ビックリした!
ウンコしてるのかと思った!
80エデュアルド・パラロッツィという人の「Newton」という作品。
こんな機会でもないとニュートンのことなんて知るチャンスはなかろう…と、調べてみると、リンゴの逸話でおなじみの「万有引力」ばっかりだけど、スゴイのね。
詳しくは書かないけど、数学者、物理学者、天文学者、神学者、おまけに造幣局長までやってたっていうんだから。
微積分法の発見に巡ってはライプニッツと20年越しの裁判をしたり、錬金術やオカルトの研究までしていたとか…。
このオブジェの「ニュートン」が果たして「アイザック・ニュートン」そのモノなのかどうかは知らないが、ナニせすごい。

60尖塔の先っちょだけだけどセントパンクラス駅を裏側から見るのもいいもんだ。
まるで外国に来ているようだ。

90大英図書館のオープンは1973年と、実は新しい。
元々は大英博物館の図書館で、それを分離し、いくつかの図書館を併合して設立された。

100入り口では当然のごとくセキュリティ・チェックでカバンの中を調べられる。
昔はこんなことをしてなかったんよ。

110中は吹き抜けになっている。

120とても図書館には見えない。130壁には何やら「知の巨人」の胸像が並んでいる。

140今、エントランスから入って、通って来たところを振り返るとこんな感じ。
そして、もう一度前に向き直ると…

160ドワ~!本!
コレが入り口からはよく見えない。

170それで近寄ってみるとコレが目に入る。
1階から吹き抜けの一番上までぎっしり詰まってる。
コレってもしかして飾りなのかな?イヤ、そんなことないわな。
とにかく圧巻!

185v大英図書館の現在の蔵書数は2,500万冊以上。
付帯する資料を含めるとその数は1億5千万点に上るらしい。
国立国会図書館の3倍以上。

190まぁ、とにかくコレをチラリと見るだけでも来る価値はあるよ。
それと見て…いたる所に机とイスが設置されているでしょう?

180机には電源が用意されていてパソコンを持ち込んで不自由なく使えるようになっている。
ウチの近所の区立図書館なんかはこの設備がない。
つまりパソコンの使用を禁止しているのだ。
あのな~、図書館ってのは本を借りに行くだけの設備じゃねーんだよ。
理由を聞いたら「パチパチうるさいから」だとか…ま、コレはわからないでもない。
でもそれなら場所を区切ってパソコンを使う人と使わない人を隔離すれば話は済む。
もうひとつの理由にムカっぱらが立った。
「それとパソコンをお持ち込みになられる方は長居されるもので…」
ヒドくね?
「じゃ、区民税を半分返してもらいましょうかね?」とまでは言わなかったが、図書館まで使い方や考え方が違うんだよ、世界の一等国と五等国では。

210たくさんの若者たちが一生懸命勉強している。

220よく政治家が「海外視察」なんて税金で海外旅行を楽しんでいるでしょ?ハラが立つのであまりその手の情報に近寄らないようにしているんだけど、ああいうのは何を勉強しに視察しに行くのかね?
もちろん必要に応じてそれらしきこともするんだろうけど、私なんかはこうして海外に来ると、普通の人たちの暮らしの中に「コレこそ日本もマネしろよ!」ということやモノをよく見かけるのね。
日本にも「パソコン使用OK」という公立図書館はあるでしょうけど、こんな様子にチョコッと接しただけでもそんなことを考えてしまう…のは年を取って根性が悪くなっているからなのか?

230さて、実は今回の記事のメインはコレ。
「TREASURES」…つまり宝物殿。
「書物」というと簡単すぎるな…とにかく古今の「書かれたモノ」全般にわたって極めて貴重な資料が展示されている。
昔はね、すごく小ぢんまりした設備だったのよ。
それが今ではいち博物館の体をなすほど立派になった。
ところが!
残念ながら写真撮影は厳禁なんですよ。
いつかそれを知らないで撮影していたら、ものの数秒で屈強な黒人のガードマンがすっ飛んで来て「No photo」と言われた。
ということで、モノはお見せできないので、ナニが展示されているのかを文字とイメージ画像でレポートさせて頂くことにする。
ココ、有料でいいから写真OKにしてもらいたいわ~。

240私が一番最初に大英博物館に来た目的はビートルズ関連の資料だったので。
ナニが展示されているのかと言うと…
①ジョン直筆の「She Said, She Said」の歌詞のメモ。

Rv ②ジョンがスチュアート・サトクリフに送った1961年の手紙。
そこにこんなことが書いてあった…「I remember a time when everyone I loved hated me」。
つまり「ボクが大好きな人はみんなボクをキラっていた時のことを覚えているよ」。
何を意図しているのかは知らないけど、チョット気になったのでメモしてきた。

Sb ③「A Hard Days Night」の直筆歌詞。

Ahd ④「Micchelle」のポールの直筆歌詞。

Mc ウ~ン、他にも色々あったハズなんだけどな…大分展示を入れ替えるんだな~。
ケチってないで全部出せばいいのに。コッチャ遠くから来てんだからよ。
 
で、今回すごく興味深かったのが、クラシックの音楽の楽譜。
コレは、2003年にロイヤル・フィルハーモニック協会が所有する資料をが100万ポンド(当時の為替レートだと2億3千万ぐらいかな?)で大英図書館に売却したウチの一部…のようだ。
コレも私が初めてココに来た時はなかったように思う。
その売却された資料の中には270曲の楽譜が含まれていたのだそうだ。
ところで「ロイヤルフィルハーモニック協会(The Royal Philharmonic Society)」ってのはナニか…オーケストラなどの器楽のコンサートを催す団体で、ややこしいことにロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とかロンドン・フィルハーモニー管弦楽団とは関係ないらしい。
でも、スゴイよ。
このロンドン・フィルハーモニック協会が頼んで作ってもらったり、初演を企画した楽曲には…
ベートーヴェンの「交響曲第9番」、メンデルスゾーンの「交響曲第4番『イタリア』」、サン=サーンスの「交響曲第3番『オルガン付き』」、ドヴォルザークの「交響曲第7番」なんかがあるっていうんだから。
確かリージェント・ストリートのどこかに『「第9」初演の場所』というプラークがかかっていたな…。
あった、あった、コレだ。

8_img_03471825年3月1日、「イギリスでの初演」ということですな。

8_img_0346 バッハ、ヘンデル、ハイドン、モーツアルト、ベートーベン、ドビュッシー、マーラー、ブリテン、エルガー、シェーンベルグ、ヴォーン・ウィアムス等々の直筆楽譜がズラリと並んでいて見応え十分!
 
他にも世界の宗教関連の本、古地図、それから美術品としての本の展示、さらにマグナ・カルタのコーナーなんてのもある。
またディケンズやキャロル、ブロンテ姉妹の初版本とかね。
シェイクスピア関係はそれほどでもないかも。シェイクスピア周辺の資料は豊富でもシェイクスピア自身のメモラビリアは期待できない。
 
それと下の写真のヤツ。
コレは宝物ルームの外の廊下なんだけど「PHILATELIC COLLECTION」とある。
「philatelic」って何のことかと言うと「切手」のこと。
コレも撮影禁止なんだけど、この板をグイっと前に引き出すと、切手がズラリと並んでいる。
とても細々と見る気にもならないが、コレまた圧巻。

245初めて上の階に上がってみた。

260え…「The Alan Turing Institute(アラン・チューリング学会)」?

270「アラン・チューリング」ってあの「Bombe」の「アラン・チューリング」?
こんなのあるの知らなかった!

280と、思ったらその手前には…

285vエニグマ暗号機!
初めてホンモノを見た!

290「エニグマ」は第二次世界大戦中の世界最強と言われたドイツの暗号機。
その暗号を「Bombe(ボンベ)」というマシンを持ってして解読に成功したのがアラン・チューリング。
この人の功績がイギリスを第二次世界大戦の勝利へと導いたと言われている。
でも、コレちょっと違っていて、チューリングばかりがエライというワケではなかった。
何でもこの人、2021年までに新しい50ポンド紙幣のデザインになるって言うじゃない?
コレね、チョットした裏事情があると私はニラんでいるの。
その話はまた今度。
ナゼなら、今回の旅でエニグマ暗号を解読した研究所があった場所にに行って来たのだ!…といってもMarshallの工場のすぐそばなんだけどね。
そのレポートを書く時に私の邪推を書いておきます。

300しかし、この時は感動したな~。

310コレがイギリス軍を苦しめたスクランブラーか!

316そして、さらに暗号作成を複雑にしたリフレクター。

320なんて大感激をしたんだけど、実は、コレってそう珍しいモノではない…ということが後になってわかった。
要するに大ヒット商品だったので流通量が多く、どうも残留品が多いようなのだ。
一方のチューリングが作った「Bombe」はどうかというと…コレは後日のレポートを読んでのお楽しみ。

315裏はこうなってる。
保健室にある救急箱を平べったくした感じ。

330さらに上の階に上がってみる。

349「ダ・ヴィンチ展」なんてのも企画されているようで、そう、美術館的な要素も感じられるんだよね。

150その雰囲気通りこんな写真展をやっていた。

350「The New Londoners」と題した新しい世代のイギリスへの移民の家族をテーマにした写真展。

360私はこういう写真には興味がないのでシレっと拝見するに止めた。

370v皆さんもロンドンを訪れた際にはゼヒ寄ってみてください。
おススメです。

0r4a0298

2019年9月25日 (水)

イギリス紀行2019 その10 ~ 大英博物館の中の日本

10チョット、ごめんちゃい。
また大英博物館ネタ。
というのは、久しぶりに見に来たのはいいけど、「久しぶりに見ておこう」と思っていた日本の展示コーナーが閉まっていて、後日ひとりでリターン・マッチをしたから。

20昔の大英博物館の様子をインターネットで発見。
ナニかの展示ということになると、昔はこうして大変な賑わいを見せていたらしい。

8_bm 例の「マンガ展」。

30もちろんパスしたけどね。

30v入り口のドアに掘ってあるライオン。

35入り口に置いてあった特別展のチラシ。
マンガ展とムンク展。
チラシといっても、型紙に印刷してあって、まるで絵葉書のようなんだけど、両面に印刷されているのでハガキとしては使えない。
V&Aでも盛んにこういうのを作って配っているんだけど、どうしてこんな立派な紙を使うんだろうナァ。
つい集めたくなってしまうじゃないか。

40大英博物館のシンボル、「Great Hall」。
他でも書いたが、中は円形の図書館になっていて、昔は自由に出入りすることができた。

50シースルーの屋根を見上げるとゴミみたいなものが乗っている。
コレ全部鳥なの。

60おお~!
イス持参かよ!やることが大胆だな。
実際、博物館とか美術館って知らない間にものすごく歩いていて気がつくとクッタクタになっているのが普通なんだよね。

65…と思ったら、無料でイスを貸し出してた。
しばらく来ない間にこんなサービスが導入されていたのね?

66ひと通りグルリと回って…

67ハイ、ロゼッタストーン…の裏。
こんなんなってる。
コレはこのままソロでボッコンと存在していたワケではなくて壁だか柱だかから切り出して来たんだよね。
だから背面はこんな風になってる。
やっぱり裏が人気ないな。

70vおなじみのエジプト系。

80やっぱりココはエジプトというか、ミイラというか、このあたりのコレクションが売り物だからね。

90v好きな人にはタマらない。
エジプトに興味のない人はV&Aの方が断然オモシロイだろう。

100マンガ展の入り口。

110vココが日本の展示コーナー。
最上階で最も奥まったところに位置している。

120やっぱり人気の「根付(ねつけ)」のコレクション。

160何やらココの根付のコレクションはユーモラスなヤツが多いな。

140ご存知の通り、また別項でも説明した通り、根付は男性が煙管や財布や矢立といった類の小物を帯に引っ掛けておく時の留め具として使われた。
もともとは木片などで作られた機能重視のアイテムが多かったが、江戸時代に小型の彫刻品としての地位が高くなり、象牙を素材とするなど豪奢な根付が流通するようになった。
やっぱり平和でないと文化は育ちませんな。

130それが江戸の時代が終わり、明治の時代に入りと一気に日本人の洋装化が進み根付が不要になった。
すると今度は「美術工芸品」として西洋での人気が高まった。
「根付なんてもう使わないから要らないでしょ?」とか何とか言われて二束三文で売り飛ばしたんだろうね。

170大英博物館は3,300点もの根付をコレクションしてるんだって!
上の古代エジプトのコレクションをエジプトが「もう返してチョーダイよ」とイギリスに申し入れると、イギリスは「バカ言っちゃいけません!我々がイギリスに運んでキチっと保管しているからこうして残っているんでしょうが!あなた方に任せておいたら全滅してましたよ。我々が持って行ったことに感謝してチョーダイ」ぐらいのことをエジプトに言ったという話は有名だが、日本もさして変わらん。
それと、この世の中の「モノやコトの価値」というのはいつでも欧米が作っているということを痛感しますな。

150v仏像の類は定番だ。

180v武具甲冑もとても人気が高いらしい。

190表には出していないけど、多分こういうモノもたくさん持っているハズ。

200v能や歌舞伎のアイテムも欠かせない。

210埴輪もあるよ。

210vおわッ!火焔型土器や王冠型土器。
十日町の博物館のヤツとまったく同じヤツやん!
国宝だよ、コレ。
一体どうやってゲットしたんだろう?

220土器の前に1冊のマンガ本が…

230手塚治虫の『三つ目がとおる』にこれらの土器が登場します…と紹介している。
「Osamu Tezuka」はスゴイな~。
マンガといえば手塚治虫か『浦安鉄筋家族』しか読まない私だけど、残念ながら『三つ目』は読んだことがないんだよな~。

240こんなにキレイな銅鐸も。250それに鏡。
仏像に土器に武具甲冑…要するに上野の国立博物館のハイライトみたいなもんよ。

260そしてマンガ。

270vナゼかマンガのコーナーに展示してあった本は『ひみつのアッコちゃん』。
イギリス人よ!キミたちにもこの赤塚不二夫の偉大なるクリエイティビティとオリジナリティが理解できるのか!
もうね、赤塚不二夫はジャズ界で言えば完全にオーネット・コールマンだと思ってるから。

280上で紹介したチラシにもあった星野之宣という人の『宗像教授伝奇考』。
もちろん私がこういうのを知っているワケがなくfacebookでお友達にこのオジちゃんが誰かを教えて頂きました。
ああホントだ、火焔型土器が描かれているね。

290vそして鋤田正義のデヴィッド・ボウイの写真。
山本寛斎をフィーチュアしている。

300コレは「出火吐暴威変化鏡(でびっどぼういへんげきょう)」と題された版画。
右下には「いし 上野屋」、左には「彫師 佐藤奈美、摺師 中山誠人」というクレジットが入っている。
「いし」というのは絵師の「石川真澄」のことか。
コレは現代のミュージシャンを木版画で表現する「UKIYO-E PROJECT」という連作のウチのひとつ。他にもKissやIron Maidenをモチーフにした作品があるようだ。
大英博物館の展示品は[26/200」。
イヤ、この2点、ナニが言いたいかと言うと、イギリスにおけるデヴィッド・ボウイの存在の大きさよ。
ホントにイギリスのボウイとピンク・フロイドとロンドン・パンクは我々が知っているそれらとは意味が全く違うから。
ロックではなくて、それぞれが独立した「文化」なんだよ。
死んだ時だけに大騒ぎする日本人とは土壌が全く違うのだ。

310vまた何年かしたらまた訪ねてみようっと!

320(一部敬称略 2019年6月11日 ロンドン大英博物館にて撮影)

2019年9月 4日 (水)

イギリス紀行2019 その9 ~ 引っ越し

 
イギリス滞在14日目。
昨日、家内が先にひとりで日本に帰っちゃったからな~。
あと1週間、寂しぞ~…なんてことをスッカリ忘れさせてくれるような大快晴!
今日は丸1週間滞在した、住み慣れたラッセル・スクエアの「プレジデント・ホテル」を出て、安宿に引っ越す日。
ひとりになるからね。
自分1人だったらマァどんなところでもいいからね。経費の節減だ。
荷物をまとめて比較的早い時間にチェックアウト。
この窓からの景色もコレで見納めだ。
10行き先はキングス・クロス駅の周辺。
ロンドンは主だった通りの角々にこうした地図が掲示してあって実に便利。
チョット「迷ったかな?」なんて時にもこの地図のおかげですぐに軌道修正できる。
もっとも今は「ナビ」っての?
皆さん、スマホ片手にスイスイよ。
街角でこんな地図を見ているのは私とお年寄りぐらいのモノ…あ、私自身がお年寄りだったわ。
とにかくおおまかな方向と目指す場所の通りの名前さえわかっていれば、ロンドンの中心部にいる限りまず迷うことはない。
15問題は荷物。
6月1日にミルトンキーンズで開催されたMarshall Liveが終わって、そこから向こう約10日分の衣料を詰め込んだスースケースを携えてロンドンに移動して来た。
それぐらいの荷物ならワケないんだけど、カメラだのレンズだのパソコンだのを詰め込むと、コレが信じられないぐらいの重量となる。
取り急ぎ必要のないモノはMarshallの本社に置いて来たつもりなんだけど、以前書いた通り「大は小を兼ねる」と特大サイズのスーツケースを持って行っただけになんやかんやとつい詰め込み過ぎてしまうのだ。
そして、ロンドンに来るときは車だったでしょう?
だからそのスーツケースがコレほどまでに重かったとは気づかなかった!…というかナントカなると思い込んでいた。
もちろんスーツケースの底には4つのキャスターが付いているが、果たしてこの重さに耐えられるかどうか…。
キャスターが壊れたら一巻の終わりだ。
こりゃナントカならんかも知れん。
何しろ簡単に持ち上げることすらできない有様なのだ。
これから直線距離にして約500mを歩いて次のホテルに移動する。
大した距離ではないが、コレがツルツルの地面だったら問題ないのだが、ロンドンの歩道は年季が入ってるもんだから、あちこちの石畳やブロックがズレまくっていて、ホーチミンほどではないにせよ、デコボコな箇所や段差がやたらと多いのだ。
そんな悪路でスーツケースのキャスターを壊さないように…と用心深く、そして少しずつ歩いていたらたった500mの道を移動するのに30分以上かかってしまった。

7_rtok何とかたどり着いた所がコレ。
ココにこれから3泊ほどご厄介になる。
ロンドンではそこら中で見かける「ホテル」とは名ばかりのB&B。
30でも、ロケーションは最高!
何しろキングス・クロス駅がすぐそこに見える。

50歩いて1分ぐらいか?

60その隣は当然セント・パンクラス駅。

70「ヨーロピアン・ホテル」と大上段に構えた名前。
実はこの時、ブッキングのミスが発生していて、前の日にチェックインすることになっていた。
それに気づいて数日前に予約をしたウェブサイトを通じてキャンセルを申し入れようとしたのだが、どうにもキャンセルを申し入れるページが探し出せなくて、仕方なくこのホテルのウェブサイトにメールでキャンセルを申し入れた。
返事はなかった。
ちゃんとキャンセルされているかどうか心配しながら、朝9時頃にチェックインすると案の定「昨日チェックインする予定でしたよね?」とコチラの様子を窺って来た。
東ヨーロッパ出身風の頑丈そうなお姉さんだ。
そう来ると思っていたので、打ったキャンセルのメールのスクリーンショットを見せた。
すると彼女は「アラ~、不思議ね。届いてないわ…でも気にしないでいいわよ。キャンセル扱いにしておくから。一日分は請求しないでおくわね」と、事後にもかかわらず気持ちよくキャンセルに応じてくれた。
それどころか、「今朝はもうごはん食べた?よかったら下の食堂で食べって行って!」と親切に朝食を誘ってくれた。
なんたる親切!
こういういいB&Bに当たるとうれしいね。
「アラ?もしかして9時過ぎてる?ゴメンナサイ…朝ごはんは9時までなの!」ということで頂戴することはできなかったが、気持ちがうれしいじゃないの!
コレは後日譚。
日本に帰って送られて来たクレジットカードの請求を見ると、このホテル名義の請求が2件計上されていた。
結局キャンセルされていなかった。
つまり、ホテルはキャンセルしてくれたのだが、間に入っていたホテルの斡旋サイトにキャンセルの通知が届いていないので、そちらからシッカリと請求が来た…というワケ。
まぁ、こうなるとはウスウス思っていたんだけどね。皆さんも気を付けてください。
キャンセルは必ず申し込んだ先にすべし。お姉さんの好意が「無」になってしまった。
 
次は荷物。
こうしたB&Bのようなホテルにはエレベーターなどあるハズがないことはわかっている。
「頼むから1階の部屋であってくれ…」と心の中で祈っていると、お姉さんが部屋の鍵を渡してくれた。
「ハイ、部屋の鍵をどうぞ~!部屋は3階よ!」

80果たしても荷物を上げることができるのか…?
一旦、荷物をレセプションに預けて部屋までのルートを下見してみた。
気分はチョモランマかK2の登頂だ。
コレは持ち上げて上がることは到底できないな…無理してまたヒザをやってしまったら大ごとだ、と思い作戦を立てた。

90vもうコレしかない。
本当に階段のステップ一段ずつスーツケースを上げて行ったのだ。
コレはシンドかったし、時間がかかった。
そのかわりチェックアウトの時は簡単だった。
反対にツルツル~と滑り下ろしてやった!

100v部屋はこんな感じ。
どうせ寝るだけなんだからコレで十分!
この時は必要なかったけど、当然エアコンはなし。
天井に扇風機が付いているだけ。

110v窓の外は…というと、「アーガイル・スクエア」という公園でなかなかの眺め。
遠くに「BTタワー」が見える。

120向かって右が玄関。
左がバスルーム。

120vその真ん中についている電気のスイッチが気になる。
オッソロしく雑な仕事。
よくコレで検収したな。

125バスルームと言ってもバスタブはない。
シャワールームというヤツ。
ちゃんと普通にお湯が出るだけでも相当優秀だ。

130v枕元にあるドア。
なんだと思う?
押し入れだと思うでしょ。

140v枕元にトイレ!
あ~、トイレが近くにあって助かるわ。

150vこういうのは日本のビジネスホテルと変わらない。
Wi-Fiは完備。
コレで朝食がついて1泊7,000円ぐらいかな?
このロケーションなら相当安いでしょう。
物価の高いロンドンではチョコっと朝ごはんを食べても1,000円近くになってしまうことも珍しくないので、「朝食込み」か否かはかなり重要なポイントだ。

160この日は朝食にありつけなかったので近くのPRET。
普通のコーヒーが飲みたいのに、ロンドンでこういう所に入ってメニューを見ると「エスプレッソ」だの「カプチーノ」だのばかり。
「ブレンド」なんてのは日本だけでしょう。
「コーヒー、プリーズ」なんてオーダーしたところで「ハァァァァ?」という反応が返ってくるのはわかりきっている。
じゃ、どうオーダーするのかというと、ココでは「アメリカーノ」という。
「ハハン、そういうことか…」と、滞在中PRETに行くと「アメリカ―ノ」と「リ」を少々巻舌にしてオーダーし、そればかり飲んでいたけど、エスプレッソを薄くしたモノを一般的にそう呼ぶことを後になって知った。
この時もアメリカーノとジャムの入ったクロワッサン。
コレが大きくて実においしい。とにかくパンが美味しいんだよね。
もうコレだけで十分。

170コレは他のPRETの店舗のようす。
「QUEUE」という言葉がうれしい。
「列」という意味ね。
クツがパンでできている。

Img_9015食べ物のコーナー。
安心の無化調。
私は一切食べなかったが、家内によるとデザートもすごく美味しいらしい。
滞在中、彼女はアサイーのヨーグルトに夢中になっていた。

Img_9014そして、コレ。
チョット失礼。
見て、この砂糖の数。
1、2、3、4……今入れているヤツも含めて全部で7つ。
コレ、持って帰るのかと思うと問答無用で全部入れちゃう。
向こうの人ってみんなこうなんだよね。
ウチの社長も事務所でコーヒーを入れてあげると角砂糖にして3個分ぐらいの砂糖を平気で入れちゃう。
お子様か!
紅茶もミルクを盛大に入れるのが当たり前だもんね。

Img_9011PRETを出て発見した地図。
コレがイケなかった。
この地図で「London Canal Museum」というのがすぐ近くにあるのを発見してしまったのだ!

175vこの日はすでに行くところがキマっていて、最高の天気だったのでチョーうれしかった。
通りはユーストン・ロード。
セント・パンクラス駅の向こうは大英図書館。
その向こうはユーストン駅。
Marshallに電車で行く時はその駅を利用する。
つまり、数日後にはそこへ行くんだけど、例のクソ重い荷物が心配だ!

180やっぱり撮っちゃうセント・パンクラス。
これまで一体何枚コイツの写真を撮ったことか…それでも撮っちゃう。
昔はインターナショナル駅化のための工事をズ~っとしていたが、もう何年か前にそれも終了しかなりスッキリした。

185反対側はこんな感じ。
この「FIVE GUYS」って知ってる?
アメリカのハンバーガー屋。

190キングス・クロス駅の構内。
スコットランドへ行く時はこの駅を異利用する。
例のハリーポッターの何番線だかのホームがあるところね。

210駅のコンコースで出くわした映画『ゴジラ』の広告。
今度は「ラドン」やってんのか…。
海外では「ロダン」ね。
フランク・ザッパの子供のひとり「アントロダン」はココから名づけられたんだよね。

200v今日の昼の予定(どこでナニをして来たのかはMarshall Blogの『イギリス-ロック名所』めぐりで後日レポート)は無事終了して大満足。
オマケで朝街頭の地図で見た「London Canal Museum」に行ってみた。
場所はキングス・クロス駅の裏をチョット入ったところ。
その前にお腹が空いたので…

220PRET!
ちょうど博物館に行く途中の曲がり角にあった。

225s

午後になっていたのでスープが並んでいた。
今回はちょっとエスニックな感じのココナッツ風味のチキンと野菜のスープ。美味しかった。
それとハムとチーズのホットサンド。チョットしょっぱいんだけどコレも美味しい。
本日2回目のPRETも美味しく頂きました。
この時はアメリカーノはなし。
PRETって数年前まではキライだったんだけどね~。
ココに頻繁に入る理由は取り扱っている商品の魅力以外にもあってね…それはWi-Fiなんですわ。
私のスマホは海外で使えないのでWi-Fiに頼らざるを得ない。
一度どこかのPRETで登録をしておくと、どこのPRETでも入れば、あるいは店の近くにいけばいつでもWi-Fiが飛んできてくれるので便利なのだ。

230お、標識が出て来たぞ。

240コレがその「London Canal Museum」。
つまり「運河の博物館」。

250私はこのイギリスの運河にとても興味がありましてね~。
5ポンド(700円チョット)なんて喜んで払っちゃう!

260さぁて、一体ナニを見ることができるのかな~?

270館内に足を踏み入れるとこんな感じ。
なかなか良さそうだぞ。
その前にトイレ、トイレ…。

280ココでも発見!
いつかやったヤツ。
ね、「ヒモ」のことを「cord」って呼んでるでしょ?

290さて、早速展示を見て見る…と、何ですかコレ?

300アイスクリーム関連の展示がズラリ。

310コレは昔の冷蔵庫。

320こんなので売り歩いていたって。

330チョットわかりにくいかもしれないけど、コレは氷室。
氷を保管した昔の冷蔵庫だね。
ガバッと穴を掘って再現しているけど…こんなの別に見たくないんですけど…カナルがいいんですけど。

340大丈夫。
カナル関連の展示ももちろんある。
「もし船を作ることができれば、重い荷物を水に浮かべて運ぶことができます」
コレが基本。
日本も同じなんだよね。
昔の日本は織物や生糸、その他の繊維関連が産業の中心だった。
でも、いくら優れた生産体制を確立していても流通の便が悪いとその地域は発展しなかった。
結果、産業が栄えた地域って必ず街道筋か、川が流れている場所にあったんだよね。

350ホントにこのイギリスの運河網ってスゴいんだよね。
それもコレも山がないからでしょう。
日本ではこんな運河網を全国に張り巡らせるなんてことは絶対できないもんね。

370ホンモノの昔のナロウ・ボートももちろん展示されている。

380博物館の裏には実際に稼働しているナロウ・ボートが停泊している。

4002階はすべて運河関連の展示。

410運河を行き交う船の種類の説明や…

420ロック(閘門)の説明。
でも、ほとんど見るところが少ない!
あ~、なんだよ~…入館料を損したとは思わないけど、期待して損した。
私はこの博物館をおススメしません。

430でもイッチョ前にミュージアム・ショップなんてあるんだゼ。
驚いたのはコレ!

440vナント、ナロウ・ボートに関する雑誌ってのがあるんですよ!
以前、Marshallにディックという年配の方がいらっしゃってね、仲間と「Dragonfly」というナロウ・ボートを所有して、それに乗って運河を通ってイギリス各地を巡るをことを楽しんでいた。
私も興味があったので、工場に行くたびに色んな写真を見せてもらったり、話を聞いたりした。
「シゲもいつか乗せてあげるよ!」なんて言ってくれていたけど、だいぶ前にディックも定年で退職してしまった。450ホテルに帰る。
もうコレで夕方なんだけど、前のアーガイル・スクエアは朝の光景とほぼ同じ。
みんなナニやってんだ?

460オイオイオイオイ、ナンカ変なことやってんじゃないだろうな!
この後、またブラリとソーホーまで繰り出したのであった。
ひとりで寂しいからじゃないよ。

470(2019年6月9日 ロンドンにて撮影)

2019年8月28日 (水)

イギリス紀行2019 その8 ~ グッバイ・マイ・ワイフ

 
家内のイギリス滞在最後の日。
滞在日数は10日と、そう極端に短くはなかったのだが、私の「仕事のお手伝い」ということでMarshallから呼ばれていたため、自由に観光する時間がタップリあったワケではなかった。
4年前に生まれて初めてロンドンを訪れた彼女は、一発でその魅力にヤラれてしまい、今回も寸暇の自由時間を有効に使うため下準備をして臨んだ。
しかし、予定通りにいかないのが旅の常。
それでも大事なポイントは抑えたので(主にパブ)マァ、結果はオーライ。
その「大事なポイント」の内のひとつが今日登場する「St. Paul Cathedral(セント・ポール大聖堂)」。
「え、セント・ポール行ってないの?」と嗤われそうだが、4年前の訪問時には時間切れでスキップしてしまったので、今回はその「リベンジ」ということになった。
 
前回、時間切れの他にセント・ポールを飛ばしてしまった理由は「LONDON PASS(ロンドン・パス)」だった。
「LONDON PASS」とは、提携している観光ポイントを好きなだけ無料で訪れることができる「観光定期券」のこと。
イギリスの観光施設は国営であれば無料であるところが多いが、それに該当しない有料の施設は押しなべてアキれるほど入場料が高い。
北鎌倉当たりの名刹と比べると本当に「0」が1個違う。
だからすごくお得。
ただし!…コレは以前にも書いたけど、イギリスの史跡系の観光施設は平日はたいてい5時までしか開いていないし、4時20分までに入場しなければならない…なんていうと、持ち時間にかなりの制限が出て来る。
となると、こっちとしては「ナントカしてLONDON PASSの元を取ってやろう!」と、少しでも数多くのポイントを巡ることに没頭してしまう。
で、行ってみたはものの、ナニも見て来なかった!…なんてことになりかねない。
コレじゃモッタイナイ。
でも、「ダイジェスト覚悟」で観光するにはLONDON PASSは大変にお得。
で、そのLONDON PASSの提携先にセント・ポール大聖堂が入っていなかったのですわ!
つまりLONDON PASSを持っていても、見学するには入館料を大枚払わなければならない。
大人ひとりで3,000円ぐらいだからね。デカいよ。2人で6,000円だもん。
それでパスした。
コレがホントのLONDON PASS…ナンチャッテ!
他に、あのウエストミンスターの観覧車「London Eye」とか「マダムタッソー蝋人形館」とか「コート―ルド美術館(←ココの印象派のコレクションはお金を払ってでも見る価値が十分あります)」とかはLONDON PASSを持っていても無料にはならない。
ということで、今回はLONDON PASSの元を取っている時間もないので、単発でセント・ポール大聖堂に専念することにした。
…と思ったらアータ、今はセント・ポール大聖堂もLONDON PASSで入れるんだってよ!なんだよ。

05テムズ川にかかるミレニアム・ブリッジの上からの遠望。

20v近くで見るとデカい、デカい!

