ライブ・レポート Feed

2024年1月17日 (水)

sources~10th Anniversary LIVE<後編>

 
sourcesの10周年を記念するコンサートのレポート<後編>。
まずは中盤の綾太郎くんのMCから。 
 
「さて、次はsourcesを10年やってきて、メンバー2人に『オマエ馬鹿だ!』って言われた曲です。
常に新しいことをやっていこうと大技のパフォーマンスを披露しようと思ってこの曲を書きました。
小さなことから大きなことまで心の葛藤を曲とパフォーマンスで表現したかったんです。
『表と裏』…『天使と悪魔』みたいなものを3人で表現しました。
誰が天使か、悪魔か、自由に感じて頂きたいと思います」410 曲は『sunset』のオープナー「coin」。
「Heads or Tails」…まさに表と裏ですな?500_co「天使と悪魔」…誰が悪魔かは曲の成り行きを見ていればすぐにわかるでしょう。
そう、綾太郎くんがこんな感じになっているから。
520v綾太郎くん扮する悪魔が溜まりに溜まった日頃の恨みをはらそうと(←ウソです)、メンバー2人に憑依するシーン。510vのっつの背後から手を出して勝手にキーを叩いちゃう。530隼人くんのヴァイオリンにも!
この写真には苦労した。
どこからどうやって撮っても2人の顔に弓がドッカリと被さってしまうのだ。
しかも照明が赤でしょ?
コレはムズカシイよ。
S41a0467 それでも何とか綾太郎くんの悪魔っぷりが撮れたかな?と思っています。
そして、綾太郎くんがMCで触れていた「もっとスゴいパフォーマンスを!」の思惑も十分に発揮されていた。
パフォーマンスが表なら音楽は裏、どっちがどっちでもいいんだけどまさにその2つが表裏一体となった1曲。540続いて10周年を記念した最新作『TEN₋SEI』に収録されている「隼-HAYABUSA-」。550_hbs「隼」というのはもちろん鳥の名前だけど、字そのものに「速く飛ぶ鳥」という意味がある。
その俊敏なイメージからバイクやら電車やらいろいろなモノに適用される名前だけど、私の世代だと太平洋戦争中の「一式戦闘機」だな。
もちろんsourcesの「隼」はオリジナルの意味の「鳥」ですわな。
 
綾太郎くんと…570隼人くんが1小節ずつ弾き分けるテーマがカッコいい!580vそして随所に現れるのっつのピック・アップ・ソロ。
生のベースとドラムスを加えたバンド形態で聴いてみたいナァ!560v「ありがとうございます!
さぁ、ココから最後までは一気にいきたいと思います。
ぜひ身体を動かして楽しんでください!」
次の曲でお客さんにご参加いただくパートを説明。
サビで3回ジャンプね。
590もちろんお客さんは総立ち!
曲は『sunset』から「JOY! JOY! JOY!」。Img_0038テーマにソロに…0r4a0243_2ステージを上下に行き交うヴァイオリンの2人。620vはい、サビです。Img_0028「♪JOY! JOY! JOY!」
790のっつのソロ!
640vまた「♪JOY! JOY! JOY!」。
630いいように盛り上がりますな!
コレさ、いくらインストゥルメンタルのバンドでも普通なら「ジョイ!ジョイ!ジョイ!」ぐらいお客さんに歌ってもらっちゃうところでしょう?
でも、それを敢えてしないのがsources流。
それもうイッチョ!665「♪JOY! JOY! JOY!」780v「ありがとうございます!
次はタオルを使います。
タオルをお持ちでない方はハンカチとか、ティッシュとかでもいいですよ。
回しちゃってください!」670_lf曲は『TEN-SEI』収録の「Let’s Fight!」!
730ひたすらストレートに突っ走るドライビング・チューンで客席の熱気が更に上がる!Img_0023 ハイ、タオル~!680v 700vお客さんも一心不乱にブルンブルン!710_2さらにみんなで歌うパートで盛り上がる。S41a0117 「♪Wow wow!」
ココで歌ったわ!S41a0576 客席の興奮度が最高潮に達したところでバコ~ン!
銀テープが華々しく宙を舞い、本編最後の曲「FIREBALL」がはじけ飛んだ。750本編17曲。
自らの10周年を記念するにふさわしいエキサイティングな演奏だった!770v 760v 690v「ありがとうございました!」800そしてアンコール。
「ご来場いただきました皆さんも、配信をご覧の皆さんも、本日は本当にありがとうございます。
本当に楽しかった!
アンコールにお応えして演奏させて頂きます。
『今日はどうなることかな?』と思ったんですが、こんなにたくさんの方に来て頂けてとてもうれしいです。
友達とかいろんな人を誘って頂いて、本日初めてボク達をご覧になったという方も中にはいらっしゃると思います。
そんな皆さんに『sourcesって結構オモシロイことやってんな』とチョットでも思ってもらえたらうれしいです」
000s41a0634「アンコールでお届けする曲なんですけど、コレでsourcesを好きになったって言う人も本当にたくさんいらっしゃって、この曲にはたくさんの恩があります。
コロナ禍で最近はお会いできないお客さんが増えてしまったのはとても悲しいことなんですが、こうやってズ~っと続けていればまた会いに来てくださるだろうと思ってこの曲を演り続けます」000s41a0338 曲はsourcesのキラー・チューンのひとつ「鍔迫-TSUBAZERI-」。820_tz確かに私もこの曲を初めて聴いた時にはとても印象に残った。825和風テイストがふんだんに盛り込まれたスリリングな1曲。826今日も迫力ある3人の鍔迫り合いが繰り広げられた!82710周年でのポーズもバッチリとキマった~!840「本日は『10周年記念ライブ』ということでもうプレゼントしたい曲をもうひとつアンコールに持って来ました。
今から演る曲はsourcesが結成された頃のライブで演っていた曲です。
その頃はライブハウスに来てくださるお客さんは4人とかだったんですね。
そのウチの2人はボクらの学校の同級生…だから実質、お客さんは2人だったんです。
どうすればいいのかもわからなくてただただガムシャラに演奏していました。
ボクたちが通っていた桐朋学園の近くにある『キック・バック・カフェ』に出ていたんですが、当時はお客さんの前で何をしゃべっていいもかもわかりませんでした。
その時の2人のお客さんはお母さんと4歳ぐらいのお譲さんで、ライブが終わった後に『コレをプレゼントします』と、お母さんがハート形に折った折り紙をそのお譲さんがボクに渡してくれたんです」
S41a0701「その折り紙には覚えたてのひらがなで『ありがとう』って書いてあったんです。
その時、演奏して『ありがとう』って初めて言われたんです。
クラシックを勉強する時は『ベートーベンらしく!シューベルトはこんなんじゃない!』と点数つけられましてね。
コンクールが終わったら先生から怒られたり、『まぁ~、キミにしては良くできたんじゃない}』とか言われるワケです。
だからその女の子の折り紙がうれしくてうれしくて…この曲を書きました」
その時のことを思い出して涙をこらえきれなくなってしまった綾太郎くん。
S41a0707本泣き。S41a0706「『ありがとう』…この言葉は本当にきれいな言葉だと思います。
10周年を迎えて皆さんに感謝の気持ちを込めて『ありがとう』という曲を演奏したいと思います。
そして、次は15周年、20周年と、皆さんに求めて頂ける限り演奏できるように感謝の気持ちを込めて演奏します。
本日は本当にありがとうございました!」S41a0711感動のMCに続いて「ありがとう」を演奏。8803人の心のこもった演奏。890それはお客さんたちの心にも「ありがとう」の気持ちを抱かせたに違いない。900v感動的なフィナーレで10周年を記念するコンサートは幕を降ろした。910v10周年おめでとうございます!
これからもsourcesならではの音楽を創り続けてください!920sourcesの詳しい情報はコチラ⇒sources Official site930<おしまい>

(一部敬称略 2023年11月12日 大手町三井ホールにて撮影)

2024年1月16日 (火)

sources~10th Anniversary LIVE<前編>

 
皇居の森を眼下にするこの景色…しばらくの間眺めていてようやく気がついた。0r4a0003 ココって三井物産の本社社屋があったところじゃん!
私、コレでも学校を出てから12年、三井系のお堅い会社に勤めていた時期がありましてね、三井物産との関係が深い会社だったので時折ココにお邪魔したのです。
当時は「ブッサン、ブッサン」なんて気安く呼んでいたけど、山崎豊子の『不毛地帯』なんかを読んでいると世界にその名を知られる大手商社ってのはスゴイものですよ。
こんな仕事、とても私には務まらんわ。
『不毛地帯』は伊藤忠時代の瀬島隆三をモデルにした小説だけど、「五井物産」という変名でちゃんとブッサンも登場する。

して、今日お邪魔しているのは、この新しい三井物産本社ビル内にある「大手町三井ホール」。10出しものはsources。
10周年を記念するおめでたいライブなのだ!
05ロビーにズラリと並んだ祝い花。15もちろんヤッチンからのお花も届いています。20最近は個性的なデザインの祝い花も当たり前になったね。30sourcesの各メンバーに贈られた花々。
コレは野津賛江…
40加賀谷讃江…50そして、日高賛江。
きっとこの花の色がファンの皆さんが抱く3人それぞれのイメージの色なんだろうな。
60祝い花だけじゃない。
キットカットで作ったこんな記念オブジェも…。70既出のアルバムをモチーフにした記念アイテム。80_2メッセージもたくさん寄せて頂いた。90会場のようす。
開場した途端、みるみるうちに埋まっていく客席。100後は開演を待つのみ。
このsourcesのロゴはいつ見てもカッコいいね。110そして、開演。
3つのスポット・ライトに照らされてオープニングに奏でたのは「Galaxy Rose」。120綾太郎くんがsourcesを結成して初めて作った曲。
結成当初はメンバーにチェリストも在籍していた。
当時はドラムスやベースのパートがないアレンジで演奏することもあり、今回はその当時に戻ってヴァイオリンとピアノのみで演奏する「Galaxy Rose」を披露した。0r4a0034 ドンガラガッシャ~ン!
雷鳴の音に導かれてファースト・アルバムの収録曲「Beginning」へとつなげる。0r4a0054 日高隼人140v加賀谷綾太郎000s41a0357 野津永恒 000s41a0346 さらに続けて「Breakthrough」。190コレもファースト・アルバムからのチョイス。
10周年を振り返って原点に戻ろう…というところ。S41a0078 ただヴァイオリンやピアノを美しい音で弾くだけではなく、もっとこんなことも出来るんだ!と楽器の魅力を伝えたいと思い作った曲。
さっそくヴァイオリンの2人が背中合わせになるアクションを交えて絶妙のアンサンブルを奏でる。
170vジャ~ンプ!
初っ端からエキサイティング!185「皆さま、『のむシリカPRESENTS sources 10周年記念ライブ』にようこそお越しくださいました。
10周年にふさわしい曲達をたくさん持って来ておりますので、最後まで楽しんでいって頂きたいと思います」
と、綾太郎くんがごあいさつ。
200v下はかつてsourcesにチェリストがいた時代の写真。
2011年5月に仙川の「KICK BACK CAFE」で撮影した1枚。
この頃は全くsourcesを存じ上げず偶然にご一緒させて頂いた。
しかし、オモシロイもんですネェ。
10年以上の時を経てこんなにお近づきにさせて頂くなんて!
そんなこと、この時は全く想像していなかった。
アレ?…今レポ―トしている「10周年記念コンサート」の開催は2023年の11月。
2023-2011=12…ということは、この時から10年以上経っているのね?10_270v…と、不思議に思っていたら、そうか!
このデビュー・アルバムの『Sources』からちょうど10年なんですな?
改めまして10周年おめでとうございます!
 
この頃の写真を見て今のsourcesとは別の3人だと勘違いしてしまう人もいるらしい。
「10年」ってアッという間だけど、「時の流れ」としては決して短いモノではありませんからね。
私なんかうまくいってもあと2回しか「10年」を経験できないだろうナァ。1st 最初のMCの後は2枚目のアルバム『SUNRISE』から「Live a Little」。
220_lal路上ライブでよく演奏していたというだけあって…240vヴァイオリンの2人がステージ狭しと歩き回る。230途中でジャズ・ビートを交えたスリリングな展開といい、メロディといい、いかにもsources!250のっつのピアノに…260_sdヴァイオリンの2人がピチカートで重る「衝動-SHOUDOU-」。S41a0373 のっつのピアノの上をヴァイオリンの情熱的な旋律が走りぬける繊細にしてダイナミックなナンバー。280『SUNRISE』に続いて『sunset』からタイトル曲。290_ssアダルトなファンク・ビートのノリノリ・ナンバー。
「はい、のっつ」300vのっつは鍵盤ハーモニカに持ち替え。
この楽器は「ピ〇Xカ」でもはたまた「メロ△◆カ」という名前でもありませんからね。
「ブルース・ハープ」と同じで、それらの名前は商標です。
このハーモニカにように息を吹き込んで鍵盤を操作する楽器は「鍵盤ハーモニカ」といいます…ってそのままやんけ!310vヴァイオリン・チームと鍵盤ハーモニカ・チーム(1人)の掛け合いが楽しい!320のっつのカデンツァで曲は締めくくられた。330v「ありがとうございます!
今日は『のむシリカ presents』ということですが、コレ…とても美味しいです。
睡眠の質の向上にも効果があるということで、ボクもチョット寝つきが良くなったな?と感じております。
ゼヒ皆さん、これを機会に『のむシリカ』をご愛飲頂ければと思います」
340vさすがsourcesのスポークスマン!
スポンサーのPRもよどみなくこなして見せたところで、10周年を記念した最新アルバム『TEN-SEI』から「雨のちハレ」。
日本テレビ系の『News every』のお天気コーナーに採用されていたさわやかな1曲。
360_anhウ~ム、なるほど。
「さわやかな1曲」なんだけど、確かに雨が上がった後の「さわやか感」を感じるナ。
これは決して夏の日の早朝のさわやかさではない。
それならグリークだろう。
やっぱりキチっと音楽を勉強した人たちがやることは違う。
「西洋音楽」に関して言うと、誰がナニをやっても最終的にはクラシック音楽には敵わないのだ。
380続けて同じく『TEN-SEI』から「Lazulite」。390_lzlもの悲しいテーマ・メロディのヴァイオリンの音色がとても印象的なこの曲のイメージは「群青」。
「Lazulite(ラズライト)」というのは「天藍石(てんらんせき)」という青い色の鉱物のこと。
400ノリノリの曲が続いたが、ココで雰囲気を替えてジックリとsourcesの音楽を観賞するコーナー。
今回の『TEN-SEI』に収録された「秋」をイメージした「緋色の唄」で四季それぞれをテーマにした曲が完結した。
その4つの曲を披露しようというワケ。
普通「四季」というと「春夏秋冬」の春でスタートするのが相場だが、このコンサートが開催されたのは「秋」だったので、スクリーンに映し出された美しい紅葉と共に「秋」からスタート。
つまり「緋色の唄」から始まった。430ヴァイオリンとのっつの鍵盤ハーモニカのアンサンブルが冬の到来を感じさせる秋の静けさを表現する。S41a0339_2 「冬」は「颪-OROSHI-」。460雪山から吹き降ろす強く、冷たい風をイメージした曲。
この「颪」っていうのはオモシロイ漢字だよね。
でもコレは「国字」で、中国にはない日本のオリジナルの文字。
いわゆる「和製漢字」。
470「春」は「百花繚乱」。480タイトルからすると春が訪れたにぎやかな情景をイメージするが、曲は至って落ち着いていてsources流の「春」を奏でる。490そしてsourcesの四季を締めくくるのは「ひぐらし」。
主旋律と副旋律が緻密に絡み合うヴァイオリンが夏の一日の終わりを表出する。
とても美しい曲だ。
 
sourcesの詳しい情報はコチラ⇒sources Official site

0r4a0197<後編>につづく
 
(一部敬称略 2023年11月12日 大手町三井ホールにて撮影)

2022年9月 1日 (木)