10コレが正面玄関。
後でもう一回出てきます。

40v入館料は£20に上がっていた。
今、メッチャ円高ポンド安だよね~。1ポンドが130円近いもんね。
たった20年ぐらい前は250円あたりだったんだぜ。
今はBREXITの関係もあって特にこの傾向が顕著なんだろうけど、ここ20年でポンドの価値が半分になっちゃった。
昔はレスター・スクエアで買って食べたハーゲンダッツのアイスクリーム一玉が700円ぐらいだったからね。
タバコは1,500円ぐらいだった。でもそれのおかげでタバコを止めることができたんだけどね。
下は入り口に置いてあった日本語のリーフレット。
「置いてあった」というのは過去の話だからで、今回はもう見当たらなかった。
実はコレはかなり前に来た時にもらったモノなの。

50中へ入る。
私は2回目。
でも圧倒されるわ~。

60グズグズと歴史を調べて語ったところで誰もよろこばないだろうから簡単に書くけど、オリジナルは607年に作られたそうですよ…「1607年」じゃないよ。7世紀!
ヴァイキングが焼いて無くなっちゃったんだって。
しょーがねーな、ヴァイキングは!
その後、先代の聖堂が1240年に建てられたが、今度は1666年のロンドン大火で完全消失。
そして、今のセント・ポール大聖堂が1710年に完成した。
1710年っていつごろかと言うと、八代将軍吉宗が「享保の改革」に躍起になっていた頃よ。
同じ年、イギリスでは総選挙があってトーリーが圧勝した…とある。
ゼンゼン違う。

70さて、セント・ポール大聖堂に次の危機が訪れたのは第二次世界大戦の時。
イギリスには地震がまったくないのでそっちの心配はない。
「Blitz(ブリッツ=ドイツ語で稲妻の意味)」と呼ばれたシティ地区を狙った1941年のロンドン大空襲でヤバかったが、チャーチルが「ナニがナンでもセント・ポールだけは守れ!」の掛け声の元、市民がみんなで火災から大聖堂を守ったという。

80コレらの写真はコンパクト・カメラか携帯のカメラで撮ったモノなの。
え、一眼レフを持って行くのを忘れたのか?って?
イヤイヤ、さすがにそれはない。
ライブハウスに置き忘れて帰って来ちゃうことはタマにあっても、持って行くのを忘れることはほとんどない…と言いたいところだが、実際にはないことはない。

90実はですね、ココ、堂内の撮影はNGなんですよ。
それを覚えていたので、ワザとホテルにカメラを置いて来たというワケ。

100v_2ところが、つい最近…どころか、ナントこの6月から一部の箇所を除いて撮影がOKになったんだって!
だからこうして写真がある。
何だよ、先に言えよな~。
だからコレらは撮影が解禁になって1週間後に撮ったモノなの。

110ま、写真を撮りに来ているワケではないのでいいんだけど…。
しかし、この荘厳さはとにかく筆舌しがたいわ。
それぞれの説明については各自ググってください。いくらでも調べられるから。

120ココでは国家レベルの大きな儀式が行われることでも有名ですな。
1806年にはネルソン提督の葬儀が執り行われた。
ネルソン提督はトラファルガー海戦でナポレオンをやっつけた人。トラファルガー広場のあの塔の上にいる人…コレね。

Nt_2 ヴィクトリア女王の即位60周年の式典やその4年後の葬儀もココで執り行われた。
ウィンストン・チャーチル、、マーガレット・サッチャーらのお葬式もココ。
どっちかというと、不祝儀の方が多いのかな?
でも、ダイアナ妃とチャールズ皇太子の結婚式はセント・ポールで開かれた。
ところが、エルトン・ジョンが涙を流したダイアナ妃のお葬式はウエストミンスター寺院で執り行われている。
コレは一体どういう基準でキメるんだろうな~。
130エリザベス女王は25周年(Silver)、50周年(Gold)、60周年(Diamond)の記念式典をすべてココで開いた。
 
ウェストミンスター寺院が「王家の菩提寺」で、それに対してセント・ポール大聖堂は「市民の大聖堂」として古くからロンドン市民に親しまれてきた…という違いがあるのだそうだ。
また、セント・ポール大聖堂はイギリスが関わった大きな戦闘の勝利を祝う式典の場とされてきた。
皆さん、戦争大好きだからね~。
ナニせ、エリザベス1世の統治時代の1588年、スペインの無敵艦隊を駆逐してイギリスを世界の一等国にのし上げることになった「アルマダの海戦」に勝利した時の記念式典もセント・ポール大聖堂で開催したのだそうだ。

140もちろんパイプオルガンも完備。
初代のドイツ製のオルガンは1694年に設置され、その後何度も更新され、現在のオルガンは2008年のモノだそうだ。

150当然ココのオルガニスト(Organista)たるや大変なステイタスなんでしょう。

160vどこの聖堂に行っても何とも言えない雰囲気が漂う「聖職者席」。

180「エドモントンさん」とか「ウィルスデンさん」とか…いわゆるBishopという方々ですな。
どんな見てくれの人がココに座るのかと想像すると興味深い。
きっとアタマは薄目で色白、眼鏡をかけてニコニコしてるんだろうな。
まさか高速道路で「あおり運転」をしそうなルックスではあるまい。
最近、坊主がやってたもんね!アレには驚いたわ。
でも、ものすごく素朴な疑問で恥ずかしいんだけど、キリスト教は「隣人を愛せよ」とか、「右の頬をを叩かれたら左の頬を出しなさい」とか、誠に尊いことを教えているのに、こと宗教だの宗派だのになると平気で戦争までしちゃうでしょ?
この二面性がまったく理解できないんだよな~。

190先に触れたように堂内は写真撮影禁止だったんだけどナゼに解禁しかのか…。
コレ気になるでしょ?
「入館料が高いんだから写真ぐらい撮らせろ!」とクレームが多数寄せられたか?
反対にどうして今まで写真撮影が禁止されていたのか?
観光客が写真を撮るのに夢中になってしまい、ジックリと実物を見ることがおろそかになってしまうから…なんだって。
それは大きなお世話でしょうよ!
他にも理由があって、あまりに沢山の人が写真ばかり撮っているとお互いに邪魔になる…ま、コレはわかる。
そして、一応教会なので神様に敬意を示すためにガチャガチャやらない…コレが一番納得できる。
で結局、どんなに撮影を禁止してもコソコソと写真を撮るヤツが後を絶たないので、「エエイ、もういいや!メンドくせぇ!好きに撮ったらいいやんけ!」と開き直ったらしいんだよ。

200_2どこへ行っても私は写真を撮るのと同時に実物をシッカリと見るように努めているけど、写真ってのは「記憶の記録」なんですよ。
どういうことかというと、子供の写真やビデオなんかがいい例なんだけど、結局最終的にハッキリと覚えていることって、後に写真やビデオで見ていることなんだよね。
他のことは忘れちゃう。
でも、写真を撮った時のことはよく覚えているものなんですよ。
だから周囲に迷惑がかからない限りはルールを守って可能な限り多くの写真を撮っておいた方がいい。しかもデジカメになってフィルム代がかからないんだから。
仕事で行っているので、ライブの写真も多数含まれているけど、今回の3週間の滞在で家内と2人で約16,000枚の写真を撮った。
それでも「あ~!面倒がらずにアレを撮っておけばヨカッタ!」と臍を噛む思いをすることが少なくないのよ。
 
最深部の祭壇。

210やっぱりスゴイ重みですな。
あ~、やっぱりチャンとしたカメラを持ってくればヨカッタ…。
次回はLONDON PASSを買って私がリベンジだな。

220一番奥に展示してあったのは第二次世界大戦で犠牲になった英米の方々の名簿。

230その名簿の台には「このチャペルは第二次世界大戦中犠牲になった英米の方々、特に名簿にあるアメリカ人兵士を追悼するものである。
この石板は、1958年11月26日、リチャード・ミルハウス・ニクソン、アメリカ合衆国副大統領を迎えてHer Majesty Queen Elizabeth II世が除幕した」
コレは対ドイツ、ヨーロッパ戦線での戦死者を対象としているだろうけど、第二次世界大戦がらみということになると、日本が「鬼畜米英(しかも最初は鬼畜英米だった)」とやったように、向こうにしてみれば我々は敵国民ですからね。こうしたモノに出くわすとすごく複雑な気持ちになるんだよね。

240今回はヒザを悪くしていたのでトライしなかっけど、無料でドームのてっぺんまで上がることができる。
エレベーターはなし。すべて人力。
もう最後の方になってくると人1人がやっと通れるぐらいの狭いらせん階段で、渋滞してるわ、ヒザは笑っちゃうわでエライ騒ぎとなる。
でも、一番上まで上がると…

250この絶景!
まだ高層ビルが少ないね。
無理もない…コレは15年近く前に撮った写真なのです。

260今、赤丸のところにいます。

270vテムズ川方面はテート・モダンとグローブ座を眼下に見下ろすよ。

289こっちはウエストミンスター方面の眺め。

290あの荘厳な聖堂の屋根はこうなってる。
案外安普請だな。
ヒザが良くなったらまた上がって来よう!

300v今度は地下。
「Crypt(クリプト)」と呼ばれる納骨スペース。
多分、地下はまだ写真NGなんじゃないかな?
床に墓石が敷き詰められていてその上を歩くんだけど、コレは失礼に当たらないらしい。
『シンドラーのリスト』でユダヤ人の墓石を矯正収容所内の石ダタミの代わりにするシーンがあったでしょ?
我々なんかはあんなのを見るとものすごくイヤな気分になるけど、どうなんだろう?
イギリス人は平気なのかな?
田舎町の古い教会の墓所なんかもそう。墓石が地面に埋まっているのをよく見かける。
 
王家はウエストミンスター寺院に納骨されるようだけど、ココはそれとは異なり、例えばフローレンス・ナイチンゲール。
それからトーマス・エドワード・ロレンス…つまり「アラビアのロレンス」ね。
アレクサンダー・フレミングはペニシリンを発見したイギリスの細菌学者。当然ノーベル賞ゲッター。
箱根の「彫刻の森」でおなじみのヘンリー・ムーア等々、王家以外の偉人とされる人たちが眠っている。
その傍らにはセントポール大聖堂の歴史を綴った展示が施されている。
昔はこんなのなかった。

310この展示でこんなのを見つけた。
1501年、ヘンリー七世の息子でヘンリー八世のお兄さんであるアーサー王子とキャサリン・オブ・アラゴンの結婚式もココで挙げている。
そして、この翌年の1502年、17歳の若さでアーサー王子は亡くなってしまう。
キャサリンは16歳で未亡人となり、アーサーの弟のヘンリーと結婚することになるんだな。
それが「ヘンリー八世の六人の妻」の不幸のはじまり。
興味のある人はコチラをどうぞ  ↓  ↓  ↓
【イギリス-ロック名所めぐり】vol.34~ヘンリー八世と六人の妻 <その2:アラゴンのキャサリン>

ゴメンね、コレ、なかなか続きを書く時間がなくて!

320_2ま、ザっとこんなところなんだけど、もうひとつ「セントポール大聖堂と言えば!」がある。
それは映画『メリー・ポピンズ』。
もうMarshall Blogで何回もやってるけどサ。
下はいつのリバイバル公開だか知らないけど、テアトル東京で上映したんだね。
テアトル東京は銀座一丁目にあったシネラマで上映できる巨大な映画館で、地下にはテアトル銀座という中型の映画館が入っていた。
初めてテアトル東京に入ったのは昭和49年、スティーブ・マックイーンの『パピヨン』の公開時だった。
その翌年、豪雨の日に『七人の侍』を父と一緒に観に行ったのをよく覚えている。超満員だった。

330vf_2『メリーポピンズ』のセント・ポール大聖堂といえばこのシーン。
数多くの名曲が収められているこの名作の中で最もいい曲だと思う。
「Feed the Bird」という曲。

いい曲だと思わない?
歌ってるのがジュリー・アンドリュースだからね~。それを割り引いても素晴らしい曲だ。
このハトのおバアさんがいるのが、この正面玄関。

350v場所は変わってソーホーの「プリンス・エドワード劇場」。
何年か前、私はここで舞台の『メリー・ポピンズ』を観た。

360何しろ半額チケットだったもんで、まぁ、ステージから遠いのなんのって!
下の矢印の辺り…要するに一番後で観た。
もちろんメリーポピンズの顔なんて皆目見当もつきはしなかったが、名曲の数々に大満足!

370コレはその時のプログラム。
確かそう安くはなかったけど、ま、コレも記念と思い出だから!
こういうモノにこそお金をつかわないと。
色々入っていてうれしかった。
380そして、先日のイギリス行きの飛行機の中で途中まで観た『メリー・ポピンズ・リターンズ』。
メリー・ポピンズを演じたエミリー・ブラントがチョット強面だけどステキだったと別の記事に書いた。
その中で「(Underneath the) Lovely London Sky」という曲がすごくいい…と書いたけど、ナンノナンノ!
オリジナルサウンドトラックを聴き込んでいるウチにエミリー・ブラントに声が最高に魅力的であることに気がついた。
ホントに歌っているのかな?吹き替えか?
特に「The Royal Doulton Music Hall」と「A Cover is not the Book」という2曲が果てしなくチャーミングで、最近は毎日何回もコレを聴いて悦に浸っている。
特に後者はオモシロい。
チョット書かせてね。
「チャリング・クロスに住んでいる本の虫(bookworm)のグーテンバーグおじさん」が本の読み方を教えてくれる歌。
尺取り虫って英語で「inchworm(インチ虫)」って言うんだけど、向こうも「本の虫」という表現があるんだネェ。
そして、グーテンバーグおじさんがチャリング・クロスに住んでいる理由がある。
チャリング・クロスは東京で言うと神保町。つまり古本の町なのです。おじさんの「本の虫」ぶりがコレでわかるいうワケ。
私もチャリング・クロス大好き。
タイトルは「表紙は本じゃない」ということから「表紙だけじゃ本の内容はわかりませんよ!」という意味。
「本は手に取って開いてれば思わぬ発見があるよ。行間を読みほどけばその本への第一印象が変わりますよ!」とおじさんが教えてくれる。
本ってそういうものですよ。
だから電磁書籍はダメなんだよ。アレは本ではないから。
「book」、「look」、「crook」という韻がすごく楽しいし、その「行間」を表す「between the lines」と歌うエミリーの声がこの上なく魅力的なのだ。
この「lines」の1拍を聴きたいがために何度も曲を聴いているです。
しかし、人の心を捉えるメロディってのは「半音」をいかにうまく使っているかどうか?ということに尽きるね。
偉大な作曲家は絶対にコレを意識していると思うし、今のバンドの形態をしている連中が演っている音楽はこの部分が完全に欠落しているので、全く心に響くことがない。
あの最近ヒットした酸っぱいヤツなんかもそう。

390vfロンドンのシンボル、やっぱりどんなところから見てもその威容に圧倒される。

410念願のセント・ポール大聖堂の見学も終わって向かったのは「Natural History Museum(大英自然史博物館)」。
2日続けてのサウス・ケンジントンだ。
そうそう、数日前にロンドンに住むイギリス人から聞いたんだけど、サウスケンジントンのジミー・ペイジの家ね、本人がまだ住んでるんだってよ!
興味のある人はコチラ  ↓  ↓  ↓
【イギリス - ロック名所めぐり vol.12】 South Kensington(サウス・ケンジントン)を往く

420V&Aと並んでヴィクトリア女王がロンドン万博の利益で建てた博物館のひとつ。

430vま~、コレも立派な建物でね~。

440メインホールのようす。
もちろん入場料は無料。

450このクジラの骨の下で小さなお友達と待ち合わせなのだ。

455この格好は!…日本からの修学旅行生だよ。
ロンドンへ修学旅行って!
親はどれだけ金がかかるんじゃい?!…と思って調べてみると、そういう学校って結構あったわ。
ロンドンだのパリだの。

460上野の国立博物館のグレードを何段階もアップしたような展示。
子供ダマシのところがひとつもない。
今回はホントに待ち合わせの場所に浸かっただけで展示はほとんど見なかった。
そして、クジラの下で5歳のお友達と無事再会を果たしたのであった。

470この後、天気もヨカッタのでそのまま歩いてハイド・パーク方面へ。
この辺りもステキなのよ。
写真の真ん中に見えてきているのは…

480ロイヤル・アルバート・ホール。
この「アルバート」は当然ヴィクトリア女王のダンナ、「アルバート公」のこと。

490ロイヤル・アルバート・ホールと向かい合うロケーションでハイド・パークの入り口に立っているモニュメントは「Albert Memorial」と呼ばれるアルバート公の記念碑。

500アルバート公に先立たれたヴィクトリア女王が1872年に立った記念碑。
本当に仲がヨカッタんだね~。

520_2そこで登場するのがこの映画、『ヴィクトリア女王 世紀の愛(The Young Victoria)』。
ヴィクトリアとアルバートが結婚するまでの半生が描かれている…完全に期待ハズれでした。
しかし!
ヴィクトリア女王を演じた女優さんが実によくて…そうでなきゃ観ていられんぞ!
と思って、チェックすると…ああ~、やっぱり!
途中で気がついたんだけど、上に挙げた『メリー・ポピンズ・リターンズ』でメリー・ポピンズを演じたエミリー・ブラントなのでした!

510v_2この後、ハイド・パークからラッセルスクエアのホテルに帰って、食事を済ませて家内を送りにヒースローに向かった。
今回3回目のヒースロー。
 
こうして羽田からひとりでヒースローにやって来たのが9日前。

530アッという間におしまい。
もう1週間前のMarshall Liveやカムデンがもう昔のことのよう!
グッバイ・マイ・ワイフ!
気を付けて帰ってよ~。
2人とも大好きなロンドンやブレッチリ―、また一緒に来ましょう!
バイバ~イ!540ひとりになった私はまずオックスフォード・ストリートのPRIMARKで買い物をするために「トッテナム・コートロード」へ向かった。

550考えてみると、この駅を利用したのはことの時が初めてかも知れない。
少なくとも改装してからは初めてのことだ。
こんなにカラフルな装飾がしてあるとは知らなんだ。

560デンマーク・ストリートが近いから楽器の模様なんだな?

570

580

590地上へ出る。
コレで7時ぐらいかな?
この駅舎がある場所にはかつて中国人がやっていた大きなフィッシュ&チップス屋があって、その奥にLondon Astoriaがあった。

600このバンド、「Freebird」演奏中。
その横でオジサン、爆睡!
別の日には「Hotel California」をインストで演奏していた。

610ここ、昔Virgin Mega Storeだったんだよね。
『This is Spinal Tap』のDVDはココで買ったように記憶している。
地下はSound Controlというドデカイ楽器屋だった。
み~んな無くなっちゃった。
今ではPRIMARK。
ま、PRIMARK好きなんだけど…。

620もう洗濯するのが面倒で、下着を買いに来たのはいいんだけど、土曜日ということもあってかスゴイ混みようだった。
レジがいくつもあるのに2台ぐらいしか動かさねえんだよ。
コレ、日本だったら避難ゴーゴーだよ。
それでも、こっちの人って文句すら言わないどころか、イヤな顔ひとつしないんだよね。
私なんかも~イライラしちゃって!
どれぐらい待ったかな?
軽く30分は待たされたよ。

630「そうなのよ、オレとしたことがヘマしちまって!」…何の店だ?
「ヘマ」なんて縁起でもない!

640ブラブラとチャリング・クロス・ロードを歩いてホテルへ向かう。
グーテンバーグおじさんには会わなかった。
ココ、かつてはUFOクラブがあったとこなんだよ。
Pink Floyd、後にSoft Machineがレギュラーで出ていたライブハウスね。

650ホテルの部屋に戻ったのはいいんだけど…寂しい。
この寂寥感はナンなんだ?
今朝まで家内がココにいたのに…今日からひとりぼっちだよ。
信じられないぐらいサビしい~!

660こんなに寂しくなっちゃって、明日からの私はひとりで大丈夫なのだろうか…。
明朝、住み慣れたプレジデント・ホテルに別れを告げてもっと安い宿に引っ越すのだ。

670<つづく>

※次回はMarshall Blogの『イギリス-ロック名所めぐり』からお送りします!

2019年8月16日 (金)

イギリス紀行2019 その7 ~ ヴィクトリアとアルバート <後編>

 
私が大英博物館よりV&Aを好きな理由は前回書いた通り、想像を絶する幅広い展示品の種類によるところが大きい。
加えて、とりわけお気に入りの展示カテゴリーがあって、そこをチェックするのが最高に楽しいのだ。
今回は家内のリクエストで久しぶりに来たのだが、当然そのお目当てのコーナーもチェックするワケで、展示品が数年前とガラリと変わっていてうれしかった。
そのコーナーは「Stage and Performance」といって、かつてはLed Zeppelinの1975年のアールズ・コートの告知ポスターやピート・タウンゼンドが壊したレスポールの実物を展示していたりした。
今回はそれらの展示品は見当たらなかったが、ロック関係の新しいアイテムと映画がらみの興味深い展示品が散見された。
また、エルトン・ジョンが寄付してできたという写真関連の展示室ができていたので、双方併せてMarshall Blogの【イギリス-ロック名所めぐり】で取り上げたいと思う。
 
さてV&A、ココは展示品だけ見て楽しんでいてはモッタイない。
建物や内装の美しさも十分に鑑賞に値するのだ。
コレは中庭のようす。

10_2赤レンガと壁面に多数取り付けられたベージュ色のレリーフのコントラストが美しい。

20_3屋根の向こうで頭を出しているのは正面玄関があるメインの建物。
アッチから入って来た。

30館内のレストラン。
70イギリスで博物館のような設備に行くと、どんなところでも大抵レストラン、あるいはカフェが入っている。
コレはV&Aが世界で最も早くに実施したアイデアなのだそうだ。
私が初めて来た時、このレストラン&カフェ・コーナーは工事中で、中を覗くとボロンボロンの内装が確認できた。
それがこんなにキレイになっちゃって~!

50v_2家内がV&Aを訪れたがった理由のひとつはこのレストラン&カフェだった。
ま、レストランといっても丸亀製麺みたいなヤツで、メインディッシュやらサンドイッチ、スープやらデザート等々、好きなモノを自分のトレイに乗せて列に並んで最後に支払うシステム。
こういうところにしては値段もそう高くはないのでだが、何しろスゴイ混雑ぶり!

60この写真だけ見てるとそうでもないようだけど、このレストランに入れない人がゴマンと廊下のテーブルで食事をしている。
もうその席を取るだけでも至難のワザなのよ。

40_2…と、すぐ隣の部屋に目をやると…なんだスキスキじゃん?
でも、入り口には係りの人ガ立っているし、「おかしいな」と思ってその係りの人に訊いてみると、この部屋は席料を取るんだってサ。
バカバカしいからヤメた。
家内が事前にサウス・ケンジントンにおいしいエール・パイの店があるということを調べておいてくれたので、博物館をひと通り見たらそっちに行くことにした。

7_img_8112レストランだけでなく、館内の内装はどこもかしこもホレボレするような美しさだ。

310
120vコレは部屋自体が展示品だからスゴくて当然。

100こういう立派な設備は天井をよく見ないと損をする。
155

150_2ココは舞台や映画の喜劇のコーナー。
天井が金管楽器の模様になっている。

156上だけでなく、床面のタイルを見て歩くのも楽しい。

110v

160_2

170vまぁ、とにかくどこも立派で美しく、見ていて全く飽きることがないのよ。

140_2

130渡り廊下でコレだからね。

190_2表の看板にあったジュエリー類の展示。

200_2

210

220_2

230_2

240_2ココはやっぱり人気があったね。

250_2さて、最後に…我々、日本に関する展示はどうなっているか…。
当然仏教関係のアイテムが来るわね。

260_2コレを見た瞬間に頭に浮かんだのは…

270渡辺明永世竜王&棋聖。

280v_2ココも結構展示が変わったね。
でも相変わらず武具甲冑は人気らしい。

290v刀も人気の的。

300_2鍔だけでこうだからね。
よくこういうのをかき集めて持って行ったイギリス人がいたよな~。
大変にお目が高いと思う。

310_2こういうアイテムはキチンと交易をしてイギリスに渡って来たモノらしいが、マァ、昔の日本人は相当ダマされてるだろうけどね。
今の対アメリカと同じだよ。

320それと印籠!

330ココは印籠のコレクションがスゴイな。
ものすごく精巧にできているので欲しくなっちゃうんだろうね。

340_3髪飾りのコレクション
櫛、笄(こうがい:まんなかの横になっている棒)、簪。
鼈甲に漆に蒔絵細工…日本のモノは重厚で、品があって、本当に素晴らしい!

350_3それとこの根付。
昔、着物にはポケットが付いていなかったため、煙草入れや印籠にヒモをつけて、そのヒモを帯に挟んだ。
それだけだとすぐに落ちてしまうので反対側にこの根付をくっつけて帯から落ちないようにした。

360_2コレなんかスゴイでしょ。象牙。
こんなものにまで「美」を追求してしまう日本人がうれしい。
根付は洋装化が進むにつれて不要となり、ジャンジャン海外へ持ち出されてしまった。
海外では今でもコレクターが多く、海外向けに作っているという話を聞いたこともある。

370v蒔絵。
このテクニックも日本独特のモノ。
映画『赤ひげ』で藤原鎌足が演ずる六助という憐れな死に方をする老人が「かつては腕のいい蒔絵師」だった。
で、蒔絵細工を見ると、必ずこの時の臨終を演じた鎌足の顔を思い出しちゃうんだよね。

380_2こっちは葵の御紋だ。
丸を小さい丸8つで囲んでいるのは「九曜(くよう)」と言って多くの武家の家紋に使用されているようだ。

390ま、「三つ葉葵」と言っても「徳川」とは限らない。
例えば、下の左は徳川。右は会津だったりするんだよね。葉脈のデザインがゼンゼン違う。
でも写真のは徳川かな?


Tokusen_1

Aidu2 能面も欠かせない。

400さて、オモシロかったのはコレ。
広重『東海道五十三次』の「保土ヶ谷新町橋」。
この絵に描かれている川は今でもある帷子川(かたびらがわ)。
橋は帷子橋というらしい。
構図としては、現在の相鉄線天王町駅付近から西久保町の山並に向かって、右手は現在の保土ヶ谷駅方面。左手は現在の西横浜方面と分析できるらしい。
今ならすぐ目の前が「こころ」というトンカツ屋か?
あ、確かにこのトンカツ屋の前の通りは旧東海道だわ!
ココ、家内の実家のすぐそばなの!
地球の裏側まで来て近所を描いた浮世絵を発見するなんてうれしいじゃない?410_2何度も書くけど、生麦事件のあった1862年9月14日、薩摩藩島津久光の一行は保土ヶ谷宿で投宿した。
保土ヶ谷宿の本陣は家内の本家。
「本陣」というのは、各宿場に設けられた大名や旗本等、エライ人たち専用のホテルのことね。
そして、当時の薩摩藩主は島津茂久。
4年前に死んだ私の父の名前は「茂久」。
薩摩藩士に斬殺されたイギリス人が行動を共にしていた横浜在住の生糸商人の名前をウィリアム・マーシャルといった。
吉村昭の『生麦事件』を読んでこの奇妙な符合を知った時は結構トリハダが立ったけどね。

Nj_3 元神奈川県知事の松沢成大の『生麦事件の暗号』という本を読むと、事件発生の日、薩摩藩一行は予定を変更して横浜宿を過ぎ、ひとつ先の宿場である保土ヶ谷宿まで行ったらしい。
偶然度アップ!
ただし、島津久光は安全を担保するために本陣に泊まらなかったらしい。
一番偉い人は本陣に泊まることがわかっているからね。

Na そんなだから、当然生麦事件の発生現場にも行って来た。
コレを設置したのは「生麦事件参考館」という民間の資料館で、見学したかったんだけどいつ開館しているかがわからない。
家内が電話で確認してくれたんだけど、応対してくださったお婆ちゃんが最早「エ、アンだって?そうだよ、アタシが神様だよ」状態でほぼコミュニケーション不可。
またいつか行ってみたいと思っている。

7_img_0355こんなとところで事件は起きたんだよ。

7_img_0345しかし、77万石の大藩、薩摩藩の大名行列たるや立派だったろうね。
1,800人がココを練り歩いたワケだから。
鹿児島までの1,700kmの行き来は片道2ヶ月かかったらしい。
でも、ずっとテクテク歩いていたワケではなくて、大阪から向こうは船を多用したらしい。
ま、それでも1,800人もの大パーティが大阪まで東海道か中山道で行ったんだからね。

7_img_0349 「中山道」といえば、この本オモシロいよ。
定年を迎えた夫婦が東京から京都まで中山道を踏破した記録。
お父さんが美術の先生なのかな?すごく写真がウマくて、差し挟まれる絵がとてもよろしい。
ウチは私が今回ヒザをやってしまったので長距離を歩くことはムズかしいので、いつか「ローマ人が歩いた道をたどるイギリスめぐり」を車でやってみるか?

Ff_2 生麦からサウス・ケンジントンに戻って…。
私はコレ。
渓斎英泉(けいさいえいせん)という江戸時代後期に活躍した浮世絵師の作品。
コレがV&Aに飾ってあった。
豪奢な髪飾りと前締めの帯、ひと目で禿(かむろ)を連れた花魁だとわかる。
角町の大黒屋の雛扇という花魁のようだ。
春なんだろうネェ。
仲之町通りに移植された桜が咲き誇っているところか。

420vコレが今でもある角町の大黒屋。
かつては女郎屋だったのか?
今はタバコ屋になっているが、以前は花魁が履く高下駄を作っていた。
看板を見ると現在も「履物屋」ということにはなっているようだ。
実際に店の中を覗くと、ガラス戸の棚に三枚歯の高下駄が飾ってある。
上の保土ヶ谷同様、こうして思いもよらないところで自分がよく知っている事物に出会うのはとても不思議な感じがするね。

430_2それとコレ!
高校の時、コレが出て来た日にゃ驚いたネ~。
コレぐらいで止めておけばヨカッタのにネ~。
440やっぱり日本コーナーはグ~!

450こうしてV&A見学を終了。
朝のウチは天気も悪かったのでユックリ見ようと…どうでしょう…カレコレ5、6時間はいたかな?
ところが、まだまだナニも見ていないに等しい。
もっとジックリ見れたらいいんだけどね、時間がいくらあっても足りない。
でも、同じ時間を使うなら私は大英博物館よりV&Aの方がオモシロいと思う。
後日、「V&A <エンターテインメント編>」をMarshall Blogでやりますのでお楽しみに!

460お腹も空いたので、例のエール・パイのお店へ行くことにしたのだが、ま、折角ココまで来たので少しだけハロッズを覗いてみることにした。
工事中でこんなことになっていた。
今回、ホントにどこもかしこも工事だらけだったよ。
まさかオリンピックでもやるのか?

470ハロッズってデイバッグを背負うのが禁止されていて、手で持たなきゃならないのが厄介なのよ。
それに見たところで欲しいモノがあるわけでなし…。
人出もスゴい。

480お土産でも探してみるか…ということでに地下のハロッズ・グッズ・コーナーだけ見てみた。

490地下一階は全部ハロッズ・グッズ。
調子に乗ってやがんな~。
でも日本で買うより全然安いらしい。
はい、チャッチャとハロッズ終了。
ナニも買わず。

500お盆のチョット前にNATALの配達をしに新宿まで行ったんだけど、道路は信じられない位の大混雑だった。
毎日車に乗っているワケではないんだけど、あんなに混んでいたのは珍しい。
東京の渋滞は昔に比べると格段に改善されたもんね。
ところがロンドンはさにあらず。
下の標識を見て。
 
まず向かって右の「Congestion Charging ZONE」というのは「渋滞税(Congestion Charge)が課されるゾーンでっせ」ということ。
つまり、渋滞と大気汚染を緩和するために、平日の朝7時から夕方6時までにロンドンの中心部に乗り入れる車両には1日11.50ポンド(今なら1,600円ぐらい)の「渋滞税」が課されちゃう。
現在のところCO2の排気量が少ない車両やハイブリッド・カー、電気自動車は渋滞税を免除されているが、2025年12月からは問答無用ですべての自動車が渋滞税を払うことになるんだって。
「エエ~!そんなの支払っているかどうかなんて、どうやって監視するの?」と思うでしょ?
コレね、ロンドンに入って来る必要のある車両は、事前にしかるべき機関に税金を支払って車のナンバーを登録してもらう。
で、登録されていないナンバーの車両はこのゾーン内に設置されている監視カメラでチェックされちゃう。ま、あの黄色いナンバー・プレートに何がしかの仕組みが施されているのかもしれない。
そして、チェックされた車のドライバーは当日の24時までに渋滞税を納めないと追徴金2ポンドが加算される。
さらに翌日の24時までにまた支払わないと最大187ポンド(今なら25,000円ぐらい)の罰金が請求される。コレはかなり厳しい。
 

一方、左側の「Ultra Low Emission ZONE」は「超低排出ゾーン規制(ULEZ)」といって、2007年以前に作られたバイク、2006年以前に作られた一般ガソリン車、2015年以前に作られたディーゼル車がこのゾーンに入る場合、1日12.50ポンド(今なら1,700円チョット)、バスやタンクローリーなどの大型車両には1日100ポンド(今なら13,800円ぐらい)が課税されちゃう。
すごいね~、もはやジョージ・ハリスンの「Taxman」より厳しいじゃん?
 
ここはハロッズのすぐ近く、すなわちロンドンの中心部なんだけど、こうして2つのゾーンが重なっているところに、当該する古い車両が昼間にこのエリアを通行するとなると、どうなるか?
片方だけ払えばいいのではなく、両方の料金を払わなくてはならない。
ウィークデイの日中、ただこのエリアに乗り入れるだけで4,000円も覚悟しなければならないのだ。

510さて、目的のおいしいエール・パイを出すパブに向かったんだけどどうも場所がわからない。
フルハム・ロードをほっつき歩いていたらこんなカッコいいビルを発見!
年配の人には「フルハム・ロード」なんてなつかしいでしょ?あの事件、一時は朝から晩までやってたもんね。

520まるでウーリッツァーのようなアールデコ調のこの建物は看板にあるように「Michellin House」と呼ばれるミシュランのイギリス本社。
1911年のオープンだそう。
ホントは中を覗きたかったんだけど、まずはエール・パイということでパス。

7_img_9447 ようやく発見!
「Bumpkin」というお店。
時間は4時ほんのチョットすぎ…さっそく中に入ると客がひとりもおらず、イヤな予感。
ようすを訪ねると、5分前に食事は終わって、夜にならないと再会しないという。
飲み物はOK。
結構暑かったし、ヒザも休めたかったので、休憩がてらビターのイッパイも飲んで行こうかと思ったのだが、カウンターを見るとハンド・パンプがなかったので止めておいた。

530v「I only love my bed and my momma I'm sorry」って、すごく目に付いたので勝手に写真を撮らせてもらっちゃったんだけど、コレはナニ?
調べてみるとDrakeというヒップホップの人の「God's Plan」という曲の一節だった。
だから私には関係なかったわ。

540vお腹すいちゃってサ~。
おいしいパスタでも食べたかったんだけど、あたりにはチェーン店の「Balla Italia」しかないし、ピザはヤダし、と、通りかかったのがこのフランス菓子店。
メレンゲとパンのお店。
なんか猛烈においしそうだったので入ってみた。
550お店に入って「ハァイ」と挨拶したんだけど、若い男の店員が「ボンジュール」と言ってくるので私も「ボンジュール」と言い返してみた。
するとその若い店員はニコリともせず、エライ恥ずかしかったわ。
ホラこれが例のやつ。
持って帰れば1.80ポンド、ココで食べていくと2.20ポンド。55円ぐらいの差が出るので決してバカにはできない。
軽減税率って日本で騒いでいるでしょ?
あれ、チャンチャラおかしくて…。
イギリスはVATという消費税が20%で一般的な買い物をするに当たっては決して低い税率ではない。
でも、少なくとも日本よりは福祉システムがシッカリしている。
それに全部が全部20%課税させるわけじゃないからね。
庶民の生活に必要であればあるほど、率が低く設定されている。
ココですよ。
例えば高齢者の水道光熱費は5%だったりするし、国民の知性を向上させる書籍なんかは税金がかからない。
その最たるものは食料品。
食料品は無税だ。
だから日本で「軽減税率8%を導入します」なんてのはチャンチャラおかしいワケ。
日本の民衆はもっともっと世界や社会のことを勉強すべき。
何も知らないし、知らされていない。

560メレンゲを家内と1つずつ買ってみた。
お腹が空いていたのと、疲れていたせいか、筆舌しがたいおいしさだった。
これならまだ5個は楽勝でイケるわ。

570ついてにぶどうパンも買ってみた。
コレもヤケクソにおいしかった。
パンのおいしさもさることながら、レーズンの分量が絶妙なんだな。
袋もかわいい。

580v駅前のランボルギーニ、イヤ、イギリス式に言えばランボッギーニの代理店。
やっぱりお金持ちが多いんだな、この辺は。

590はい、サウス・ケンジントンの駅に戻って来ました。
博物館とは反対側だ。

610地下鉄の注意書き。
「暑い時には水を持って歩いてください」って。
ロンドンの地下鉄はホームも電車もやたらと暑いからね。
「具合の悪い人が電車を降りるのを手伝ってあげてください。後は我々がホームで適切なケアをします」
オモシロいと思ったのは下のヤツ。
「もし具合が悪くなってしまったら、頼んでイスを譲ってもらってください」
コレ、日本だったら間違いなく「もし具合の悪い乗客を見つけたら席を譲ってあげてください」でしょう?
やっぱりまずは「自分」が先に来る…ということか?

620v (2019年6月7日 サウス・ケンジントンにて撮影)

2019年8月15日 (木)

イギリス紀行2019 その6 ~ ヴィクトリアとアルバート <前編>

 
今日はサウス・ケンジントンに来た。
サウス・ケンジントンはロンドンの中でもスイス・コテージ辺りと並ぶ最も高級なエリアなのだそうだ。
ジミー・ペイジの家もこのエリアにあることはMarshall Blogで紹介した。
 
ジミー・ペイジの家はコチラ⇒【イギリス - ロック名所めぐり vol.12】 South Kensington(サウス・ケンジントン)を往く

10ホラ、左の広告のキャッチ・コピーを見て。
「Change, for the better」って。
どこかで聞いたことがあるでしょう?
そう、三菱電機が使っているコピー。
コッチはニューヨークに本校を構える「Flatiron School(フラットアイアン・スクール)」というIT関連の学校。
「フラットアイアン」というから、本校は五番街とブロードウェイの交差点にある「フラットアイアン・ビルディング」のそばにあるのかと思ったらバッテリー・パーク(マンハッタン島の南端)の近くだった。
このグルリと描かれた青い2本のストライプには何の意味があるんだろう?

20コレは別の日に撮った写真なんだけど、このサウス・ケンジントン駅はいつも学生さんで賑わっている。

30vというのもコレ。
サウス・ケンジントンはニューヨークの59丁目以北の五番街、通称「Museum Mile(ミュージアム・マイル)」のように博物館がズラリと並ぶ「博物館銀座」なのだ。
ニューヨークの方はどちらかと言うとメトロポリタンやらグッゲンハイムやらの美術館銀座だが、ココはバッチリと博物館が並んでいる。
この案内板にあるように、博物館群の反対側に向かえばハイド・パークの向かいのロイヤル・アルバート・ホールに出る。
あの辺りもとてもステキな町並みだ。

40博物館へ向かう地下道。

50通路の広告。
こういうのを見ながら歩くのがまた楽しい。
チョット前にMarshall Blogで紹介したアンドリュー・ロイド・ウェバーの『Joseph and the Amazing Technicolor Dreamcoat』

60vおなじみ『スクール・オブ・ロック』のミュージカル。
コレもアンドリュー・ロイド・ウェバーなんだねェ。
初演は2015年12月、ブロードウェイのウインター・ガーデン・シアター。
ウインター・ガーデンは18年間にわたり、7,500回以上『Cats』を上演した劇場。
その7,500回のウチ、私は2回ほどそれを観た。
反対にこの『スクール・オブ・ロック』が上演されるコヴェント・ガーデンの「Gillian Lynne Theatre(ギリアン・リン・シアター)」は1981年5月に『Cats』のプレミアが開かれた場所で、以前の名前を「New London Theatre」といい、1965年まで同じ場所には「Winter Garden Theatre(ウインター・ガーデン・シアター)」があったというのだからややこしい。
そして、2018年5月…というのだから最近のことだが、アンドリュー・ロイド・ウェバーの提唱により現在の「ギリアン・リン・シアター」という名称に変更した。
イギリスの劇場の多くは、長い歴史を持っていて、ウエスト・エンドには「Pince of Wales Theatre」とか「Her Royal Majesty Theatre」とか王室のメンバーの名前を冠した劇場が少なくないのだが、「ギリアン・リン・シアター」は、史上初の王室以外の女性の名前を冠した劇場となった。
デイム・ギリアン・リンはバレリーナであり、ダンサーであり、女優であり、そしてコレオグラファーだった人で、ウェバーの2大代表作『Cats』や『オペラ座の怪人』の振り付けを担当した。
王室メンバー以外の男性の名前がついた劇場は「ジョン・ギールグッド劇場」とか「ステファン・ソンドハイム劇場」とかがあるね。
ジョン・ギールグッドは中学1年の時に見たのはオリジナルの方の『オリエント急行殺人事件』だった。
根っからのシェイクスピア俳優で、ローレンス・オリビエやマーロン・ブランドがその門下生というのだからスゴイ。
そして、ステファン・ソンドハイムはこの記事の2回前の『スウィーニー・トッド』のところで出て来たばかり。
『ウエストサイド物語』の作詞をした人ね。
ところで、この『スクール・オブ・ロック』ね、聴いてみたけど…あの名曲揃いの『Cats』や『サンセット大通り』のウェバーはどこへ行ってしまったの?…という感じだった。

70vコレはこれから向かう「V&A」で開催中の「Mary Quant展」。

80v地上に出る。
コレはお隣の「Natural History Museum(ロンドン自然史博物館)」。
ここもいつもスゴイ人で賑わっている。
世界でもトップのコレ系の博物館だからね。
ま、上野の科学博物館なんか恥ずかしくてロンドンの人たちにはまず見せられない。

90vロンドンにはこうしたシンボルの赤い電話ボックスがまだたくさん残っている。
最近は使われているのを見ないけど…。
ほとんど広告塔だな。
コレは市内観光ツアーの広告。

100vコレが「Victoria and Albert Museum(ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館)」。
通称「V&A」…向こうの人は「ヴィアネイ」なんて発音してるね。

110「ヴィクトリア」とは言わずと知れた「ヴィクトリア女王」のこと。
現在のエリザベス女王がその記録を抜き去るまで、もっとも長期間にわたって君主に就き、大英帝国の繁栄を謳歌した女王。
「アルバート公」はそのご主人。
この2人、と~っても仲良しだった。
V&Aは、1851年にハイドパークで開催された世界で初めての「万博」、「ロンドン万国博覧会」から得た莫大な利益で造られた施設のひとつ。
並びにあるさっきの「ロンドン自然史博物館」と「科学博物館」も同様。
次にロンドンで開催された万博は1862年のことで、日本もコレに参加。
「Exhibition」に「博覧会」という訳語を充てたのは参加者のひとりであった福沢諭吉だそうだ。

120どこの博物館でも人気の宝石の展示もある。

125さっそく中に入る。
入場料は無料。
もう何回来たかわからない。
でも何回来てもオモシロい。
今回来たのは、4年前にココを見逃した家内の強力なリクエストによる。

130vエントランス・ホールの天井。
もうカッコいい。

140その壁面には向かい合ったヴィクトリア女王とアルバート公のレリーフ。

150V&Aは工芸品の博物館。
人間の作ったありとあらゆるものが展示されている。

160そういう意味ではエジプトとミイラだらけの大英博物館よりオモシロい。

170「神具」っていうのかな?
こういうモノの展示の厚みはすさまじいよね。

180マッパで失礼!
ココはキャスト(鋳造)ものの展示コーナー。
彫刻ではない。

185思わず「エっ?」と驚くほど巨大なモニュメント。

190中は空洞です。
ま、鋳物だからね。

200突然だけどCONCERTO MOONの最新作『Ouroboros』。

Co ホラ。

210vCONCERTO MOONはかつてのアルバムのジャケットにもこの十字架を登場させているね。
コレは「ケルティック十字(Celtic Cross)」と言って、アイルランド人にキリスト教を普及する際に考案された。命の源である「太陽」のシンボルの「円」と十字架を組み合わせてあるのだそうだ。

Fsタペストリーのコレクション。

220この「ユニコーンと千花模様」という1500年のオランダの作品は有名だ。

230展示の点数は多くないが楽器も展示されている。

240残念ながら「楽器」という展示のカテゴリーはない(あるのかな?)。
あってもこのように、飽くまでも民族固有の工芸品としての展示。
コレはインド・エリアの楽器。
245コレも同じくインド関連の展示品。
「ティプーの虎」と呼ばれる18世紀に作られた「オートマタ」の楽器。
「オートマタ」というのは日本で言う「からくり人形」のこと。
コレ、V&Aの展示品の中でも最も人気の高いアイテムなんよ。

7_img_806218世紀の中頃、南インドにマイソールという王国があって、そこの王様をティプー・スルタンといった。
ティプー・スルタンは、カンナダ語で「ಟಿಪ್ಪು ಸುಲ್ತಾನ್」、テルグ語で「టిప్పు సుల్తాన్」、タミル語では「திப்பு சுல்தான்」、ではマラヤーラム語でどう書くかというと「ടിപ്പു സുൽത്താൻ」となる…知らんがな。
東京でよく「スルタン」というインド料理屋を見かけるけど、この人のことなんだね。
この人はインドを植民地にするべく攻め入ってきたイギリスの連中と徹底的に交戦して「マイソールの虎」として恐れられた。
ところが、イギリス軍はマイソール軍が午後1時になると休憩をするという情報をキャッチし、それを見計らって一気に砦に攻め入り2時間で制圧したというんだな。
インドは暑いから休憩しなきゃやってられないんだろうね。
そして、マイソール王国の財宝から出て来たのがこの「ティプーの虎」だった。

7_0r4a0756 オートマタとしては、虎が人間のノドに噛みつき、人間は悲痛なうめき声をあげるらしい。
当然この虎はティプー・スルタンで、食いつかれているのはイギリス兵だ。
残念ながら第二次世界大戦中にドイツのバカどもがV&Aに爆弾を落とした時、屋根が「ティプーの虎」の上に崩れ落ち粉々になってしまった。
現在展示されているのはその破片をつなぎ合わせたモノで完全には動かないのだそう。

楽器としては、いわゆる「手風琴」というヤツ。
虎の前足の上にあるハンドルを回して風邪を送る仕組み。
こんな動画を見つけたので興味のある人はどうぞ。
   ↓   ↓   ↓
「ティプーの虎を弾く」

290中近東のコーナーも見応え十分。

250見事なペルシャの絨毯。

260イスラミック・アートってのも素晴らしく美しいよね。

270vイスラムのカリグラフィ。
いいね~、サッパリわからんけど。
他にも刀剣のコレクションなんかも圧巻だ。

280コレは中国。

300「博物館」と言っても美術品の数も膨大で「美術館」と言っても何ら差支えがない。320v絵画の他に彫刻も展示も充実。
こんな「あ、ちょっとヤメて!」像なんかホンモノはスゴイ迫力よ。

330vしかも、チャンとこうやって掃除をしてる。

340v先にも触れたけど、こうした神具の展示には圧倒されること間違いなし。

340

350_2当然ステンド・グラスもたくさん。

360

370衣装の展示なんかも大変に興味深い。

380どうすんの、こんなコルセット!
昔の人は大変だったろうナァ。

390vコレは欲しいぞ!
大好きな「WALKERS」のバッグだもん!

395vマリー・クワント展も…

410同時期に開催していたディオール展も大盛況のようすだった。

7_0r4a0783 博物館って知らない間に結構歩いている上に立ちっ放しだからすごく疲れるんだよね。
イギリスの博物館とか美術館ってそこら中にイスが置いてあるのがすごくありがたい。
でも、一回座っちゃうともう動くのイヤになっちゃうんだけどね。

430V&Aで集めて来たフライヤー(っていうのかな)。
ま、ウチでは「資料」と称していますが、他人から見ればゴミ同然でしょう。
でも、私はこういうモノが好きなのです。
ナゼかというと、そもそも記念になるし、こういうどうでもいいようなモノって後で絶対に手に入れることができないから。
特にココのフライヤーは厚紙でできているのでチョットうれしいんだな。
話は<後編>続きますが、<後編>の方がオモシロいです。

420<後編>に続く
 
(2019年6月7日 Victoria & Albert Museumにて撮影)

2019年8月14日 (水)

イギリス紀行2019 その5 ~ パブがスキ!<後編>

  
本日のパブ・クロウリング(Pub Crawling)、銀行の次はホルボーン駅の近くの「Princess Louise(プリンセス・ルイーズ)」というお店。
ココがまたスゴかった!
「High Holborn Street(ハイ・ホルボーン通り)」という大通りに面しているせいか外で飲んでいる人が少ない…。
お客さんが車道にドバ―っと溢れ出ているソーホーあたりにあるパブとは様子が違う。

290…と思ったら「絶対に外で飲まないでね」という注意書きがドアに付いていた。
「すいませ~ん!外で飲んでる人が何人かいますよ~!」と言いつけようかと思ったけどヤメておいた。
370_2イヤ~、中に入ってビックリ!

300_2宮殿の装飾のように決して豪華というワケではないのだが、「なんでも鑑定団」に出したらどれも高額査定がゲットできそうな骨董的雰囲気満点の内装なの。
380_2それもそのハズ、「Princess Louise」は1872年の創業で、当時のヴィクトリア王朝時代のインテリアがそのまま残っているのだそう。
「Princess Louise」というのはヴィクトリア女王とアルバート公(V&A)の四女のお名前。320_2このお店の特徴はその見事な内装の他に、このガラスの壁で仕切られた個室スタイル。
残念ながらどこも満席で入れなかった。
このガラスのことを「Snob Glass(スノッブ・グラス)」といって、ヴィクトリア朝時代に作られたパブに見られる特徴なのだそうだ。
このスノッブ・グラスで店内の席を仕切るワケだが、ナンのためだと思う?
そこはさすがイギリス、中産階級と労働者階級を差別するためなんだって。
今はそんなことしてないよ、もちろん。

310_2この各小部屋のことを「Island(島)」と呼ぶようで、店員は島ごとにお客さんの対応をしている。
見方によっては回転ずしのファミリー席のようだ。

330ココは「Samuel Smith(サミュエル・スミス)」というビール会社のタイド・ハウス。
このサミュエル・スミス系列の店はあまり見かけないような気がする。

340_3どこへ行ってもGreene King系列ばっかりでさ。
だからこういう見たことがないラベルに出くわすとすごくワクワクする。
でもラガー・ビールは飲まないぜ。

355いつでも、どこでもコレ…まずはビターね。

350_3おいしかった。
私はそれほど酒に強いワケではないが、こうしておいしいエールにありついた時は、ホントにアルコールを受け付けることができる体質でヨカッタと思う。

360常連さんなのかナァ。
雰囲気もとってもいいのよ。
チョット、お手洗いへ行ってこう。

356トイレは地下。
しかし、どこもかしこも貫禄があって素晴らしい。
この暖炉もナント立派なことか!
この右手が地下へ降りる階段。

12img_9392そこの壁に付いていた注意書き。
ご注意 引ったくり、スリがこのあたりで仕事をしています。当店では被害の責任は持ちません。十分にご注意願います」
この「vigilant」という表現が気に入った。
もちろんウディ・ガスリーの「Vigilante Man」つながりね。
ま、私はガスリーでもライ・クーダーでもなくNazarethなんだけどね。

Img_9393階段の装飾も立派!

390_2チョット失礼。
トイレはこんな感じ。
なかなかいいな…と思ってタマタマ写真を撮っておいたんだけど、このトイレの装飾は有名らしい。

12img_9390下はトイレの壁に貼ってあった『Shit-Faced Shakespeare』という劇団のポスター。
「shit-faced」についてはMarshall Blogに書いたことがあるので興味のある方はご一読願いたい。
「ベロンベロン」という意味ね。
 
コチラ⇒ 【Marshall Blog】私のフランクフルト <vol.5:スピンオフ~後編>
 
ちなみに昨日タマタマイギリス人と一杯やる機会があったんだけど、「shit-faced」という言葉を使っていたわ。
で、「The Taming of the Shrew」というのはシェイクピアの喜劇の代表作「じゃじゃ馬ならし」のこと。
最初「Shit-Faced Shakespeare」という題名の劇かと思ったらさにあらずで、他にも「マクベス」だの「ロミオ&ジュリエット」だのがあって、要するにシェイクスピアの戯曲をパロディで演じる劇団の名前だったのね。
YouTubeに予告編が上がっていたのでチョット見てみたんだけど、解説のお姉さんまでシャンパンを飲んで酔っ払っちゃう。
このシャンパンがナゼかイタリアの「Prosecco」という銘柄指定。
何かシェイクスピアと関係があるのかな?それともただのスポンサーか?
しかし、どういう人が観に行くんだろうな。
シェイクスピアのオリジナルを知っていなければ楽しめないでしょうに。
それとも、老若男女を問わず楽しめるほど、今でもシェイクスピア作品がイギリス国民にシッカリと浸透しているのだろうか?

400v_2今回ロンドンの街を歩くのは4年ぶりだったんだけど、日本料理のお店が爆発的に増えていて驚いた。

410v_3またMarshall Blogでも触れることになるけど、何でも九州ラーメンがブームとかで、その他にも寿司屋、居酒屋、お好み焼き屋、シャフツベリー・アベニューには甘味処まであって笑ったわ。

420v_2ココなんか日本酒がズラリ。
デビッド・ボウイの『Ziggy Stardust』のジャケットを撮ったへドン・ストリートなんか七輪を出して何かを焼いて食べさせる店まであったからね。
でも、そんなの関係ねぇ!
私は数回前の渡英から、イギリスに来ても絶対に日本料理の店には入らないようにしているのだ(中華はOK)。

430_3ということで、この日の晩はホテルの近くの中華。
店員さんが「ありあとござます」とか言っていたところを見ると多くの日本人が訪れるのだろう。
470_3ハイ、炭水化物祭り!

480欧米の中華料理店ってスープに浸かっている麺類を扱っていない店が結構あるんだよね。
ココもそうだった。
ラーメンの類はなくて、焼きソバかビーフン。
私は焼きソバを好んで食べる方ではなくて、自主的にオーダーするのは、ホントにタマ~に「珍来」でソース焼きソバを食べる時ぐらいなのね。
でも、コレはおいしかったな~。
家内と2人では絶対に食べきれないと思っていたけど、全皿完食しました。
そうだよ、図星だよ…日本料理が恋しいんだよ!

7_img_9399コレは別の日。
通りの突き当りは滞在したプレジデント・ホテル。
Marshall Blogに書いたけど、今頃どうしてるかナァ…というのは、部屋にエアコンがついてないのよ。
Marshallの経理の女性と先週メールで雑談していて、「ウチは各部屋にエアコンが付いている」と言ったらひどく羨ましがられた。
イギリスも日中は死ぬほど暑いようだ。
彼女の家の冷房設備といえば、天井に付いている扇風機だけだそうだ。
だからこのホテルなんか窓もそう大きくは開かないし、タマらんぞ。
 
プレジデント・ホテルについてはコチラ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】vol.35~The Beatles was here! <前編>

490_2そのプレジデント・ホテルの目と鼻の先にある「Friend at Hand」というパブ。
ココはGreene Kingのタイド・ハウスだったので何となく敬遠していたのだが、最後の最後に家内と入ってみた。
そもそも入ろうとするといつも満員だったのだ。
でもこの日は時間が早かったせいですんなりテーブルに着くことができた。

500_3ルックスでは前回紹介した「Old Bank of England」の店員さんに遠く及ばないが、ココの女性もとても愛想がよくて気持ちのよい応対をしてくれた。
ココのエールはチョット冷やしすぎ…でもノドが乾いていたせいかとても美味しかった。

510上の写真の左上にテレビが写ってるでしょ?
向こうの人はみんなパブへ来て一緒にスポーツの中継を見るのが大好き。
どこでもらったのかは忘れてしまったけど、下はパブに置いてあるテレビで放映されるスポーツ番組の予定表。
アメリカもバスケットー野球ーアメフト―アイスホッケーと1年を通じてプロスポーツが楽しめるようになっているけど、イギリスはサッカーークリケットーテニスーラグビーーゴルフーネットボール(バスケットみたいなヤツ)等々、バラエティに富んだスポーツが楽しめるようになっている。
アタシャ一切興味ないけど。
スポーツに加えてダーツだのスヌーカー(ビリヤードみたいなヤツ)、それに競馬なんかが入り込んで来る。
エンターテインメントは一年中スゴイのを演っているし…これはホントに日本は足元にも及ばない。
どの分野においても一流のモノを見ているのでお客さんの質が高いんだよな。
だから見せる方のレベルも高くならざるを得なくなってくる。
Marshall Blogに書いたけど、彼らはホンモノのロゼッタ・ストーンを見て歴史の勉強ができる人たちだから。
その点、スポーツのことはわからないけど、エンタテインメントに関しては日本人のお客さんってのは圧倒的に幼稚と言わざるを得ないと思う。
でも、それはお客さんのせいではなくて、本当にいいモノは隠してしまって、消費者には決して与えようとしない作り手のせいなんだよね。(←コレはフランク・ザッパの受け売りです)
お客さんのレベルを出来る限り低くして、幼稚にしておいた方が商売が断然ラクだから。
政治と同じ。

7_0r4a0118そうそう、「競馬」といえば、ちょうど「Royal Ascot(ロイヤル・アスコット)」開催の前だったのでほとんどすべての地下鉄のエスカレーターの壁に宣伝ポスターが貼られていた。
7_2img_8992「ロイヤル・アスコット」といえば、もう『マイ・フェア・レディ』でしょう。
紳士淑女が集まるアスコット競馬場でにわか仕込みの上流階級英語をコックニー出身の花売り娘、イライザ・ドィーリトルに試させる爆笑シーン。
「The rain in Spain mainly stays in the plain(スペインの雨は主に広野に降る)」っていうヤツね。
それと印象的なのは「it's very kind of you(なんとご親切なお方)」。
この表現は今では全く使わないと嗤った英語の教本があったが、トンデモナイ。
それはアメリカの話。イギリスでは時折耳にするので、私もやってみることがあるが、ナンノ問題もない。
いいですか、英語はイギリスの言葉ですから。
Marshallの友人が言っていたのをハッキリ聞いた…「Amricans ruined our lauguage」って。
 
さて、このシーンはヘップバーンのモノクロの衣装があまりにも美しくカッコいいよね。
15年ぐらい前にウエスト・エンドで観たリメイクの舞台では、このシーンで黒い衣装をイライザに着せていたが、映画に使われた衣装の方がケタ違いによかった。
映画での衣装をデザインしたのは写真家でもあったセシル・ビートン。
この作品でオスカーをゲットした。
ビートンは王室や戦地の写真多数撮ったことでよく知られていて、ロンドンで開催されていた写真展を観に行ったことがあるのだが、一枚一枚タメ息が出るほど美しく、メッセージ性に富んでいた。
もちろん全てモノクロなのだがすごい色彩感なんだよね。
デジカメを使ったにわかカメラマンが「雰囲気が出る」と勘違いしてモノクロで焼いた写真とはワケが違う。

Mflそして、『マイ・フェア・レディ』のロイヤル・アスコットのシーンで使われるが「The Ascot Gavotte(ジ・アスコット・ガヴォット)」という有名な曲。
いいよな~、私もイギリスの貴族に生まれたかった。
ところで、この「ロイヤル・アスコット」は、ウィンブルドン選手権、ヘンリー・ロイヤル・レガッタ、そしてゴルフの全英オープンに並ぶ夏の大イベントとして、世界中の競馬界と社交界から注目されるのだそうだ。
だから、ゴルフの渋野日向子ちゃん、スゴイわけよ。
ヘタすりゃイギリスの社交界へデビューできるんじゃないかね?
ま、そのためにはイライザのようにゴルフよりよっぽどハードな社交界デビューの訓練が必要になってくるんだろうけど。

5_img_9311競馬の観覧には厳密なドレス・コードがキメられていて、「ロイヤル・エンクロージャー」という一番上のクラスの席ではいまでも男性はモーニングにシルクハット、女性はフォーマル・ドレスか上下が必ず同じ素材でできているパンツスーツ。
さらに女性は衣装にマッチする頭が隠れるサイズの帽子の着用が義務付けられているそうだ。
民族衣装もOKで、日本人の場合は紋付羽織袴や振袖が認められているんだって。
大井競馬場とはエライ違いだ。
コレどうなんだろう?…競馬というモノは昔、普段からそういう格好をしている貴族が自分の馬を連れて来て競争させるためのイベントだったんじゃないかね?