パンダ広場のsources

 
別段、スイーツ・マニアというワケではないけど、一番好きなケーキ屋さんは日暮里の「パティシェ ショコラティエ イナムラショウゾウ」…なんて書くと見知らぬ虫の学名みたいだな。
安くはないけど、そこら辺のマズいケーキにいくらか払うんだったら、いくらか足してでもイナムラショウゾウのケーキを食べた方が味覚的にも精神的にもずっといい。
結局は安い買い物になる。
ケーキづくりっていうのは材料の計量がシビアで大変なんですってね。
あのおいしさはそうした製造テクニックや手間のかけようもさることながら、素材の良さがモノを言うんでしょうね。Is_2 しかしそうした高級スイーツとは異なり、一般庶民ために用意されたこのダブルシューのおいしさはどうだ?
いくつ食べても飽きがことがない。
ところが最近、ご多分に漏れず190円だった定価が200円に値上がりしてしまった!
ところでこのダブルシュー、ナゼか置いている店と置いていない店があるんですよ。
「銀座コージーコーナー」っていうぐらいだから、本店は銀座1丁目にかつてあった「テアトル東京」と大きな映画館の並びにあるんだけど、以前はこのダブルシューを取り扱っておらず、19日の「シュークリームの日」にしかお店に並べていなかった。
今は常時お店に出しているようだ。
この状況はどうやらお店の規模とは関係がないことは、日暮里の立派な店舗にも置いていなかったことから容易に推察できよう。
綿密なマーケティングをしてダブルシュー好きの人が集まっているエリアを突き止めているのであろうか?
そんな環境下、必ずダブルシュー置いているのが御徒町のお店。
ごくごく小さな店舗なんだけど、必ず売っている。
ただし、すぐに売り切れちゃう。
そんな御徒町のコージーコーナーに行く時によく通りかかるのが…10_2このパンダ広場。20昔、ココにナニがあったかはサッパリ覚えていないんだけど、今年で10年になるらしい。
この但し書き…すげえ読み仮名だらけ。
一体誰に読ませるつもりなんだろう。
30 
地方にお住まいで東京に縁のない方には「御徒町(おかちまち)」が難読地名のひとつに挙げられるかも知れない。
「ぎょとちょう?」とか言ってね。
ココは江戸の昔、最下級武士の「徒士(かち)」が集まっていた場所。
徒士というのは、足軽よりは身分が上だけど、馬に乗ることはNG。
いわゆる下士官みたいなモノだった。
だから、昔は城下町であればどこにでも「御徒町」があったらしい。
今は徒士ではなくパンダばっかりよ。
上野動物園に思いっきりブラ下がって町を活性させている。
 
ちなみに近くにある銀座線の「上野広小路駅」が出来たいきさつってご存知?
そう、三越本店がある「三越前駅」に対抗して、松坂屋がゴリ押しして「上野広小路駅」を作ってもらったんだけど、残念ながら駅名に「松坂屋」を入れることができなかった。
コレはタイミングの問題だったように記憶している。
でもね、今の松坂屋がある場所ね。
上野戦争の時に西郷隆盛がアソコに陣取って彰義隊との戦闘を指示したらしい。
寛永寺の入り口の黒門の目と鼻の先だからね。
そして今、西郷さんは犬を連れてアサッテの方角を向いている。
40この辺りは湯島天神にも近いもんだからこんな勉強熱心なパンダもいるよ。
湯島天神に行くには中央通りを渡って、「黒門町の師匠」八代目桂文楽と五代目古今亭今輔の家の跡の近くを通る「学問の道」を抜けるのが一番早い…いうことを言っている。
50パンダ広場の中央に陣を取るパンダたち。70入り口にいるパンダはややリアル。
80今回お邪魔したのは、このパンダ広場で開催された「ビアナイト」というイベント。90広場内には数々の露店が並んで完全なお祭り気分。120ようやくここまで戻って来たって感じ?130そして、広場の奥に設置されたステージ。
150みんなショウが始まるのを今か今かと待っている。140定刻となり、司会者が登場してお客さんにごあいさつ。160そしてsourcesがステージに上がった!170加賀谷綾太郎180v日高隼人190v野津永恒200v先日、このShige Blogでレポートした通り、sourcesは6月に『一刀両断』と『つむぐ』の2枚のアルバムを発表し、単独公演を大成功のウチに終わらせたばかり。
210そして、権威ある弦楽器の専門誌『サラサーテ』の8月号にもドカっと特集が組まれてまさに順風満帆!
記事の中には私が神田明神で撮った写真もご採用頂きうれしいなったらうれしいな!Sst 今回のステージは新旧のレパートリーを取り混ぜてのチョイスでセットリストを構成した。
オープニングはアルバム『SUNRISE』から「衝動-SHOUDOU-」。220持ち時間が30分と短いので、初っ端から飛ばしていくぜ!230と、言いたいところなんだけど、何しろ暑い!
あいにくこの日は夜になっても風がほとんど吹かず、モノスゴク蒸し暑かったのよ!240江戸の昔、江戸に住む人たちは夕方になると、気圧配置が変わって一定方向から風が吹くことを知っていた。
だから、寝苦しい夏の夜を少しでも快適に過ごそうと風が抜ける向きを考えて家を建てたんだネェ。
昔の人は本当にエラい。
風鈴なんてのもスゴいアイデアだと思わない?
「音で涼を取る」なんて日本人以外にはできない芸当ですよ。
今は夕方になるとやたらと強い風が吹くようになったでしょう?
コレ、東南アジアの気候だよね。
1週間しかいなかったけど、ベトナムなんてまさにそういう感じだった。
我々は何から何まで恐ろしい時代に向かっていることは間違いない。
 
…なんて言うこととは関係なしに、暑さと格闘しながら気合の入った演奏を聴かせる3人!0r4a0190 2曲目は同じアルバムから「鍔迫ーTUBAZERIー」。250_tzヴァイオリンの弓を刀に見立ててのアクションはこの曲の見どころのひとつ。260そして、素手でピアノと大格闘を繰り広げるのっつ!
のっつ、本当に暑そうだったよ~。
270vシャキーン、チーンとホンモノの刀を交えているかのような緊迫した演奏。
「鍔迫り合い」っていうけど、アレは後の処理が大変だったらしいよ。
日本刀って本当に切れ味が良いので、少し刃に触れただけでスパっと何でも切っちゃうんだって。
だから、鍔迫り合いをした後は血にまみれた耳や鼻や指がそこいら中に散乱するそうだ。
例えば、安政7年の「桜田門外の変」。
井伊直弼が暗殺されて、ことが収まった時、桜田門の近所には彦根や水戸(薩摩1名)の藩士たちの耳や鼻や指が転がっていて、仕方なく近所の人が片づけたらしい。
ヤダね~、やっぱり生ゴミ扱いなんだろうナァ。
ま、今回はせいぜい噛みちぎられたウインナー・ソーセージとミミガーが地面に転がっていたぐらいだろう。280vキマった~!2903曲目は『つむぐ』から「アオハルデイズ」。295_sd爽やかだけど、どことなく悲しいメロディ。300v_sdそれが「青春」なのね。
隼人くんもとにかく暑そうだった!
310vこうした愛らしいポップ・チューンもsourcesの大きな魅力のひとつだ。
そういえば、前回のココでのイベントはのっつが身体を壊してしまって出演できなくなってしまったんだっけ。
今日はバッチリだ!320「後ろ向きなニュースが多い中、音楽で元気に前向きにするためのファイトソングです。
皆さんに元気になっていただけたらと思っています!」
と次の曲を紹介した綾太郎くん。
そういえば綾太郎くんはそんなに暑そうにしていなかった感じだったな。
南国の出身というワケでもあるまいに。
330v最後の曲はお待ちかねの「一刀両断」。340アクションもタップリ詰め込んだsourcesのキラー・チューン。350暑さなど一刀両断に切り捨ててやれ!
370v本当に溶けてしまいそうな暑さの中、一時もタルむことなく激演を披露した3人!360

0r4a0119

375v最後は景気よくジャ~ンプ!380パンダに囲まれて、短い時間ながらsourcesの魅力にあふれたとても楽しいステージだった!390「ありがとうございました!
去年とはまたチョット違う感じがしたけど、とても楽しかったです!」
 
sourcesの詳しい情報はコチラ⇒sources Official site

400ところで…sourcesファンの皆さん。
sourcesは歌詞のないポピュラー音楽、すなわち「インストゥルメンタル・ミュージック」に取り組んでいますよね?
世の中にはなまじ歌詞がついているばっかりに台無しになってしまう曲がたくさんあるにも関わらず、日本ではよっぽど強力なテレビ番組や映画とのタイアップでもない限り、ポピュラー音楽の世界においては「歌詞なしの音楽」がもてはやされるチャンスが絶望的に少ないのが現状です。
そこで…みんなでこのインストゥルメンタル・ミュージックを盛り上げませんか?
 
この場をお借りして、私の方からひとつインストゥルメンタル・ミュージックのバンドを紹介させてください。
ギター・アンプの世界的トップ・ブランドである、イギリスのMarshall社は現在Marshall Recordsというレコードレーベルを運営しています。5marshall_records_logo_square_blackそのMarshall Recordsと契約をした関西出身の「D_Drive(ディー・ドライブ)というバンドです。歌詞のない、いわゆる「インスト・ロック」を演っています。
sourcesより格段に激しい音楽ではありますが、「歌詞がなくても歌がある」という点においてはsourcesと大きな共通点があると私は思っています。
5bafyggdqそのD_Driveが8月26日にセカンドアルバム『DYNAMOTIVE(ダイナモーティブ)』をイギリスから全世界に向けてリリースし、イギリス本国をはじめ、フランス、ドイツ、イタリア、オーストリア等、現在ヨーロッパで大きな注目を浴びています。
コレがその『DYNAMOTIVE』。53000x3000アルバムの1曲目に収録されている「Red Light, Green Light」のミュージック・ビデオがコレです。


いかがですか?
世の中にはこういう音楽もあるんです。
そう、ギターを弾いているYukiさんは数年前にSONYのXperiaのテレビ・コマーシャルに出演していた女性ギタリストです。
もし『DYNAMOTIVE』が気になるようでしたら、もう少し詳しい情報をMarshallのレコード屋さんからゲットしてみてください!
 
Marshallのレコード屋さん⇒Marshall Music Store Japan

Photo 
さ、早く帰ってひとっ風呂浴びてビールでも飲もうか!110v(一部敬称略 2022年8月3日 御徒町パンダ広場にて撮影)



2022年7月15日 (金)

sources~『一刀両断』&『つむぐ』リリース記念ライブ<後編>

 
綾太郎くんのエア撮影会が終わったところでショウは中盤に入る。
曲は「Othello」。
何やら不穏な雰囲気がカッコいいぞ!
コレはまさにイアーゴーの奸計を表現しているのか?
シェイクスピアの作品って登場人物の名前がカッコいいんだよね。
『オセロー』では奥さんの「デズデモーナ」とか、そのオヤジの「ブラバンショー」とかね。
この曲、私には中間部のキメがホンの少しラロの「スペイン交響曲」を想起させてくれてオモシロイ。570_oth_it中盤に入ってますますノリノリのsourcesの3人。
 
加賀谷綾太郎580v_2野津永恒590日高隼人600vアルバム『一刀両断』の曲順通りに続けて「BITE」を演奏。
コレも妖しげで、ヘヴィなワルツ。
何でも「吸血鬼」の舞台の音楽に採用されたとか…なるほど、そういうイメージだわコリャ。610オルガンにピアノに大活躍の'のっつ'。
630激情にかられたメロディをヴァイオリンの2人が奏でる。
終盤の転調してからの展開がまた何ともドラマチック!620「ありがとうございます。2曲続けて聴いて頂きました。
ココで『景清洞』と『雪の降るこの町で…』という『つむぐ』に入っているバラードをお届けしたいと思います。
両方とも情景をイメージした曲で、『景清洞』というのは3人で行った鍾乳洞の印象。
『雪降るこの町で…』っていうのは、雪が降る町に住んでる人々やそういった景色をイメージした曲です」
640消え入るような儚い’のっつ’のピアノからスタートする「景清洞(かげきよどう)」。660vそのピアノに重なる美しいヴァイオリンの音色。
670v景清洞は綾太郎くんがMCで説明した通り山口県美祢市にある鍾乳洞のこと。
ステージのスクリーンにはsourceの3人が見たであろう景清洞の様子が映写されてとてもいい雰囲気を演出していた。650_ksd前曲同様に「雪の降るこの町で…」も’のっつ’のセンシティブなピアノからスタートする。Img_9199 今度は綾太郎くんをフィーチュアして深遠なる白銀の世界を描写する。680v_yfkm綾太郎くんのヴァイオリンの音色で雪をガンガン降らせちゃったよ。690ちなみに…「雪の降る町」ということで…こんな本はご存知?
天保8年(1937年)、江戸時代の大ベストセラー。Hsこの本にナニが書いてあるのかというと、新潟県の十日町を中心とした冬の雪国の暮らしが綴られている。
昔は情報量が乏しかったので、豪雪地帯の冬の日常生活の様子など知る機会もなく、雪が降らないエリアの人たちがこぞってこの本を買い、読んではヒックリ帰って驚いていたらしい。
昔は今よりズット雪の量も多かったでしょうからね。
江戸時代の本とはいえ、原文のままでも割合読みやすくて私も時々拾い読みをするんだけど、吹雪で道に迷った旅人が穴倉でクマとひと晩過ごした話とか、なかなかにオモシロい。

Hs2十日町に行くと、この本の著者である「鈴木牧之(すずきぼくし)」の記念館があって、当時の雪国暮らしグッズなどが展示されている。
「雪の降るこの町で…2」を作る時には、事前に見学されると良いでしょう。
昔の雪国暮らしの過酷さに驚いて、ものスゴいハードなロックが出来上がったりして!Hs3「ありがとうございます!2曲続けてお送りしました。
『雪の降るこの町で…』は、情景が頭に浮かびやすいように今回色々とアレンジをしてみました」S41a0076 「そうですね。
さて、ココからは最後まで盛り上がって皆様に楽しんで頂けたらと思います。
まず1曲目に演奏するのは、チョット変わった曲名なんですけれども、『中東の砂嵐』ですね。
砂塵の嵐…中東で吹く砂塵の嵐のことを『シャマール』って言うんですけれども、コレもいわゆる情景曲です。
砂漠で吹く砂嵐をイメージして書いた曲です」700そう、「シャマール」はアラビア語の「شمال」ね…あ、コレは右から読んでくださいよ。
「シャマール」か…なんとなく「マーシャル」の親戚のような感じがしないでもないな。
1976年にフランスのGONGというプログレッシブ・ロックのバンドが『Shamal』というアルバムをリリースしている。
「フランス」ということになると、デディエ・ロックウッドという名ロック・ヴァイオリニストがいましてね。
多数のソロ・アルバムをリリースしているだけでなく、MagmaとかZaoとか、数々の人気グループで名演を残しているんよ。710_cd当然こう来るでしょ!…イヤ、こう来なくっちゃ!というサウンド炸裂の「シャマール~砂塵の嵐」。720_shaヴァイオリンの入ったロックや民族音楽が大好きな私にはゴキゲンなサウンドなのです。730vヴァイオリンの2人はトリック・プレイも披露!735今度は中近東からイベリア半島へ。
曲は『つむぐ』収録の「Spanish Love」。740vファンキーにキメるのは『一刀両断』から「Honey Trap」。750まさか誰かが「Honey Trap」に引っかかった経験で作った曲じゃあるまいな?
「シャマール」とこの曲、それぞれ『つむぐ』と『一刀両断』の2曲目なの。
意識して連続させたのか、はたまた偶然か…。760’のっつ’のピアノでつなげる次の曲は…S41a0127 「ありがとうございます!
『Honey Trap』の次は『Neon Beat』という曲をお届けします。
あと2曲で終了になりますけれども、本日はスタンディングもOKでございます!
もしよろしければ立ってお楽しみくださいね。
そして、この『Neon beat』という曲、お好きに踊って頂いて大丈夫です。
あ、無理に立たなくてもいいですよ。
皆様が好きに楽しんで頂ければと思います!」S41a0077 …と言われて立たないワケがない。Img_0076 ご起立頂いたお客さんのご期待に応えるエキサイティングなパフォーマンス!790_nb3人の間で回されるスリリングなソロが大きな聴きどころ!800

810

820そして本編を締めくくったのが「Stand Up!」。840v3人が一丸となった…

0r4a0195熱気あふれるプレイ!Img_9236 「今日は声を出すのを控えて頂きます。
右手を上げて心の中で『Stand up!』と叫んでください!」
声は聞こえなくても、右手を上げたお客さんの勢いは声以上の熱気を発していた!
Img_0088 クライマックスに向かってヒートアップ!880こうして猛烈な盛り上がりの中、本編を終了させた。885そして、アンコール。
3人とも白い衣装にお召し替えだ。
「アンコールありがとうございます!
もう少しお届けしたいと思います」910そして3人、めいめいにお客さんに感謝の言葉を口にした。
「自分たちもこうやってリリース記念ライブが行えてうれしいですし、皆さんにお会い出来て本当にうれしかったです。
皆さんに元気になってもらおうと思ってお送りしたんですけど、反対に皆さんからパワーをもらっちゃいました。
そして、配信をご覧の皆さんもどうもありがとうございました!」
940v普段はヤッチンのステージの時に「曾我さん〇〇周年おめでとうございます!」ぐらいしかしゃべる時間がない3人だけに、sourcesがこんなにトーク上手だったとは思わなんだ。930v「最後は『レクイエム~安息への祈り』という曲をお届けしたいと思います。
この曲は新型コロナウィルスが流行してしまって、全てがストップしてしまった、あの何とも言えない時間が止まったような苦しい時期に早く元通りの生活に戻れたらいいな…という一途な気持ちで書いた曲です。
本日は、いつかマスクを外して握手もできるし、叫べるし…そんな日々が戻って来ることを祈りながらお送りしたいと思います」920vそんな気持ち込めた3人の演奏。950そのsourcesの気持ちが会場に集まった皆さんや配信をご覧になっていた方々にシッカリと届いたに違いない。960v