5_img_9312こういうイギリスならではの広告を探すのもロンドン歩きの大きな楽しみなんだね。
それとやっぱりプラーク探しは楽しいな~。
ラッセル・スクエアのホテルの向かいの建物にあったブルー・プラーク。

7_img_8951「James Mathew Barrie(ジェイムズ・マシュー・バリー)」がココにあった家に住んでいた…というプラーク。
バリーは「ピーター・パン」の作者ね。

7_img_8950ミュージカルの「ピーター・パン」っていい曲がいっぱい使われているんだゼ。
トッドが『A Wizard/A True Star』で取り上げている「Never Never Land」とか、「You Can Fly」だけじゃないの。
1954年のオリジナルの監督と振り付けはジェローム・ロビンスだったんだね~。
ところがブロードウェイにかける前の西海岸でのツアーでスベってしまったため、ロビンスはいくつかの曲を付け足してうまくノリ切った。
その中の1曲が一番有名な「Never Never Land」なんだって。

7_2ppホテルからこの日の2軒目のパブに向かってブラブラ歩いていて見つけたのがこのプラーク。

520v知らない人はパッと見ただけではナニがナンだかよくわからないでしょう?
「Wing Commander」というのは「RAF」つまり「Royal Air Force(王立空軍)」の上の方の階級の名前。
「F.F.E. Yeo-Thomas」は「Forest Frederick Edward Yeo-Tomas(フォレスト・フレデリック・エドワード・ヨー・トーマス)」という人名。
最後の「GC」というのは勲章の名前。
プラークに書いてあるように「The White Rabbit」とはトーマスのコード・ネーム。
要するに、いつも通り「そういうオッサンがココに住んでいた」というヤツなんだけど、この「The White Rabbit」というのが気になった。
Jefferson Airplaneは好きではないのだが、何やらオモシロそうなニオイがしたのだ。
で、調べてみた。
ヨー・トーマスという人はイギリス軍の「シークレット・エージェント」、つまり「スパイ」で、第二次世界大戦中、ドイツ軍の占領下にあるフランスにパラシュートで乗り込んで、レジスタンスの指導をした。
ゲシュタポに捕まり、散々拷問を受けたが、無事生還し、チャーチルから「George Cross」という2番目に高位の勲章(一番上は「Victoria Cross」)を受勲した。
名前の後に付いているのはこの「George Cross」の頭文字の「GC」。
イギリスのエライ人たちは名前の後にこうやって自分の実績をひっつけて自分のスゴさを自慢するんだな。
イヤらしいね。
例えばCreamのアルバム『カラフル・クリーム(Disraeli Gears)』というタイトルの元ネタになっている19世紀のイギリスの総理大臣、ベンジャミン・ディスレーリなんかは正式な名前を「Benjamin Disraeli, 1st Earl of Beaconsfield, KG, PC, FRS」なんていうらしい。
「GC」は「ガーター勲章」、「PC」は「枢密院」、「FRS」は「王立学会」だって。
Marshallの創設者、ジム・マーシャルだって正式な名前は「Dr. James Charles Marshall, OBE」だぜ。
「OBE」は「Order of British Empire」のこと。
ヨー・トーマスというのはそういう人でした。

530_2プラークでなくても注意深く見て歩いているとこんなモノにも出くわす。540「この石はH.R.H.ザ・プリンセス・ロイヤルによって敷設されました」。
ま、だからなんだ?って話なんだけど、「H.R.H.ザ・プリンセス・ロイヤル」というのは「Her Royal Highness」の呼び名を持つアン王女のこと。
エリザベス女王の長女、チャールズ皇太子の弟。ヘンリー王子の叔母さん。
そうなんです、Marshallの工場に来てくれたあのオバちゃんなんですな。
だから他人とは思えない。
興味のある方は必ずコチラを見てチョーダイ!
  ↓   ↓   ↓
【英王室アルバム】Her Royal Highnessがお見えになりました!

550この日の2軒目のパブはホテルのコンシェルジュに教えてもらって来た。
近くの「The Lamb(ザ・ラム)」という店。
なんだけど…。
ディケンズも通ったというパブで由緒正しいのはわかるのだが、1ブロック先にあった下の「The Perseverance(忍耐)」という店が目に入り、どうしてもこっちに入ってみたくなった。
ナゼなら、ものスゴイ繁盛のしようだったのだ。
一方「The Lamb」はヒッソリ。
一体ナニがこんなにも客の入りに差をつけているのか知りたくなったのだ。

560入ってみる。
セ、狭い!

570カウンターはこんな感じ。

580建物は18世紀の初頭に造られたらしい。
この繁盛の理由はサッパリわからなかった。
多分、混んでいるというより、表にスペースがあるっているだけなんじゃないかしら?
要するに表にお客さんが溢れ出やすい…ということ。

590ブルームズベリーをもう少し歩く。
チーズとワインのお店。
ご覧の通り雰囲気はすごくいいんだけど…オエッ!
私にはクサすぎ。
強烈なチーズのニオイでとても入れたもんじゃない!
しかし、向こうの人はホントにチーズをよく食べるな~。

7_img_9489コレは葬儀屋さん。

600「Burial」は「土葬」、「Cremation」は「火葬」。
「火葬」の方が割安だ。

7_img_9493コレはスゴイよ。
1805年のトラファルガー海戦の旗艦だった「Victory丸」に使われていたデッキの一部(樫)とクギ。
ナンでこんなモノが葬儀屋にあるんだろうね?

620この日の晩はホテルの近く、ブルームズベリーにあるインド料理店に入ることにした。

7_img_8134前日の中華もそうなんだけど、こういうお国の味自慢レストランに入るとエールが飲めないのが残念なんだよね。
中国はチンタオ、インドはコブラになるよね~。

7_img_8136料理はカレー。
お値段も手ごろ、すごく美味しかった。
インド料理って、値段をケチるとクサくて食えたもんじゃない店があるからね。

7_img_8137ナンは丸かった。
店員さんの応対もとても気持ちよくて良い晩御飯でした!
シアワセシアワセ。

7_img_8139<つづく>
 
(2019年6月6~7日 ロンドンにて撮影)

2019年8月13日 (火)

イギリス紀行2019 その4 ~ パブがスキ!<前編>

 
今日はパブの話。
もう好きで、好きで…。
ステキなパブでおいしいエールをキメ込むのはイギリスに行く大きな楽しみのひとつなのだ。
昨日たまたま、ビール好きを自称するイギリス人に銘柄を知らせないで日本とイギリスのビールの飲み比べをさせるというテレビ番組を見た。
結果はどうだったか…アララ、日本ってスゴイ!
ビール大国のイギリス人が日本のビールの方がおいしいってよ!
そんなバカな!
そんなウソをついて一体どうなるって言うのよ?!…宣伝になるんだね。
あんなことをしていたんじゃテレビなんて見なくなってくるよな~。
その試飲に供された日本のビールは「<香る>エール」という、青い缶に入った普通のビールを「エール」と称する珍なるモノ。
私がビールを飲む時は「一番安全」とされているこの青い缶のメーカーのモノを買うようにしていて、その「<香る>エール」を飲むことがマァ多い。
でもアレが「エール」だと思って飲んだことは一度もなくて、どうやって飲んでいるかというと、毎回「コレは断じてエールではない!」と文句を言いながら飲んでいるのだ。
そう、コレは上面発酵させて作る、イギリス人が知っているエールとは絶対に違うモノだ。
さもないと私がイギリスへ行く度に歓喜の涙を流しながら飲んでいる「エール」は、「エール」ではない…ということになる。
あの青いヤツは普通のラガー・ビールだよ。
「エール」というのは名前だけ。
アレが「イギリスでエール」だと思い込んで、どこでもいいからロンドンのそこら辺のパブに入って「エール」を注文して飲んでごらん。
知っている「エール」と全く違うモノが出て来るから。
ウチの社長もそうだけど、イギリス人は日本のビールなんかを喜んで飲むことなんてまずないって。
それぐらい違う。
でもイギリスの名門ブランド「London Pride」を作っているFuller'sは今ではアサヒの資本だからね。
この話は、今回ソーホーでオモシロいモノを見つけたので後日Marshall Blogで取り扱う予定。
 
さて、コレは前の会社の同僚に教わったのだが、今のところ市販のビールで一番イギリスで飲むエールに近いと私が思うのは長野の東御市(こんなの私が長野に住んでいた頃はなかった…「東部町」と「北御牧村」と呼んでいた)にある「OH!LA!HO BEER(オラホビール)」というところが作っている「Captain Crow」というペール・エールかな?
ついでとは言え、好きが昂じて長野の物産館まで行ってしまった。

Cc さて、オックスフォードからの帰り道、ルートを変更してたどり着いた「Temple(テンプル)」駅。
「Temple」というのは「寺」という意味ではない。
近くに「セントポール大聖堂」があるから「寺」なのかと勝手に思っていたけど、考えてみれば「Cathedral」は「寺」じゃないもんね。
この駅名は近くに「Temple Church(テンプル教会)」があり、このエリアが「The Temple」と呼ばれていることから。
テンプル教会はテンプル騎士団が作った教会…とやっていくとまたとんでもなく紙幅を要してしまうのでココでやめる。
正直勉強不足でよくわからんのよ。
でも、面白そうなので勉強して今度はテンプル教会を訪ねてみることにしよう。
とにかくテンプル駅のホームの時計がカッコいいのだ!

10_3コレね。
ロンドンの地下鉄の駅でよく見かける迷路みたいなヤツ。
また別の回に出て来ます。

20v_2地上に出る。
コレで夜の7時半ぐらい。
道の突き当たりの向こう側はテムズ川。

30_3街中のパブは仕事がえりの紳士淑女でどこもイッパイだ。
コレは「Wine Bar」となっているからパブじゃないのかな?
あのね、パブのようなルックスでパブじゃない店っていうのがあって、値段がゼンゼン違うのよ!
コレは後日Marshall Blogの『名所めぐり』でやります。

40_2ロンドンの東のエリア、The Cityは街が古いため、歴史感丸出しのステキなルックスのパブがゴロゴロしている。
このハーフ・ティンバー風の「The George」というパブは、オリジナルが残ってるわけではないにしても開業が1723年だという。
関東大震災の200年前からやってることになる。

50vその並びにある「Twainings」。
あのトワイニング。
トーマス・トワイニングが1706年に世界で最初の紅茶のお店を出したのがコレ。
奥に紅茶の博物館なんてのが併設されている。

60v現在、トワイニングスは「Associated British Foods(アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズ)」という企業グループの傘下に入っている。

70_2ナント「PRIMARK(プライマーク)」もこのアソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズのメンバーなのだそうだ。
プライマークはイギリスのユニクロみたいな衣料品のチェーン店。
コレがですね~、生半可な安さではないのよ。
今回の旅で何回もプライマークに助けてもらった。
この話はまた別の機会に。
もしプライマークがイギリスと同じ価格体系で日本に上陸してきたらユニクロは間違いなくハラホロヒレハラでしょう。
イギリスにはユニクロが進出してるんだからプライマークも日本に出店すればいいのにナァ。80こんな細いビル。
どうやって建てたのかネェ。

55vその向かいあたりにあるこの立派な建物は…

90_2「The Royal Courts of Justice」…つまり「王立裁判所」。
オープンは1882年、ヴィクトリア女王の時代。

100_2また時計が立派だこと!
やっぱり「世界標準時」の国だからかね?

110王立裁判所の前の「Fleet Street(フリート街)」にある像。
グレムリンか?
コレ、ドラゴンなんだって。
「Temple Bar(テンプル・バー)」といって、地区の分かれ目を示しているそう。
王立裁判所があるのは「ウエストミンスター(Westminster)地区」で、そのお隣が「シティ(The City)地区」。
その間に鎮座ましましているのがこのドラゴンなのだそうです。

120v最初の目的地はコレ。
横浜の馬車道あたりに残っていそうな銀行のような建物。

130_2看板にあるのは「Old Bank of England」。
向こうに見えるドラゴンのシルエットがチョット不気味。

140_2迷わず入る。
ギィィィィィィ…入り口のドアからして重厚だ。

145vウェルカム・ボード…感心、感心。
こんなパブは他にないよ。

146ドーン!
店内はこんな感じ。
コレがパブなの。
お店の名前の通り、ここは元イングランド銀行のフリート街支店。

150_2「イングランド銀行」というのは日本で言えば日銀ですからね。
そりゃ立派にキマってる。
映画『Mary Poppins』のあのオヤジが銀行員って威張りくさってたでしょう?
昔のイギリスの銀行のステイタスたるや相当なものだったに違いない。
160ココは1888年から1975年までの87年間、銀行として使用されていた。
第一次世界大戦下では、この地下室に王室の財宝を保管していたらしい。
銀行の建物は普通やたらと頑丈に作られているからね。
その地下室は今では酒の貯蔵庫やら厨房になってるんだと。

170_3カウンターも立派でカッコいい!

180_3奥の壁も天井も美術館みたいでしょ?
もちろん入場料は取りません。
こんなにステキな内装なのに、何もない外のテーブルでイッパイやっている人たちがたくさんいるんだぜ…バカでしょう?

190_2実はこのパブ、「元銀行」ということの他にもうひとつ名物がある。
それはコレ…「Sweeney Todd(スウィーニー・トッド)」。
Stm
最近ではジョニー・デップの映画化でその名前をご存知の人も多かろう。
イギリスでは定番中の定番のミステリー。
日本で言えば「四谷怪談」とか「牡丹灯籠」みたいにイギリス人であれば、「切り裂きジャック」や「ガイ・フォークス」のように誰でも知っている有名な話。
「ガイ・フォークス」ってのはコレね。別に怪談ではないんだけど、「Guy Fawkes Night」なんて風習があるぐらいのイギリス人なら誰でも知っている話ね。
コレもまた別の機会にやりましょう。

3gf 「Sweeney Todd」には「The Demon Barber of Fleet Street(フリート街の悪魔の床屋)」と物騒な副題が付いている。
上に何度か出したように、「フリート街」というのはこのパブの前の通りね。
もう大体察しがつくかな?…ジョニー・デップの映画を観た人なら尚更だろう。
ご存知のない人のために簡単にこの話のあらましを書くと、スウィーニー・トッドという床屋がミートパイ屋の女主人ラベットと組んで、トッドがノドをかっ切って殺した客の死体を地下の通路を使ってパイ屋に運び、精肉してミートパイの具にして売っていた…という事件。その犠牲者の数たるや約160人!
日本でもだいぶ前に「手首ラーメン」という事件があったけどね。そんなもんじゃない。
で、床屋からパイ屋に死体を運んだ地下の通路というのが、このパブの下にあったというのだ!(映画ではパイ屋の二階が床屋という設定になっているので地下道は出てこない)
ナゼかコレがミュージカルになって何回も何回も上演され続けている。
そんなこととは知らずにこの映画を観たところミュージカル仕立てになっていたのでビックリした。
作詞作曲はスティーヴン・ソンドハイム。
『ウエストサイド物語』の歌詞を担当した人ね。
ソンドハイムは両親が離婚していて、オスカー・ハマースタイン二世の息子が友達だった関係で、ハマースタインが代理父を務めたというんだからビックリ。

St ところで、この「悪魔の床屋」って実話だと思う?
せっかくこのパブに行った身としては実話であってほしいんだけど…。
実際に「トッドは実在したか」という論争が昔から繰り返し起こったらしいが、残念ながらフィクションなのだそうだ。
19世紀後半頃にはイギリスの市民の識字率も向上し、読書が庶民の大きな楽しみになった。
きっと長い長い冬を読書をして過ごしたんでしょうね。
元々イギリスはシェイクスピアを輩出した、日本と並ぶ世界に冠たる「読書大国」だからね。
「Penny Blood(ペニー・ブラッド)」とか「Penny Dreadful(ペニー・ドレッドフル)」という1ペニーで買えるスリラー小説が大流行し、その中から生まれたのが「スウィーニー・トッド」なのだそうだ。
一方、ホワイト・チャペル(比較的フリート街に近い)の娼婦の連続殺人でロンドンの女性を恐怖のどん底に叩き落したのが有名な「切り裂きジャック(Jack the Ripper)」事件。
こっちは「スウィーニー・トッド」と同じ時代に実際に発生した犯罪だ。
結局、犯人は捕まらなかった。
OEDの編纂に大きな貢献をした気の狂ったアメリカ人もそうだけど、昔のロンドンはヤケクソに物騒だったらしい。
 
映画の話に戻ると、同じティム・バートンとジョニー・デップのコンビによる『シザーハンズ』が好きな私にはなかなかにヨカッタかな?
ジョニー・デップの歌声が意外にカッコよくて驚いた。コレは吹替えなのかしらん?
でも、一番面白かったのは特典DVDに収録されているスウィーニー・トッドの舞台となった19世中頃のロンドンの様子を解説したドキュメンタリーだったけどね。

2st22階席から見下ろすとこんな感じ。
素晴らしいね!

200_2ハンド・パンプはこんな感じ。
また店員の女の子が大変なカワイコちゃんだった。
見眼麗しいだけでなく、エールをパイント・グラスに注いでいる間に「How was today?」なんて話しかけてくれてね。
ブレナム宮殿に行って来た話をするとうらやましがってくれた。

210今日、1杯目のエールとメニュー。
もちろん「ミートパイ」もあるよ!
でも、こんな素敵なパブでも結局は大手のビール会社の経営なんだよね~。
そういう経営形態のパブを「Tied House(タイド・ハウス)」という。
反対にインディーズで経営しているパブは「Free House(フリー・ハウス)」というのだそうだ。
ココは「McMullen(マクミューレン)」系列のタイド・ハウス。
したがって「店内の雰囲気だけでなく食べ物も最高!」なんて言っても「McMullen」の看板がかかっているパブならどこでも全く同じモノを飲んで食べることができる。
要するに食べ物に関してはただ温めたり、揚げたりして出しているだけなんだろう。

215それでもシアワセ~!
隣合わせたカップルの奥さんに家内と一緒のところの写真を撮ってもらった。
バックを意識した存外にいい感じの写真だったので「Nice framig!」とお礼を言うと、ダンナが「She's a professional photographer」とか言ってたけど、断じてそれほどではなかったぞ。

220_3ハイ、2軒目に行くよ~!
ま、チョット順路は違うんだけど「Holborn(ホルボーン)」あたりをうろついてみる。

230_2フィッシュ&チップスか…。
フィッシュはまだしも、チップスは大分飽きてきたな。
イギリスから帰ってしばらく食べたくないモノの筆頭はいつもフライド・ポテトなのだ。

240_3ハイ、クイズ。
「Vape Shop」ってナンでしょう?
そう、「電子タバコ屋」。
タバコとは無縁の生活をしている私は「蚊取り線香屋」かと思ったんだけど、ハッと思い出してそれはない…と思った。
ナゼなら「イギリスには蚊がいない」とMarshallの社長が言っていたのを思い出したのだ。

250_3「Sicilian Avenue(シシリアン・アベニュー)」というチョットした商店街。

260_2こういうところがまたステキなんだな~。

280_3サウザンプトン・ロウとブルームズベリー・ウェイという通りが交わる交差点。
ムムム!
なんだアレは?
ヤケクソに気になるぞ…さっそく見に行ってみよう!

440_3サウザンプトン・ロウにあったコレ。
上の写真のバスのすぐ横。
線路だよ。
地下鉄の入り口かな?

450_2線路は手前で切れているので昔使っていたということなのだろうか?
トンネル内の電気がついてる。
見に行きたいけどさすがに無理だな。
残念!

12img_9396<つづく>

(2019年6月6~7日 ロンドンにて撮影)

2019年7月23日 (火)

イギリス紀行2019 その3 ~ オックスフォードを訪ねる <後編>

 
ウッドストックからバスに乗ってオックスフォードの町に帰って来た。
うん、ヒザはココまでのところ何とか大丈夫だったんだけど…ズドドドドドドドド!
バスの2階から降りようとした時、中ほどで足を滑らせて一番下まで落っこちちゃった!
運転手さん、ものすごくビックリしちゃって、「I'm OK!」とか「Don't worry about that!」とか何回言っても「Are you sure?」と、本当に心配している様子で訊き返してくれた。
ま、生来身のこなしが素早いせいか(ウソこけ!)本当に何ともなかったのね。
520クツはUnder Armourの「SPEED FORM GEMINI 3」というスニーカー。
去年、三重の長島温泉のアウトレット「ジャズドリーム長島」に立ち寄った時に買ったんだけど、すごく気に入っていて、ズットしまっておいてイギリスに履いて行くのを楽しみにしていた。
普段シャレっ構わない私が珍しいでしょ?
でもクツは結構好きで、猿若町のクツ市なんかで、一目ぼれして履くことのない革靴を買っちゃったりすることがあるの。
革靴は履かないのよ~。
とにかくこのスニーカーが気に入っていた。
このバスの時はかろうじて難を逃れたんだけど、この後、横浜で雨の日…地面が濡れていたせいで思いっきり靴底を滑らせ、コンクリートの階段に腰を強打してしまった。
もう、気が遠くなるような激痛だったんだ。
そして、もしかして腰骨にヒビが入っってしまったのではないかと、真っ青になってしまった。
幸いそれも大丈夫だったんだけど、一週間ぐらい寝返りも打てなかった。
マジでコワかったわ~。入院してそのままボケちゃったらどうしようかと思ったよ。
え、そのクツをどうしたかって?履いてます。お気に入りだから。

Uaコーンマーケット通りという目抜き通り。
イギリスの地方の町にありがちな光景。
カンタベリーなんかもこういう感じだった。

530このハーフティンバーは古いよ。
何やら建付けが狂っている感じだもん。
ところが、下の右ハジを見て。
「PRET」が入ってる。
スゲエ不釣り合い!

540「PRET」とは「PRET A MANGER(プレタマンジェ)」というサンドイッチのチェーン店のこと。
大手ハンバーガー屋が誘致して日本でも一時出店していたことがあったのでご存知の人もいらっしゃるかも知れない。
ロンドンではそこら中にあるんだけど、以前は私はココの商品が好きではなかった。
普段からサンドイッチを食べないこともあった。バゲットみたいなモノも置いてあるんだけど、やたらと冷たくてカチンカチンのパンばっかりで、どうしても他に食べるモノがない時以外はPRETに入ることはなかった。Pam2ところが、今回は3週間の間に一体何回入ったかな?
1日に2回なんてことが何度かあった。
どういう風の吹き回しかというと、ロンドンのホテルのすぐ近くにPRETがあって、ある日イヤイヤそこに入ったところ、家内がチキンのスープを発見してくれた。
もちろんアツアツで、コレがもうバカうま!
奥のヤツね。

5_cs おいしい理由のひとつは下のロゴにある通り、ファストフードのくせに「オーガニック」で「ナチュラル」なのよ。
そのチキンのスープにしても、まったく「調味料(アミノ酸等)」っ気がなくてすごくおいしいの。
そのウチ、一部のサンドイッチをオーブンで焼いてくれることを知って、もう怖いモノなしよ。
理由のもうひとつはWi-Fi。
1回どこかの店で登録すると、イギリス中のPRETですぐにWi-Fiが使えて便利なの。
PRET以外にもスターバックスやらNEROやらファストフード店のFree Wi-Fiにはずいぶんお世話になったわ。

Jpam1

ところがスープ飲みたさにPRETに入ると、朝は置いていないところが多く、その代わり下の写真のようなモノが並んでいる。
コレは「Porridge(ポーリッジ)」という押し麦のお粥。
麦を牛乳で煮込んじゃう。「オートミール」っていうヤツ?
どう見てもお粥でしょ?
お粥といえば、米に卵、(ウチの場合)オカズは塩ジャケに梅干しやら塩昆布やら…。
ところがこのポーリッジっていうのはハチミツをかけたり、ドライフルーツをまぶしたりして、お菓子感覚で食べる。
こっちは日本食に餓えていることもあって、コレを見ちゃうと頭の中は自動的に塩昆布のショッパさでイッパイになっちゃうワケよ。
で、ひと口食べてみる…グエエエエ!甘~~~い!お粥じゃない!
お粥じゃないのはわかってるんだけどどうしてもこうなっちゃう。脳ミソが困っちゃう。
全部食べたけど、1回で卒業させて頂きました。
どうして朝はスープがポーリッジになっちゃうのか、不思議に思ってお店の人に尋ねてみた。
すると、ポーリッジは朝食で、スープは昼食に出すんだそうです。Pori店の中のようす。
昔の建物の雰囲気を残しつつ、上手に改装してある。ステキ。
この時はもう午後だったのでトマトのスープ(L)を食べたんだけど、おいしかった。

550「The Covered Market(ザ・カバード・マーケット)」というアーケード。
こううところは絶対にオモシロイ。
まず開業が1774年。200年以上前からやってるってんだからスゴイ。

560いいね~、このレトロな雰囲気!

570コレ、観光客を狙ってこうしているワケではなくて、元々こうで、コレからもこうなんだろうね。

676v「Cobbler」というのは「靴直し屋」さんのこと。
こっちで言うと、駅で見かける「ミスターミニット」ですな。

580魚屋さん。
結構ニオイがすごかった。

590肉屋さん。

600「オーガニック」となっているけどウインナーとかはどうなっているんだろう。
世界有数のオーガニック先進国のオーストラリアの友人が「プロセス・フーズ」という言葉を使っていたけど、スーパーなんかで売っているハムとかウインナーとかベーコンっていうのは相当ヤバいらしい。
「もうほとんど薬品を食べているようなモノ」と言っていた。
参院選も終わったけど、「食の安全」とか「食べ物の正常化」を訴える政治家っていうがゼンゼン現れないね。
きっと「そういう」仕組みになっているということなんだろう。

610コレはパイ屋さん。
いちいちお店の造作がカッコいい。

620こんなところに郵便ポスト!
その上にブラ下がっているのはウサギ。
何でウサギだと思う?

630vコレは「不思議の国のアリス」のウサギなのです。
ナントならば、「不思議の国のアリス」の作者ルイス・キャロルはオックスフォードの大学を卒業しているから…みたい。

640ココのアーケードの大きな特徴のひとつは、チェーン店がほとんど入っていないこと。
昔は日本の商店街だってこうだったんだよ。
675このケーキ屋さんもそう。

655父の日が近かったのでこんなケーキが…。

656おシャレなウェディング・ケーキ。
新郎と新婦に目をやると…

660vオイオイ、2人とも新郎じゃねーか!
このウェディング・ケーキの段の数って、欲しい子供の数を表すって知ってた?

670v「オックスフォード」と言えばコレ。
もうMarshall Blogに何度も登場しているけど、世界で最初の辞書「OXford English Dictionary(OED)」編纂の物語『博士と狂人(The Professor and the Madman)』…と行きたいところだけど、スッカリ忘れてたわ!
というのも、これまた何度も書いてきたいるけど、この本、「オモシロかった」という印象がゼンゼンなかったからなのです。

Pmメル・ギブソンとショーン・ペンの映画どうなったのかな?
と思って調べてみたら、日本公開は未定だって…なんだよ。

12pammさて、オックスフォードといえば何と言っても「大学」。
でも時間がなくて皇室の方々が学んだことでも有名な「オックスフォード大学」には行かれなかった。
とはいえ、オックスフォードってのは街全体が大学のようなモノで、そこら中が「ナントカCollege」だから、そういうのをいくつか覗かせてもらった。
こういう建物はみんなそう。

690チョット中にはいるとみんなこうなってる。

700コレもそう。

710中はこんな感じ…全部大学。

720まぁ、とにかく街並みがなんとステキなことよ。

730こんな狭い路地も…

780広い通りも、どこを歩いても絵ハガキのようだ。

790またコーンマーケット通りに戻る。
目指すは前方の塔がある教会。

795工事現場を覆う壁。
大きな通りに設置されるそうした壁にはこうして地元の情報や歴史を記した何がしかの読み物が刷られていることが多く、時にはウィキペディアにも出ていないようなマイナーな情報が得られてオモシロイ。
この時はエリザベス一世が目を惹いたのでナニが書いてあるのか読んでみると、「2021年に北門が開通します。その年は1571年に『Jesus College(ジーザズ・カレッジ)』が創立してちょうど450周年の年に当たります。
ジーザズ・カレッジはエリザベス一世がオックスフォードとケンブリッジだけに創設した大学です。そこで学ぶ学生はエリザベス一世が説いた伝統的な規律を重んじつつ、現在はサイバー・セキュリティや医療画像処理やゲノムの最新の研究に勤しんでいます」…みたいなことが書いてあった。
だからエリザベス一世なのね?

800「オクスフォード博物館」…入らず。

810その向かいあたりにある郵便局。
コレがまた立派だった。

820入り口に設置してある大きなゴミ箱…と思ったら郵便ポスト!
向かって左が翌日に配達される「ファースト・クラス」、一番右が3日後に配達される「セカンド・クラス」。
当然料金は違う。
で、真ん中が「Newspapers and Packets」となっている。
「Packets」は小包。
「Newspapers」は何だろう?と思って調べてみると、どうもイギリスでは新聞や本を送る場合は普通の郵便より料金が安いらしい。
それが真ん中のポストなのかも知れない。
Marshallの友達に確認しておきます。
間違えていたらココ、シレッと書き直しておきますんで…。

830目的地の「Christ Church Cathedral(クライスト・チャーチ大聖堂)」。

840ココはハリーポッターの食堂のシーンのロケに使われたそう…と言っても私はわかりませんが。

850さて、早速見学させてもらいましょう…と中に入ろうとしたらNG!
入館時間に間に合わなかったのだ。
こういうところは、どこもかしこも5時まで開いているんだけど、ココはラストオーダーが4時すぎで、間に合わなかったのよ!
ま、別にハリーポッターに興味はないので、おとなしく諦めた。
が!…日本に帰って来て地団駄を踏んだのは、コレのすぐ隣に「Bate Collection of Musical Instruments(べイト楽器コレクション)」という楽器の博物館があったらしいのよ!
コレは見たかった!
やっぱりブログは取材、旅は下調べが肝心ですな…。

860緊急事態発生!
ヒザがヤバいです!