970

980v 美しい照明が演奏をより一層感動的なモノに仕上げた。990今回のレポートではいちいち「『一刀両断』収録の」とか、「『つむぐ』の何曲目」なんて書いてしまったけど、このライブで演奏した曲はすべて新しいアルバムからのチョイスだったのです。
つまりそれだけの自信作を2枚放ったということ。
アッパレsources!190_2 「ありがとうございました!」1000sourcesの詳しい情報はコチラ⇒sources offcial site

1010 ※Shige BlogはMarshall Blogの兄弟ブログです。
ヤッチンのライブ・レポートが掲載されているお兄さんブログはコチラ⇒Marshall Blog
 
(一部敬称略 2022年6月11日 神田明神ホールにて撮影)

2022年7月14日 (木)

sources~『一刀両断』&『つむぐ』リリース記念ライブ<前編>


2人のヴァイオリニストとピアニストのトリオ、sources。
曾我泰久(ヤッチン)のコンサートのサポート・メンバーとしてMarshall Blogには何度となくご登場頂いている。
今日はそのsources単体のコンサートの様子をレポートする。
2枚のアルバムのリリースを記念するライブ・ステージだ。
残念ながらMarshallのファミリー商品をお使い頂く機会がないので、私個人のブログ「Shige Blog」へのご登場をお願いした。05会場は今となっては「ヤッチンのホーム」とも言うべき「神田明神ホール」。
やっぱりココはいいね。
ナニがいいって…まず、家から近いのよ!10コンサートが開かれたのは6月だったので境内には茅の輪が設置してあった。
儀礼に則ってこの茅の輪をくぐり、その年の正月から6月までの半年の間に溜まった罪穢(つみけがれ)や疫病を祓う。
コレが「夏越の祓(なごしのはらえ)」。
そして、12月に執り行われる同様の行事を「年越の祓(としこしのはらえ)」と呼び、下半期分の疫病や罪穢を祓う。20拝殿の隣にいる神馬御幸号「あかりちゃん」の様子を見に行くと…残念!いなかった。
あかりちゃん、過去に脱走したこともあったらしく、この時もそうだったのかも?
何しろ神様がお乗りになる馬ですからね。大変なもんです。30_2 以前は気がつかなったのがこの御神酒「金婚」。
太古の昔から「酒」といえば灘か伏見。
そんな中にあって慶長元年(1596年)に操業を始めた東京の造り酒屋が「豊島屋本店」。
その酒屋のブランドが「金婚」。
スゴイのは、この「金婚」は明治神宮とこの神田明神に奉納される唯一の御神酒なのだ。
それだけじゃない、酒と味噌田楽を出して居酒屋のルーツを作ったのも、ひな祭りの白酒を広めたのも、そして鏡開きの儀式を広めたのも豊島屋らしい。
とにかく「金婚」は「祝い酒」として確固たる地位を築いているのだそうだ。
へへへ、先日必要に迫られてホンの少しだけ「灘の酒」について調べましてね、すごくオモシロかったのでこの日もこの酒樽が目についた…というワケ。
 
その時の記事はコチラ⇒【Marshall Blog】酒は白鶴、アンプはマーシャル!

40するとホラ、早速祝いごとが…。
ドラムメジャーとバンドの皆さんが出て来て整列した。50「♪ビエ~ン」と篳篥や竜笛の音が境内に鳴り響く。
70巫女さんたちがお出迎えして…
60参進が始まった。
80「参進」とは神職や巫女を先頭にして神殿まで歩いていく儀式。
「参進」なんて言葉、今調べて知りました。90ウチの両親もココで結婚式を挙げたんだけど、コレはやらなかったろうな。
60年以上前のことだからね。100無事、参進が終了して拝殿に入って行った新婚さんご一行。
おめでとうございました。110開演時間が近づいてきたのでホールに戻ろう。150もう神田明神ホールは勝手知ったるところ。160ロビーにはにぎやかに祝い花が飾られていた。170物販のコーナーでは今回リリースされたCDがズラリ。0r4a0002 ひと際目に付くのがこのアクリル・スタンド。
今、こういうの流行っているのかしらん?180コレがリリースされたアルバム『一刀両断』と『つむぐ』。190開演時間になり、客電が落ちると舞台のスクリーンにはヴァイオリンの弓とfホールをあしらった「sources」のロゴ・マークが投影される。
いよいよスタートだ!…と言いたいところだけど、チョットその前に…210以前、sourcesは以前Marshall Blogに「sources」としてご登場頂いたことがあったのを思い出した。
時は2011年5月。
山下達郎さんの音楽を40年以上にわたってベースでサポートし続けている、伊藤広規さんがその2か月前に発生した「東日本大震災」支援のために企画したチャリティコンサートにsourcesが出演したのだ。
まだこの頃は青山純さんも南沢KAZさんもお元気で、とても楽しいコンサートだった。
会場は仙川の「Kick Back Cafe」。
220vsourcesはトップで登場。
この頃のsourcesはヴァイオリン×2、チェロ、ピアノ、パーカッションというクインテットだった。23011年前の今のsourcesの3人。240vやっぱり若いな。250v11年後にsourcesとライブの写真撮影のご依頼を頂く関係になろうだなんてこの時は夢にも思わなかった。260v残念ながらこのブログはもう見ることができない。
で、私のところで補完している記事のデータを見ると…
「こんな楽器編成なので、メローで美しい曲ばかりかと思いきや、テクニカルでトリッキーな曲を交えて会場を沸かし、トップバッターの役目をしっかりと果たしてくれた!
なんて記事に書いてある…自分で書いたんだけど。
懐かしいナァ。
270そして、時は今!280颯爽とステージに姿を現したsoueces!
オープニング曲は『一刀両断』のクローサー「Restart!」。290加賀谷綾太郎300v日高隼人310v野津永恒320vスリリング、かつエキサイティングな幕開け!Img_0008 続けて演奏したのはグッと落として「百花繚乱」。
『つむぐ』のオープナー。320_100'のっつ'の美しいピアノに乗って…330v綾太郎くんのヴァイオリンが物悲しく歌う。
0r4a0129そして隼人くんのヴァイオリンが加わって芳醇なアンサンブルとなる。0r4a0198 もう1曲続けたのは「一刀両断」。
もちろんニューアルバムのタイトル・ナンバー。
このバンドはずいぶん気前がいいナァ。
平気でキラー・チューンをドンドン繰り出しちゃう!
340_ir「ハッ!」の掛け声とともに繰り広げられるサウンド・スペクタクル!345熱気にあふれた3人の音楽魂がいいように伝わってくる。S41a0073 アクションもキマったゼ!370ココで綾太郎くんと'のっつ'のMC。
「皆さん、本当にありがとうございます!こんばんは!」
「こんばんは~!リリース記念ライブということで、ホールライブはコロナウィルスが流行する前でしたからちょうど3年ぶり…。
2019年の6月の1日に演って以来なんでほぼ3年ぶりですね」
390「ですので、今日はいい緊張感のもと、皆さんに音楽をお届けできるのではないかと思っています。
最後まで是非、楽しんでいってください。
さて、まずは3曲お届けしました。
次は皆さまに手拍子で参加して頂きたいと思っています。
『Fiddler and buddies』という曲…『ヴァイオリン弾きと仲間たち』みたいな意味ですね。
その場でヴァイオリン弾きとみんなが楽しんでるよ~、みたいなイメージの曲。
それと他に2曲続けてお届けします」
380v『つむぐ』収録の「Fiddler and buddies」。
こういうのは実にいい。
こうしたヨーロッパの土着的な音楽を奏でられるのはヴァイオリンという楽器の大きな魅力であり、強みでもある。
sourcesには、クレツマーから、ロマーヌから、ジグから、もう何でもチャレンジして頂きたい。410_f_bこの曲で'のっつ'は鍵盤ハーモニカを披露。
コレが大変いい味を出してくれるのだ。420ところで「fiddler」という言葉を聞いて必ず思い浮かべることが2つ。
ひとつはクンタ・キンテの「ルーツ」。
もうひとつは『屋根の上のヴァイオリン弾き』ね。
となると、「Sunrise, Sunset」だと思うでしょう?
さにあらず…「Matchmaker, Matchmaker」という曲が大好きなのです。For 続けてメッチャさわやかに「アオハルデイズ」。
「青春の日々」か…?
いい曲!Img_0008_2 ピチカートの響きが「さわやか」さを強調するんだよナァ。460この曲は『つむぐ』収録。
いいね~、ジャンジャンと新しいアルバムから演っちゃって!
ネタが豊富ってのは素晴らしい!470続けて「水平線の彼方へ」。480v_shkこの曲では鍵盤ハーモニカの'のっつ'を大フィーチュア。490コレも民族的な3拍子のリズムに乗って独特の世界を作り上げることに成功している。500v「ありがとうございます!
ボクらは歌詞がないインストゥルメンタルのグループなんですが、毎回どうでもいい話しをするコーナーを設けています。
それをココで…。
近況報告っていうヤツですね。
'のっつ'は最近どうですか?」
510「先日ですね、事務所の先輩の曾我泰久さんのトークライブのゲスト出演させて頂きました。
その際、トークのお題が出されたんですよ。
『最近気になること』を川柳にして発表してください…という趣があるお題でした。
川柳なんて今まで考えたことなかったんです。
で、ボクが今気になることっていうのが、“毎朝の目覚まし代わりに背を痛む”って。
最近、背中が痛くて目覚ましのアラームが鳴る前の6時とか7時に痛くて目が覚めちゃう。
新しい家に引っ越して数年経つんですが、引っ越した際にベッドを変えたんです。
お店で実際に試してみて『あ~、コレいいなぁ』ってヤツを選んだんですが、マットが悪いのかも知れません…腰が痛くなっちゃう。
整体に行ってみると、起立筋とかいうのがヤラれていて背中が弱くなっているらしんです。
曾我さんを始め色々な方からアドバイスを頂戴したんですが、マットを変えるより枕を変えてみたらどうですか?って意見があったんです。
それで枕を変えたところ…なんか治ったんですよ!
ところが今度は首が痛い!」
まぁ、ピアニストの方は仕事柄座って下を向いている時間が長いので、腰、背中、首に大きな負担がかかってしまうことは避けられないよね。
お大事になさってください。520v「ヴァイオリンをやっていらっしゃる方や音大生の皆さんはよくご存じだと思うんですが、『サラサーテ』というヴァイオリン関連の雑誌についにボクらも載ることができました!
しかも、表紙と6ページの記事です。8月号です!」
おめでとうございます!
私がこの日に撮影した写真もご採用頂きました。
誠にありがとうございます。
530vコレがその『サラサーテ(せきれい社刊)』の8月号。
私が以前勤めていた会社では輸入のヴァイオリンとか弓を取り扱っていて、前の席のオジさんがそれらの商品を担当していた。
カーボン製の弓かなんかの広告を出していたのか、そのオジさんがしょっちゅう『サラサーテ』と口にしていたのでこの雑誌は大変馴染みがある。
はじめ雑誌の名前を聞いて日本人に対する「ツィゴイネルワイゼン」の影響力って甚大なんだナァと恐れ入った次第。
作曲者のパブロ・デ・サラサーテはヴァイオリニストとしてもスゴイ人だったらしいけど、こと作品に関してはどうあがいても「ツィゴイネルワイゼン」しか思い浮かばないもん。
クラシック界の「One-hit Wonder」なんて言ったら怒られるか…。
200v_bMCの間、こうして2人の愛器が博物館の展示品よろしく高いところに収められているのがすごく新鮮だった。
お、「ヴァイオリンの展示」といえば、ストラディバリウスやらアマティやらが登場するこんな記事を書いたこともあるんですよ。
ロンドンの「王立音楽院」の楽器博物館のレポート。
   ↓    ↓    ↓
【イギリス-ロック名所めぐり】vol.21~マリルボン周辺

400最後に綾太郎くん。
「ボクは、つい1週間くらい前なんだけど一眼レフカメラに触ってみたんですよ。
いっぱい撮ってるの…どこにでも持って来てるカメラ小僧。
今、カメラって携帯の画質も良くて、いつでもパっと撮れるでしょ?
この手間のかからない便利感が自分の中でオモシロくなかったんですよ。
いつでも撮れるし、いつでも見れるんなら今じゃなくていいや…って。
ところが、チャンとしたカメラで撮るって、まずカメラを探してさ、電源を入れるじゃん?
で、自分でピントを合わせて撮るというこの手間を自分の意志でやるワケで、自分の中で『ナンカすごい!』って思ったんですよ。
で、コレから先、ポートレイトみたいなことをやりたいんですよね。
こうやってポーズとって…」0r4a0122…と、早速sourcesのポートレイト撮影会!
隼人くんと…
540'のっつ'を激写したのであった!
 
sourcesの詳しい情報はコチラ⇒sources offcial site550<後編>につづく

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(一部敬称略 2022年6月11日 神田明神ホールにて撮影)

2019年6月27日 (木)

ついに『結婚』!


中野に来た。
サンプラじゃない、〇1〇1の方の出口。
線路伝いに東中野方面に歩いて行くと右側に現れるのがこの施設。
「なかのZERO」という施設なんだけど、スゴい立派なホールで驚いたよ。
こんなところにこんなモノがあったのね?
あんまりシッカリした設備だったので、経営母体がどこなのか気になり、電話して尋ねてみた。
中野区が所有して、民間に運営委託をしているとか…。

10ナニをしに来たのかと言うと…コレを観に来た。
ココへ行ったのはもうひと月以上前、イギリスに行く9日前のことなんだけど、この時もう右ヒザが痛くて、「こんなんでイギリスに行っちゃって大丈夫なのかナァ」とかなり不安な気持ちを携えつつ、サポーターをガッチリと装着してゴマカシゴマカシ歩いて行ったんだっけ。
ヒザの話はまた後日、Marshall BlogやShige Blogの『イギリス紀行』でタップリ泣かせて頂きますので覚悟しておいてくだされ。

2img_8762 イヤ、ホントにスゴいホールでね~。
コンサートの主催者は「オルフ祝祭合唱団」という団体さん。
念のために事前にチケットを買っておこうかと思い、主催者に電話をして問い合わせたところ、「ダイジョブです、ダイジョブです。会場は大きいし、当日で十分ですよ。前売りなんて買わなくてダイジョブですから!」とおっしゃる。
前売りも当日も同じ値段なので、その方のアドバイス通り当日券を買って入ることにした。
で、会場に行ってビックリ!
結構多くの人が集まっていたんだけど、ビックリしたのはその人数ではなくて客層。
比較的お年を召した女性の方が圧倒的に多いのだ。
イヤ、コレがバッハだのモーツァルトだったらわかるよ。
アータ、オルフにスタヴィンスキーだぜ!
失礼ながらホントにわかってお越しになられたのだろうか?
ま、それは本番になってみればわかるか?

30ホントにスゴいホールだった。
電話の方がおっしゃったように、正直ガラガラだったので肉声がよく聞こえるようにと、遠慮なく真ん中の前の方に陣取らせて頂いた。

70_2ステージは普通のクラシックのコンサートとはまったく異なるセット。

40そう、今日の演目はピアノ4人、打楽器が4人、それに合唱という超変態インストゥルメンタリゼーションの2曲なのだ。

2pg3本番中の写真が撮れないのは仕方ない。
楽器チームを挟む形で、手前のひな壇の上手に男性、下手に女性コーラス・チームが配置された。

50_21曲目はカール・オルフの「カトゥーリ・カルミナ」。
コレがカール・オルフ。
ドイツの作曲家だ。

Ko「カルミラ・ブラーナ」は知ってるでしょ?
「さぁ、ファイナル・アンサーをどうぞ!」のような場面で緊張を煽るためにやたらと使われるヤツ。

Burna私ですらCDを2枚持ってる。
でも、猫も杓子も「カルミラ・ブラーナ」って騒ぐものだからスッカリイヤになっちゃった。
クラシック版「Burn」とか「Spain」ってところ。

5_0r4a0499で、この『カトゥーリ・カルミナ』はその続編というか、オルフの3部作のウチの一編。
1943年の作品…戦時中にこんな曲を作っていたのね?
ドイツも余裕だな。
というのはコレ、もうドロッドロのエロ歌なのよ。
もちろんナニを歌っているのかを聴いてわかるワケではないんだけど、後で訳詩を見てビックリ!
なんじゃはこの歌は?
だって「乳房~、乳房~」と歌っている割に曲は「カルミナ・ブラーナ」譲りの厳格さ漂うギンギンにハードな調子だからね。
申し訳ないんだけど、曲としては「カルミナ・ブラーナ」の方がおもしろいな。
それと、コーラスの編成が女性の方が圧倒的に数が多く、男性の声がチョット寂しかったのが残念に感じた。
メンバーが集まらなかったのかな?