870ということで、もうこれ以上のオックスフォード見物は諦めて、ソロリソロリと駅を目指して歩いた。

880ヒザさえ痛くならなければもっと街をスタコラサッサと見て歩けたんだけどナァ。

885帰りもちょうどいい電車があって、スムーズにパディントン駅に到着。

890よく見てみるとこの駅もダイナミックだな。
あの黒い出っ張り…

900ホームまで車が直接入って来れるようになってる!
「No Public Access」と書いてあるけど、マァそうでしょうね。

910自転車だって入って来ちゃう。

920ホームに自転車置き場がある駅なんて日本にある?
地方へ行けばあるのかもしれないけど、ココ、ロンドンのど真ん中の駅ですからね~。

930ホラ、早速オジちゃんが自転車を押してやって来た。
電車でパディントン駅まで来て、自転車に乗って会社に行って、仕事が終わればまた自転車でパディントン駅まで来て、ホームに自転車を置いて電車に乗って家に帰る…と。
渋谷駅もコレをやればいいじゃんね。

5_img_9302 トイレの手洗い器。
ナゼかお湯が出るところが多いんだよね。
地方へ行ってもそう。

940こんなのあるんだ~。
「水のリフィル機」っていうのかな?
ペットボトルの水を次から次へ買うのは止めて、ココで中身だけ充填してください…という給水機。

950vコレのおかげで現在まで46,965本のペットボトルのゴミを増やさないで済んだ…というワケ。
イギリスはこうした自然保護のための節約をドンドン進めてるからね。
スーパーのレジ袋もそう。

960電車に乗っている間、足を休ませていたのでヒザの痛みもなくなった。
ということで、パディントンから地下鉄サークル線でグルリと回ってテムズ川沿いの「Temple(エンバンクメント)」まで行きます。
本当はベイカールー線で「Embankment(エンバンクメント)」まで行ってサークル線に乗り換えた方が早いんだろうけど乗り換えがシンドイのでグルリのルートを選んだ。
この配線!
日本だったら絶対に隠すでしょう?
それとも故障した時にすぐに修理できるようにワザとムキ出しにしてるのかな?…なんてことを考えながら電車が来るのを待った。

970…と思ったら、言わないこっちゃない!
ハイ、サークル線止まった。
駅でアナウンスが流れると、皆さん、文句のひとつを漏らすこともなく、また舌打ちする人もなく、サッサとルートを変えて目的地へ行くために出口へと向かっていく。
完全に慣れっこになってる。
ロンドンの地下鉄は簡単に不通になっちゃうからね。
駅は駅で、こうしてすぐにゲイトを閉めてお客さんが入れないようにしちゃう。
私も何度もこんな目に遭っているので、特段驚いたり慌てたりすることはないんだけど、困っちゃうのが構内のアナウンスの聞き取りなんだよね。
音質が悪く、盛大に響いてしまうのでとにかく聞き取りにくい。
聞き取ったところで大した情報が含まれていないことは承知しているんだけど、やっぱり気になる。
今回こんなことが他でもあって、音に集中しようと思いっきり眉をひそめてアナウンスに耳を傾けていたら、そばにいたオバさんが見るに見かねたのか、笑いながら英語を英語に通訳してくれた。
案の定大したアナウンスではなかったけどオバさんの親切がとてもうれしかった。

980結局、ベイカールー線でエンバンクメントまで行ってサークル線に乗り換えることになった。
面倒だったけど、へへへ、これからスゴいパブにエールを飲みに行くのだ!

990<つづく>

(2019年6月6日 オクスフォードにて撮影)

2019年7月21日 (日)

イギリス紀行2019 その2 ~ オックスフォードを訪ねる <前編>

  
本当のことを言いましょうか?
あんまりメソメソ言うのもどうかと思ってMarshall Blogには書かなかったんだけど、D_Driveの女子チームを案内してトラファルガー広場まで行ったでしょ?
6月5日のことね。
万歩計を付けていたんだけど、そうだな~、あの日は25,000歩ぐらい歩いたのかな?
もう右ヒザが痛くなってしまって、歩くこともままならず、家内の肩を借りて何とかレスター・スクエアから地下鉄に乗ってホテルまで帰った…という話をした。
コレね~、こんなもんじゃなかったんですわ。
実はヒザどころか、右足の付け根からつま先まで信じられないような痛みに襲われて、ホテルのベッドにもんどりを打って倒れ込んだワケ。
「グワァァァァァァァァ!」
もう七転八倒よ!
歯を食いしばりながら、東京の整形外科に行った時に鎮痛剤の処方を断ったことを深く後悔したのです。
椎間板ヘルニアの苦痛にはかなわないけど、もう天地がヒックリ返るぐらいの激痛!
ビートルズが泊まっていたらジョージとリンゴぐらいは悲鳴を聞きつけて部屋に覗きに来たかもね。
連中、耳がいいから。

Img_9019「コリャもうダメだ!」と思って、予定を切り上げ、家内が日本に帰る3日後に一緒に飛行機に乗って東京の病院に行こう!と決心。
そして、フライト・チケットを変更してもらうよう全日空のウェブサイトにアクセスした。
ま、予想通りの結果でございまして…早割りのチケットゆえ変更は不可能。
こっちはもはやコレ以上歩くことすら不可能。
「ああ~、どうしたらいいんだ!」と嘆いている間にも猛烈な痛みが間断なく襲いかかって来る!
その様子を見て家内が優しい言葉をかけてくれて、「シゲちゃん、いいよいいよ、そんなに痛いなら。飛行機のチケットなんか空港で買い直せばいいじゃん!一緒に帰ってお医者さんにすぐに看てもらいましょう」と言ってくれるのかと思ったら…

5_kt_2 「バカものッ!ナニ言ってんの?途中で帰るだなんて絶対に許しませんよ!
足の1本や2本がナンですか!
大好きなイギリスでしょ?大好きなマーシャルでしょ?
最後までキチンと仕事をして日本に帰って来なさいッ!!!!!!!!!」
…だって。
ま、「喝」というか「檄」というか、その効果があってか知らないけど、しばらく足を休めていたらス~っと痛みが和らぎ、「そんじゃ…」ということで、すでにレポートした通りおいしいエールを頂きに「MD女子会(Marshall-D_Drive女子会)」と一緒にパブへと繰り出したのでした。
 
その後もチョット歩数が嵩むと猛烈に痛くなることがあったけど、そういう時はムリをしないで休んで痛みが治まってから動くように心がけるようにした。
もう歳を取ってからの「無理、無茶、無謀、強行」は絶対ダメ。いいことはナニひとつない。
で、今回そのヒザ痛に備えてサポーターを2種類持参したのね…参考までに。
ひとつは以前から持っていた左のタイプ。
もうひとつは出発前に家内が買ってくれたバンテリン。

Knee2_2_2

Knee2_1 結論としては左の方が効果があったね。
バンテリンは普通の時に着けておくとすごくラクなんだけど、激痛エリアに突入した時には左のタイプの方が効果的だったような気がする。
でもずっと着けておくと痒くなっちゃうんだよね。
で、ウェブサイトを見ていてスゴイのを見つけちゃった。
コレ、絶対効くでしょう!戦闘用か?細身のズボンは穿けないぞ。
次回はコレを持って行こう…イヤ、その前にヒザを治そう!

Knee3さて、ヒザも何とかなったということで、6月6日、D_Driveをホテルでお見送りして我々はオックスフォードへの旅へとに出かけた。
 
使用するターミナル駅は「ロンドン・パディントン」。

10久しぶりに来た。
20ココ、駅舎から出るとすぐ目の前が運河になってるんだよね。

30コレが駅前。

40強いて言えば、駅からでるとすぐに帷子川(かたびらがわ)が流れている京浜東北線の「石川町」ってとこか?
雰囲気は大分違う。

50パディントンは鴨の親子が水面を行き交うカナル(運河)が流れる駅。
石川町は登下校の時間ともなると女学生であふれかえるマニア垂涎の駅。
どちらを選ぶかは貴殿しだいだ。
アタシャ、もうパディントンの方がいいわ。

60しかしステキですナァ。

70v コチラがパディントン駅の正面口。

80ロンドンのターミナル駅はユーストンを除けばどこもステキ。
セント・パンクラス、キングス・クロス、マリルボン、チャリング・クロス、リヴァプール・ストリート、ウォータールー、もちろんヴィクトリア…どれも立派で見応えがある。

100ところで「パディントン」って聞くと「くまのパディントン(A Bear Called Paddington)」を連想する人も多いことだろう。
このクマ、ペルーからの密航者なんだってね。
パディントン駅で持って来たスーツケースの上に座っているところをブラウン夫妻に発見され、引き取られて行くことになった。
このクマくんのペルー式の名前の発音がムズカシかったので、出会った場所からその名を取ってパディントンになった。
何たる侮辱!
何たる不遜!
コレでは「クンタ・キンテ」の「トビー」と変わらないではないか!
ひとつわかったのは「クマ」にちなんで駅の名前が「パディントン」になったワケではない…ということ。ま、時代を鑑みれば初めからわかってはいたけど…。
でも、「恵比寿駅」と「エビスビール」のパターンもあるからね。
あれはビールが先だから。
「三越前駅」もそう…って当たり前か。

Pb

運河側の出入り口にあるパディントン像。
ホントに寅さんみたいだな。

7_img_7917前回この路線を使って訪れた先はMarshall発祥の地、Hanwell(ハンウェル)だった。
ハンウェルはパディントンから15分ぐらいの近所だったが、今日、オックスフォードまでの乗車時間は約1時間。
なるべく早く行っちゃおうということで、パディントン駅で私はパスティ、家内はサンドイッチを買い込んで電車に飛び乗ったところ、かなりの混雑だった。
やっとのことで別々に席を確保して朝食にありついた。

110東西南北、どこへ向かってもロンドンを離れて20分もすれば窓の外はこんな風景になる。
雲が低い!

120途中の停車駅のひとつ「Reading(レディング)」。
あのロック・フェスティバルで有名なレディングね。
こんなロケーションだったのか…。

130電車の中のゴミ箱。
イギリスってそこら中にゴミ箱が置いてある。
garbage、trash、dust、rubbish、refuse、そしてlitter…「ゴミ」という言葉ひとつ取ってもマァなんとたくさんの単語があることよ。
それぞれの単語は「ゴミ」ということで意味は理解できるけど、それをどう使い分けるかについては全く自信がない。
こういうのをスラっと正確に使い分けることができるようにするのが「勉強」ということなんだろうけど、こういう感覚は住まないとなかなか身につかないね。
調べてみると、一般的に「litter」と言うのは「公の場所に発生するゴミ」を指すらしい。
そして「garbage」と「trash」がアメリカ英語、「rubbish」はイギリス英語っていうんだけど、イギリスに行ってrubbishってのはほとんど聞いたことがないような気がする。
いつも「litter」のような気がする。
アレはドイル・ダイクスだったように記憶しているけど、演奏を録音して、その中からOKテイクを選ぶ時、NGのテイクを指定してはしきりに「Rubbish!」と言っていた。
ドイルは生粋のアメリカ人だけど「rubbish」を普通に使っていた。

135vしからば、「ゴミ箱」は何と言うか…コレも色々なバリエーションがあって、アメリカでは「trash can」とか「garbage box」。
イギリスは「rubbish bin」、「litter bin」と「bin」という言葉を使う…「bin」は昔から知ってる。
ナントならば、中学3年生の時にクラスメイトの増田くんのお兄さんが録音してくれたカセットテープを聴いて一発で大ファンになった10ccの「The Second Sitting for the Last Supper」という曲の冒頭に「♪Another fish head in a dust bin」という歌詞が出て来るから。
今回の旅では10ccの地元へ行ってきたんですわ~。
感激しちゃった!
コレは後日Marshall Blogで。

Ostはい、オックスフォード駅に着いた!
電車はこんな感じ。細身。
コレはGWR(Great Western Railway)の車両。
イギリスの鉄道は国が線路を保有し、それを民間の鉄道会社に有料で貸与する「上下分離方式」が採用されているので、もう色んなタイプの電車が走っている。
コレがまたオモシロい。
でも、同じ路線を異なる鉄道会社が運航している場合、チケットを買うときにちょっとビビる。
例えばロンドン・ユーストンからMarshallがあるミルトン・キーンズまでVirgn社の自動販売機で乗車券を買って、乗る電車がWest Midlands Trainsだったりする場合。
結果的には何の問題もないんだけど、アレ、どういう仕組みなんだろうなァ?140ホームに出ている鉄道員って女性が多いというか、必ず女性のスタッフがいるんだよね。
何度も書くけど、日本の国鉄の師匠はイギリス。
地下鉄はアルゼンチンだから…というか、日本で最初の地下鉄である銀座線はブエノスアイレスの地下鉄をお手本にしている。

145フーム、またひとつ勉強になった。
線路をまたいでいる歩行者用の陸橋ね、「跨線橋」っていうのかな?
アレ英語で「footbridge」っていうのか…なるほど。
単純だけど知らなければ絶対に出て来ない英語だな。

150v

駅舎はこんなもん。
「Oxford Station」なんて聞くとさぞかし歴史を感じさせるクラシックな駅舎を期待しちゃうけど残念でした!

160Marshallの本社の最寄り駅のブレッチリ―なんかもそうだけど、郊外の駅の建物ってどうもそういう傾向があるようだ。
一番意外だったのはマンチェスター・ピカデリー駅。アレには驚いた。コレはまた後日。

170「Oxford」の語源は「oxanforda」といって「牛たち(oxen)」が渡ることができる「浅瀬(ford)」という意味なんだって。
だから駅前に雄牛の銅像がある。
やっぱりココは写真を撮っておかないと。

175で、家内と大論争になったのが、おなかの真ん中にある突起物。
コレは果たしてオッパイか、男性のシンボルか…。
オッパイにしてはひとつしかないし、ヤケに細長いし…。
男性のシンボルにしてはロケーションが不自然に前方すぎる…。
チョット待てよ!
答えは後者にキマってるじゃないか!…「雄牛」なんだから。
こんなの省略すればヨカッタのにね~。
ちなみに雄牛は「ox」で複数形は「oxen」、牝牛は「cow」で複数形は普通に「cows」。

5_0r4a0557 さて、オックスフォード駅の真ん前のバス・ターミナルでこれからの目的地に向かうバスに乗った。
どのバスに乗ればいいのかわからなくて、少し迷っていたら足の不自由な男性が声をかけてくれて、ワザワザ該当するバスが止まっているところまで案内してくれた。
ホントに親切なんだよね。
だから私も海外からの旅行者には恩返しをしたいと常々思っている。
私の住むエリアはたくさんの外人が行き交うので、いくらでもそのチャンスが訪れそうなんだけど、実際にはそういう機会がゼンゼンめぐって来ない。
困ったり、迷ったりしているような人が全くいないのだ。
ナゼかというと、携帯のナビゲーターで見知らぬ街もスイスイ歩けちゃうから。
ツマらないね。
やっぱり利便性は風情を殺すのだ。

1802階席の一番前をゲット!
客は私たちだけかと思ったら、となりに若い男性が座っていた。
彼が話かけて来たので少しやり取りをすると、テキサスからひとりで観光に来たのだそうだ。
やっぱり携帯でバス停をチェックしていて、訊くと目的地が私たちと同じだったので降りる時に声をかけてくれと頼んでおいた。
イギリス英語について少しおしゃべりをしたんだけど、やっぱりタマに話していることがサッパリわからないことがあるそうだ。

190最初のバス停。
この隙間にアタマから二階建てバスを突っ込む。
すごいテク。
二階の一番前に座っていると、前と左右のギリギリさがよくわかり、思わず「オワ~!ブツかる~!」と声を上げてしまう。

200後はチョコチョコと途中で停まりながらに郊外まで突っ走る。
220ま~、この景色が見事でね~。

210わかっちゃいるけど、どこもかしこも絵になる美しい風景。
240電線がないのが景色の良さを増長するんだな。

230でも街中から離れるとこうして電線も見かけるようになる。

250間違えてもこんなことにはならない。
コレはホーチミン市内でよく見かける光景ね。

320v_2 お、こんな広告が!
「Cornbury Music Festival」はオックスフォードのグレート・テュー・パークというところで毎年7月に開催されているフェス。
ヘッドライナーがThe SpecialsにKeane(キーン、知らん)にThe Beach Boys。
がんばってんな~、ビーチボーイズ。
チョット調べてみると、今年は他にElkie BrooksとかSteeleye Spanなんかが出演したようだ。
Elkie Brooks観たいな。メッチャいいよね。ナマでホンモノの声を聴いてみたい。

255v20分ぐらい乗ったであろうか。
街を抜けて風景はスッカリ郊外。目指すWoodstockも近い。
地名がいいよね「ウッドストック」。
テキサスのお兄ちゃんからサインが出やしないかと時折目をやると、出た出た…「2 more stops」という指示。

260そしてバスを降りて向かった先がココ。

280門から敷地の中に入ると…ドワ~!
コレの突き当りが目的の場所なんだけど…遠い!
ハイ、ココで皆さんに質問。
皆さんの中にお住まいが、あるいはご実家が「世界遺産」だという方はいらっしゃいますか?

290世界遺産はムリでも、県や市の重要文化財とか伝統的建造物に指定されている古い家にお住まいの方はいらっしゃるかもしれない。
今日、訪れているのは紛れもない「世界遺産」のウチのひとつ。

300「ブレナム宮殿(Blenheim Palace)」といって、サー・ウィンストン・チャーチルの生家なんですよ。
コレまだ門だから。

310どうなのよ、生家が「世界遺産」って。

320外庭はこんな感じ。
ホント、『バリーリンドン』の世界。
「庭でロック・フェスティバルが開催されたことがある」って聞いてきたんだけど、コレなら納得。

330ヨーロッパの国々は今ではそれぞれがゼンゼン別個になっているけど、昔はスペインの王妃がイギリス王室に嫁いで来たりして、各国同士がかなり入り組んだ構図になっていたんだね。
スミマセン、勉強不足で説明がぎこちないことは認めます。
で、18世紀のはじめ、スペインの王室で世継ぎができなくなりそうになったことがあって、フランスが「au laitが、au laitが(俺が、俺が)」と世継ぎを送り込んでスペインをわが物にしようとした。
「オイオイ、そうはイカンぜよ!」と宿敵イギリスやオランダがその前に立ちはだかった。
こうして各地で勃発した争いが「スペイン継承戦争」。
そして、ドイツの「ブレンハイム」という所でフランスをブッ飛ばしたのが初代マールバラ公(=Duke of Marlborough:公爵位。貴族のタイトルのひとつ)のジョン・チャーチル。
モノの本によるとこのオッサン、それまで大した働きはしていなかったらしいんだけど、「アラ、よくやったわね!あのにっくきフランスをしばいてくれたのね?」と時のイギリス君主、アン女王からご褒美をもらった。
そのご褒美がこの宮殿。
実際は宮殿そのものではなくて、土地と宮殿の建設費用24万ポンドが与えられ、1705年から20年の歳月をかけて建設されたんだって。
ちなみに「スペイン継承戦争」により、フランスがスペインから得た「アシエント」と呼ばれるアフリカ黒人の「奴隷供給契約」がイギリスに渡り、イギリスはリバプールやブリストルから武器や雑貨をアフリカに運び、アフリカで黒人奴隷を積み込んで北米大陸や西インド諸島に運び、さらにそこからタバコや綿花や砂糖をイギリスに持ち帰る「三角貿易」で莫大な富を得た。
その富をマンチェスターで発祥した産業革命に投資して、世界制覇の礎としたんだねェ。
ってんで、今回の渡英ではマンチェスターも見て来た。 
 
コレが母屋…やっと着いた。
ヤダね、こんなに広いと。
イギリスにおいて、王族ではない者が所有する「宮殿」はココだけなのだそう。
ヨーロッパ中世に作られた宮殿の中でも3本の指に入るほど「スゲエ」と言われているらしい。
スゲエな。

340後を振り向くとこんな感じ。

345ようやく玄関が見えて来た!
もう一回書くけど、コレ、チャーチルが生まれた「家」だから。
ま、「宮殿」だから住まいは住まいなんだけどね。決して焼肉のタレを作っているワケではありません。

350日本を発つ前からココへ来ることをキメていたので、行きの飛行機の中でこのさしてオモシロくない映画を観たというワケ。
映画にはブレナム宮殿は出て来なかった。

356v玄関(Great Hall)の天井。
ウチのグレート・ホールは完敗だ!

360しかし、スゴイ。
「カンパ~イ」ってやる漫才コンビ何ていうんだっけ…。
「髭男爵」か?
あのね、ホンモノの貴族って「ルイ53世」なんてもんじゃない。
日本の皆さんはイギリスの貴族のスゴさをご存知ないんじゃないかしら。
私もよくは知らないけど、チョット郊外へ出て「マナーハウス」なんてモノを見ると。テレビでよくやっている日本の金持ちなんかチャンチャラおかしくなってくる。
そこら辺のゴルフ場より全然キレイでデカいからね。

370vこんな場所にもかかわらず、観光客がジャンジャンやって来る。
あのバスの中で一緒になったテキサスから来たお兄さんも「すごくキレイだから」と友人にススメられてやって来た、と言っていた。

375調度品も当然立派。

380
420ココは巨大なタペストリーが自慢なんだって。

400ま、こういう調度品の類は実際に見ないとまったくオモシロくないワケで…。
ズラズラと写真を並べるのはやめておきましょう。

410「Long Library」と呼ばれる図書室。

430コレは確かにロング!
いいな~、こんな図書室があればいくらブックオフで108円の本を買って来てもしまうところに困らない。

440突き当りにはパイプオルガンが備え付けられている。
「パイプが3本盗まれたけど戻って来た」みたいな逸話が無料貸し出しの音声ガイドで紹介されていたな。

460

470vこれは教会。

480ブレナム宮殿の西側に位置する庭園。
この壮大なテラスはフランスのヴェルサイユ宮殿と比較されるほどなのだそうだ。

490宮殿を背中にした眺め。
コレ、家の庭ですからね。

500いい天気で素晴らしい!
でも、コレ雨が降ってるの。
風も強くて、噴水の水やら雨やらでヘタをするとビショビショになっちゃう。

510館内にはステキなカフェもいくつかあって、グッズ・コーナーも充実していた。
チャーチル印のスコッチ・ウイスキー。
欲しかったんだけどビン類は重くてね~。
スコッチやらビールやらジンやら、イギリスから買って帰りたいモノはたくさんあるんだけど、ビン類はダメ。

515チャーチルのシルエットのトートバッグ。
「私には国民に要求するモノがない…血と苦労と涙と汗以外は…」
ざけんなよ!シンドイの全部じゃねーか!
それでもこの人たちは戦争に勝ったからネェ…だからこんなこと書いたモノが商品になる。
左上の「IWM」は「Imperial War Museum(帝国戦争博物館)」の頭文字。
イギリスには戦争に関する博物館がそこいら中にあるから。
第二次世界大戦に関する展示では、当然我々が悪者扱いになっていて「なんでぇ、なんでぇ」という気持ちにもなるけど、見方を変えれば、キチンと戦争に関する教育や反戦の啓蒙をしてワケ。
「日本は学校の授業で戦争について勉強することはほぼないに等しい」と、現地のイギリス人の友達に言ったら、かなり驚いていた。
参院選、チャンと投票しましたか?

516何度も紹介しているけど、チャーチルの演説を味わいたい人はBBCからこんなCDも出ていますのでどうぞ。
英語の訓練でコレを車でかけている時に若いアメリカ人の女性を乗せたら、小声で「Oh my god!」とつぶやいてイヤな顔をしていた。
意味はわかりません。
 
ブレナム宮殿はジックリ見たので、次回はオックスフォードの街を見て歩くよ!

517cd<つづく>
 
(2019年6月6日 イギリス オックスフォードにて撮影)

2019年7月10日 (水)

イギリス紀行2019 その1 ~ 万事休す!


予てよりMarshall Blogでチョコチョコと触れている通り、5月の末から6月の中旬まで、丸3週間イギリスに行って来た。
一番の目的はD_Driveのイギリス・デビューのアテンド。
それに会議。
そして、いつもやってるMarshall Blogのためのフィールド・ワーク。
 
大好きなイギリス、何度行ってもまだまだ見て歩きたいロンドン、まだ行ったことのないエリアへの冒険…ナゼにイギリスはこうも私を惹きつけるのか?
それは住んだことがないからだろうな~。
大好きなブリティッシュ・ロックの聖地に旅行気分で行けるとあれば楽しいにキマってる。
住んでしまったらいイヤな部分もたくさん見なければならないだろうからね。
さて、今まで最長の滞在は2週間だった。
今回はそれを1週間も上回る長旅となるので「空は晴れ晴れ、心ウキウキ」のハズ…ところが、とてもそんな気分ではなかったのだ。
 
以前、何かの記事に「おかげさまで今まで海外渡航に際して身体を悪くして困ったことがほとんどない」…なんてことを書いた。
ホントのことだから仕方ない。
ところがコレがイケなかったようだ。
バチではないにしても、今回は完全に狙われてしまったようだ。
まず、過去20回は訪問しているロンドンのこと、とにかく歩くことはわかっている。
また、たくさん歩くからこそオモシロさが倍増する街であることも十分承知しているので、日頃の運動不足を解消するためにも、毎日1~2時間のウォーキングを励行し、足腰を鍛えていた。
あまりに根を詰めて歩きまくったせいで右膝に強い痛みを感じるようになったのは昨冬ぐらいだったろうか?
それからしばらくの間、あまりヒザを使わないようにしていたら案の定痛みが消えたのもつかの間、4月の末にチョット無理をしてMarshallを運んだところ、信じられないぐらいの激痛が右膝を襲った。
まさに「ギックリヒザ」の体。
思わず悲鳴を上げちゃった!
「また静かにしていれば治るだろう」としばらくの間、ウォーキングを止めておとなしくしていた。
ところが、渡英の日は着々と近づいているにもかかわらず、一向に痛みが治まる気配がない。
「コレはマズイぞ…歩けないのにロンドンに行ったところでオモシロくもナンともないじゃないか!」
付け焼刃的に鍼灸院に数回通って何とか強い痛みだけは取り除いてもらった。
それでもヒザの使い方によっては、容赦のない激痛が迫ってくる。
サポーターなしではとても歩けない。
でもそれだけならまだヨカッタ…と言うのは、数日前からどうも身体がダルくて、イヤな予感がしていたのだが、その「イヤな予感」が見事的中。
出発の前日の朝、熱を出してしまったのだ。
そうなると何やら歯が痛いような気もして来る!
上下の奥歯4本。
ガタガタだ…。
 
行くことはいいんですよ。飛行機に乗りさえすればヒースローに着いて、迎えの車に乗ってMarshallに行けちゃうんだから。
でもですよ、行ったはいいけど、松葉杖をつくことになったり、高熱でうなされたり、歯痛で脂汗を流したりして、Marshallの連中に迷惑や心配をかけたりするのはマズイからね~。
勇気を出していっそのことキャンセルしてしまおうか!…と本気で考えたりもしたが、そんなことをしたらD_Driveの通訳仕事は誰がやることになるのか…Marshallに日本語ができる人なんて全くいやしない。
 
結果、まず「行かない」という選択肢はあり得ない。
とにかく身体を休めて少しでも体調を戻しておこう…コレしかない。
ところが、この数か月間、前日まで猛烈な忙しさだったので荷物の準備が全くできていない!
ボロボロだったんですわ。
やっぱりバチかね、ナニかの…。
 
心頭滅却すれば火もまた涼し…出発の日の朝には、少なくとも熱は下がり、幾分調子が良くなったような気がしたので、ヒロアキくんと美瑞穂さんが私の誕生日にプレゼントしてくれたカスタムメイドのパスポート・ケースを携えて予定通り家を出た。
10_2このケースを見るといつも思い出してしまうのがコレ。
ジャケットのデザインはケッタイだけど、カッコいいんだぜ~。
ポーランドのSBBというバンドの『Welcome』というアルバム。

Sbb今回は3週間の旅程ということで、現地での洗濯は覚悟していた、
でも出来ればその回数を1回でも少なくしたいと思い、超過料金なして預ってもらえる最大のスーツケースを新調して着替えをギューギューに詰め込んだ。
いつも使っている全日空の国際線エコノミーは、預けられる荷物が2個でそれぞれ23㎏まで。
 
失敗したよ…。
スーツケースが大きいのも良し悪しで、たくさん入る分、衣料品だけでモノスゴい重量になってしまう。
洋服ってのは重いもんだね~。
普段は考えたこともないことけど、パンパンに詰め込むとその重量に驚かざるを得ない。
そこに情け容赦なくカメラとレンズが2本ずつ!
コレは商売道具だから節約はできん…しかし、レンズってなんて重いんだろう。
それに加えてお土産に各種充電器、パソコン、自分用のインスタント食品(無化調)、その他モロモロ…引っ越しか!
大きいスーツケースに重量物を入れてしまうと、何をどうやっても重量制限をクリアすることができないので、以前から家にあった中型のスーツケースにカメラ類を押し込んでどうにか双方23kgに抑え込んだ。
いいこと教えてあげようか?
コレ、重量の上限の「23kg」っていうのは、小数点以下は切り捨てるんだって。
つまり、23.99kgまでOKなのだそうだ。
知っていれば、イザという時のこの「900g」は大きいよ。
 

ああ、ロンドン・ヒースローまで約12時間。
大好きなロンドンだけど、コレだけはいつになってもうれしくも、ありがたくもならないな。
危ないと思って、一応防寒の用意をして飛行機に乗り込んだんだけど、案の定のモノスゴく寒いでやがんの。
体調がすぐれないせいもあったのだろうが、尋常じゃない寒さだった。

20
ところで、最近飛行機でもWi-Fiのサービスを導入してるでしょ?
飛行機の中でMarshall Blogを書こうと思い、どんな感じかCAさんに尋ねてみた。
親切な方でとても詳しくそのWi-Fiのシステムを説明してくれた。
話を聞いてみると、この機内Wi-Fiのサービスは全日空がやっているワケではなくて、専門の業者のシステムが入り込んでいて、それに申し込みをして電波をつないでもらうという仕組み。
使い放題で2,000円ぐらいだったかな?
ま、それぐらいで仕事がはかどるなら支払ってもいいかな?…と考えていると、そのCAさんがコッソリ教えてくれた。
「お客さま…あの、あんまり、その~…コレって、ええっと、あの~、ナンでしょう、その…飛行機がロシアの上空を飛びますでしょ?
あの、その、え~、そういう時って電波がつながりにくいんですよ」
と、かなり言いにくそうに電波の状況を教えてくれた。
「え、『ロシアの上空』ったって、ほとんどロシアの上を飛んでるんでしょ?ソレってどういうことなんですか?」
「イヤ、ソレってそういうことなんです」
「ハッキリ言って電波がつながりにくいということですか?」
「はい。そうなんですよ!」
急に返事の歯切れがよくなった。
…「君子危うきに近寄らず」ということでWi-Fiは止めた。
 
しかし、わかってはいるけど、「合理化」と称してずいぶん機内のサービスが薄味になったよね~。
あの最初に配られるアツアツのおしぼりが好きだったんだけど、ペーパー・ナプキンになっちゃったし、ワインなんかも以前は小さなボトルで出たのに今はプラスチックのあのカップにトポトポ注ぐだけだもんね。
でも一番コタえるのはコレですよ、コレ…機内食。
ま、もとより美味しいなんて思ったことはないけど、ドンドンひどくなってない?
ビジネス・クラスが恋しいな~。(マイレッジを使って数回乗ったことがあるだけなんスけど)
この時はカツ丼だった。
「カツ丼」というより「コロモ丼」?
30一方、機内の映画サービス。
昔は嬉々として何本も観たものだったけど、最近はアニメと怪獣ばかりで興味をそそる作品がなく、リストに入っていれば「寅さん」を観るぐらいだった。
今回は観たかったのが2本ほどあったので拝見させて頂いた。
まず最初の1本は『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男(原題:Darkest Hours)』というチャーチルを演じたゲイリー・オールドマンがアカデミー主演男優賞を獲得した作品ね。
今回の旅はチャーチルにちなんだパートがあるので観てみたワケ。
ん~、そうだったのか…。
第二次世界大戦の時、イギリスってのはドイツに降伏しようとしてたのね?
それを名演説で国民を奮い立たせ、連合軍の勝利に貢献したのがチャーチル…という筋。