12catulli休憩を挟んで次の曲。
 
Shige Blogらしくフランク・ザッパからストラヴィンスキーに入りましょうか?
最近40周年記念バージョンを発売した1978年のニューヨークのライブ盤の1曲目、「Titties & Beer」。
悪魔に扮したテリー・ボジオに彼女を食べられてしまったバイクの男に扮するザッパが尋ねる。
「I'm only interested in two things.  See if you can guess what they are(オレは2つのことにしか興味がないんだ。できるもんならそれがナンだか当ててみな)」
すると悪魔が答える。
「Let's see....maybe.....Stravinsky...(えーとだな…たぶん…スラヴィンスキーか)
好きなシーンである。
ところで、この40周年記念バージョン、AmazonにオーダーしてLPはひと月前に配達されたんだけど、CDが一向に届かない。
どうなってんのね~、Amazonは…。

5_0r4a0503_2ザッパは『Chunga's Revenge』で「Igor's Boogie」という曲を演っている。
ストラヴィンスキーのフルネームは、キリル文字だと「И́горь Фёдорович Страви́нский」、英語表記だと「Igor Fyodorovich Stravinsky」。
日本語だと「イーゴリ」とか「イゴール」と読んで「フュードロヴィチ・ストラヴィンスキー」とつなげる。
ザッパの曲の邦題は「イゴールのブギ」になっていたけど、このイゴールとはストラヴィンスキーのことでしょうな。
 

Crそれにザッパは人生最後のバンド・ツアーのレパートリーにストラヴィンスキーの「兵士の物語( 仏=L'Histoire du soldat、英= The Soldier's Tale)」を取り上げている。
コレ、カッコイイ曲なんだよね~。

Jnコレがストラヴィンスキー。
いつか紹介した『シャネル&ストラヴィンスキー』という映画の中では、背の高い、かなりカッコいい役者さんが演じていたけど、コレの次の写真を見てビックリ!

Igoコレは今回ロンドンの「V&A(ヴィクトリア&アルバート博物館)」で発見した写真。
チョット興奮しちゃった。
後の真ん中が「バレエ・リュス(Ballet Russe)」の主宰者、セルゲイ・ディアギレフ。
向かって左のヒゲのオッサンはわからないが、向かって一番右の人は何とセルゲイ・プロコフィエフ。
プロコフィエフの音楽もメッチャかっこいい。
そしてディアギレフとプロコフィエフの間にステッキを持って立っているのがストラヴィンスキー…ずいぶんチャイチーでしょう?
ハッキリ言ってカッコ悪し。
でも音楽はすこぶるカッコ良し。それでいいのだ。

Sps今回このコンサートのお目当ては2曲目に演奏したストラヴィンスキーの「結婚(Les Noces)」。
もうね~、大好きなの。
といっても昔からのことではなくて、というかロックに夢中なりし頃はストラヴィンスキーなんか聴くワケないわな。
以前に勤めていた会社の音大出の同僚に教えてもらったの。
「シゲさんならきっと気に入りますよ」と言われてドップリとハマった。
1923年、ジム・マーシャルが生まれた年。関東大震災が派生した大正12年の作品。
「こんな音楽が世の中にあるのか!」と結構ショックを受けたな。
そして、それ以降はフランスMAGMAを一回も聴いていない…必要なくなっちゃった。
同様に、近代クラシックをよく聴くようになると、もうね、あれほど夢中になったプログレッシブ・ロックが退屈極まりなくなっちゃったんですよ。
困ってるの。何と言うか…プログレッシブ・ロックという音楽に意味を感じなくなってしまったのよ。
特にCaravanとか、Camelとかがヤバい。
そこへ行くとやっぱりKing CrimsonとかYesとかPink Floydというのはスゴイよね。
恐るべきオリジナリティだと思う。Areaは今でも大好きです、ハイ。

Nocesで、こんな変態的な楽器編成だし、特に人気のある曲ではないし…ということでこの曲が演奏されることは滅多にない。
実際、私が持っているNAXOS盤もオペラ「エディプス王(Oedipus Rex、ちなみに英語では'オイディプス'と発音します)」の付け合わせ程度に収録されている。
もちろん私は「結婚」を目当てに買ったんだけどね。
以前にMarshall Blogに書いたけど、何年か前に国内最大級のクラシックのフェスティバル『ラ・フォル・ジュルネTOKYO』で演奏されるというので話題になっていた。
「XX年ぶりにナマで演奏する!」という触れ込みで、メッチャ聴きに行きたかったんだけど行かれなかった。
そして今回、チャンス到来!

5_0r4a0501イヤ~、スゴかった。
オルフの時と同じメンバーにソリストが数人増えた形だったんだけど、ナンノ不都合も感じずに、23分ジックリ聴き入ってしまった。
やっぱり曲のクォリティがそうさせるのか?
あんなに集中して音楽を聴いたのは久しぶりのことだった。
特にソプラノを担当した中江さんという方がスゴくて、ふくよかな体躯からストレートに張り出してくるあのメロディにのけ反ってしまった。
しかし、あんなメロディをよく覚えられるな~。
そして、こんな曲を思いついて実際に作る人…アッタマおかしいわ!
ま、それを聴いて喜んでいる方もおかしいか?

5_2nakaeところで、あの年配の女性のお客さんたち…やっぱり「こういうのじゃないと思っていた」的な反応をしていたように見えたのは私だけであろうか?
 
終わった瞬間、もう1回聴きたいと思った。
オルフは演らないで「結婚」を2回続けて演ってもらってもヨカッタ…それじゃバツイチか?
いつか、西洋人が演じる脂っこい「結婚」を観てみたい。

60_2(2019年5月18日 なかのZERO大ホールにて撮影)

2018年11月22日 (木)

トュルクソイを観た!


トイレで一緒になったサラリーマン風の人たちの会話。
「なんだ、『パーシモン』っていうからてっきりゴルフ関係の施設かと思ったら、『柿の木坂』の『柿』なんだな~?」
 
目黒にあるその「柿」に行って来た。
「めぐろパーシモンホール」という区の設備。
ま、このサラリーマンの勘違いなんてまだマシな方で、「目黒」と来たもんだから、私なんか完全に「柿の木坂」と「権之助坂」を混同していて一緒に行った家内に笑われたわ。
「柿」は英語で「パーシモン(persimmon)」ということはご存じの通り。
フランス語ではそのまま「kaki」というらしい。
柿の木は大変硬く、緻密で均質なことから色々なものに素材として利用されてきた。
たとえばビリヤードのキューもパーシモンなんだってね。
他に靴の木型やカンナ台などに適用されるが、ナント言ってもよく知られているのはゴルフクラブだった。
あの「ウッド」呼ばれている棒の先っちょね。
「だった」というのは、パーシモンのクラブって絶滅したんだってね。
私はゴルフを全くやらないどころか、イヤな思い出しかないのでどうでもいいことなんだけど、チョットびっくり。
私が社会に出た30年以上前、サラリーマンの必須科目として仕方なしに始めて、買ったクラブのセットに含まれていたドライバーだのスプーンだののウッド・クラブのヘッドは文字通り全て木製だった。
ゴルフ練習場やコースに行くとまだメタル・ヘッドのクラブが珍しく、「お、メタルじゃん!?」なんてオジサンたちが騒いでいたような記憶がある。
私はそんな会話を傍らに、「ああ、あの楽器屋にあった1987欲しいナァ」なんて心の中で思っていたもんだ。
今はすべてメタルなんだって。

10コレまた立派な施設でね~。
ビックリしちゃった。

20ロビーで開場を待つ人々。

30こんな物販コーナーが設置されていた。
白いハチミツはキルギスの特産品なのだそうだ。

40こんな民芸品もゾロリ。

50v_2ナニを観にパーシモン・ホールに来たのかと言うとコレ。
「テュルクソイ」という民族音楽のグループの結成25周年を記念する来日コンサート。 

0r4a0040「テュルク」というのは「テュルク語系」の原語を母語とする民族のこと。
どの辺りの方々かと言うと、この地図に青く記しているエリア。
濃い青がテュルク語系の言葉を公用語としている「国」。淡い青のエリアはその「自治区」。
シベリア北部が飛び地になっているのが気になるが、太古の昔に民族の大移動でもあったのかしらん?

9map2 「テュルクソイ」の国単位の主要参加メンバーは…
アゼルバイジャン
カザフスタン
キルギス
トルコ
トルクメニスタン
ウズベキスタン
の6つ。
これにロシア連邦内の民族共和国が加わる。つまり、ロシア領内にロシア民族ではない人たちが郷土として設立している共和国から来た人たちのこと。
具体的にその名を挙げると…
タタルスタン
ハカス
バシコルトスタン
サハ…他。
知らんがな。
あとモルドヴァ共和国のガガウズ自治区の人々が参加している。
だいたいイメージがわかったでしょ?

0r4a0038いつもMarshall Blogに書いているように、私は昔から民族音楽が大スキなのね。
で、ある日、facebookをツラ~っと見ていたら、この公演の宣伝動画が流れていて、「コレだ!」と思って家内をコンサートに誘ったワケ。
…というのは、公演の当日は私の誕生日でございまして、ワガママに付き合ってもらおうとしたのです。
すると、家内が「誕生日のプレゼント」ということでチケットを買ってくれた…ありがとうございました。
いつも言っているように、Marshallの仕事以外のライブにはまず行くことがないので、コンサートのチケットを買うなんてことはここ20年の間、ほとんどなかった。
今回、初めてインターネットで申し込んでコンビニで受け取る…というのをやってみた。
朝早く起きて青山のウドー音楽事務所やプレイガイドの前に並ぶ必要がないのは実に結構なことだが、私のような古い人間にはチト味気ない感じがするかな?

0r4a0035とにかく立派なホールですよ。
桟敷席までついてる。
大使館の強力なバックアップがあっての実現なのだろう、座席には「大使館席」という張り紙が目立ったものの会場は満員。
当日券はすべて売り切れていた。

60出し物は歌と踊り。

70この歌がマァ~すごいこと。
一体どこから声出してんの?みたいな。
この写真の人はアゼルバイジャンのバベック・クリエフという人。

74コチラはトルコのジャンス・キルジャさん。
この歌い回しがタマらなく気持ちがいい。
コチラの方々は微分音階を使うでしょ?
トルコの歌手は半音を9つに分けた音程を完璧に歌い分けることができると聞いたことがある。
「超絶」ですよ、超絶。
80vそれとトルコの音楽は「9/4拍子が基本」なんてこともどこかで聞いたナ。
この曲は10/4拍子だった。
また踊りがいいんだわ。

75歌も踊りもいいんだけど、私のお目当ては器楽の演奏。
絶対にスゴイのが出てくるにキマってるもん。
それと、キテレツな楽器群。
それは期待通りの連続だった!

0r4a0030モルドヴァのイーゴリ・ボドゴレアヌさんのパンフルートの独奏。
パンフルートは有名だけど、商店街のイベントでアンデス辺りから来ている人たちの素朴な音楽とはまたゼンゼン違う使い方をしていてビックリ。こっちの地方では「ナイ」と呼んでいるらしい。
もうね、イングヴェイなのよ。
つまり、速吹き。
あんなに口にパンフルートを押し付けて左右に揺さぶったら唇が熱くなっちゃうだろうに!という俊敏な動きがあまりにも見事。
それとハイノートの美しさも素晴らしかった。

90この人はハカス(ロシア)のルスラン・イヴァキンさん。
コレもスゴかった。
こうした「モロに白人」というメンバーも少なくない。

110vバックを務めるオーケストラの演奏のウマいこと!
ナンカの録音物を聴いているかのような一糸乱れぬ音程とアンサンブル。
ジャズのビッグバンドのように、この中からソリストがかわるがわる出て来てフィーチュアされる。
アップの写真が撮れなかったんだけど、真ん中より向かってチョット左で膝の上に板みたいなモノを乗せているオバちゃん。
弾いているのはトルコのカーヌーンというハンマー・ダルシマーみたいな構造をした楽器。ただ弦をスティックで叩くのではなく、指先にハメた爪で弦をはじく。
この人の独奏は本当にすさまじかった。
ホントの超絶。
あのね、ギターを速く弾くことだけが「超絶」ではないんですよ。
むしろ、色んな音楽に興味を持って世界に目を転じると、電気の力を借りてギターを速く弾くのはさほど難しいことではないように見えてくる。
エディタ・グルベローヴァの声も超絶だし、40分休みなくインプロヴィゼーションを続けるジョン・コルトレーンのサックスも超絶。
音楽は聴けば聴くほど奥が深く、幅が広いことを知る。
まだまだ楽しめそうだ。

100今回は4回の公演が催されたが、この千秋楽だけ日本からゲストが参加した。
尺八、琴、津軽三味線の方々。
楽器というのは、吹くか、叩くか、弾くか、擦るか…と音を出す動作はキマっているので、洋の東西を問わず構造も原理もだいたい同じということになる。
この3種の和楽器もしかり。
テュルクソイで使われている楽器と薄からぬ血でつながっているんだけど、ゼンゼン雰囲気が違うんだよね。
それはとりも直さず、その楽器を使っている音楽があまりにも違うからなんだけど、民族の歴史や地理の違いがそうさせることを考えると実に面白い。
「さくらさくら」で「日トゥル対決」なんかを演っていた。

0r4a0031このオジちゃんは笛と自分の声で二重奏をしていた。
笛を1本小脇に抱えたまま、少しズラして吹いていたので、後に2本いっぺんに吹いたらコリャ完全にラサーン・ローランド・カークだな…と思ったけど、そうはしなかったわ。

120vタップリとテクニックを見せてくれた後はダンサーと合流。

130踊りの人たちもみんな背が高くて、可愛いくて、とってもステキなのよ~。

140vこのモーツァルトみたいなアタマをした人はトルクメニスタンの人。
歌はカッワーリーみたいだったな。
エグいメロディにゾクゾクしちゃったよ。
写真はないんだけど、弾き語り(?)でホーミーを演ったおジイさんもいたな。
ホーミーいいよね。

150vカザフスタンのナディム・サグィンタイさん。
この人は本国ではスターなのかしらん?
エラくフィーチュアされていた。
その魅力のひとつは歌声。
それこそ「夜の女王」のような曲での突き抜けるようなオペラチック・ボイスが圧巻だった。

160vもうひとつ、ナディムさんの必殺技がコレ。
知ってるコレ?
ジョウハープといって、西部劇なんかで使われる「ビヨヨヨ~ン」という音はコレで出している。
日本語では「口琴」という。
丸い方を手持ちながら、まっすぐの部分を口に加え、左のカギ状のレバーを弾くと、真ん中の棒が口の中で共鳴して色んな音を出すことが出来る。
大きい音が出るまでチョット練習が必要なんだよね。
ナディムさん、コレを咥えて、気が狂ったかのような速さでレバーをハジきまくる!
そして同時に歌っちゃう!
あんなの初めて見たわ。これまでの人生で聴いたことのない音だった。

Kk_2弦楽器だって負けてないゼ!
4人が手にしているのは「シェルテル」というカザフスタンの楽器。シャレてるね~。
オーケストラの中では完全に伴奏楽器だったが、この4人のフィーチュア・コーナーでは完璧にシンクロする4人の見事なストラミング・テクニックを見せてくれた。
楽器を立てたり、裏返したり、その間必ず笑顔でストラミングし続けるというワザ。
その仕草がとても可愛いの!
ただ右手の動きの速さは超絶。

170コレは鶴をイメージした舞踏。
とても華やかでキレイだった。

175すると客席後方から乾いた太鼓の音が!

180ドイラというウズベキスタン、アゼルバイジャンあたりの打楽器。
中に金属の輪っかがいくつもブラ下がっていて、叩くたびにジャランジャランと鳴る。日本でいう「さわり」みたいな意味合いなのかな?
演奏するのはウズベキスタンのロブシャンジョン・ユヌソフさん。
ま~、コレも超絶だったわ。
タブラのように指先を使って叩くんだけど、その音がデカいこと!