Mp_2私はロンドンのチャーチル博物館なんてのも見ているんだけど、特段ファンというワケではない。
でもチェンバレンよりはいいか?
The Kinksの「Mr. Churchill Says」という曲は好き。
「イギリス英語の勉強のために」と、BBCが作ったチャーチルの演説のCDなんてのも持っている…ま、ほとんど聞いてないけどね。
でも「Never give in!(負けるもんか!)」ってのは覚えた。
チャーチルの家柄はスゴイよ。
ナニせ実家が世界遺産だからね。
このあたりについてはズット後のShige Blogでやらせて頂きます。
さて、映画の感想というと…ま、感動はないな。
さして面白いとは思わない。
作りも比較的重厚なんだけど、やっぱり脚本が薄味で、どうしても感情移入しにくいんだよね~。
戦敗国の日本の人間が仲間だったドイツを打ちのめすために立ち上がる映画を観たところで面白いワケがない。
コチラの歴史的背景の勉強不足ということもあるので、悪くは言うつもりはありませんが。
しかし、イギリスにいる間、ちょうど「D-Day(ノルマンディ上陸作戦)」の記念日にかぶっていて、結構な騒ぎで少し驚いた。

Swcもう1本は『メリー・ポピンズ・リターンズ(Mary Popins Returns)』というディズニー映画。
映画鑑賞者の幼稚化を推進するディズニー作品なんかを観ることはまずないんだけど、名曲がシャーマン兄弟の名曲が詰まった『メリー・ポピンズ』は大好きなのよ。
そもそもジュリー・アンドリュースが好きだし。
ジュリー・アンドリュースの旦那さんって、誰だっけ?…(間)…ブレイク・エドワーズ?こういうことは年をとると自然と忘れるね。
で、この作品はただの焼き直しかと思ったら、『メリー・ポピンズ』の30年後ぐらい(?)の設定で挿入歌も書き下ろしたもの。
曲の魅力は前作には遠く及ばないものの、「ミュージカル・ナンバー然」としていて私は結構好き。
特に最初の「(Underneath the) Lovely London Sky」という曲はとてもいい。
そう、舞台がロンドンというだけでもうれしい。
それとこのメリー・ポピンズを演ったエミリー・ブラントって人はステキだナァ。声もすごくいい。
ただ、メリー・ポピンズにしてはちょっとコワイか?
「昔、ヤンキーだったんですけど、更生して今、『メリポ』やっています」みたいな。
結局、途中で寝落ちして最後までは観ていませんが…。

Mp_1着いた…大英帝国。
飛行機を降りる時にWi-Fiのことを説明してくれたCAさんが私のところにワザワザ来てくれた。
「お客さま、Wi-Fiはいかがなさいましたか?お申込みになられましたか?」
「イエ、つながりにくいっておっしゃるからヤメておきましたよ」
するとニッコリしながら…
「あ!それはヨカッタ!やっぱりつながりにくくてクレームが出ちゃったんですよ!ヨカッタ、お申し込みになられないで!」
と、とてもうれしそうだった。
Wi-Fiシステムのパンフレットには確かに「つながりにくいエリアがあります」みたいなことを謳っていたけど、そんなんでいいのかね?
こっちとしてはとても親切なCAさんのおかげで2,000円損しないで助かった。
その上「またお帰りの際にもご一緒できますように…」なんて言ってくれるんだよ。
営業トークとわかっていても、とても気持ちの良いものですな。
 
しかし、ヒースローもスッカリ様子が変わっちゃって…。
大改装後のヒースローはコレで2回目なんだけど、外国籍の航空会社の発着ゲートが遠くなったナァ。

60_2この「Travel」という単語の使い方!いいな~。
コレは「進行方向を向いててチョーダイね」という意味だけど、「イギリスへ来たナァ」とうれしくなる。
でも、体調はよくないことに変わりなし…ダルいし、もっぱらヒザが痛い。

70こんなの付けたんだ?
まずは「Passport Control」ってか…またタップリ待たされるんだろうな~。
身体の調子がいい時でさえ、長いフライトの後に何時間も列に並ばされるのは実にシンドイ。
1時間ぐらいで済んでくれるとありがたいんだけど…。

80_2ん?
ヤケに空いてるな…。
普段なら万博の「太陽の塔」の行列ぐらい並んでるんだけど…スイスイだ。
(手続き中)
え~!ナンじゃコリャ~!
無人の機械にパスポートをかざして写真を撮るだけ。
あの世界一うるさいと言われる入国審査官がいない!
当然「How many days are you going to stay?」もなければ「What is the purpose of your visit?」もない。
ヒドイ時は2時間以上も平気で待たせやがったあの悪名高い入国審査がなくなっていたのだ!
そういえば、いつも飛行機の中で書いていた「入国コード」みたいなヤツも配られなかった。
コレは確かにありがたいんだけど、今までのアレは一体ナンだったんだよう!
それとも今回だけの特別サービスか?
でも、おかげで少し体調がよくなったわい。
去年NAMMへ行った時、アメリカはもうこの方式になっていたけど、やっぱり審査官と面接していたよ。
アレもスゲエ待たされた。
順序が後先になるけど、帰りの飛行機で隣に座った女性の話。
その方のお姉さんがイギリス人とご結婚されいて、もうロンドンに20年以上お住まいだとか。そこに1か月ほど滞在していたのだと言う。
彼女がロンドンに来たのは私よりちょうど1週間前。
その時は以前と変わらずの手続きで、あの面倒な入国審査官との質疑応答があったのだそうだ。
たった1週間でエライ違いだよ!
  
2つのスーツケースも無事ゲット。
出口には仲良しのディアンが迎えに来てくれて、一路Marshallが待つミルトン・キーンズへ!

90ハイ、着いた!
Marshallの近くのホテル。
車中ディアンと楽しくおしゃべりをしたおかげで身体がまた少しラクになった。
もうディアンとも15年の付き合いだからね。
それこそ年に1回ぐらいしか一緒に会わないけど、定期的に一緒になる人とは、会わない時間が長いとまたそれなりに近しくなったりするもんだ。
 
これで夜の7時ぐらい?
イギリスは6月20日辺りを目指して昼の時間がグングン長くなっていく。
5時にピッタリに仕事が終わって、10分ぐらいで家に帰って、風呂に入って、イッパイやって、ごはん食べて外がこんな感じってどうよ?
ま、その分秋ともなれば、昼は短くなり、長い長い冬の到来を覚悟しなければならないんだけどね。
それでも私は蒸し暑いのよりはいいナァ。
 
あまりのマズさに着陸前の飛行機の食事はいつもほとんど食べないので、この時間になると小腹が空いてくる。
100簡単に荷ほどきをして外に出る。
まずはホテルに隣接しているMarshall Arenaを見に行かなきゃ。
Marshall ArenaのようすはMarshall Blogでレポートしているのでココでは触れない。

110グルリとMarshall Arenaの裏まで回るとマクドナルドが現れる。
となりはケンタッキーフライドチキン。
今、この辺りはサッカー・スタジアムやホテル。スーパーにチョットしたショッピングモール、それにレストラン街ができて大分賑やかになったけど、私が初めてココに来た時にはこのマクドナルドさえなかったからね。
ナ~ンにもなかった。
しかしスゴイ雲だな~。

120こんなメニューがあるんだって。
「Great Taste of America」だってよ。
「アメリカの味」がグレートだと思ったことは一度もないナァ。
「アメリカの量」がグレートなのにはいつも驚かされるけど。
でも、外人って食うよね~。
所詮、われわれ黄色人種とは内蔵の機能と耐久性が全く違う。
私はこのハンバーガー・チェーンはずいぶん長い間敬遠しているので、地球の裏でも完全にパス。
 
ホテルのすぐ隣がASDAという24時間営業の巨大なスーパーマーケットなので、そこでサンドイッチとポテチと缶ビールを買ってくればそれで大満足なのさ。
そんなの身体に悪いって?
ま、いいワケはないけど、日本のモノよりはるかに安心だ。
私は日頃からなるべく「MSG」、日本で言うところの「調味料(アミノ酸等)」と表記されていないモノを摂るようにしているんだけど、イギリス政府はこの「MSG」の使用を厳格に禁止している。
イギリスだけじゃない、ドイツも同様。
あのアメリカでさえMSGの使用を厳禁している。
長い間摂取していると気が狂っちゃう危険性があるから法律で取り締まっているそうだ。
「ナニを言ってるの?アメリカなんてそんなの禁止していても極度な肥満体があんなに多いじゃん!」というご指摘は当然のこと。
砂糖タップリの炭酸飲料に脂まみれの食餌がもたらす肥満が身体にいいワケがないけれど、MSGはそれより危険ということなのですよ。
イギリスに1週間もいて、日本に帰ってラーメンとか立ち食いソバを食べてごらん。
MSGがどういう味をしているかがきっとすぐにわかる。
海外に行くと、日本人が安価目当てにMSGだけでなく、あまりにもリスキーなモノを摂っているかがすぐに理解できる。

130しかし、やっぱり身体がシンドイ…。
コレから向こう20日間、ホントに大丈夫なのだろうか?
まずは歯が痛くならないように甘いモノは絶対に控えよう。
ヒザもなるべく負担がかからないようにして…と。
 
やれやれ、いつかあんなこと書かなきゃヨカッタなぁ。

140つづく

2016年7月 8日 (金)

イギリス紀行2015 その19 <最終回>~ さらばUK、また来る日まで!

この紀行文もチンタラやっているウチに早一年が過ぎてしまい、その間にイギリスの国体が変わってしまった。
この旅をした頃はまさかイギリスがEUを離脱するだなんて夢にも思わなんだ。
世の中っていうのは変わるもんだナァ。

さて、まだEUの一員だったころのイギリスでの最終日。
もう夜には日本に向かう飛行機に乗らなければならない!
フライトの時間まで大分あるので、ニューポート・パグネルを離れ、ジョンの家で時間をつぶさせてもらうことになっていた。
その前に…お土産をほとんど買っていないので、ジョンに頼んでミルトン・キーンズのショッピング・センターに寄ってもらった。
ココはもう相当何回も来ているので勝手知ったるところ。
Marks & Spencerがあることも知っていたのでまずそこへ直行。

05コレ、マクドナルド。
私には無用の代物だけど、チョット興味を引いたのは、この突っ立っている三基のメカ。
これでオーダーするらしい。
海外のマクドナルドの店員って、信じられないぐらい不愛想じゃん?それともアレはニューヨークだけかな?不愉快というよりコワい。そういう時にこのシステムは実にありがたいね。
さて、お土産。
Marks & Spencerでアレやコレやと買い込んだけど、数が足りない!
ということで、チョット離れているが、Sainsbury'sへ移動することにした。
数を稼ぐには紅茶が一番。Sainsbury'sにはコスト・パフォーマンスに長けた紅茶のパッケージが豊富に取り揃えてあるのだ。

06約束の時間時間にチョット遅れてジョンが迎えに来てくれて、彼の家を再訪した。
ありがたいことに荷物を全部部屋に上げておいてくれた。
お土産を買ったので、荷造りをし直せるようにという心配りだ。
ジョンは強面だが、実に細かい気配りのできる人なのだ。
実は、ジョンの家にまた行ったのには、時間を潰すという以外の目的があった。

10_2それは下の写真の彼、バディちゃん。
一昨日彼が徹底的になつかなかったのをエリーが気にしてくれて、リターン・マッチを仕込んでくれたのだ。
エリーも実にキメ細やかに気を遣ってくれる人で、昨日お土産に持っていったお菓子を開けないでキープしていてくれて、我々の目の前でバディにそれらのお菓子を開けさせたのだ。
そして、「シゲとミユキが持ってきてくれたのよ!」と何回もバディに吹き込んで何とか慣れさせようと努めてくれた。
そして、ようやくこんなことができるようになってきた。
やっぱり女性の方が圧倒的にウケがよく、徐々に家内には接近するようになったのはよいのだが、今度は家内がビビってる。
そう、言葉がサッパリわからんのよ。
そのうちバディは自慢のDVDを引っ張り出してきて、ひとつひとつ家内に「フガフガ」と説明し出す。
家内はもう「ワオ」と「サンキュー」の一点張り。イヤ、二点張りか…。

20vでも、いつの間にか距離は縮まってこんな調子。
バディは一生懸命何か説明してくれている。

30_2すると向こうからカヌーがやって来た。

40_2さすがネイティヴだよ。
こんな小さい子でもそれを指して「Another boat!」と叫んでる。
言えないよ~、日本の子に「another」は…当たり前か。

50_2ナンダカンダでスッカリ仲良し。
絵本を見ながら「Funny face!」なんて大よろこびしている。もちろん、内容は英語なので読み聞かせはできません。
結果、家内は「another」と「funny」を教わりましたとさ。
そして、いよいよ出発の時間に…。
さんざん強要されて何とかバディが「Thank you Shige.  Thank you Mi#$%#」と挨拶してくれた。
スティーブが迎えに来てくれて、ヒースロー空港へ。
イヤ~もうジョンとエリーにはとんでもなくお世話になっちゃったな~。
最高に楽しかった!

60車の中で運転手のスティーブと色々話した。
スティーブは最後のジムのショーファーだ。私も10年以上の付き合いがある。
ブレッチリー・パークの暗号博物館の入館料が高すぎて入れなかったとスティーブに話すと、次回はタダ券を用意してくれるって。オレは覚えてるぞ!
アッという間にヒースローよ。
新しいターミナル。エラク変わった。
ANAのカウンターの受付が知った顔の女性だったので、新しいターミナルについて少し話をした。
以前よりも遠くなって不便になったとのこと。
免税店も以前の方がヨカッタという。

70さっそくロビーに向かうと…あ~あ~あ~あ~あ~、スッカリ様子が変わっちゃったよ!

80…というか以前と別の建物なんだから仕方ない。

90上から見るとこんな感じ。
確かに広くなったけど、「世界一充実している」と言われていた以前の免税店コーナーの方が愛着があって全然いいな。

100_2それでも「ホンモノのイングリッシュ・エールが飲める最後のチャンス!」という触れ込みのバーはやっぱり用意されていた。

110…というので1パイントずつ頂きますわナァ。

120_2それとチップス。
イギリスのフレンチ・フライはやっぱりおいしい。

130こんなものも据え付けてあった。

140vさらばロンドン!さらばUK!また来る日まで。

150vヨーロッパ便ってロシアの上を飛んでいくでしょ?
上から見下ろしていると、モノスゴイ野っぱらとか山の中で時折、いくつか小さな小さな明かりが見えるじゃない?
アレをみるといつも「一体どんな人がどうやって暮らしているんだろうナァ~」って思うんだよね。
これから我々はまた東京へ戻ってMarshall Blogを毎日書いて以前と同じ生活に戻るけど、あの明かりの家に住む人達は我々とはあまりにもかけ離れた生活を送っているワケじゃない?何かそれがすごく不思議なんだよね。

160_2それにしても飛行機の中の映画もツマらなくなったナァ。
昔は最多で往復7本の映画を観たこともあった。ま、その頃も大した映画をやっていたワケではないけど、今よりは少しはマシか?
『アメリ』を往復で3回観たこともあった。

170そして、恐怖の機内での朝食。最後の機内食だ。
私はお腹が空かないのと疲れで、スキップすることが多い。
最もどうにもマズイものが出て来るのを既に知っているからお腹も空かないんだけど…。
コレ、ウマければ食べちゃうよ。
下は家内のチョイス。
ソーセージとオムレツ。いつも出るんだよ。
もうニオイでヤダ。ウンザリということで私はもうひとつを選んだ。

180_2ナンカのおかゆ。
ビックリ級のズイマ!コレはヒドイ!ヒドすぎるぞ!
そういえば、いつかUAに乗った時に、やはり朝食で「韓国風ヤキソバ」みたいなものが出たことがあった。
コレがまた泣きたいぐらいヒドイ味だった。
スチュワーデスが(今は「CA」っていうのか?当時はスチュワーデス)、隣に座っていたアメリカ人に「お味はいかがでしたか?」と尋ねた。
すると、そのアメリカ人はなんのたらいもなくハッキリと「Disgusting!!(クソマズイ!)」と言い切ったのには大笑いしてしまった。そのCAも笑っていた。

190_2ということで羽田に帰着。
家内がいてくれたおかげで比較的アッという間のフライトだった。
京浜急行で帰ろうと思ったら地震の影響でダイヤがズタズタで、エラク時間がかかってしまった。

10 イヤ~、楽しかったナァ。行っている間に父が死んじゃったけど…。
一年経った今でもこの時のことをアリアリと思い出すことができる。
私も軽く30回以上はイギリスに行っているが、最も楽しい旅のひとつだった。

実は家に帰ってビックリしたことがあった。
それはこうだ。
荷解きをしていると、私のデイバッグのポケットから見知らぬ封筒が出てきた。
そこには几帳面な字で「To Shige」と記してあった。
何だろう?と思って中に入っていた手紙を取りだして読んでみると…そこにはジョンからの私の父の逝去に関するお悔みと私への励ましの言葉がつづられていた。
感動。
泣いちゃったよ!
そういう人なんだよナァ、ジョンって。
Marshallに勤めていて、そしていい上司に恵まれて本当に幸せだと思った。

翌日はお通夜、そしてお葬式と長旅の疲れなど許されない過酷なスケジュールだったが何とかこなした。
それもこれも家内のキメ細かな協力なくしてはとても乗り切れなかったと思う。
この場をお借りして心から感謝申し上げる次第である。
また行こうぜ!EUじゃないイギリス!

200おわり

2016年6月10日 (金)

イギリス紀行2015 その18~イギリスの田舎町を探検しよう!

ナンダカンダで昨晩のパーティがお開きになったのは、午前一時を大分過ぎた頃だったであろうか?
それにしても向こうの人たちの体力には頭が下がる。
ま、ハナっから競うなんて気はない。ひたすら感心するのみだ。
日本人はホンモノのアルコール中毒にはなれないとか聞いたことがある。基本的に体力がないので中毒になる前に身体が壊れてしまうのだそうだ。
そこへ行くと西洋人は屈強な上に肝臓が丈夫、さらに活発なアルコール分解酵素を持っているために、すさまじい量のアルコールを摂取しないと中毒にならないし、一旦なってしまうと本当に酒で死ぬまで飲み続けることができるらしい。
ニコラス・ケイジの『リービング・ラスベガス』なんて映画があったけど、ビリー・ワイルダーの『失われた週末』とかブレイク・エドワーズの『酒とバラの日々』なんて、日本と異なり、アルコール中毒患者を主役にした映画が作られるのもそうした肉体的な背景があるのかもしれない。

05v前回書いた通り、この時泊まったホテルは17世紀の建物で、相当年季の入ったモノだ。
でもこうしてちゃんとWi-Fiが飛んでいる。もちろん無料。
有料としているところもあるが、イギリスはどこのホテルでもB&BでもWi-Fiが有効だ。
そこへ行くと、日本のインターネット環境の整備の遅れようはかなり顕著なものだ。

06vイギリスに行ってロンドンや有名な都市の名所旧跡を訪れるのもとても楽しいが、こうして田舎の小さな町をブラブラと見て歩くのも非常におもしろい。

20町並みを見て歩くのもよし、日本では見かけないものや、もう見ることのなくなったものなど、発見がたくさんあるのだ。
やっぱり足を使って見て回らないとダメだね。
ということで、朝食の前に家内と町をひと回りしてみた。

23イギリスってすぐに見て回れるものすごく小さな町がボコボコッと点在していて、それぞれに風情があっていいんだナァ。
でも、このNewport Pagnellという町は小さいながらも侮れないスゴイものがあるのだ。
それは後半で紹介する。

25コレは宝石屋さん。
ナゼこの写真を撮ったのかというと、Andrew Charlesという社員がMarshallにいるからなのだ。
Andrewに尋ねてみると、まったく関係はないそうだ。

30イングランドの典型的な天気?
朝早いうちはちょっと晴れているんだけど、昼ぐらいには曇ってしまう。
そのうちポツポツと雨が降りだして、夕方になるとカラッと晴れてくる。
今日もきっとそんな一日だろう。

35お、アソコの赤い建物に「ROCK」の文字が…。

40「Mortgage Broker」というのは「住宅ローン・ブローカー」という意味。すなわち、銀行より安い金利で住宅建設資金を融資する機関らしい。
サラ金とはチョット勝手が違うようだ。

50v_2「Mortgage」という単語は「抵当」という意味で、ココは、ま、中古の楽器屋さんですな。

70

見るからにチープな雰囲気が漂ってますな…。

60例に漏れずココも汚い。
西欧の人が東京に来ると必ず「きれい」というが、コレは「清潔」という意味。すなわち「clean」。
東京の街は決して「beautiful」ではない。

80_2ロンドンなんかも実に不潔なんだけど、街は飛び切り美しい。
すなわちロンドンは「clean」ではないけど「beautiful」だ。
ニューヨークなんてブロードウェイの歩道の真ん中に平気で巨大なウンコが落ちていたりするもんね。
イヌの飼い主が始末しないでどっかへ行っちゃうんだろうね。
ブロードウェイなんかどこも人通りが多いからね、全員が避けてなんか歩けない。ドンクサいヤツもいるだろうし…大勢の人に踏まれることによって清掃処理が進むワケだ。
ご存知の通り向こうは土足の文化だから、そのウンコを踏んづけた靴で自分の家の中に入っちゃう。
ま、家に着く頃には大分歩いているので、付着物はほとんど靴には残っていないだろう。
でも、コレ、日本人は絶対に許せないよね?
あなたできますか?
向こうの淑女は何千万もするミンクのコートを、用を足す時に平気でトイレの地面に置いちゃうっていうからね。

1_img_0937高い建物も一切なくて町並みがとてもいい感じ。
ネ、みんな建物をズラ~っとくっつけちゃうんだよ。

85ちょっとわかりにくいけど、写真の左の方向へ進むと家々はパタリと姿を消して、また次の町までのっぱらが続く。
かつてJim Marshallの家もその路上にあって、前を通りかかったが、デカい家だったナァ。
終の棲家ほどでもなかったけど、相当立派な物件だった。

86コレは「Picture This」という額縁屋さん。

90v「Bespoke Flaming」と看板にあるのは「額のオーダーメイド承ります」ということ。

100この日は「Bank Holiday」で町は一斉にお休み。
「Bank Holiday」というのは、その名の通り、日曜日以外に銀行が休業する日。
5月の第一&最終月曜日と8月の最終月曜日がそれに当たる。
18世紀、ジョン・ラボック卿という人が、銀行の人達はあまりにも働きすぎり、ということで強引に銀行が休む日を決めてしまったとか。
映画『メリー・ポピンズ』に「A British Bank」という「銀行はかくも厳格であるべし!」という曲があるが、銀行員のポジションというのは相当高いものだったんだろうね。
でも、おそらくその身分が高い分、「Nobless Oblidge」に基づいて市民の生活のためにハードに働いたのだろう。
イギリスの友人にBank Holidayのことを尋ねたことがあるが、「Banl Holidayは国民の働きすぎを防ぐためにあるのさ。だって、銀行が休業しちゃえば一般の企業は休まざるを得ないだろ?」って説明してくれた。
今では解釈が異なるようだ。

103黄色が可愛い「大砲」という名のパブ。
中はどうなってるんだろう?

105田舎はCADシステムがないためこうして電線が空中にむき出しになっている。
でも見た目は実にシンプル!

110それで思い出した!
チョッ~ト、コレ見て!
東京に来たたいていの外人は電線にタマげるけど、コレは私も驚いた。
こないだ四谷で見つけたんだけど、もはやチョットしたH.R.ギーガー状態?
コレ、業者の人、どういう仕組みかわかってるのかな~?
この辺りは小さい飲み屋がものすごくたくさん密集していて、恐らく配電のシステムがメチャクチャ複雑になっているんだと思う。
大地震が来たらこんなもんが高電圧を帯びてジャンジャン降ってくるワケでしょう?ホントにコワいし、こんなの復旧できないんじゃん?

1_img_2083_2 何気ないレンガづくりの建物…あ、これは四谷じゃないよ。

120_2こんな建物も保存対象になっている。

130コレなんかかなりスゴイ。

140コレはかたつむりの家。

150「かたつむり」に何の意味があるのかな?
ナンカめでたい意味合いがあるんだろうね。
古今亭志ん生の「なめくじ長屋」というのは有名だが、「かたつむり」はしらないねェ。

160黄色いドアがカッコいい!

170_2通りがかりのパブ。

180_2「The Bull」という名前。

190v_2「Sunday Roast」というのは、地主が農奴に一週間の働きをねぎらって、毎週日曜日に雄牛のローストを与えたことを起源とするイギリスの日曜日の伝統的な食事。
ロースト・ビーフ、ジャガイモ、ヨークシャー・プディング(シュークリームの皮みたいなヤツ)、ファルス(肉詰め)、野菜の付け合わせとグレイビーで構成される。
それで今の為替レートでだいたい1,100円ぐらい。さほど高くないのはここが田舎だからだろう。

210v

ちなみにロンドンの中心部のパブでは食事を出さないところばかりだ。
こうしたい中のパブはレストランを兼ねていて、しっかりした食事を提供している。
日本では見たこともないメニューが結構あって、ウサギを出すところもある。
このメニュー、全部ソーセージ。

200v_2ボッコンと佇む一軒。
何だろね?
気になるのは後ろの壁。

220_2こんなヤツ。

1_img_0974ASTON MARTIN…。

1_img_0975 そう、冒頭に「スゴイもがある」と書いたのは、ここNewport PagnellはASTON MARTINの本社があったところなのだ。
上の一軒家はかつての本社社屋。

230猛烈に車に疎い私でもASTON MARTINぐらいは知ってる。
もちろんジェイムズ・ボンドの愛車としてだ。

240_2イギリスの最高級車は、ビジネス向けはロールス・ロイス、スポーツカーはアストン・マーチンというの定番だとか。

250車に関してはなんの思い入れもなし。
記録として数枚掲載しておきます。

260_2

280_4

290

295vNewport Pagnellなんてまず来ないからね~…

300vコレで「あ、オレ、アストンの本社行ったことあるよ!」と威張れる。

310v_2ブラリブラリとさらに街を歩く。

320_2例の家のアダ名のプラーク。
「COBWEB」というのは「クモの巣」のこと。
なんでフクロウなのかなわからない。好きなのかな?

330イギリスは郵便発祥の地だからして、ポストにも歴史を感じる。すんごい色んなタイプがあるんだよね。

1_img_2431 ホテルの数軒先にあった映画関係の古本屋。

350vこういうものには際限なくそそられるね~。
370
チョット失礼して…。
左下にはロレンス姿のピーター・オトゥールのポートレイト!
ク~、中をジックリ見たかったな~!

360お菓子屋さんのショウ・ウインドウ。
「ルビー婚(40周年)」を祝うケーキ。
ウチは来年「真珠婚(30周年)」なんよ~。それを祝ってまたイギリスに行きたいけど、チョット無理か…。

380ホテルに帰着。

10 この日の朝食。
コレでfast(断食を)をbreak(破る)する。
このホテルはやや軽めのイングリッシュ・ブレックファストですな。
このトースト!
イギリスの食パンは麦の香りが強くてとてもおいしい。
三角に切った薄めの食パンをこのトースト・ホルダー(って言うのかな?)で供されるのがうれしい。
ちなみにイギリス人には日本人のようにトーストを厚く切って食べる習慣がない。
Marshallの社長が来日して同宿した時、朝食を一緒に摂ったのだが、彼は出された厚切りのトーストに驚き、そして大爆笑していた。

ところで、言っておくけど、そこらで売ってる日本のパンって異常だよ。
何故なら、カビないからだ。うす気味悪い。
オーストラリアに住んでいたウチのセガレも言っていた。
イギリスでもオーストラリアでも、パンというものはすぐにカビが生えるものだ。
ホントにアッという間にカビる。
日本の大手メーカーが売っているパンってカビないでしょ?
アレ、防錆剤を喰っているようなものだとか…。
絶対に食べないようにしてる。
何日も店頭においてあっても痛まない惣菜入りのパンなんて、何をか言わんやだ。
日本は政府と大手食品メーカーが結託しているもんだから、危険な食用薬品を規制しない。
「アミノ酸」とよんでいるヤツとかね。
自分で気をつけて変なモノをなるべく口にしないようにするよりしょうがない。
10_2
昨晩はジョンとエリーが主役だったため遠慮していたのか、少し我々に慣れたせいか、大勢の人が「着物」に関する質問をしてきた。
「自分で着たのか?」とか「帯の仕組みはどうなっているのか?」とか「いろんな種類があるのか?」と興味津々!
ジョンのお姉さんのご主人はスウェーデンの人で、しきりに言っていた。
「着物にはなじみがあるんだ。ノーベル賞の授賞者の奥さんが式典で着ているからね。でもそれはテレビの話し。昨日はホンモノの着物が見ることができて感激したよ!なんて美しいんだ!」
やっぱり苦労して仕込んだ甲斐があった。

今日はイギリス最後の日。
この後、ジョンの家に寄って、しばらくしたらヒースローに向かい、夜の便で東京へ帰るのだ。

1_img_2461次回、最終回につづく!

2016年6月 7日 (火)

イギリス紀行2015 その17~いよいよメイン・イベント!

素敵だったコッツウォルズを楽しんだ後に向かったのは、ミルトン・キーンズから5kmほど北にあるニューポート・パグネルという町。
今日の宿泊地はココ。
本当はもう少し見て回りたかったのだが、夜に控えたこの旅のメイン・イベントに備えるために安全を見て早々にコッツウォルズを後にしたのだ。

10_2投宿したのはSWAN HOTELという古いホテル。
30
看板を見ると「Circa 1681」とある。
「Circa」というのはラテン語で「およそ」という意味。

20おいおい、17世紀の建物だよ!

40…といっても中はとてもきれい。
建物自体は17世紀に建てられたものでも内部は何度も改装している。
連中がガンガン上からペンキで塗っていっちゃうから経師と違って工事が楽だ。
コッツウォルズの時にも書いたが、「石の文化」とはいえ、それは外側の話しで、中のスラブ(床)は木材でできている。
そのためどこもかしこもデッコボコ!
我が家の床もかなり勾配が付いているがSWAN HOTELには到底かなわない。

45ロビーにあるバー。
イギリスのホテルはどんなに小さくてもこうしたバーが付いている。
パーティの前後にバーでイッパイやるのが普通のやり方。
そして、ちゃんとイングリッシュ・エールが用意されている。

106

部屋はこんな感じ。
とてもきれいだが、床につけられた勾配は生半可ではない。

46ホテルの向かいの建物。
コレ、郵便局。

50そして必ずある教会。

60vさて、ウチの奥方はというと…
着物と格闘中!
この旅のメイン・イベントとは我がMarshall社社長ご夫妻の結婚10周年記念パーティに出席することだったのだ!
それで、せっかくだからサプライズで着物で出席しようじゃないかということになった!
私もチョンマゲ結って裃付けて出席したかったのだが、スーツケースに入り切らないので諦めた。
70v_2家内はこの日のために友人の着付けの先生についてクラッシュ・コース(詰め込み授業)を受けてきた。
私と違ってマジメな家内は、家で毎日繰り返し練習をしていたが、やはり本番前となると緊張するらしく、ココでも何度かやり直していた。

80vやっぱり大変なのは帯。
それでも事前の練習の成果があってか、数回整えるだけでバシッとキメたようだ。

90vパーティは午後8時のスタート。
まず、ほとんどの人が時間通りには揃わない。
何とな~く集まって、何とな~く始まるのが普通。

100日本みたいに開会の辞、主賓の挨拶、乾杯の儀…なんてことはない。
何とな~く時間になると、何とな~く、みんな飲み物を取りに行ってすぐにご歓談なのね。
私はジョンに教わって下のバーで頂いてたらふくビターを飲ませていただきました!

105コレでもう夜の8時。
はじめはこんな感じだけど、知らない間にメッチャ人が増えていた。
ま、挨拶なしとは言っても、さすがに「結婚記念パーティ」ということで主催者のジョンからひとことあった。
その後、愛妻エリーを呼びだすと、エリーはジョンに飛びついて、みんなの見守る中ふたりで踊るワケよ。
こういうことがまた自然でカッコいいんだナァ~。
日本人がこんなことやってみな?…というか、マネしてはいけない。
コレは彼らの文化なのだから。
それにしてもカッコいい。
丸っきり映画を見てるようだった。
それとジョンのご指名でご家族の写真を撮って差し上げた。
ジョンのお母さんはスコットランド、お姉さんはスウェーデンとご家族がてんでバラバラのところに住んでいるので、こういう時でないと一堂に会するチャンスがない。
そのチャンスを私に収めて欲しいというワケ。
もちろんよろこんで!
ここには載せないけど、いいのが撮れました。
「Don't close your eyes, look at the lens, show me your teeth!One , two, three!」でたいていいいのが撮れる。

1_img_0825 昨日のホームパーティで顔見知りになったジョンとエリーの親類以外に誰も知っている人がいないかと思っていたら大丈夫。
仲良しのゲイリーがいた!
写真の女性はゲイリーの奥さんのエマ。
旧姓をキングさんといって、昔はジムの秘書をしていた。
この二人が結婚する前から知ってる。
2001年に「マーシャル祭り2」を開催した時、急遽ジムが来日できなくなったことを知らせるために私に電話をして来たのがエマだった。
その後、フランクフルトで一緒になったりしているウチに二人と仲良くなった。
この家はとても可愛いお嬢ちゃんが二人いてね、妹のコニたんはMarshall Blogにも登場しているのだ!
110_2
出席しているのはご夫妻の親戚、近所の親しい方、そしてMarshallの重役と仲良しの従業員が二組。
ま、私も一応Marshallの社員なんだけど、ナンダって私たちが出席しているのか…?
実はコレには伏線があるのね。
三年前にジョンとエリーが来日した。
その時、ジョンが「オレはエリーを日本に連れてきたんだから、次はシゲがミユキをイギリスに連れて来る番だぞ!」と…この機会を作ってくれたのだ。

先日Marshall GALAに来てくれたグレースもいた!
グレースは数年前プライベートで日本に遊びに来てくれたことがあってね、その時家内とも仲良くなった。

130_2

今日の主役のエリーと一枚。
エリーも幸せそう!

120_2経理の重役、デヴィッドと奥さんのポーリンも!
ナント、このお二人の息子さんのガールフレンドも日本人で、「ミユキ」というのだそうだ。
うちの「ミユキ」のことをデヴィッドが事前に話してくれていたので、ポーリンは会うなり、「あなたがミユキね~!」と親しげにハグハグしてくれた。
こういうのはうれしいもんだね。

140ゲイリーとエマとも一枚。
連中も着物姿の日本人女性は珍しいので大変よろこんでくれますな。
スーツケースの半分を使って着物や帯を持ってきた甲斐があった。

141いつの間にか外は真っ暗。
ひとしきり飲んでしゃべった後は恒例のディスコ・タイム!

145ま~、向こうの人はとにかくダンスが好きだね~。
公園の盆踊りみたいに自然とみんなが輪に入って踊りだしちゃう。
それだけじゃなくて歌っちゃう。スコットランドのナントカという曲の大合唱はすごかった。
それと、「YMCA」ね。
出るかな?と期待していたら出たよ!
『Rocky Horror Show』の「Time Warp」。もうみんな一糸乱れぬ振付が素晴らしいの。もちろん「♪Let's do the time warp again」の大合唱も忘れない。
私はこういうの苦手でね~。
写真を撮るフリをして逃げ回っていたら、最後の最後にゲイリーに引っ張り込まれて踊らされてしまった!
楽しかった~。

200_2

ところで、コレもう夜中の12時ぐらなんだよ。
夜になると人がいるんだか、いないんだかわからないぐらい静かな町で、窓を開けっぱなしで爆音でディスコ・タイムをやってる。

160外へ出て驚いた。アータ、丸聞こえよ!
こんなんでよく苦情が来ないな~。

170何となく始まるパーティは何となく長い。
でも何となく終わるんだよね。
190v
一本締めも乾杯もない。
何となくバーに移動して何となくまた飲み直すのだ。

180最後にジョンと一枚。
おめでとう!
やさしくて巨漢のジョンは家内と写真を撮る時、いつも極端に低くかがんでくれる。
踊り狂ったジョンも汗ダク!
着物の家内を見て「Gorgeous!」と言ってくれた…のが家内は大層うれしかったとのこと。
よかったね!

210v_2何となくね用途しているんだけど、興奮しているんだか寝られない!
ああ、いよいよ明日でイギリスも最後だ!

220つづく

2016年5月20日 (金)

イギリス紀行2015 その16~コッツウォルズってのはこんなところか~!

さて、夕刻にメイン・イベントを控えた滞在7日目。
この晩のためにはるばるイギリスにやって来たといっても過言ではないどころか、その通りなのだ。
でも、その前に…。
コッツウォルズに連れて行ってもらった。
日本でのコッツウォルズ人気はすさまじいものがあるでしょ。いくらでもガイドブックが出てる。
運転手は一昨日アールズコートからミルトンキーンズまで連れて来てくれたディアン。

05Marshallの工場があるブレッチリーからコッツウォルズまでは一時間とチョット。
途中の景色はひと時とて見逃せない。

10ディアンに頼んで、まずはコッツウォルズのはずれのチッピング・ノートンへ。
「チッピング」とはマーケットのことで、この街は13世紀には羊毛の取引で世界的に有名だったとか。

20何を撮っているのかというと…

40

…コレ。

30ココはかつて有名なレコーディング・スタジオだった。
詳しくはコチラをご覧くだされ⇒【イギリスーロック名所めぐり vol.16】 コッツウォルズにロックの名所なんかあんの?!

50その後、Marshallの社長夫人おススメのスポットへ向かう。

60ここはストウ・オン・ザ・ウォルド(Stow-on-the-Wald)という村。

70有史以前からあったというこの村はアンティーク・マーケットの中心地で14世紀から続く馬市が有名なのだそう。

80マァ~、どこを見回しても年季の入ったライム・ストーンの建物だらけで素晴らしい雰囲気!

95ま、よく考えたら白川郷みたいなもんだね。

100Marshall Blogに掲載した写真もあるけど、エエイ、また載せちゃえ!

105この家々を花で飾る習慣はいいよね。冬が長いので、花が咲く季節には思いっきり花のある光景を楽しもうということか?
ガーデニングが発達したのもそういう事情なのかしらん?

110v_3
140v
田舎の家にはこうして家にニックネームを付けていることが多いようだ。
日本で言うと字名みたいな?
ここは「梨の木の家」。
ウチもね、昔は祖父が植えた巨大な桐の木が生えていて、近所では「桐の木の家」としてよく知られていて、子供たちの待ち合わせ場所になったりしていた。

120そう、建物をドバ―っとひっ繋げて建ててしまうため、道路というか通路が少ないんだよね。だからこうした路地をたくさん作って行き来をしやすくしている。(…のではないかと思う)
126v
コレもそう。ズーっと置くまで続いている。
天井を見てみて。
よく「石の文化」とかいうでしょ?たしかに石でできた家のつくりは堅牢で、何百年もの風雪に耐えることができるが、古い建物のスラブ(床)は圧倒的に木材で作られている。
昔はそれしか技術がなかったんだろうね。
だから見た目は立派でも、中にはいると床がデッコボコという古い家がたくさんある。

125v息を飲むような美しい景色。
ここストウ・オン・ザ・ウォルドはコッツウォルズ地方でもっとも標高が高いのだそうだ。
それゆえ、こうして美しい光景を眼下にながめることができる。

130町の中心にあるSt. Edward's教会。

1_img_0677 北の入口がこんなんなってる。
木と建物が合体しちゃっている。
木はイチイだそうだ。
ホント、森の妖精が住んでいそう。

16img_0685

入口の丈が低いのは、昔の人が小さかったから。
この教会は歴史的には大変古いようだが、18世紀と19世紀の後半に大掛かりな改装が施されたとのこと。

160vほら、昔の小さい人が出てきたと思ったら妖精だった!

170vさて、次の場所に移動。
コッツウォルズとひと言でいっても、数々のエリアが点在している。

180途中、いくらでもこんな光景に出くわす。

190日本で言えば「飛騨古川」ってなところか?

200そして着いたのがボートン・オン・ザ・ウォーター(Bourton- on -the-Water)というコッツウォルズでも一、二を争う人気スポット。

210確かに美しい。

215美しいのはいいんだけど、何しろスゴイ人出なのよ!

220でもやっぱりココも、どこもかしこも「おとぎの国」のように可愛らしい。

230

240vやっぱりココの一番の魅力は静かに流れるこの川でしょうね。

250ディアンと家内で一枚。
この時からちょうど一年経った。つまりこの写真を撮ったのはピッタリ同じ時期なんだけど、ダウンを着てる!
そう、日向はいいんだけど、日陰に入ると寒いのよ。

260そして、また移動。
馬が平気で歩いてる。ポロの選手かな?
この後、ホンの少しだけバイブリーというところに寄ってもらったが、時間が怪しくなって来たので早々に引き上げた。

270帰路、通りかかった刑務所。

280今日の最終目的地はココ。
ミルトン・キーンズのチョイと北のニューポート・パグネル(Newport Pagnell)というところ。
この後に控えた旅のハイライトを迎えるため、ここで一泊する。

290つづく

2016年5月 1日 (日)

イギリス紀行2015 その15~ミルトン・キーンズに来た!

前の日の晩、8時過ぎに住み慣れた(ウソこけ!)ロンドンを離れ、ミルトン・キーンズの「Double Tree」というホテルに到着したのは10時チョット前ぐらい。
お腹も空いたので少し何かを食べてから寝ようということになって外へ繰り出した。
以前に何回も行ったブレッチリーのパブにでも行こうとも考えたが、歩けば30分ぐらいかかるし、タクシーを呼ぶのも面倒だ。
同じタクシーを使うならミルトン・キーンズの中心に行ってもよいのだが、高いばかりでロクな店しかないことも知っていたので、ホテルの近くで済ませることにした。
以前はホテルの周辺は全くといっていいほど何もなかったのだが、サッカーのフランチャイズ・チーム、MK DONSのグランドができ、このホテルが完成したりしているうちに、チョットしたレストラン街みたいなものができたことを聞いていたのだ。
ところが、全部チェーン店の高くてつまらん店ばかり。
マクドナルドとケンタッキーもあるにはあるが、最近は食べないようにしているので、結局となりの24時間オープンしているスーパーマーケットで惣菜とビールを買って、それで済ませた。ナンダカンダ言ってコレが一番安全で安くてうまい。
イヤ、サンドイッチなんか氷のように冷たくて、いつも言っている通りおいしいことなんかひとつもないんだけど、ビールがおいしいんですよ。
ガーっと流し込んじゃう。

そして、翌朝。
ココはちゃんとしているホテルゆえ、朝食もちゃんとしている…と言っても普通のバイキングだけどね。
あ、向こうでは「バイキング」は通じませんからね。「ビュッフェ」っていうヤツ。発音は「バフェ」っぽいかな?
一見おいしそうだし、実際おいしいんだけど、おっそろしく飽きちゃうんだよね。

10ひとつひとつアイテムをチェックする家内。
考えてみるとコレが彼女にとって初めてのイギリスのホテルの朝食なの。
昨日まで自炊だったから!

20家内のチョイス。
ま、典型的なイングリッシュ・ブレックファスト。
ブラック・プディングはパス。
ココのキノコはマッシュルームだ。ガッツリとした椎茸のところもある。私、椎茸が大の苦手なのよ。

30_2私はコレ。
コレをすべてトーストに挟んで食べちゃう。カスタム・ホット・サンド。
はい、お行儀悪いですね。
どんなことがあってもマーマイトなどは口にしません。
ちなみにパンはトースター2回通し。
パンを乗せた網状のコンベアがヒーターのトンネルをユックリくぐって焼くヤツね。一回通しただけだと焼きが甘いのでいつも2周させてる。
アレ、「クロワッサンは入れないでください」ってところが多いんだよね。
で、別のホテルで早速やってみた。
驚いたよ!炎を上げて盛大に燃えやがんの!

40「マーマイト」は皆さんもうご存知ですよね。
オーストラリアでは「ベジマイト」って呼ばれているヤツ。
まぁ、コレはとにもかくにもマズイよね~。
何でマズイかというと、マズイからなんだけど、思うに我々の知らない味、すなわち日本にない味だからなんじゃないかしら?
だから憲法を改正して「日本国民は毎朝マーマイトを食べること」と制定すれば、しばらくすると味やニオイに慣れて「ウマい!」というヤツが出て来るよ。日本で言うと納豆みたいなものだ。
同じ改憲なら「戦争」より「マーマイト」の方がゼンゼンマシだ。納豆の方がうれしいけどね。

Index で、コレの正体は何かというと、イースト菌なんだって。
何せクサイのよ。
激クサ勝負でいけば、クサヤの方がケタ違いに強烈なんだけど、とにかく我々が日本の日常生活で嗅いだことのないニオイだからすごくイヤ~な感じがするワケ。
友人のコックの経験者はマーマイトの存在を知らなかったが、さすがプロ、クンクンとニオイを嗅いで、「クサッ!」のひと言も口にせず「あ、これイーストのニオイだ」と一発で言い当てた。
下の写真のようにパンに塗って食べるのが普通。
Marshallの友人のマークは鼻歌を歌いながらマーマイトをこうやってトーストに塗って、おいしそうに食べていた。
「ウマいのか?」と訊くと「コレがなければ一日は始まらないよ!」ぐらいのことを言っていた。

Index_2 さて、朝ご飯を食べたことだし、Marshallの工場へイザ出発!

50コレがホテルの遠景。
建物の向こう側がサッカー・グラウンドになっている。

60昨晩食べ物を買ったスーパーがこの「ASDA」。
看板にあるようにアメリカの「Wal Mart」の資本が入っているそう。

70メッチャでかい!
スーパーのランキングではTESCOに次いでASDAは2位と言われていたが、イギリスのこういう世界は海外資本もジャンジャンなだれ込んできていて、デッドヒートが激しい。
行くたびにいつも順位が入れ替わっている感じ。
ASDAは食品だが、最近では「LIDL」とかいうドイツのディスカウント・ストアがイギリスに進出して既存のお店はハラホロヒレハレになっているらしい。こないだジョンから聴いた。
で、ASDAでもTESCOでもSainsbury'sでも似たような三角のサンドイッチを売っていて、コレがまた消費者の好みの分かれるところで、見ていておもしろい。
「オレは絶対にTESCOのサンドイッチは食べないんだ」みたいな。
日本で言えばコンビニの「おにぎり戦争」みたいなもんかね。
あ、私はコンビニのおにぎりは絶対に食べないようにしている。「アレは米ではない」とか言う話を聞いて怖くなったからだ。おにぎりだけではなく、弁当からおでんから揚げ物から、コンビニのオリジナル食品には何があっても手を出さないしている。結構不便なんだけどね。
ちなみに私はTESCOのサンドイッチの「Classic Ham & Mustard」ナントカっていうのが好きだったんだけど、なくなっちゃったようだ。
興味のある方はコチラをご覧あれ。
ま、コンビニおにぎりに手を出さないで、TESCOのサンドイッチ喰ってりゃ世話ないんだけどね。
だってイギリス行くとコレしかないんだもん!安くてマァ食べられるヤツは…。

80ホテルからMarshallの工場までは歩いて10分チョットぐらいか?
右下に「Furzton」ってあるでしょ。ここにあるホテルのレストランのローストチキンがすごく美味しかったんだけど、一回しか泊まるチャンスがなかったナァ。

90道に沿ってもうちょっと行った右側が工場だ。

100ハイ、着いた~。

110まずは記念撮影するよね~。
コレ、ゲイリーが撮ってくれたのか…。

120vもはや見慣れた光景だけど、みんなに会えるかと思うとワクワクするね。
でもね、もうずいぶん人が入れ替わっちゃってね。
私はもう完全に古株の部類なんよ。
もちろん家内は初めてなので大興奮&大緊張!

130まずは社長に挨拶をしてすぐに工場見学。
行った日は金曜日。午後は工場が止まってしまうので、早いところ見て回ろうという算段。
ガイドは私。

140v工場の職人さんは古い人も多く、私の顔を見ると声をかけてくれる人も少なくない。
その都度家内を紹介するので彼女も相当気疲れしたことと思う。
でも、Marshallの工場を見学した日本のオバさんはかなり少ないでしょう。数えれば片手で済むかも知れない。Marshall史に名前が残ったかも?何せ年間150回もライブハウスに顔を出すロック・オバちゃんだからして。

工場見学の様子はMarshall Blogに掲載してあるので興味のある方は是非ご覧あれ!

コチラ⇒Marshallだより 2015 <前編>

150_3Marshallのコントロール・パネルとコーナー・ガードを除くほとんどすべての外装パーツをひとつにしたサンプル・スタック。
こういうものが売られているワケではない。

160v工場へ来た大きな目的のひとつは新商品ASTORIAを試すことだった。
そのASTORIAもいよいよ来月に日本で発売となる!

165工場見学の後は、夕方まで予定がないので周辺を散策。
まずは行ってみたかったブレッチリー・パークへ。
友人のゲイリーが車で送ってくれた。

170このあたりのこともすでにMarshall Blogに出ているので下の記事をご覧頂きたい。
長いけどお気に入りの記事だ。


BREAK THE CODE!~その暗号を解け!<前編>

180見たかったな~、博物館。

190ブレッチリー・パークからブレッチリーの駅へ出て家内に町を見せてあげることにした。

200ブレッチリーはミルトン・キーンズの一部に属している。
「マーシャルってイギリスのどこにあるんですか?」と訊かれると昔は「ミルトン・キーンズ」と答えていたが、最近は「ブレッチリー」と一旦答えておいて「ミルトン・キーンズのとなり」と付け足すようにしている。
さした理由はまったくないのだが、何度も行っているうちに「ブレッチリー」に愛着が湧いたということになるかな?
ミルトン・キーンズは「ロンドンに対抗し得る都市を郊外に建造しよう」というロンドンの一極集中化を緩和するひとつの方策として導入された「カウンターマグネット論」によって出現した人工の街だ。
1967年にオープンした、歴史の古いイギリスの都市あるいは街の数々にあっては、まだ生まれたての赤ちゃんのような街なのね。
元々4万人が住んでいた地域だったが、現在は20万人ほどの人口になっている。
徹底した都市計画のノウハウに基づいて作られているため、中心部は碁盤の目のように道路が走り、巨大なショッピングセンターがあって、そこには人口スキー場を擁し…要するに面白くもなんともない街だ。
マーシャルの工場からは車がないと行かれない距離なのに対し、ブレッチリーの町までは歩いて15分。
こんなこともブレッチリーを身近に感じさせているのかもしれない。

210ブレッチリーの人口は34,000人。

215こうした小さな町も興味を持って見て回れば住人のナマの生活を見ることができておもしろい。

220コレが一番の繁華街。
5分も歩けば終わってしまう。
これでも週末になるとゾロゾロと人が集まりそれなりのにぎわいを見せる。

230ブレッチリー散歩についてもすでにMarshall Blogに記してあるので「Marshallだより 2015 <後編>」をご覧頂きたい。


家内にひと通り町を見せて工場に戻る。
人いねェ~!

240住宅地には豪奢な家も少なくないが、こうした(恐らく)低所得者向けの長屋式住居を散見される。
このタイプの住居はイギリスの郊外に行くと必ず見かけるな。

250平日ということもあって、マァ、何せ人が歩いていない。
この辺りはロンドンまで電車でちょうど一時間。
完全にロンドンのベッド・タウンなのだそうだ。
アッレ~、どうでもいいけど道を間違えてるな?
道がどこも極端に弯曲していて、一度間違えると修正するのが大変。
例によって足はボロボロときているのに、超無駄なエネルギーを使ってしまった!
今日はまだこの後に大切な行事があるのに!

260

…とようやく工場に帰着。
4時ぐらい。
もう駐車スペースには車が1台も停まっていない。
そう、みんなもう帰っちゃったの。金曜日だよ。

270Marshallの工場の製造分門は金曜日も半ドン。
事務職は午後も残っているけど、もうこの時間にはいなくなっちゃう。
その分、スタートが朝8時だからね。
でも、いくら朝早くても、5時チョット過ぎには家に帰れる方がいいナァ。通勤時間がみんな15分ぐらいだ。
イギリスの場合、6月をピークに春から夏までは太陽が昇っている時間が異常に長い。
6月には夜10時過ぎまで外が明るいから、5時に家に帰って、もう一回その日を始めるような感覚だ。
言い換えると、毎日「昼間は仕事で夜は休日」みたいな…。
その代り、冬は3時には暗くなってきちゃう。

280無人のMarshall工場で記念撮影!
私の肩に汗でリュックの跡ができてる。
暑いんだか、寒いんだかよくわからない気候。総じて涼しいんだけど、動くとすぐ熱くなる。

290夕方になるとこうして天気がよくなってくるんだよね。

300ホテルの駐車場。
イギリスの空は手に届くように雲が低い。

310_2ホテルの中庭?
イヤ、グランドにホテルがくっついているのね。
昔はMarshallがMK DONSのスポンサーをやっていたので場内にはおなじみのMarshallロゴの飾りや得点ボードが設置されていた。
で、ホテルの部屋に帰ってWi-Fiをひっつないで、メールをチェックしてビックリ!
私の父が死んじゃってた!
…と言っても突然ではなくて、しばらく臥せっていたんだけど衰弱が著しく、急に容態が悪くなって力尽きてしまった。
日本を出る時にはまだ持ちこたえられそうだったので、思いきって離日したけど、ダメだった。
いつかMarshall Blogにも書いたけど、私は父から大きな影響を受けていて、今Marshallで働けるのも、英語を使っているのもすべて父のおかげだ。
父は音楽に詳しいワケでも英語ができるワケでもない、戦後の混乱によって中学にも行っていない一介の大工だった。
ところが、映画や落語等のエンターテインメントの知識においては人後に落ちることがなく、その方面でずいぶんたくさんのことを教わり、それが音楽につながり、そこから英語を勉強するキッカケにつながったのだ。
そんなだから、妹からの訃報を目にして、その場で一発だけ思い切り声を出して泣いた。
家内も18歳の時からの長い付き合いなものだったから大号泣。
で、ひと通り泣いてから気分を一新…この後、緊張の行事が待っていたのだ。
それにしても、父の死に目に会えなかったのは悔やまれるけど、イギリス来ていたおかげで哀しみが半減、イヤ、それ以下になったことも否めない。
コレも父の思いやりだったのかも。
もうすぐ一周忌なんだけど、大変にぎやかだった人だけに、どうもこの世にもういないってことが信じられない。
「ウ~っす!」と言いながら突然ウチに上がり込んで来そうな感じがするんだよね。
でも、もうあり得ない。
しかし、コリャ親が死んだ「悲しみ」より、もう二度と会えないという「寂しさ」の方がはるかに大きいね。

320「緊張の行事」とは、Marshallの社長、ジョンの一族の方々と共に、自宅で開くパーティにお呼ばれしていたのだ。ホームパーティってヤツね。
今回の渡英の一番の目的は次の日に開かれるジョンと奥方の「結婚10周年の記念パーティ」に招待されて、出席することだったのだ~!
え、なんでそんなのに招待されるの?かというと、奥さんのエリーは以前工場の受付やJim Marshallの秘書をしていたりして、ずいぶん一緒に仕事をさせて頂いた旧知の仲なのです。
そんな関係なので、せっかく日本から来たことだし…と、前日の身内のパーティにも招待されたワケ。
それと、二人にはバディというお孫さんがいて、メッチャ可愛いんですわ。彼に会いに行くのも目的のひとつだった。
しかし、ホームパーティなんてさ、ビビりますよ。
私はほんの数回、別の機会にお呼ばれしたことがあるけど、家内は初めての経験。
ナニにビビるかっていうと、礼儀もさることながら、やはり一番は言葉の壁だよね。
大きなパーティと違って逃げることができない。
それと、アメリカ人ほどではないにしろ、やたらと話かけてくるじゃん?
名前を聞きとって覚えるのもひと苦労なワケ。
私は「英語に自信がある」というほどでは断じてないのだけど、マァ、とりあえずしゃべる方だけは自分の言いたいことをほぼ自由に言えるのでさほどストレスにはならい。
ところがコワイのはリスニングなんですわ。
アメリカ人相手ならビビらないんだけど、イギリスの英語は運悪く激訛りの人に当たっちゃうと、まったく相手の英語が聞き取れない時があるんね。
以前、ロンドンのB&Bで一緒になったオジちゃんの英語がすさまじいまでのコックニー訛りで最初から最後まで何ひとつ聞き取れないことがあった。ホントにわからなかった。雰囲気でサッカーの話をしているということだけがわかった。
そんなだから、このパーティも心配していたんだけど、完全にセーフ。
スウェーデンから来たジョンのお姉さん家族、ジョンの子供たち(といってももう結構オジちゃん)、エリーのお嬢さんとその彼氏たち…そんな出席者で和気あいあいと楽しい時間を過ごすことができた。
写真はジョンのフラット(日本で言えば高級マンション)のベランダ。

330眼下には運河が走っていてナローボートが上り下りしている。
すんばらしい眺めですよ。
ミルトンキーンズの中心から車で15分ぐらいの隣町で、とても静かなところだった。
お孫さんのバディはちょうど極度の人見知りのお年頃で、何せカメラを向けただけで激泣き!
「シゲたちはせっかく日本から会いに来てくれたのよ~」なんてエリーはバディを諭してくれるんだけど、本人は「そんなのカンケーねぇ!」状態。
眠かったせいもあったのだろう。
結果、写真は一枚も撮れず!
家内も緊張気味でおとなしい。
私は…といえば、父のことをジョンにだけ伝えた。東京に帰ってから色々と葬儀関係のセレモニーで仕事を休まなければならないからだ。
ジョンは大層驚いて、気を遣ってくれた。
めでたい機会を湿っぽくしたくなかったので、エリーには知らせないこともジョンには申し伝えた。

340さて、心配していた言葉の問題もゼンゼンなくて、パーティは続く。
ジョンが出してくれたイギリスのビールちゃんたち。
見たことないやつばっか。
私がイングリッシュ・エールやビターが好きなのを知っていてジョンがワザワザ用意してくれた。
どれもおいしいんだ!

360エリーと家内。
エリーには15年ぐらい前、初めてMarshallに行った時からお世話になりっぱなしなのだ。
最初はあんなに緊張したものの、皆さんとびっきりいい人ばかりで、最高に楽しかったな。
ジョンのお姉さんのエリザベスは先述の通り、スウェーデンからの参加で、一番長い時間話をしたかな?
ジョンの実姉だけあって最初はちょっと厳しい感じだったけど、話し始めるとすぐにゼンゼンそんなことはないということがわかった。
こういう時の話題は、もうお国事情の違いに尽きる。
天候、言葉、風習、後はお互いに相手の趣味に関する話。
やっぱり白夜の話とかは興味深いよね。
それと、ひとつ印象に残っているのは、「フィ」という発音がすべて「ピ」になってしまう東南アジアの国があって、「イチジク」が「豚」になってしまう…とかいう話。イチジクは英語で「fig」という。
ま、せいぜいこんな話ですよ。
ナンダカンダで10時ぐらいまでワイワイみんなで騒いで、外までジョンとエリーに見送られてジョンのフラットを後にした。
すごく楽しかったので、父のことを忘れることができた…助かった。
370つづく

2016年3月26日 (土)

イギリス紀行2015 その14~バラ・マーケットで足腰バラバラ

色々とマーケットに行ってみよう!…と下調べしたものの開催している日がスケジュールに合わずナンダカンダで結局前半に訪れたスピタルフィールズ・マーケットぐらいになっちゃった。
ポートベローなんかにも家内を連れて行ってあげたかったんだけど、次の週末にはロンドンにいない。そう、今晩ロンドンを発たなくてはならないのだ。
それじゃイカンということでとにかく「Borough Market(バラ・マーケット)」にだけは行ってみようということで、棒状の足を前後に動かした。

10バラ・マーケットはロンドン・ブリッジのそばにあるオーガニック食品のマーケット。
「バラ」ってヘンだよね?
この「borough」は行政区画の名称。サイモン&ガーファンクルの「スカボロー・フェア(Scarborough Fair)」なんかでおなじみのはず。
それなら「ボロー」だと思うんだけどね。
ところが!調べてみるとイギリス人はコレを「バラ」と発音するんだそうだ。今度Marshallの誰かで試してみよう。
こっちは「バラ」という発音になじみがないもんだから、知らないうちに「ボロ・マーケット、ボロ・マーケット」って言っちゃうんだよね。それじゃ古着のマーケットになっちゃう!

20ココはおもしろい。
ひとりでロンドンに来た時にはまず訪れない場所だ。
ま、クサいと言えばクサいし、汚いと言えば汚い。
でも、イギリス人の伝統的な食卓観を抑えようとする時には実に興味深いところだ。

30マァ、ありとあらゆる食材が取り揃えてある。
日本でもおなじみのヤツから見たことないヤツまで多種再々。

40チーズはスゴイね。チーズ屋さんが何軒もある。

50オリーブ屋さん。
どうすんだよ、コレ?

60パスティ屋。
イノシシとかすごいいろんな種類が用意されている。

70コレはパン屋。
ごっついパンがズラリ。

80魚屋。
昔は日本もみんなこうだった。なかなか新鮮そうだったよ。
そう、ロンドンの街を歩いていると、魚屋を見かけることがあるんだよね。

90もちろんブッチャー=肉屋もある。

100このマーケット、現在の形になったのは1756年というから今年で丸260年!
ところが…

105この市場は1014年からあったんだって。日本では平安時代。
それで2014年に1000周年記念を迎えたそうな。

170v

コレは干し肉屋っていうのかな?肉屋か?

110あ~、お腹空いてきた。
結局、この日もお昼を食べていないこと思い出した。
で、目に入ったのがコレ。
130

コンビーフ・サンド屋さん。
ん~、圧倒的にウマそうだ!店員さんもカワイ子ちゃんだし…ということで買ってみた。
この店員さん、写真ではムスっとしているけど、最後までムスっとしてた。メッチャ愛想悪し。
仕事をイヤイヤやるんじゃない!イヤなら辞めなさい!