190このドイラをフィーチュアしたオーケストラに合わせてのダンス。
バックはイスラム風になってる。
このイスラム美術っていうのも魅力的だよね~。

200このダンスのオバちゃん、カッコよかったな~。
やっぱり向こうの舞踊は打楽器がフィーチュアされる音楽にピッタリするね。

210ダンサーさんは何度も着替えての登場。
コレも大変だったと思う。

220最後は全員集合でご挨拶。

230あ~、満足、満足!
2時間ジ~ックリ観て、2,000円!
コレは大使館から相当補助金やら協賛金が出ているハズ。各国大使館の皆さん、ありがとう。
 
あんなに好きだったのに、最近はもう心ときめくロックにめぐりあうことが全くなくなってしまってね。プライベートでロックを聴くことがメッキリ少なくなってしまった。
あ、仕事でのロックはゼンゼン別ですよ。Marshall関連の音楽は積極的に聴きます。
飽くまでも趣味の音楽の話。
そんな時にこういうアナログの音楽っていうのはホントにしみ込んでくるんだよね。
「生活の音楽」とでもいうのかしら?
自然に楽器を手に取って、生活のことを歌って、それに合わせて踊る。
もすごく原始的なんだけど、人間の生活の奥の方にデンと構えているもの…そういう音楽。
かつては歌謡曲がそうだったけど、日本はそういう音楽を失ってしまったと思う。
だからこうした音楽がすごく新鮮に感じるんだよね。
また機会があったら観に来よう。
今度はバルカン地方の音楽なんかいいナァ。

235突然、「それでは皆さんで記念撮影を致します」との場内アナウンス。

240え、どうすんの、どうすんの?
会場は大パニック!…というほどでもないけど、ナニをどうしたらいいのか迷っているウチに、何のことはない、ステージの出演者を大使館の人たちが記念に撮影して終わり。

250(一部敬称略 2018年11月20日 めぐろパーシモンホールにて撮影)

2018年11月21日 (水)

2CELLOSを観た!

 
久しぶりの武道館。
ん…今年初めてか?
初めてだ…。
なんかもう時間の経つのが早くて3年ぐらいまでは1年以内の出来事と混同してしまうわ。

Img_7798その久しぶりの武道館、今日は完全に観客なの。
そんなのも久しぶりだ。
チョット前にレナード・バーンスタインの講演会には行ったけど、その前は浅草の「東洋館」で観た「日本コメディウクレレ協会」の発足記念コンサートだった。
高木ブーさん以下、元ウシャコダの藤井さんからポカスカジャンまで、アレはヤケクソに面白かった。
で、今日は何用かと言うと、2CELLOS。
あのイケメンのチェリストのデュオ・チームね。

20入り口はどっちかな?
あ、ココは2階席ね。
私は14歳の時から武道館のロック・コンサートに来ているけど、考えてみるとチケットを買って2階席で観たのって、エアロスミスとフォリナーだけかも知れない。
というのは、昔有楽町にあったプレイガイドが穴場で、発売日にチケットを買いに行くと、どんなコンサートでもほぼアリーナ席のチケットをゲットすることができたのね。
たまには2階席で観てみたいな~…なんて、イヤらしい。

Img_7802あ、ウチはこっちか!
「VIP」だから関係者受付を通らなきゃ!……なんて、イヤらしい。

Img_7803やっぱいいね、武道館は!
色んなことを思い出すわ。
さっきのフォリナーなんかは、北側、つまりステージの裏から観たよ。
ルー・グラムの背中はカッコよかった!…ウソこけ!

Img_7806ショウがスタート。
仰々しいオープニングSEなんて使わない。
クラシックのコンサート譲りなのかな?
ストリングスのトーキョー・スター・オーケストラ・ヴィルトゥオーソ、キーボーズ、ドラムスが定位置に着いた後、チェロを手にした2人がシレっと出て来て演奏が始まった。
しかし、あのオープニングSEってのはいつからどのバンドも使うようになったのかね?
「We must be over the rainbow」ぐらいだったゼンゼンいいんだけど、どっかの曲が1曲丸々かけちゃうようなのがあるでしょ?
私はああいうのがあんまり好きではなくて、客電が落ちて、歓声と拍手の中にバンドが登場して、一旦静かになってハイ、スタートっていうのがいいな~。
クラシックとかジャズのコンサートのスタイルとでもいうのかな?高級な感じがしていいのよ。
もしこれを読んでいる若いバンドの人がいたら、コレを試してごらん。
きっと目立つよ。
やっぱり人と違うことをやらなきゃ!

Img_7001 1曲目は「炎のランナー」。
原題は「Chariots of Fire」。私はこのイギリス映画を観てないんだよね~。イギリスの宗教と民族をテーマとしている…か。今度観てみようかな?
「Chariots of Fire」というのは旧約聖書に出てくる戦車のことらしい。
「戦車」といってもタイガーとかシャーマンとかの戦車じゃなくて、「ベン・ハー」に出てくるようなヤツ。
ちなみに「ベン・ハー」って、「ベンハー」じゃなくて「ベンハー」って発音するんだよね。
音楽はエヴァンゲロス・オディセアス・パパサナスィウ
ひと言でいえばヴァンゲリス。ギリシア人の名前は難しい。
ヴァンゲリスが率いたギリシアのプログレッシブ・バンド、Aphrodite's Childの『666』は時々思い出しては聴きたくなるアルバムだ。
666「コンバンハ…アリガトウ…」だけのMCで笑いを奪う。
初来日の時から武道館で演るのが夢だったとか。
ショウの前半は日本人ストリングス・チームが加わったパフォーマンス。
ゴッド・ファーザー、レインマン、グラディエーター、タイタニック、等々映画の名曲が美しいチェロの音色でつづられた。
しかし、チェロの音色ってのはいいもんだね。

Img_7810ところで…実は、私は2CELLOSを見るのは今回が初めてのことではない。
6年ぐらい前にイギリスで見たのね。
エルトン・ジョンのコンサートに出演していたの。

70デイヴィー・ジョンストンやナイジェル・オルソンといった往年のエルトン・ジョン・バンドに混ざって2CELOSの2人が激演を見せてくれた。
まだ、あのテレビ・コマーシャルをやる前のことだったので、「なんじゃ、コリャ~!」状態だった。
向こうの人のこういうオリジナリティってのはホントにスゴイと思う。

80後半はチェロのふたりとドラムスの最大3人がステージに上がっての展開。

Img_70072人きりで演奏しているとはとても思えない「コレどうやってんの?」という不思議なアンサンブル。
結局、ギター・デュオと違って、音域が広いので、基本的には1人がベースと伴奏、もうひとりが旋律というアレンジなんだけど、2人の音色や歌いまわしがよく似ていて、どっちがどのパートを弾いているのかわからない感じ。
ピアノの除いてオーケストラの中で一番音域が広い楽器はコントラバスだってどこかで聞いたことがある。
ゲイリー・カーがテレビに出た時かな?
もちろんコレはフラジオレットを含んでの話なんだけど、考えてみれば楽器って、高い音を出すより低い音を出す方が大変なんじゃないかしらね?
歌もそうでしょう?
「ハイノート」とか言ってやたらと高い素っ頓狂な声を出すロック・シンガーは多いけど、「バリトン」で歌いまくるロック・シンガーっていない。
だからフランク・ザッパの『Overnite Sensation』で演ったことはレアなことだ。
それとケヴィン・エアーズ?

Img_7008Curved Airの「Vivardi」みたいなカッコいい曲もあったりして、十八番の「Smooth Criminal」でドッカン!
下手のステファン・ハウザーが舞台狭しと暴れまくる。
一方、上手のルカ・スーリッチは座奏のまま熱演。
ルカは英国王立音楽院のOBなんだってね~。
あ、私は同窓なワケではありません。
メリルボーンの王立音楽院ってエルトン・ジョンの母校なんだよね。
詳しくはコチラ
アリーナのお客さんは完全総立ち!

Img_7005軽く歪ませたチェロの音がまたスゴイ。
そういえば、PFMのヴァイオリニスト(マウロ・パガー二じゃないよ)もMarshallを使ってたっけ。

Img_7006ドラマーの彼も大フィーチュア。
ステファンはMCがユーモラスで、「He's the best drummer on the stage!」なんて紹介したり「He loves Japan because he's small」なんてやってたけど、本当にかなり小柄な人だった。
でもプレイはクリスピーで気持ち良かったよ。

Img_7820一旦ノリ出したらもう止まらない!
Nirvanaの「Semells Like Teen Spirit」、AC/DCが好きなのかな?「Highway to Hell」、「Back in Black」、大合唱の「Satisfaction」。
案外アップテンポの曲ってなくて、多分この日一番テンポが速かった曲はロッシーニの「ウィリアムテル序曲」だったんじゃないかしら?Img_7835曲はわからなかったけど、アンコールでは美しいバラードをプレイ。

Img_7012「次はドームでやるぞ~!」なんて宣言に満員のお客さんは大喜び!

Img_7838チェロのデュオ・チーム…やっぱり人と同じことをやっていたらダメだね。
2時間弱、いいものを見せてもらいました!

Img_7011(一部敬称略 2018年11月19日 日本武道館にて撮影)

2016年12月21日 (水)

寺田恵子ソロ at GARDEN <特大オマケつき>

寺田恵子13年ぶり、7枚目のソロアルバム、『PIECE OF MY HEART』が10月19日にリリースされ、9月10日の札幌を皮切りに全13本のレコ発ツアーが実施された。

Cd 今日はその千秋楽、10月22日の下北沢GARDENでのもようをお送りする。
出演はこのお三方。

20客電が落ち、ジャニス・ジョプリンのア・カペラ・ナンバー、「Mercedes Benz」が場内に流れる中、三人がステージに現れる。

30寺田恵子

40v力石理恵

50v原田喧太

60vオープニング・ナンバーは恵子さんのオハコ…

70_wb「ウーマンズ・ブギ」だ。

80v東京の直前の公演は16日の静岡。アルバムの発売前ということになる。
結果的にこのGARDENだけがアルバム発売後のライブとなった。
「皆さん、予習してきたと思いますけど…。アルバムを聴いていてもいなくても楽しめるライブにします。
でも、ノレる感じの曲がないのでタイミングを見計らってノッテね!」

P_img_0177 1曲目はThe Rolling Stonesの「Jumpin' Jack Flash」でガス。

90v_jjf今日はアコギ一本の喧ちゃん。
でもハードに弾ききっちゃうよ!

100v意外にもアコースティック・セットでツアーをするのは今回が初めてだとか…。
「今回のアルバムはソロの歴史。30代半ばでギターを始めて、いろいろ遊んでいる間に何となく弾けるようになってきたのでアルバムを作ってみました」
で、ニュー・アルバムに収録されていない「冷たい月」をシットリと…恵子さんの6枚目のソロ・アルバム『Wonderground』からのチョイス。

110v_tt今回のアルバムは6月の『NAONのYAON』が終わってから制作に入り、9月には完成した。
しかし、ひと月ほどリリースが遅れ、上記のようにリリース後のライブが東京だけになってしまった…「ゴメンなさ~い」という説明があって…「SHOW-YAの曲を演ります。歌いやすいようにアレンジしました」、とココではじめてニュー・アルバムの収録曲を披露。

120_wa喧ちゃんのギターから始まったのは「私は嵐」。

M_img_0127 コレがまたおっそろしくドシっとした仕上がり。
なんかJohn Lee Hookerのブルースを聴いているようで、ヘタをするといつものバンド・バージョンよりヘヴィな感じ?

130v「たまにはこういう感じもいいでしょ?
座っている方、ユックリどうぞ。立っている方…ご苦労様です!
咳したい人は咳したっていいんだよ!
寒かったり、暑かったり、ラジバンダリ…ココ笑うとこ!」
…って恵子さん、それはチョット古いわ!ココはやっぱり「そ~なんです、山本さん」でしょう?
で、ココからドップリとニューアルバム・コーナーに入る。

M_s41a0137 アルバムのオープナー、「目を開ければ」。

140_maMCでは丁寧に曲の説明をした恵子さん。
内容はSHOW-YAのウェブサイトと重複するので割愛する。
ただ、ひとつだけ…この曲は「Burning Bridge」という仮タイトルだったそうで、恵子さんによれば「『bridge』には『逃げ道』という意味もある」ということで、ソレが気になった。
日経ビジネスが英語を学習するビジネスマンのために推薦して英和中辞典のスタンダードになった大修館書店の『ジーニアス英和辞典』の第3版で調べてみると、見事に出ていない!
でも何かわかるまで調べないと気が済まないタチなので、インターネットで調査してみると、小学館の『プログレッシブ英和中辞典』の第4版で関連の表現を発見。こういうときは大辞典が欲しくなる。
この意味の「bridge」は成句で使われるようで、「a bridge of gold」とか「a gold bridge」で「うまい逃げ道」と言う意味になる。
また。恵子さんがおっしゃるように、「burn one's bridges(←複数形になっているところに注意!)」で「背水の陣をしく」という意味になるそうだ。
勉強になりました。
恵子さん、ありがとう!

140v_mk続いてはダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「身も心も」。
1977年だったのか…もっと前のような気もするが…というのは、ダウン・タウンが「スモーキン・ブギ」で出て来た時のことをよく覚えているから。私が小学生の時のことだ。
「スモーキン・ブギ」は曲も見た目も衝撃的だった。その曲がElmore Jamesの「Shake Your Moneymaker」の改作だということを知ったのは、後年Fleetwood Macを通じてのことだった。
ものすごくどうでもいい情報としては、実は宇崎さんって中学、高校、大学と私の先輩なんだ。
ところで、この曲、恵子さんにピッタリだった。
サビの「♪身も~、心も~」のところはトリハダが立ったよ!
本当に自分の曲であるかのように入り込んで歌う姿には鬼気迫るものがあったよね。

150vそして、SHOW-YAで時折演奏している「Blue Rose Blues」。

160_brb恵子さんの歌にピッタリと寄り添うようにして弾く喧ちゃんのプレイがまたいいんだ。
出すぎず、かといって引っ込みすぎない完璧な伴奏。

170vお次はニュー・アルバムでは本家の木村さんと共演した「嫌んなった」。

180v_in私も中学から高校にかけて憂歌団に夢中になったことがあってね~、中間試験の最中にコンサートに行って親にひどく怒られた。
そんなだからシャッターを切りながら恵子さんと一緒に歌っちゃたよん!
この曲もダイナミックな恵子さんにピッタリだ。
まさか「おそうじオバチャン」や「パチンコ」っていうワケにもいかないだろうし…「シカゴ・バウンド」なんかも恵子さんが歌ったら絶対にいいと思うよ。

190続いてはノリノリ系で「カッコマン・ブギ」。
コレもダウン・タウン・ブギウギ・バンドのナンバー。

200_kbシェイカーを片手にドライブする恵子さん!

M_s41a0389
恵子さんが「みんな参加型の曲」とこの曲を紹介したのは、ブレイクでお客さんに早口言葉を言ってもらうというスリリングなパートが仕込まれているから。

205
もちろんメンバーも!
「ブラジル人のビラ配り」?
「マグマ大使のママ、マママグマ大使」ってのはスゴイね。

210v恵子さんに指名されやしないかと客席は戦々恐々。
恵子さんと目を合わさないようしていると、「下向かない~!」って怒られちゃうし…。
でも、指名された皆さんもバッチリで大きな大きな拍手が沸き上がっていた。

M_s41a0429 「ノレる感じの曲がない」なんて冒頭で言っていたけど、とにかく笑いの絶えない楽しいライブ!

M_s41a0400

M_s41a0091 恵子さん、自前のスマホで客席をパチリなんてシーンも!二井原さんみたい?

M_s41a0503さらに後ろの方のお客さんにそのスマホを渡して、後ろから自分を撮ってくれって!
コレは使い方をお客さんに説明しているところね。

M_img_0255 「いい?ゼッタイに中を見ちゃダメよ!」と大騒ぎしながらお願いしちゃった!

M_img_0256 「チョット!ゼッタイに見ないでよ!」
ナニが入っているのかな~。

M_img_0173 そしてみんなでポーズ!
うまく撮れたかな?

M_img_0180 宴も、イヤ、ショウもたけわなで、SHOW-YAナンバーをもうひとつ。

230v_gl「限界LOVERS」!

250v_amそして、「座ってる人、立ちたい?」とあおっておいて…

260「ああ無情」をお見舞いした!
お客さんもすかさず「プワップワッ」って合いの手を入れるから大笑いしちゃったよ!

270v…と、結局大盛り上がりの体を見せて本編を終了した。
イヤ~、おもしろかったな~。
こういうのはいいね、ジックリ聴けて、ドップリ笑える。
最上のエンタテインメントだわ。

270v_pohそして、アンコール。
「ファンの方々に感謝しています。ファンと一緒に音楽をやっているのが楽しいんだわ!
「で、『キミは人のために歌ったことがあるか?』って訊かれて、『キミを必要とする人たちがいて、その人たちのことを考えたことがあるか?』と言われ、人のために歌うということを思いました」
「人が笑顔になれることが幸せなんだということに気づいた」
…と恵子さんの音楽への思いを語って歌ったのは…

M_img_0044アルバムのタイトル・チューン「Piece of my Heart」だった、
感動のワン・シーン。

M_img_0348 ガラっと変わって「何か聴きたい曲ある?」と、リクエストを受けた「紅」を惜しげもなくワンコーラス披露。
サービスも忘れない!

240

そして最後を締めくくったのはZeppelin!
Marshall Blogから偶然3日続けてLed Zeppelin!!

V_img_0087 曲は「Rock and Roll」。
コレは喧ちゃんのライブに恵子さんがゲストで出演した時にも演っていたんだけど、何と言っても見どころは、途中で容赦なくアクセルレート(テンポを速くすること)していくところ!
290
「テンポ上げま~す!」
ココは恵子さんのギター・テクニック(?)の見せ場だ!

300v何せ恵子さん、エフェクターまでつないでるからね!
トレードマークのバラをあしらったブースター。カッコいい!

310メンバーの二人も恵子さんと一体となってすさまじい疾走感を見せる!

320
M_s41a0382 お客さんも「♪ロンリロンリ」の大合唱でショウの最後を楽しく締めくくったのであった~!

340vイヤ~よく笑った。
長さもちょうどいいし、実に見ごたえのあるショウだったな。

350ステージの去り際には恵子さんのルーティン、「みんな、愛してるよ~!」。

寺田恵子の詳しい情報はコチラ⇒KEIKO TERADA OFFICIAL SITE

360  
<特大オマケ>
この日は終演後に恵子さんを囲んでの第二部、すなわち、「打ち上げ」が企画された。
「特大オマケ」としてそのようすもレポートしちゃうよ!
コレが第二部のステージ。

370恵子さん、ご登場~!

380何はともあれまずは乾杯。

390カンパ~イ!

400「大人のムーミン」をはじめとした恵子さんの楽しいネタやおしゃべり…

410もちろん歌も…

420「なだそうそう」をみんなで歌ったんだよね~。

430vさらにプレゼント・コーナーも

440勝負はジャンケン。

450そして、ファンの皆さんに心を込めた感謝の気持ちが述べられた。

470まだ終わんないんだよ。
続いては恵子さんとのツーショット大会なのだ!チョ~盛りだくさん!
こうして寺田恵子ソロツアーの千秋楽の夜は更けていったとさ…。
あ~、ホントに楽しかった!

480(一部敬称略 2016年10月22日 下北沢GARDENにて撮影)

2014年8月23日 (土)

池田綾子~pianote vol.3

自分も長年ギターを弾いてきたもんだから、やっぱりギタリストが一番シックリくる。ベーシストも同様。
撮影の話しね…。
ま、生意気を言わせてもらえばギタリストの「今、撮って!」っという声が聴こえてくるような…と言いたいところだが、多くの場合、聞き逃しちゃってる?
最近は仕事柄ドラムの写真を撮ることも多くなった。
ドラムの撮影は条件が厳しく大変難しい。でも、それだけに面白い。

案外好きなのは管楽器。やっぱりジャズが好きだからね。管楽器の人を撮る時はいつもBlue NoteやPrestigeの好きなレコード・ジャケットを頭に思い浮かべながらシャッターを切る。

ヴァイオリンも好きな楽器だけにいつも夢中になってしまう。この楽器はナリは小さいく音色も繊細だが、ファインダー通して見ていると、弦をこする弓の動きというものは想像以上に大きく、かつ激しく、弓のポジションによって写真の表情がダイナミックに変わってくるのでかなり考えてシャッターを切る。そこが面白い。
世の中、一体どれだけ楽器の種類があるのかは寡聞にして見当もつかないが、楽器本来のサイズと、演奏時のサイズの隔たりがこれほど大きい楽器はヴァイオリンとトロンボーンぐらいではなかろうか?

さて、では一番撮影がムズカシイ楽器は何か? 私の場合は鍵盤楽器だ。
激しくアクションを決めるプレイヤーならまだしも、弾き語りスタイルの鍵盤奏者の撮影は大変難しい。
まず、通常楽器が大きいため主人公が隠れてしまう。
次にどうしてもアクションが小さいのでバリエーションが少なくなってしまいやすい。
したがって雰囲気が異なる写真を撮りたい時はコチラが動かなければならない。
さらに現場がメッチャ静かなもんだからシャッター音が気になる…等々、奏でられる音楽とは裏腹に撮影する側にとっては激務なのである。
それだけにチャレンジし甲斐のある仕事なのだ!

で、今日のお仕事はそのピアノの弾き語り。

10_2テーマでもあるロウソクとのコラボレーションを標榜した幻想的なステージ。これがまた滅法暗い!
でも幽玄でとてもいい雰囲気だ。

20v出演は池田綾子。
「自然派」なんて表現が当たるのかどうかはわからないが、美しい声でやさしく愛らしい音楽を奏でるシンガーソングライターだ。

40v_2

会場は超満員!それだけに撮影場所が限られてしまうのよ~。でもコレは覚悟のうえ!

30_2ショウがスタートした。

50v静か~!
シャッターを切るのがコワイ。

60いつもは綾子さんはバンド形態で歌っており、実はこのピアノの弾き語りというのはご自身にとってのひとつのチャレンジなのだそうだ。

私はといえば、女性シンガーのピアノの弾き語りを聴いたりすることは普段まずない。ちょっとローラ・ニーロを聴くぐらいか?それでも何年に一度あるかないかのことだ。

A_img_0196それがこうして仕事とはいえドップリ音楽と対峙していると…コレが実にいいのだ!
ナニがいいって、まず綾子さんの声!
何て愛らしくて、澄んだ声なんだろう。鈴を鳴らす声とはまさにこのこと。
音楽の主役は何といっても歌だ。
そして、歌は魅力的な声を得てはじめていい音楽となる。こうしたシンプルなフォーマットとなると当然のことながら「歌」と「声」の関係はますます濃密になる。

70歌詞は綾子さんのペンによるもので、これまたフェミニンでやさしいこと極まりない。
何しろ一度しか聴いていないので、曲ごとの解説ができないのが残念だが、出てくる曲、出てくる曲、すべてが最高にチャーミングなのだ。
130
加えて魅力的なのがメロディ。
「え、そっちへ行く?」みたいな意外なメロディの展開があって存外にスリリングなのだ。それらは決して奇を衒ったものではなく、歌詞と緊密にからみ合うことによって一層輝きを増す。

そして、ピアノ!
ヴォイシングだけでなく、よく聴いていると内声の動きなど実に凝ったアレンジが施されていて、綾子さんの曲に信じられないぐらいの厚みと深さを与えていく。
やはりキチンと楽器を勉強した人のやることは一味違う。
120
「よっしゃ!」演奏がバッチリとキマってひとポーズ。
MCで何度も「ピアノの弾き語りは自信がない」みたいなことを言っていたが、ゼ~ンゼン心配ない。

80ゲストも登場。
ヴァイオリニストの下岡千香。
石井竜也の他、ストリングス関連の演奏やアレンジの仕事で引っ張りダコの売れっ子ヴァイオリニストだ。もっと簡単に言うと私の大切な友人だ。
100v
千香ちゃんも最高の音楽教育を受けたプロ中のプロだ。
さすが!綾子さんの曲をヴァイオリン一丁でドラマチックに彩っていく。
実はこの日、お客さんに誕生日の人がいて、サプライズで「♪Happy birthday」を歌ったんだけど、この誰もが知っている曲に千香ちゃんが与えた副旋律のカッコよさといったら!あんなの初めて聴いた。

ちょっと話は反れます。この「♪Happy birthday」の曲は完全に世界の共通歌になっていることは間違いないでしょう。
で、「♪Happy birthday to you, happy birthday to you」のパートは絶対にこの文句でうたうでしょ?英語が極端に不得意な日本人だって「♪たんじょーびーおめでとー」なんて歌わない。
ところが、ここを自国の言葉で歌って祝うお誕生パーティってのに出くわして驚いたことがある。
あれはヘブライ語かなんかだったのかな~?
すんごい変だよ。
ロンドンのホテルに併設されたレストランでのこと。アレね、一瞬、何の歌かゼンゼンわからなくなるの。少なくともあんまりめでたくあい感じがしたな…。
脱線終り。

90すごく印象に残った曲があった。それは自分が大好きだったピアノにさよならを言う歌。
ああいう視点は男性には絶対ないものだ。
綾子さんの美しい声でその物語を編まれると感動もひとしおなのだ。


無事に本編を終了~!

140鳴り止まない拍手の嵐!

150激しいアンコールを謙虚に受け止めてて数曲演奏してくれた。

A_img_0220_2 花束が贈呈され、歓声に応える綾子さん。
実は、ホッとしたって感じ?

160終演後にもファンの要望に丁寧に応えてお買い上げ頂いたCDにニコニコとサインをする綾子さん。アララ、ギッチョなのね!私と同じ!ま、私は食べる時だけですけど。

170当日販売されたアイテムのひとつがコレ。
NHK BSプレミアムで放送していた火野正平さんの旅番組。

火野さんにはものすごく強烈な印象がひとつあるんだよね。それは小学校の時に見た『飛び出せ!青春』。火野さんが転校生を演じた一編があって、コレがまた破天荒にイヤなヤツの役だったの。子供ながらに観ていてものすごくムカついた。
その転校生の名前は忘れもしない「兵頭」。
私の中では火野さんのお名前はいまだに「兵頭」なのである。
相手が子供とはいえ、それほど強烈な印象を植え付けてしまうスゴイ演技と脚本だったのだろうね。

綾子さんはこの番組の音楽の作詞と歌を担当している。
これはそのサウンドトラックCD。
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そして、そのソングブックも併売され、我先に求めんとお客さんが長蛇の列を作った。
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『この時の中で』と題されたコンサートの開催も決定している。
日時は2013年11月23日(土・祝)。会場は日本橋三井ホール。
やさしい歌声に包まれて幸せな気分になりたい方はゼヒ!

池田綾子の詳しい情報はコチラ⇒Ikeda Ayako Official Website

180v(一部敬称略 2014年7月7日 目黒Blues Alley Japanにて撮影)

2014年8月18日 (月)

SUMMER SONIC 2014~QUEENを観たよ…の巻

昨日(8月17日)、サマソニへ行ってきた。
10_2Megadeth、Mogwai、Crossfaith等々、もちろん今年もMarshallのバンドやアーティストが大勢登場した。
でもダメ。もう昼間は行かれない…暑すぎちゃって。

何しろ去年はスゴかった。マジで身の危険を感じたからね。50年生きて来て一番暑かったわ。

おととしはおととしで、昼間トンカツでイッパイやって、炎天下に海の方のステージまで歩いて行ったら、本当にゲロ吐きそうになったからね。

年取って体力が落ちるのが早いか、環境破壊で温暖化が早いか…いずれにしてもコリャいつまでもできそうにないわい。

20_2…ということで今年は涼しくなってから出向いてみた…QUEENを観るために。30_2昼間気が狂ったように照りつけた太陽も姿を消し、風があったこともあって夕方にもなると大分楽になった。

40人の動きもユッタリしてコレっくらいの時が一番いいんでねーの?

50_2さて、QUEEN。
私が中学生の時、QUEENって女の子にものすごく人気があってね。今でいうSMAPみたいで、「ワタシはフレディ」、「ワタシはロジャー」ってな感じで完全にアイドル的存在だった。
何しろ毎日のように「ぎんざNOW」でフィルムが流れていたからね。また、その「ぎんざNOW」を見るために中学生や高校生が5時15分までに家に帰っていたんだから!
生来ヘソ曲りの私はQUEENを故意に遠ざけていた。「QUEENなんて女が聴くもんだ」って。

したがって何回か実物を見るチャンスがあった来日公演にも行くことがなかった。本当に後悔している。ナマのFreddie見ておけばよかった。

そんな私も年を取れば丸くなってくるもので、自然とQUEENを聴くようになった…恥ずかしながら。イヤ、本当は子供のころから「Keep Youeself Alive」なんかメッチャかっこいいと思ってたんよ、正直。知ってたのQUEENがいいことは。でもなんかミーハーっぽくてイヤだった。

ということで、何年か前にロンドンに行った時に素直にトッテナム・コート・ロードのドミニオン劇場で『We Will Rock You』を観た。
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この時、ちょうど上演200回記念かなんかでホンモノのBrian Mayが出て来て「Bohemian Rhapsody」のソロを弾いてくれたの。うれしかった。
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これは2012年にイギリスに行った時のもの。日本でいうところの『めざましテレビ』、いや、『朝チャン』にしよう…のようなBBCの朝のワイドショウ、『Breakfast』に出演した時のBrian May。
「動物保護活動家」としての出演で、肩書にはQUEENの「Q」の字もない。こうして案外普通にテレビにでちゃってるのには驚いた。

60さて、幕張に話題を戻す。

そんなだから別に「Freddie MercuryじゃないQUEENはQUEENじゃない」なんて言うつもりもまったくなかった。いいのいいの、ゼンゼン構わないの。
ただ、どんな状態であろうと「QUEEN」と名乗っているロック・バンドを人生で一度見ておきたかったのだ。

先に出演したAvril Lavigneが終演すると多くのお客が場外に出てしまい、やっぱりQUEENは古いか…と心配したが、ナンノナンノ、開演時にはアリーナ、スタンドともに満席となった。

70v_2紗幕にQUEENのロゴが投射されて始まったオープニングは「Now I'm Here」。
やっぱ興奮するね~。血が騒いだよ。
驚いたのは2曲目。何と「Stone Cold Crazy」。大好き。

しっかし好事魔多し。
このボーカルさん、Adam Lambertっての?Brianらから絶賛されたとか言ってたけど…チョットな~。
だってゼンゼンFreddieと違うんだもん。声が高けりゃいいってもんじゃないでしょう。
これならPaul Gilbertと組んでたFreddie Nelsonの方がずっと良かったのに…。Freddieもリハーサルで「Play the Game」とか歌ってたけど、Freddie Mercuryにソックリだったよ。
でも、ま、Adamも一生懸命やってるから、ヨシとするか。

80セット・リストはこんな感じ。
言っておきますが私は熱心なQUEENファンではまったくないですからね。でも、これぐらいは知ってる。

Now I'm Here
Stone Cold Crazy
Another One bites the Dust
Fat Bottomed Girl
???
Seven Seas of Rhye~Killer Queen
I Want It All
Teo Toriatte
BraianでLove of Life
Rogerの歌
Under Pressure
I was Born to Love You
Radio Gaga
Crazy Little Thing Called Love
Bohemian Rhapsody
~ENCORE~
We Will Rock You
We Are the Champions

私も人の子、やっぱり「Bohemian Rhapsody」には涙してしまったよ。
この曲は「Waterloo Sunset」や「Hey Jude」と並んで私の「ブリティッシュ・ロックの名曲ベスト10」に堂々と入れるつもり。後の7曲は楽しみながらジックリ決めている。

個人的には「I was Born~」だの「Gaga」だのどうでもいい。それより「Brighton Rock」やら「Keep Yourself Alive」とか「Let me Entertain You」とか「Tie Your Mother Down」とか演って欲しかったな~。

それにしても今のロックと比べると、どこをどうしても曲のクォリティが桁も格も違うね。雲泥の差だ。
もうこんなバンドは出てこないだろうなァ。
そして、こんな音楽を作り出したイギリス人っていったい…。やっぱりブリティッシュ・ロックが好きだ。

90_2 今年訪れたロンドンのFreddie Mercuryの家。聴いていてココを思い出してしまった。
この時のレポートはコチラ⇒【イギリス - ロック名所めぐり】アールズ・コートの見どころ

Img_0174さぁ、チャッチャと急いで駅に行かないと混じゃって電車座れなくなっちゃう!

100v(2014年8月17日幕張メッセにて)

2013年8月21日 (水)

DAIDA LAIDA 1stアルバム発売記念「Dreamer's Train TOUR~鼓動~」

人気プレイヤーが集い、鉄壁のロックを奏でるDAIDA LAIDA。

10_2
先に発売されたファースト・アルバム『DREAMER'S TRAIN~キセキノハコ~』発売記念ツアーのファイナルが初台Doorsで開催された。

Dlcd この公演の模様が収録されDVD化されるあたり、ジャケットに使用する写真の撮影のお仕事を頂戴して思う存分撮ってきた!

20_2DAIDA LAIDAのメンバーは;
NoB

30vMASAKI

40v_2白田一秀

50v_2清水賢治

60v_2Joe

70v_2…とな~んにも説明する必要のない強豪たち。
DAIDA LAIDAはオールスター・バンドなのだ。

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90MASAKIさんのヤカンはどこでも大活躍!
また、MASAKIさんがメンバー全員にヤカンを使って演奏させるところなんざおもしろいことこの上ない!
100vしかし、みんなその道の達人ばかり、凄まじい安定感がただよう!