120ジャ~ン!
コレコレコレコレコレ!

140厚めに切った食パンにコッテリとマスタードを塗って、そこにタップリのコンビーフとバカでかいピクルスを挟む実にシンプル。
コンビーフはかなり塩が利いているが、ウマい。
残念なのはね、パンを焼いてもらいたいんだよね~。向こうの人は何かを挟んで食べる時、たいていパンを焼かないんだよね~。
それとピクルスがデカすぎ。
マズくはないんだけど、私はピクルスがあまり好きではないのでほとんど家内に引き取って頂いた。
コレで£5.0だったかな?当時の為替レートだと1,100円ぐらい。
決して安くはないけど、お腹が空いていたので十分満足。

150おいしそうなアイスクリーム屋が目に止まったのでデザートがわりに頂いてみた。
食べてややビックリ。
味はバニラなんだけどミルクのテイストが濃くておいしい。でも、ほとんど甘くない!
コレが£2.5だったかな?550円ぐらい。
決して安くはないけど、生まれて初めてロンドンに来たとき、ハーゲンダッツのアイスクリームがひと玉600円ぐらいだったからね。値段では驚かない。
ロンドンの外食の値段で驚いていたら何も食べれない。東京は外食天国だよ。

160そとにもジャンク・フードを売っている店がズラリ。

180マーケットのすぐ隣には立派な聖堂。

190チョット視線をズラすと「ザ・シャード(The Shard)」という地上87階建てのEUで最も高いビルがそびえている。
チッ、バカが。こんなもん建てやがって…。
イギリスには歴史的な建物を保護する決まりが確立されていて、東京に比べればまだマシだけど、ロンドンも古い施設をジャンジャカ壊して近代的な設備に入れ替わってきちゃってる。
バタシーも大幅に改装しちゃうし、アールズ・コートのコンベンション・センターもなくなっちゃう。
モッタイない。
でも、東京と違って地震がまったくないロンドンゆえ、建築意匠が凝っていて、新しいビルもなかなか見ごたえがあるといえばある。
ちなみに生まれも育ちもエンゲレスのウチの社長は60年近く生きてきて、ただの一度も地震の経験がないそうだ。

200vこの辺りはスイーツ・コーナー。

210ブラウニーのようなゴテっとしたものが多いのだが、パイを扱っている店も多い。

215チーズケーキを買ってみる。
コレはそんなに高くなかった。
で、味が濃くて結構おいしかった。

216ウン、ココは確かにおもしろかった。
またロンドンに来たら訪れてみよう。

220コレはさっき見えていた聖堂。

230「サザーク大聖堂(Southark Cathedral)」という教会。

235古そうに見えるが、聖堂が落成したのが1905年だから110年。そう古くなない。
しかし、この場所自体はクリスチャンの集会所として1,000年以上の歴史を持っているそうだ。

236またココの牧師さんがやたらといい人で、チョコッと覗いてみようと足を踏み入れた途端、近くへ歩み寄って話しかけて来た。
「Japanese?  Chinese?」と尋ねてくる。
「We're Japanese」と答えるとその牧師さんはサッと踵を返して物販コーナーへ行って下のガイドブックを渡してくれた。
中には聖堂の概要を記した簡単な日本語のリーフレットが入っていた。
売りモノである。買えば1,000円以上はくだらない。
その牧師さんは、我々が首から下げていたLondon Passを見つけてプレゼントしてくれたのだ。
後で調べてみると、確かに「Passを見せればガイドブックがもらえる」とLondon Passのガイドブックに記してあった。

A_img_1982_2聖堂の中では中高生ぐらいの合唱隊が静謐な讃美歌の練習をしていた。
コレがまた美しい。
しばらくの間、聞き入ってしまった。
イケね!
実はココ、トイレを借りようと思って入ったんだ!
ところが外の廊下にあるトイレは施錠してあって入ることができなかったので、マーケットまで戻って用を足した。
歳を取るとトイレが近いだよ。
270
テムズ川の方へ歩を進めるとこんな船が飾ってあった。
この船はゴールデン・ハインド(Golden Hind)という1577年に建造されたガレオン船(16世紀半ば~18世紀ごろの帆船の一種)のレプリカ。
有料で内部も見学できるようになっている。
イギリス勢では初、マゼランに次いで史上2番目に世界一周を達成した船がゴールデン・ハインド郷だった。
コレでずいぶん悪いことしたんだよ、昔。
245

その向かいにはパブがあってもう大勢のサラリーマンがエールがなみなみと注がれたパイント・グラスを片手に語り合っている。
終業後、帰宅前のリラックス・タイム。
ココで1パイント飲んで、特別な機会でもない限り、もう家では飲まないのが普通なのだそうだ。
上司の悪口でも言ってんのかネェ?

240後ろを振り向くとこんな光景。
テムズ川の北岸、シティ方面のパノラマが広がる。
いいよナァ~、こんなところであのウマいエールを飲んでサ。
私だったら毎日寄っちゃうな。
下の写真の橋が「♪ロンドン橋落ちた」のロンドン・ブリッジ。もうひとつ下流にかかる橋がタワー・ブリッジ。

250反対側はサウザーク・ブリッジ。
端の向こうに見えるのが有名なセント・ポール寺院。『メリー・ポピンズ』の中の名シーン、「Feed the Birds」のところで出て来るアソコ。
今回家内を連れて行かれなかったのは心残りのひとつ。
私は何年か前までまであのてっぺんまで上ったけどモモがガクガクになった。

260河岸から少し中へ入るとこんな廃墟が…。
ロンドンの東の地区を歩いているとこういう遺跡によく出くわす。

280コレは12世紀に建てられた「ウィンチェスター宮殿(Winchester Palace)」の残骸。17世紀まで使われていたそうだ。

290vパブはどこもかしこもこんな光景だ。
ロンドンも車の交通量は生半可ではないのに東京じゃこんなの絶対できない。

300もうこのころになると、足は棒を通り越して、もはや取り外したいぐらいの重荷になってしまっている。
いつもこうなんだよね。
何しろ立っているのすらとてもツライ。
先に触れたように、今晩ロンドンを発たなければならない。
ところが餞別を頂戴した方へのお土産を買いそびれていて泣く泣くウエスト・エンドへ戻る。
かといって、何かお目当てがあるワケじゃなし…。
仕方ないので有名なデパート「リバティ(Liberty)」へ寄ってみる。

310ココはホントに立派なデパートだ。
つくりは木造で館内が五階まで吹き抜けになっている。日本橋の三越なんかはコレのマネをしているのかな?

320店内の装飾も実にオシャレ!

330ところが…。
置いてあるものの値段ときたら、正気の沙汰とは到底思えない。
何の変哲もないさくらんぼ柄のランチョンマットが一枚4,000円近く。それと同じ柄のこれまた何の変哲もないコースターを2組セットで買おうものなら10,000円を軽く越してしまう。東京だったら3,000円でオツリがくるようなアイテムだぜ!
それじゃバカバカしいってんで他のモノを探そうにも何でも高くて高くてまったく手が出ない。
為替レートのせいもあったけど、あまりにもヒドイので諦めてお店を出た。
釣果がなかったせいか足取りが余計に重い!
もう泣きたくなるぐらいシンドかったけど、アールズ・コートに時間通りに戻ってお迎えを待たなきゃ!
何とかホテルに戻ってしばらくしたら仲良しのディアンが迎えに来てくれた。
家内を紹介して荷物を積んで…イザMarshallのあるミルトン・キーンズへ移動なのだ!

340道々、ディアンにリバティのことを訊いてみたらひとこと「Crazy!」だって。
地元の普通の人は絶対に買い物をしないそうだ。リバティで買い物ができることをステイタスに感じるお金持ちと観光客だけが行くらしい。

激烈な交通渋滞を避けて夜の8時にアールズ・コートに迎えに来てもらって、ミルトン・キーンズのホテルについたのが9時半すぎ。
イギリスに来て初めてのホテルらしいホテル。
明日はMarshallの工場見学。
350つづく

2016年1月31日 (日)

イギリス紀行2015 その13~美術は辛し

チャッチャと衛兵の交代式の喧騒を離れ、バッキンガム宮殿の裏にあるクイーンズ・ギャラリーを訪れる。当然London Pass使用可。さもないと2,100円ぐらい取られちゃうよ。今なら1,750円ぐらい。
その名の通り、王室所蔵の美術品を展示している。

10_2何の気なしにレオの素描なんかが飾ってある。
レオってダ・ヴィンチのことね。これだけでいくらすんのよ?

20v展示品は頻繁に入れ替わるらしいのだが、この時はそれほどビックリするようなモノはなかったかナァ?
一番ビックリしたのはコレ。
トイレ。

30_2スンゲェきれいで、ゴージャス~。

40_2このレトロな仕様が何ともカッコいい。

50_2ロンドンへ来て久しぶりに見た普通の蛇口。
ロンドンの公のトイレはたいてい自動開閉の蛇口で、アレがまた年寄りの小便みたいにキレが悪い。
エアタオルっていうの?ブロワー、手を乾かすヤツ。あれもいつまでもガーガー動いてるんだよね。そこへいくと日本のヤツはビタッと止まる。実に優秀だ。コレ以前にもどこかに書いたね?

60v建具も立派!

70_2椅子もスゴイでしょ?
王様になった気分で用が足せました!

80_2しかし、足がツライ…。腰も痛い…。
それでもガマンしてマルを歩く。ひたすらトボトボ歩く。

90_2トラファルガー広場に向かうのだ。どうしても行かねばならないのだ。

100_2何とか着いた~!
下の写真はかつてMarshall Blogで使ったもの。
文章もほぼ引用しちゃえ!

「ココはTrafalgar Square(トラファルガー広場)のCharring Cross(チヤリング・クロス)。目の前には、1805年、トラファルガーの海戦でフランス&スペインの連合艦隊を破ったネルソン提督の像、そしてその向こう側はNational Galleryというロケーションだ。
ところで、ロンドンから離れると「ロンドンまで〇〇マイル」という標識によくお目にかかる。日本と同じ。で、その「ロンドン」はロンドンのどこを起点に測っているのか?
ニューヨークならCentral Parkの端っこ、Columbus Circle。
東京なら日本橋の真ん中だ。
下の写真で私の向かって右後ろに馬にまたがっているオッサンの像があるでしょう?
この像はイングランド、スコットランド並びにアイルランドの王、Charles I(チャールズ1世:在位1625~1649年)。
ロンドンの距離計算はココが起点なんだって。
このチャールズ1世のところから、「ロンドンから〇〇マイル」と数えるのだそうです。」

105v塔の上に乗っかっているのがネルソン提督。
ショーンもネルソン提督の格好をしている。

110vこの帽子ね。ナポレオンみたいな帽子。

120_2はためくユニオンジャック。
オリンピックの時、この前の道をマラソン・ランナーが走った。

125トラファルガー広場に来た目的はコレ。
ナショナル・ギャラリー。
っていっても、私はココが好きでもう軽く10回以上は来ているんだけど、今回はチョットいつもとは違う心構え。
家内がいっしょということもあるけど…へへへ、勉強してきたんだ。

130_2相変わらず豪奢な内装。

160床のタイルも見事だ。

170_2

180_2このオジちゃん、チャーチルかな?

190ここでも小学生たちが課外授業を受けている。こういうグループがたくさん来ている。
実にいいことですな。
音楽でも美術でも「芸術」の在り方が日本とは全く違う。
日本人は経済やテクノロジーの発展の割には芸術に関しては著しく民度が低いといわざるを得まい。
これらの芸術は彼らのものだからして、日本ももっと固有の芸術や芸能を子供の頃から正しく教えるべきだと思うんだけどね~。バカみたいに人気取りでダンスなんか学校のカリキュラムに取り入れちゃって…。

200_2「勉強してきた」というのはコレ。
この映画をワザワザ映画館まで観に行ったの。おもしろかった。
常設の有名な作品以外にこの映画で紹介されているモノはとにかく本物を見ておこう!と決めてきたのだ。

Ng たとえばコレ。
ホルバインの「大使たち」。
ホルバインはドイツの画家で、ヘンリー八世の有名なポートレイトもこの人の手によるもの。
何か絵を見ていると今にもこのふたりが絵の中のモノでの「モノボケ」でもしそうな感じだが、これらのアイテムのひとつひとつに意味があって実におもしろい。ここには書かないけど。
ひとつだけ…。
向かって左のオジちゃんの足元にグレーの変なものが斜めに描かれているのでしょ?コレ、だまし絵になっていて、骸骨なの。

210_2フェルメールの「ヴァージナルの前に立つ女」。
フェルメールってのは何だか知らないけど人気があるネェ。
ニューヨークのメトロポリタン美術館のもチェックしたけど、あまりにも小さいのでビックリしたっけ。
下の写真の私、壁によりかかってるでしょう?
コレ、ダメです。
係員がすっ飛んできて怒られちゃった!

220_2どうしても見たかったんだけど、見つからなかった絵が一枚あった。
ひと通り探したんだけど、見当たらない。
もう足があまりにもツラくて、あきらめて一旦は美術館の出口まで行ったんだけど、家内と相談して「次はいつ来れるかわかないから…」ともう一度展示室に戻った。
240_2
そうして涙ながらに探し当てたのがコレ。
ルーベンスの代表作、「サムソンとデリラ」。英語では「ディライラ」と発音する。
ルーベンスといえば「フランダースの犬」だよね~。
コレもとてもドラマチックな絵なのね。
見ておいてヨカッタ!スゴイ迫力。
やっぱり本物は違う!

230_2ココはお隣のナショナル・ポートレイト・ギャラリー。
肖像画だけを集めた美術館。
ココもすごく好きな場所。

250_2今回の話題はナントいっても八つぁんだよね~。
右は二番目のお妃、アン女王。
「B」のペンダントをしているでしょ?ブーリンの「B」。コレが彼女のトレードマークだった。

260_2家内が気づいた。
ヒールを履いている女性をほとんど見かけない。
スタスタものすごい速さで歩くせいか、みんなスニーカーのようなペッチャンコの靴を履いている。
たとえフォーマルな服を着ていても靴はペッチャンコ。
雨が多いので高級な靴や濡れやすい靴を敬遠しているのかもしれない。

270_2つづく

イギリス紀行2015 その12~アビィ・ロード行ってみる?

ツワ~、いい天気だな~!
今日はロンドン滞在の最終日。
とにかくいい天気だ。
ココが毎回毎回、少なからず天気に悩まされてきたあのロンドンとは思えん!

10この辺りは由緒正しそうな豪邸ばかり。

20その証拠にそこら中の家にブルー・プラークが付いている。
このブルー・プラークも非公式に勝手に作って建物にひっ付けている輩もあるので注意も必要だが、この辺のモノは間違いないだろう。もう街の佇まいが全然違う。田園調布とか豊中みたいな感じ?
それでもサウス・ケンジントンやスイス・コテージのような本当に高級住宅街というエリアにくらべればまだまだか?

30例えばコレ。イギリスで最も有名な指揮者と言われているサー・トーマス・ビーチャムという人が住んでいた家。
ナントこの人、ロンドン・フィルハーモニックとロイヤル・フィルハーモニックの創始者。
しかも、この人の生家はビーチャム製薬を創業した大富豪。このビーチャム製薬というのは現在のグラクソ・スミスクライン…売上高世界第6位の総合製薬会社だ。ボルタレンやらコンタック売ってる会社ね。

40そして、ココがどこかと問うならば、ジュビリー線のセント・ジョンズ・ウッド。

50コレで有名なところね。
いつも思うんだけど、ココを通る車は気の毒だ。
イエロー・ライトつきのゼブラ・ゾーンだから、歩行者が渡っていなくても、人が横断歩道の傍らに立っているだけも一時停止しなければならない。
さもないと、見つかればガツンと罰金を取られてしまう。

60実際、ホントにビタっと止まってくれる…てんで、ウチの家内も記念に逆行。

70タマには私も…。

80ココがインターネットで24時間世界中継されているのは有名。

90ジャケ写を撮った時のジョンの視界はこんな感じか?

100横断歩道の反対側、あるいはジャケ写と反対側の光景はこう。

120
この写真は、イアン・マクミランというカメラマンが上の写真の交差点に脚立を立ててその上からハッセルブラッドで撮った。イアンはヨーコの紹介でジョンと知り合い、このジャケットの撮影につながった。
写真は全部で6枚。絞りはf=22、シャッター速度は1/500秒だったという。
大分絞ったな…。
撮影の日時は1969年8月8日午前11時35分。真夏のロンドン。今日みたいないい天気で日差しがよっぽど強かったのだろう。このジョンの白いスーツはイヤだったろうな~。

C_ab_ この通りを写真の方向に行くとキルバーンに出る。キルバーンは近々Marshall Blogで紹介する予定だが、何しろこの通りは交通量が多い。
写真を6枚しか撮らなかったのは、「撮らなかった」のではなく、通行止めが厳しいので6枚しか「撮れなかった」のではないか?なんて思ったりする。
イヤだぜ~。
車を止めて、「早く、早く」と急き立てられ、しかも撮る相手は天下のビートルズ。ビビっただろうな~…なんて想像しながら写真を眺めると楽しい。
ビートル・マニアに言わせると全然違うのかもしれないけど…マァ、いいじゃない?

110おなじみのアビィ・ロード・スタジオの外塀の落書き。
何か月かに一回かは白いペンキで上塗りされる。
当然ビートルズ関連の落書きやらメッセージばかりなんだけど、タマにはピンク・フロイドあたりの落書きがあってもよいと思うのだが…。

130スタジオの入口。
ドアの左の緑色のプラークはエドワード・エルガーのもの。

140何回かMarshall Blogに書いているが、このスタジオはフル・オーケストラがスッポリ入るイギリスで唯一のレコーディング・スタジオということで、こけら落としでエルガーが呼ばれて指揮棒を振った。オケはロンドン・シンフォニー、曲は当然「威風堂々」だったらしい。

150ひと通りビートルズの最後期の世界を味わってセント・ジョンズ・ウッド駅へ戻る。
「味わう」ってったって、私、過去に6回ぐらい来ているんだけどね。
それなのに下の写真は初めて見る光景!
見て、この昇りのエスカレーターに乗ったオジちゃんの大群!
そういえば、駅前も大勢のオジちゃんでゴッタ返していた。
コレ、木曜日の朝9時ぐらいなのよ!通勤の人達ではない。
この後、Marshallのあるブレッチリーに行く時、ちょうどこの駅の前を通りかかったので運転するディアンにこのことを尋ねてみた。
答えはクリケット。
すぐ近くにクリケットのグラウンドがあって、みんな仕事を休んで試合を見に来るんだって!
みんなスキだねェ~!
それにしても、スゴイ勾配だ。

160vさて、ロンドン最終日ということで、残り少ない時間で家内に何を見せてあげようかとかなり悩んだ。
カムデンも行ってないし、大好きなV&Aだって見ていない。ロイヤル・アルバート・ホールだってまだだし、リッチモンドだって見せてあげたい。
それに、あんなに楽しみにしていたマーケットだってスピタルフィールズしか行かなかった。
本当はポートベローを見せながらノッティング・ヒル・ゲイトあたりをブラブラしたかったんだけど、日程が合わなかったのね。
シャフツベリーのミュージカルも見れなかった…。
結果…基本に立ち返って…バッキンガム宮殿の衛兵の交代の儀式だけは押さえておこうということにした。

170

で、ピカデリー・サーカスからリージェント・ストリートをテムズ川方面に向かって下る。

165この通りがまたあまりにも立派なのね。
幅が広いうえに戦争の英雄だか何だか、デカい銅像がゾロゾロ並んでいる。
まるで屋外の美術館のようだ。

180こんなの見っけ。
Marshal。Marshallじゃないよ。
Air Chief MarshalというのはRoyal Air Force、つまりイギリス空軍のメッチャ高いポジション。
このサー・キース・パークという人は第二次世界大戦のヨーロッパ戦線の英雄なんだと。
名前の下にあるGCB、KBE、BAR、DFC、DGLらはポスト・ノミナル・レターズといって、その人がゲットした勲章の名前。
Jim Marshall, OBEみたいなヤツね。
イギリスのこの褒章制度ってのもよくわからん。
その昔、ビートルズが、MBE勲章をゲットして大きな話題になったが、近年は大勢の芸能関係者が受賞している。Mr.ビーンのローワン・アトキンソンもゲットしているし、エルトン・ジョン、エリック・クラプトン、スティング。ケイト・ブッシュ、ロジャー・ダルトリー、レイ・デイヴィス、ジミー・ペイジ、ブライアン・メイ、マーク・ノップラー等の世界に名だたるミュージシャンたちは揃ってゲットしている。
要するにこのあたりの人たちは、「芸術」がどうのとかいうことではなくて、外貨を獲得して国庫を潤した功績で受賞しているんでしょう。それでもちろんいいんだけど、なんか軽い感じがするナァ。
日本人も結構受賞しているんだけどまったくニュースにならないのはナゼなんだろう?

200The Mallはバッキンガム宮殿に続く参道。
「ザ・モール」ではなく「ザ・マル」と発音する。
2012年のエリザベス女王の在位60周年記念「シルバー・ジュビリー」の時にはここが人で埋め尽くされた…のをテレビで見た。ちょうどその時、私はロンドンにいた。
宮殿の前に設置されたステージにはポールやらエルトンやらが登場して女王を祝った。
ナマで観たくて忍び込めるところがないかと探したが、昼間からこの辺りはものすごい厳戒大勢でそれどころではないうえに、そこらじゅうの道が閉鎖されていてエラく不便だった。
ちなみに大英帝国史上、シルバー・ジュビリーを祝ったのは現エリザベス二世とヴィクトリア女王のふたりだけ。
そして、エリザベス女王はヴィクトリア女王の在位63年という不倒記録を破って現在に立っている。今年64年目。

210バッキンガム宮殿に行く前に騎兵の交代式を見よう。
宮殿の前をパレードする騎兵はこのホースガードと呼ばれる施設から出てくるのを知ってんだ。
だからまずそちらに回った。
あまり人も多くなくていい感じ。
ここにはその騎兵の博物館があってLondon Passが使える。そこで、時間をつぶす。
もうひとつ、17世紀の建物がそのまま残っているという向かいにある「バンケット・ハウス」というのが見たかったのだが、忘れてしまった。
おお~出てきた出てきた!

220遅番の黒い馬の舞台が先に外に出て整列し、早番の連中を迎える。

230しばらくするとバッキンガム宮殿の方がパカパカという音が聞こえてきて、その姿を見せる。
早番の連中は白馬だ。

240白い騎兵隊と黒い騎兵隊が向き合うだけでまんじりともしない。
この後、ようやく代表者がにじり寄って引き継ぎをするのだが、マァ、おそらく「今晩何喰う?」とか「今日のフィットボールはアーセナルが勝つかな?」なんて話しをしているのだろう。
そうこうしているうちにジャバジャバと景気のいい音がしたかと思うと馬の激放尿。
もちろん馬は衛兵の交代なんて知ったこっちゃない。
大でなくてヨカッタが、もちろんそういう時もしょっちゅうだろうね。
するとそれを始末する人もいるワケで…公務員だか厩務員だか知らないけど、それでも女王様にお仕えする高貴なお仕事とになる…かどうかは知らない。
260
実に美しい馬ばかりだし、兵隊さんはカッコいいしで見ごたえは十分。ただスゴイ砂ぼこり。
こんなこと毎日やってるんだもんナァ。優雅なもんだ。

250そして、宮殿に向かう。

270ね~、スゴイ人なのよ、いつも!

280今日は旗があがっているので女王が宮殿にいるハズ。

290ま、一応コレは押さえておかないとね!

300つづく

2016年1月25日 (月)

イギリス紀行2015 その11~ロンドン行ったり来たり

ダブル・デッカーに乗ってコヴェント・ガーデンまで戻って来た。

10目的はココ。
ロンドン交通博物館を見るためだ…というよりLondon Passの元を取るためだ。
というのは本気半分、冗談半分。
ココも結構取るんだよね。
ナント、£16!あの時のレートで3,280円。博物館の値段です。
主たる国立の博物館が無料な分、こういうところで帳尻を合わせているとしか思えんな。
でも、今回はLondon Passがあるから大丈夫。
実はズッと前から入ってみたかったんだ。
数日前の夕方、タッチの差で閉館になっちゃったので今日は注意しつつやって来た。

20入っていきなりコレ!
ヘンテコリンな東京の地下鉄の路線図だけどウチの近所でチョット感動!

30エレベーターでまず最上階へ行くのが順路。
で、1800階に到着!…なワケない。

40エレベーターを降りるとそこは1800年のロンドン。
セント・ポール寺院がこの方向に見えるということは、この橋はブラックフライアーズかと思って調べてみると、1800年にはまだこの橋はなかったようだ。ブラックフライアーズができたのは1869年だそうだ。
どうでもいいけど、エラくにぎやかだね。
街並みは今とあんまり変わらない感じ?

50で、当時のロンドン・タウンを行き交った乗り物が展示されているというワケ。

60馬車も二階建て。
ロンドンの人は二階建てが本当にお好きのようで…。

70これは区画整理かなんかで街を壊しているのではなくて、地下鉄を敷設しているジオラマ。
ロンドンの地下鉄も初期は開削工法(東京で言うと銀座線、ニューヨークの地下鉄もそう。地面を掘って地上から線路を敷設する)だった。
その後、早くから推進工法(「推進管」と呼ばれる土管の親玉みたいなものを地中で水平に打ち込んで行って強引に穴を開けていく)が採用された。
今の地下鉄はシールド工法といって、落盤を防ぐためにフタ(シールド)をして内部の気圧を上げ、ダイアモンドの刃が付いた地下鉄の車両が通るほどの巨大な直径の掘削機が回転して穴を掘っていき、その傍からコンクリートの壁面に貼っていく。
誰が考えるんだか…スゴいものだ。
山間部のトンネルはもっぱらNATM(ナトム)工法だ。

80昔の切符の展示も豊富。
3,280円が高いか安いかはアナタ次第だが、見ごたえは結構ある。
でも、鉄道系の博物館ということではヨークのそれの方が断然上。

90交通博物館を見て気が済んで、トボトボ歩いてレスター・スクエアへ。
ココはいつも何かやってて賑やかだ。
よくロンドンで映画のプレミアなんてやってるでしょう。アレはココにある映画館の前でやるんよ。この写真で言うと向かってチョット右のところ。
そういう日はそれこそたくさんの人でゴッタ返してる。
いつか『ミッション・インポッシブル』かなんかのプレミア・ショウでトム・クルーズが来るってんで大騒ぎになっていたことがあった。

105

ピカデリー・サーカスの手前のプレイガイド。ポールとマーク・ノップラーのチケットが出てきた。ポールはO2アリーナ、ノップラーはロイヤル・アルバート・ホールだって!

106vまたブラブラとオックスフォード・ストリートを歩く。

110チョット左に入ったハノーヴァー・スクエアという小さな広場のそば。
向かって左の白い方がジミ・ヘンドリックスが済んでいたアパート。
その隣りがヘンデルが住んでいたアパート。

120ヘンデルの方は小さな博物館になっている。
有料。でもLondon Pass使用可。
中は一部を除いて撮影禁止。
ホントに何もない、ただヘンデルが住んでいたという事実だけが展示品のようなこぢんまりした博物館なんだけど、係のおじいちゃん、おばあちゃんがもう殺人的に親切なの。
ま、あとヘンデルが使ったとかいうピアノがあったか。
足を踏み入れた途端、「どちらからおいでですか?」と訊かれ、お客さんの使う言語で書かれた博物館の解説書を出して来てくれる。
そんなもの出して来られれば読まないワケにはいかないじゃんね。だって、そのおじいちゃん、目の前でニコニコしながら私たちがその解説書を読んでいる姿をジーっと眺めてるんだもん。
コレが結構ツライ。
またその解説書にはずいぶんと文章が書かれていて、全部読むのはシンドイし、かといってろくすっぽ読まずにすぐに返したらおじいちゃんが気の毒だし…。
最近「ろくすっぽ」なんて言わないか…?

125撮影OKなのはこのコーナーだけ。
ヘンデル姿の私。
女性のグッズはナゼか召使姿なの。
それはいいんだけど、サイズがやたらめったら小さい。
今にして思うと…コレ、子供用だったんだわ!

130v階段ぐらいは写真撮ってもいいでしょ。
というのは、隣もコレと同じ構造なハズで、ジミヘンがこの階段を上がり降りしたのかと思うと何かロマンじゃん?

140またバスに乗る。
疲れた証拠。こういう時はバスに頼るのが一番。

145トッテナム・コート・ロードの交差点。
この地下鉄の入り口は昔、大きなフィッシュ&チップス屋で、初めてロンドンに来た時入ったことがあった。
チャリング・クロス・ロード沿いのその裏にはアストリア劇場があった。

150オックスフォード・ストリート。
スゲエ人出!

155デイバッグを背負って自転車で通勤するサラリーマンたち。

160この自転車が危ないのなんのって!
平気でバスすれすれに走ってる。

170向かった先は…

175ココ。
ハリー・ポッターでもおなじみのセント・パンクラス駅。
もう夕方で影になっちゃってるけど…

180天気がいい昼間はこんな感じ。
いつ見ても荘厳なゴシック建築の傑作!

190この立派な施設ゆえか、以前はウォータールー駅から発着していたユーロスターが今はココに移って来た。

200国を跨いだ駅って感覚がピンとこないよね。
ここから外国へ行くワケだから。

210十数年前、私が初めてロンドンに来た時、ココは北方面へのただのターミナル駅で、駅舎以外の建物は使われていなかった。

220今ではホテルが併設してあり、大きなショッピング・コンコースができて大変にぎわっている。

230そして、すぐ左はキングス・クロス駅。こちらはスコットランド方面への路線のターミナル駅だ。
じゃない、コレは上野駅だ!
でもね、上野駅の駅舎はキングス・クロスを参考にしていると思うの。
東京はこういう駅舎がなくなったね。みんな味もソッケもない駅ビルになっちゃった。
残っているのは東京と上野と、使ってはいないけど両国ぐらい?
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コレがキングスクロス駅。
向こうの人は「King's X」なんて書いたりする。

250キングス・クロス駅からラッセル・スクウェア駅に向かうピカデリー線の列車の1両目で爆破テロ事件が起こった。
2005年7月7日、ロンドン同時爆破テロ事件だ。
最近もあんなことになってきて実に物騒だ。

245

駅舎内部のようす。
エラくきれいになっちゃった!
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あ~、今日もよく歩いた~。足がガクガクだ~。
宿に戻る前に例のアールズ・コートのパブでエールを一杯。
ウメ~!ちなみに中身はロンドン・プライドではござんせん。

270宿へ帰ってみると…オ~!バスルームの取っ手が直ってる!
ありがとうダミアー!
この取っ手の顛末はコチラをどうぞ。

280この日の晩御飯。
外で食べてもバカ高いので節約メシ。
サラダを作ってGREGGSのパスティ。ま、それほどハラも減ってないし、ウマい缶エールがあればそれでよし…と!

290つづく