110_2すごい音圧のド迫力のロックだ。

120v高い演奏技術に裏付けされた演奏というものは見ていて気持ちがいい。

130vこのDVDは12月14日の発売を予定している。

150vショウの内容を書いてしまうとDVDの楽しみが半減するので、詳しくは書かない。

160_2写真をご覧になってDVDへの期待を膨らませて欲しい。

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170v_2RudeeはこのバンドではMarshallは使っていない。

180v_2ってんでShige Blogに登場してもらっているが、そのプレイはどんな機材を使おうと流麗極まりない。

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195vア・カペラのソロではもう限界まで弾きまくってくれた。

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対するMASAKIさんも負けてはいない。

210vあらん限りのテクニックで応戦!

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240v_2ソロ・アルバム『PSYCHO DAZE BASS』も大好評だ。

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アンコールではJoeさんと組んで爆笑コーナーを演じてくれた。
MASAKIさんのこのユーモア感覚が実にうれしい。「笑い」は最高のエンターテインメントだからだ。

250v_2モクモクとキーボードを操り続ける清水さん。この鍵盤サウンドがなくてはDAIDA LAIDAサウンドは成り立たない。

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270v要塞のようなセットは写真撮影には不向きだがゴージャスなドラミングには不可欠なものだ。

290vパワーと技術が絶妙にミックスされたJoeさんのドラミング。

280_2ってなワケでDVDをお楽しみにしていて欲しい!

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320DAIDA LAIDAの詳しい情報はコチラ⇒DAIDA LAIDA OFFICIAL SITE

330(一部敬称略 2013年6月29日 初台Doorsにて撮影)

2013年7月23日 (火)

「様式美」でいこう!

 2012年9月7日初出

「様式美」…いい表現だ。

いつから「様式美」というロックのジャンルが定着したのかは浅学にして知り得ないが、こうして日本語で、しかも漢字で表現できる音楽ジャンルがある…ということがうれしい。

だって日本人って「英語崇拝主義」よろしく何でも英語化しちゃうじゃん?そのくせ英語表現を好む割には英語が苦手だったりする人が多かったりするでしょ?

前にもどこかに書いたかもしれないが、不思議なのは携帯電話が「ケータイ」という日本語名で定着していること。アレどうして英語で呼ばなかったのかな?最近は「モバイル・フォン」とか英語で呼んでいるけど、以前は「セルラー・フォン」って言ってたでしょ?「セルホ」、「モバホ」…両方ムリなく略せるし…。それなのに、スマート・フォンが出てきた途端、こっちは「スマホ」って呼んでるじゃない?どうして「リコー」にならないんだろうナァ。日本人独特のリズム感によるところなんでしょうな。

私だってやっぱり英語の表記がカッコいいと思うことが多々ある。でも、日本語で表記できるものは日本語を使った方がいいと思うし、何でもかんでも英語表記するのはキチンと英語の勉強をしてからの方がいいと思うんだよね。(でもどうしても英語単語を使った方がラクな時があるの。「クリエイト」とか「インスパイア」とかね)

せめて着ているTシャツにプリントしてある文言の意味ぐらいは知っておいた方がいい。

それと、日本分なのに外来語、もしくは海外の固有名詞の部分だけアルファベットにしてある文ってよく見かけるじゃない?あれも何だかナァ。日本語を話しているのにところどころ、キマって短い単語だけ本格的な英語になっちゃう帰国子女のコントがあるでしょ。アレみたい。(ああいうネタは大好きです)

シゲブログでもアルバムの紹介や『イギリス紀行』などでは英単語を交えることがあるけど、アレは固有名詞だけ。「原題」とか「原名」を尊重してのことで、ある部分だけEnglishでexpressすることはnothingなのdeath!

でもね、ドイツ人の友達にきいたけど、彼らもそうなんだって。ドイツ語表記より英語表記の方がカッコいいと思われているんだそうです。同じアルファベットなのにね!

日本語も英語も様式にこだわるところが美しいのだ!ってんで、今日のレポートは『Jill岡垣☆様式美大作戦』。

まずタイトルがいい!

出演は岡垣正志率いるJill's Project-EXとAphrodite。もうこの手のサウンドが好きな人にはタマらないであろうライブだった。

Jill's Project-Exの岡垣正志。やっぱり「様式美サウンド」にはキーボードが絶対に欠かせない!ロックにおける鍵盤楽器の使われ方としてもっとも重要で、もっともカッコいいsituation、あ、シチュエーションだと思う。ホントにこうしたキーボードが入っているバンドって少なくなった。

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ギターは足立"You"祐二と、

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日下部"Burny"正則。
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アンコールのみに登場したのが…

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KRUBERABLINKA(クルベラブリンカ)赤尾和重に…
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Strange, Beautiful and Loudの三宅庸介
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そうバーニーを除いてはみな岡垣さんのTerra Rosaに関わった方々だ。

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バーニーといえばレス・ポール。でも335もいいもんだ。ビグズビー付きというところがまた泣かせるね!実はこの日、バーニーが出るのを知らなくてビックリしちゃったんだけどね…。でも久しぶりに会えてうれしかった!
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相変わらずのド迫力ヴォイス!和重さん最高!

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三宅サウンドもいいように大炸裂!スンゲェ音の存在感!
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うちわ片手に爆笑MCを展開する和重さん。エエなぁ~。死ぬほどわろたわ~!

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短い時間ではあったが、コッテリ系の様式美サウンドは観る者の心をわしづかみにした!

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そして!来る10月13日、そんな仲間が集う狂熱の様式美の宴がまたも開催される!題して…

『クルベラブリンカと究極の楽師達@東京キネマ倶楽部はちょっぴりテラローザです』

クルベラブリンカ率いる和重さんの呼びかけで、この愛すべきサウンドを様式美あふれる会場でゲップが出るほど堪能しようと言う企画なのだ!
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出演は…ジム・マーシャルに次いでシゲブログのオープニングを飾ってくれた、アタシの大好きなクルベラブリンカ…赤尾和重(vo)、 鈴木広美(g)、 山崎浩一(b)、 泉谷賢(ds)、 岡田英之(key)。
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スペシャル・ゲストとして、Love Missile…足立祐二(g)、 瀧田イサム(b)、 山崎  慶(ds)。

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YOUさん、またマーシャル弾いてくれるといいネェ。他では聴くことのできない独特のサウンドがカイカンなのよ!

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さらに、これまた大好きなYosuke Miyake’s Strange,Beautiful and Loud…三宅庸介(stratocaster)、山本征史(b)、金光健司(ds)。
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「完成されたスタイル」という魅力を猛烈に教えてくれる三宅さんのギター。
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「ワン・アンド・オンリー」という言葉が実にシックリくるね。
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さらにさらに、岡垣さんも出演してくれるのだ!

そしてTerra Rosaの曲も演奏される!

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時は10月13日。会場は東京キネマ倶楽部。この凄まじくも素敵な連中が日本一様式美を誇る会場に解き放たれるのだ!ク~、タマランね~!
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これは見逃せないでしょう!

「様式美」と言葉でいうのは簡単なんだけど、実際にこの手の音楽を演奏することは決してたやすいことではない。過酷な鍛錬に耐え抜いた屈強な精神の持ち主だけが習得できる器楽演奏の技術をぶつけ合うのがこの手の音楽なのだ。「選ばれし者たちが奏でる音楽」といっていいかもしれない。そういうところがス・キ!
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チケットのお求めはコチラ⇒東京キネマ倶楽部メール受付
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(一部継承略 ライブ写真:2012年8月4日 目黒Live Stationにて撮影)

2013年6月19日 (水)

マジで『バンドやろうよ!!』~FLiP編

2012年8月24日 初出

前回レポートしたdollsのオープニング・アクトの後、本編がスタート。このコンサート(あえて「コンサート」って呼ぶよ)、進行がすこぶる素晴らしく大いに感動してしまった!

出演者は7!!、今日紹介するFLiP、ステレオポニー、そしてSCANDALと4組なのだが、転換の待ち時間なしなのだ。皆無!これは実によろしい。転換で20分もっかってしまうとテンションが下がるばかりか、帰りも遅くなっちゃうからね~。

どうしてるかていうと、ステージに2バンド分のバックラインをあらかじめ並べておいて、演奏している間に次の出演者がもう片方のセットを済ませてしまう。だから、1曲ずつ出演者が変わるもんだから実に楽しいし盛り上がる!まるでバンドの「わんこそば」や~!

そして、FLiP。

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FLiPは2曲目に上手側ステージに登場。実はFLiPは以前、あるイベントをレポートした時、以前のブログに登場してもらったことがあった。その時はじめてステージを見たのだが、ストレートなサウンドに実にウマイ具合にチョロリと地元沖縄のフレイバーをまぶしてある音楽が新鮮で印象に強く残っていた。

そして、久しぶりに見るFLiP。彼女らははさらにさらに!スケールを強大化していた!
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ボーカル&ギターのサチコ。

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ギター&コーラス、ユウコ。

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ベース&コーラス、サヤカ
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そしてドラム&コーラスのユウミ。
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液体を飛び越してドッカ~ン!と固体がいきなり気体になったような爆発感!
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FLiPのファースト・フル・アルバム『未来evolution』収録の「カザーナ」。
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いきなりのノリノリ・チューンに観客も大爆発!

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イントロ、バッキングとギターのシャープなオクターブ・フレーズが小気味よい。
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FLiP最初の登場はこの1曲を演奏してSCANDALにバトンを渡すのだが、たった1曲でズバッと観客の心をつかんでしまうような、そんな演奏であった。イメージ的には開始数秒で「背負い投げで一本!」みたいな…。
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そう、FLiPは「有効」も「効果」も存在しない「一本!」のバンドなのだ。(ってナニ言ってんだか…でもそんな感じ!わっかるかな~、わっかんね~だろ~な~←これもわっかんね~だろ~な~)
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存在感の強いベース・ラインでFLiPの低音域をガッチリ固めるサヤカ。
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2回目の登場時には3曲を続けて演奏した。ますは「Cherry Bomb」。年配の諸兄(含むアタシ)、♪チチチチチチチチじゃござんせんよ。セカンド・フル・アルバムの1曲目に収録されたタイトなファスト・チューン。

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電光石火の早業、手際のいいユウミのドラミング!

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続いて同じく『XX emotion』から「Shut up, Men!」。ハイ!こりゃ男性陣、口をつぐむしかない!

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とめどもなくエキサイトするサチコ!FLiP最初のシングルとなった「カートニアゴ」。ブレイクで「♪カート、カート…」ってところが何ともカ・イ・カ~ン!
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テレキャスター・デラックスからクリエイトされるユウコのソリッド、ワイルド、タイトなギターがFLiPサウンドにベストマッチする!
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間に7!!とSCANDALをはさんでもう1曲。
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今年2月にリリースされたシングル「ワンダーランド」。これまたたたみかけるようなハードドライビング・チューン!

容赦なく全力疾走するFLiPは気持ちイイ!
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こういうイベントは各バンドが惜しみなく自慢の見せ場を用意してくれるんで好きです。まずバラード演らんもんね。ロック・コンサートはそうこなくちゃいけネェ!そんなロックの直球魂を見せてくれたFLiPのステージだった。

また観たいな…FLiP。

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FLiPの詳しい情報はコチラ⇒FLiP|OFFICIAL WEBSITE
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つづく

(一部敬称略 2012年7月16日 SHIBUYA AXにて撮影)

住友俊洋ソロ・アルバム発売記念ライブ!

2012年9月18日 初出

音楽のジャンルを問わず、いいライブに出くわすと「あ~、『音楽』を聴いたナァ~」って思うよね~。それがたとえ普段聴くことのないタイプの音楽であっても、何か心に触れるものがあるというか、波長が合うというか…。ジャンルを超えて得も言われぬ満足感が生まれるもんだ。

なんて書きだすと、今日の主人公の奏でる音楽がタイプではないが、いいライブだった…という風にとらわれそうだね。言い方を変えて…こうれはどうだろう?

いい音楽や演奏はカテゴリーを超越する。

つまり音楽には本当は種類なんかなくて、「いい音楽」か「よくない音楽」、もしくは、「いい演奏」か「つまらん演奏」の2種類しかない…ということ。へへへ、これデューク・エリントンのパクリだね?でもさすがデューク、いいこと言うわ~!

住友俊洋の登場です。

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住友さんとの出会いは、彼まだSavoy Truffleをやっていた頃のこと。某ギター雑誌の編集者(当時)の親友の紹介だった。…といってもいきなり住友さんをご紹介いただいたワケではなく、初めに「音」ありきだった。つまりSavoy TruffleのCDを聴かせてもらったのだ。

「ナニこれ?外人でしょ?」

と思わずにはいられなかった。メンバー各人のプレイが日本人離れしているのもさることながら、曲が日本人の書くそれではない!とまず感動したね。それでその親友氏にお願いしてライブで上京された際に(横浜だったけど)ご本人に紹介していただいた。

その住友さんがソロ・アルバムを発表した。「発売記念ライブをするから行きませんか?」と、またしてもその親友氏から誘われて駆けつけた。

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これがその住友俊洋のソロ・アルバム『Long Way to Go』。オリジナル曲2曲を含む5曲入りの力作だ。
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さてその後、住友さんとは何かとお近づきにさせていただき、ハンドワイアード・シリーズの大阪での発表会にSavoy Truffleとしてご出演いただいたのが最初のお仕事だった。あれもいいライブだったし、楽しかったナァ~。
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他にもVintageModernのプロモーションDVDへのご出演、同じくVintageModernの発表会、親友氏の雑誌でのサザン・ロック・ギター特集の取材、フジロックも見に行ったし、ライトニン・ブルー スにもお邪魔した。

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元マーシャルの社員でサヴォイの大ファンというヤツもいたりして、結構あれこれごいっしょさせていただく僥倖に恵まれてきたのね。

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それだけに今回のソロCDの発表は実にめでたい。ライブも素晴らしいに決まってら!
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ライブの出演はCDでも大活躍のふたり…

ベースの井出信志。

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ドラムの三夜陽一郎。

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ん~、この音!住友トーンとしかいい得ない芳醇にして深い音色!エレキギターの醍醐味やね~!

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住友さんの歌をはじめて聴いたのは日比谷野音の「ライトニン・ブルース」のことで、曲は「Statesboro Blues」だった。

あの時のことは忘れられない。なぜかというと、おそらく初めて住友さんを見たお客さんだったのであろう。演奏中しきりに友達に向かって「スミトモってす げーな!」、「住友ってすげーな!」と何度も繰り返し叫んでいたのがすごく印象的だったのだ!もちろん「そうだよ。スゲエに決まってんじゃん!」と心の中 でその人に叫んでいたのは言うまでもない
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失礼千万なのを承知で言うと、あの時より住友さんの歌は格段の進化を遂げたように思う。アレ?歌ってこんなに簡単に上達するもんなのかしらん?と思わざるを得ないほどの絶妙な歌いっぷり!
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住友さんのギターって独特な呼吸というか、フレーズの歌わせ方を持ってるんだよね。息を吸って、その息を全部吐ききるまでとにかく弾く…みたいな。そして、聴き慣れたフレーズの中に、背筋が寒くなるよな音を少しだけ入れる。これが快感なんだ。

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もちろんお家芸のボトルネックについては何をかいわんや。スライドバーを滑らせつつ、ハーモニクスを出す瞬間がまたタマラナイ!コキーンって!

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アルバムにも収録されている「Born Under a Bad Sign」なんか鳥肌ものだった!
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エドガー・ウインターのカバーなんかも取り入れたりして…この選曲のセンスがチョイとよそと違ってておもしろいんだよね~。
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また、リズム隊のふたりが出すぎず引っ込みすぎず、実にいい塩梅で親分を押し出してくる!
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それを得て、まるで宙に舞うかのように奔放に弾きまくる住友さん!
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アンコールではグランド・ファンクでおなじみ、Soul Brothers Sixの「Some Kind of Wondrful」。
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いいナァ~。こんな曲だったっけ?というぐらい住友節になってる。別に突飛なアレンジが施されているわけでもなし、こうしてシレっとカバー曲を演ってその人なりの味がでてしまうところこそ”Some Kinf of Wonderful”なのではなかろうか?

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短い時間に住友さんの魅力が詰め込まれたいいライブだった!間違いなくコリャ「いい音楽」だ!

住友俊洋の詳しい情報はコチラ⇒JUST SLIDE A BOTTLE
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住友さんのインタビューがギターマガジン10月号(リットーミュージック社刊)に掲載されているので見てね!

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(一部敬称略 2012年8月6日 横浜Thumbs Upにて撮影)

Chris Duarte Live in Japan 2012 <後編+YOUNG GUITAR DVD>

2012年9月6日 初出

さて、クリス・デュアルテ。今回のショウを観て強く感じたのは、「あ~、『音楽』を聴いたな~」ということ。

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前回も触れたように私は自主的にブルース・ロックを聴くタイプではない。しかし、こうしてクリスの音楽に感銘を受けたのはクリスがブルース・ロックの範疇におとなしく収まってなんかいない破天荒なミュージシャンということなんだろうな…これまた同じようなことを前回も書いたが、また書かずにはいられないのだ。
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歌がまたいいんだよね。向こうの人は本当に歌がウマイ。英語も完璧だし!それよりも、この人たちの音楽なんだからウマイのは当たり前だね。

クリスは歌も全力投球なんだよね~。最後までまったく手を抜いたりしない。歌はギター・プレイの延長線だし、ギターも歌の延長線と考えてるんじゃなかろうか?

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それにしてもスリリングなギター・プレイの連続にはマイッタ!
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アウトに、インに、行ったり来たりでジックリ聴かせちゃう!「エ~、なんでここでそのフレーズ出すかね~」の連発よ!

もう平気でドアウトなフレーズを弾いた時もまったくワザとらしくないんだよね~。ごく自然に妙チクリンなフレーズをポコっと置いてしまう。カッコいいよ~。
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オガンちゃんのスーパー・プレイをひとときも聴き逃すことはできない!
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単純なエイトにシャッフル、スローブルース…
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そして4ビートもパーフェクトにこなしちゃう!4ビートといえば…

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「座らない弾けないヨ」とイスを出してきたクリス。ツラっと弾き出したのはコルトレーンの「Moments Notice」!
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この難局を何ら問題なく弾きこなし、スウィングしまくるオガンちゃん!
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クリスがまたすさまじいプレイで、まさにギターの「シーツ・オブ・サウンド」だ~!クリスを初めて観た時から「あ~、コルトレーン好きなんだな」と感じた。さりげなく(イヤ、さりげあるか?)挿入したコルトレーン・スタンダードが後半のステージの実にいいアクセントになった!
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小粋にスウィングした後は、大詰めに向かう。

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どこまでも弾き続けるクリス!またエフェクターの使い方がうまいよね~。普通さりげなく使うような音色でも、クリスはドカ~ンと思いっきりエフェクトさせちゃう。江戸っ子のそばの食い方みたいなことなしない。もうドップリとそばをつゆにつけちゃうの!オルガン効果とか実に歌にマッチしてるんだよね。とにかく自然でカッコよくエフェクターを使っちゃう!
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コーラスも完璧!
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自然に歌うオガンちゃん!その姿はまるで南部男だ!
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今頃アッチでどうしてるかな?

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クリスピーなプレイでクールに自分の仕事をこなしたジャック・ジョーンズ。オガンちゃんとのコンビは抜群だった!

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ア・カペラのギター・ソロ。
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まさに魂を感じさせるギターだ!

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「残業」と称するアンコールも力いっぱいこなす。

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こんな残業なら大歓迎だね!

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最後にキチッとごあいさつ。妖しげな日本語のMCもクリスのショウの魅力のひとつ。妙なアクセントはまるで歌のようで、新式のスティーヴ・マリオット?そういえば今回はラーメンの話ししなかったな。でも相変わらずお好きなようです。

いかがでしたでしょうか?私の切り取った瞬間の数々でクリス達の素晴らしい音楽を少しでも伝えることができていればうれしいです。そうであることを祈って止みません!

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かわってこちらはYOUNG GUITAR誌付録DVDの収録風景。

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何回かにわたって、様々なブルースの弾き方を講義してくれるという企画。
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アクロバティックな日本語が飛び交い、実にリラックスした雰囲気のなか収録が進む。
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しかし!弾き出すと真剣そのもの!
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いよいよ立ち上がり出した!
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バンドだろうとバッキング・トラックだろうと弾きだしたらもう止まらないね。
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結局、クリス節大爆発!昨日のライブと変わらない本気ぶりにまたしても超のつく音楽人ぶりを見た気がした。

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YOUNG GUITARロゴ入りのシャツも持参!気配りも忘れない。アメリカ人にしておくのはもったいない人だ!

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Chris Duarteの詳しい情報はコチラ⇒The Chris Duarte Group  Official Web Site of Chris Duarte(英語版)

小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒Dancin' Funky Bass!!!

(一部敬称略 ライブ写真:2012年7月26日目黒Blues Alley Japanにて撮影)

Chris Duarte Live in Japan 2012 <前編>

2012年9月5日 初出

ワタクシメのヘタな写真でこの音楽の達人たちが奏でる驚異的なサウンドの片鱗を少しでも感じ取っていただけるとうれしいと思う…。写真中心でご覧あれ~!

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クリス・デュアルテの来日公演。

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ベースは小笠原義弘、オガンちゃん。
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ドラムはジャック・ジョーンズ。

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表記としてはきっと「デュアーテ」さんが正しいんだろうな。、アメリカ人の発音だと「r」で舌をきつめに巻くので私には「デュアルテ」に聴こえるな。なので今回は「デュアルテ」さんでいきます。

さて、クリス・デュアルテのステージを観るのはこれ3回目…かな?
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前回は比較小さな会場で、タバコの煙に3時間近く燻されながらのライブだった。以前のブログでレポートしたんだけど、ichiroちゃんとのツインギターで、究極の弾きまくり大会だった。それでも両雄相譲らずのすさまじいステージで、かのichiroちゃんですら「もうギター弾くの飽きちゃったよ!」とステージで言わしめたほどだった。
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今回はトリオでのパフォーマンス。またしてもクリスの魅力が大爆発した充実のステージとなった。

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実はですねェ、ワタクシ、ブルースとかブルース・ロックって自主的に聴くことはほとんどないんですね。決してキライなワケではないんだけど、長時間聴いているのはなかなかにツライ。よっぽどの演奏でない限り、飽きてしまうんだよね~。要するにお子チャマなんですかね~?

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でもね、クリスの演奏はチョイと違う。「ブルース・ロック・ギタリスト」というワクにはめ込むにはワクが小さすぎちゃうんだよね。何と言うのか、もう「音楽の塊」みたいな感じ。「音楽の塊」が歌ってギター弾いてる。

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「音楽の塊」といえばこの人もそう。
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世界のオガンちゃん。現在アメリカに潜伏中!アメリカで演奏しているオガンちゃんの姿を一度見てみたいナァ~。
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今回初めて観たジャック。
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シンプルにして深い味わいのドラミングはクリスの音楽によくマッチする。ちょっと加藤浩次に似てる?!

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とにかく音楽の香りに満ち満ちた最高のエンタテインメントということができよう。とにかく出て来る曲、出て来る曲、どれもがカッコよくてしょうがない!早く次の曲が聴きたくなる!
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今回もスゴかったオガンちゃんのベース。やっぱりこれぐらいじゃないと世界から声をかけられないんだな~。
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シレっと弾いてたけど、1曲アホみたいにすさまじいランニング・ベース・ラインがあったな。ホントのJaw-Dropping!ちなみにこの写真の時ではない。なぜなら、あんなベースラインを聴かされている時にシャッターなんか切れないってば!

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オガンちゃんとのイキもピッタリだったジャック。ベーシストと顔を見合わせて大口を開けてドシャメシャ叩く…なんてことはまったくなく、クールなドラミングに徹していた。
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こっちはそうはいかない!ラーメンを食べた直後だったのであろうか、もうノッケからスロットル全開!
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最初から最後までクール・ダウンなんてことはなかった!
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これらの写真でナンカ伝わりましたかね?次回はもっと詳しくお届けします。

Chris Duarteの詳しい情報はコチラ⇒The Chris Duarte Group  Official Web Site of Chris Duarte(英語版)

小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒Dancin' Funky Bass!!!
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つづく

(敬称一部略 2012年7月26日 目黒Blues Alley Japanにて撮影)













マジで『バンドやろうよ!!』~dolls編

2012 年8月24日 初出

もはやガール・バンドの頂点に達したといっても過言ではないSCANDALが主催するイベントが『バンドやろうよ!!』。好評に好評を重ね、今回で3回目を迎えた。SCANDAL、FLIP、ステレオポニー、7!!が集まり、あまりにもにぎにぎしく、かつゴージャスなイベントとなった。

それにしても、女子の勢いの強いこと!卓球、バドミントン、サッカー、柔道、アーチェリー、レスリング、水泳等々、ロンドン・オリンピックでも女性陣の活躍には目をみはるばかり。

音楽においても、中学や高校の吹奏楽部だって女子ばかりだもんね。バンドもそう。私は数年にわたり関西最大の高校生のバンドコンテストの審査員をさせてもらっていたが、出場者は約9割が女子だった。

まさにこの『バンドやろうよ!! vol.3』はそんな女子のパワーを感じさせてくれる熱狂のイベントとなった。

ホントのところはね、女の子でも男の子でもいいから、いい音楽を聞いて「自分も演ってみたい!」という気持ちになって、みんなでマジでバンドやってもらいたいのよ。

お、そろそろ始まるゾ!

オープニングに登場したのはdolls。

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名古屋出身の純ガール・トリオ・バンドだ。

メンバーはギター&ボーカルのEve。

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ベース&ボーカルのMayu。

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ドラムのSach(サチ)。
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昨年の12月、『第2回SCANDALコピーバンド/ヴォーカリスト・コンテスト』で486組の頂点に立ったバンドである。

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それだけに堂に入ったステージはなかなかの見ものであった。
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何たってアータ、この人たち1996年とか1997年の生まれでっせ!「オレがそのころ何やってたかな~」なんて思い出せない時代のことでは断じてなくて、ついこないだの話しですよ!

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つまり、16歳とか17歳。
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それでこの演奏ですからね。自分が16~17歳の時にやってた高校生バンドとは雲泥の差だわ。
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とにかく、若者しか持ち合わせていない自然なエネルギーを爆発させた演奏が魅力的であった。
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曲はSCANDALコピーバンド・コンテストの勝者らしく、SCANDALの「マボロシナイト」とオリジナルの「Burst」を演奏。
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2曲という短い時間ながら満員の観客を前に堂々とその存在感と開け来る平井の可能性を示したのであった。

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演奏後、ステージ袖へ下がろうとした時、3人が同時にハッと気づき、振り向いてお客さんにもう一度頭を下げた。これやろうって決めていたのね~。とてもすがすがしく気持ちのいいシーンだった。
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終演後には人気ウェブサイトのteenaのインタビューを受けた3人。
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今回のステージの感想や、コピバン・コンテスト・グランプリの話しなど…
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満足いくステージの後だけにイキイキと自信ありげに応える彼女たちはキラキラと輝いていた。
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インタビューのもようはコチラ⇒teena「第二回グランプリ、dollsSHIBUYA-AXの楽屋でインタビュー!」
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7月に発売されたデビュー・ミニアルバム『dolls』も大好評発売中!

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dollsの詳しい情報はコチラ⇒Fairy ★dolls

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つづく

(一部敬称略 2012年7月16日 SHIBUYA-AXにて撮影)

TAIKO GATHERING vol.2 <後編>

2012年8月17日 初出

GOCOOライブの後半は人気のパフォーマンス「Ka-gu-ra」から…。

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GOCOOのメンバーが狐面をつけ…

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奏で…
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そして舞う。

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横笛はKaori。

幻想的にしてイマジネーションあふれるシーンはGOCOOショウのハイライトのひとつだ。
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もう後はクライマックスに向かうだけ!
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それにしても今回の選曲はいつもよりロック色が濃いものであった…と思ってるんですけどね。私はよくGOCOOを「キング・クリムゾンっぽい」と形容しているが、それどころか、今回はもっとスケールを広げたプログレッシヴ・ロック・テイストあふれるレパートリーを並べてくれた。

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サルサ・ダンスのワークショップで会場のほぼ全員を踊らせてしまったMacomoも加わる。
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さらに、ダンサー2人も登場してMacomo y sus divas from Team LA BOMBA dance companyとなるともう会場は興奮のるつぼ!

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ナンノナンノ!まだまだ盛り上がるぞ!「ウィダー」こと鈴木晃一郎も再登場する!
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もう会場はトランス状態!一階席のお客さんは、さっき覚えたステップで華麗にGOCOOと共演する!
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ニ階席の観客も総立ちだ。
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クリスタル・ボールのジャグリングも登場。
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甲子園球児にように最後の最後までまったく手を抜かないパフォーマンスで魅せるKaoly。時間が経てば経つほどパワフルにそしてアクティブにバチが空を舞うのだ!
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もちろんGOCOOメンバー全員が同じ勢いで襲いかかって来る!
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ウィダーもノンブレスで熱い息を猛烈な勢いでディジュに送り込む!

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そして、クライマックスへ!

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モントルー・ジャズ・フェスティバル(スイス)への出演を含む、6カ国を巡るヨーロッパ・ツアーを展開し無事帰国したGOCOO。ドイツ、ハンガリー、イタリア、フランス、ポルトガル、と各地でセンセーションを巻き起こしたことは言うまでもなかろう。

これからもオリジナリティあふれるパフォーマンスに期待する。
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GOCOOの詳しい情報はコチラ⇒GOCOO公式ウェブサイト

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さて、場面はガラリと変わって炎天下!

浅草~上野間を貫く かっぱ橋本通り。毎年7月上旬に「下町七夕まつり」がここで開催される。通りの両側には自前の出店やフリーマーケットが立ち並び、多くのパフォーマーたちが訪れる人を楽しませる。
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そのまつりの最終日、TAWOOが登場!
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そのロケーションが素晴らしい!この写真向かって右が「どじょう料理屋」、左が元「東京電力テプコ館」!そう、TAWOOがその間に入って乾坤一擲!世直しのパフォーマンスを見せてくれた。

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キネマのステージなどではいつも裏方に徹しているKazumiも登場!
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太鼓にドラに「エ、何このパワー?!」的なプレイで人目を惹いていた。

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GOCOOメンバーのkeiko。
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Kaori。そう、今日の記事のはじめの方で横笛を吹いていた人…笛の時と太鼓の時と全く異なる表情を見せてくれる。だから楽器ってスゴイ。演奏者の頭の中をまったく変えてしまうのだ。

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屋外でも元気にAkiko!

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Chihiro、汗だくの大熱演!がんばれチッヒー!
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数ある路上パフォーマンスの中で、ひと際見物客を集めたTAWOO(音もバカデカかったけどね!)。3回のパフォーマンスすべて、大喝さいを浴びていた!
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TAWOOの詳しい情報はコチラ⇒TAWOOオフィシャル・ウェブサイト


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(一部敬称略 6月29日&7月8日撮影)

2013年5月16日 (木)

驚愕のアイリッシュ・ダンス!

2012年8月7日初出

「歌え!」と言われればよろこんで歌いましょう。「ギター弾け!」と言われれば久しぶりにがんばって弾きましょう。

でもね、「踊れ!」って言われたら断るね。年甲斐もなくイッキで勘弁してもらいますよ。…罰ゲームの話し。

ダンスだけは絶対にダメ!だって、自分が踊っているところを想像したら…吹き出しちゃうどころか、不快感を周囲に与えるとまで思うんだよね。

だからこそ、ダンスには強い憧憬の念がありましてね。見るのは大好きなのよ。ミュージカルのダンス・シーケンスは大好き。特にタップ・ダンスが好きで生でサミー・デイヴィスJr.を観たこともあるし、セイビオン・グローヴァーの『Brigin' da Noise, Bringin da Funk』もブロードウェイへ観に行った。

社交ダンスも好き。だからリヴァプールの近くのサウス・ポートというところに行った時、遠くに見えるブラックプールに感激したりもした。

ある日…アメリカの人の友人からメールをもらった。「友人」などというのはいささかおこがましいが、私を「friend」と呼んでくれるので、ここはひとつ甘えて「友人」にならせてもらう。

この友人はラリー・モートン(Larry Morton)といって、北米地区のビートルズとディズニーの音楽作品の出版権を持つ全米最大の音楽出版社ハル・レナード(Hal Leonard Corporation)の社長さんだ。などと言うとさぞかし、恰幅のよい好々爺を連想するかもしれないが、ラリーは若々しく、いつもニコニコとしている絵にかいたような超ナイスガイだ。

ジャズが好きという共通点もあり、光栄にも、そして図々しくもラリーとは長いお付き合いをさせていただいていて、会うたびに、彼からはお嬢ちゃんの話しを聞かせてもらっていた。

お嬢ちゃんはローレンちゃん(Lauren)といって、アイリッシュダンスをやっていて世界コンテストにも出場しているんだ!とよくうれしそうに話していた。

ここでマメ知識…外国の人はよくDiminutiveといってRichardをRickとかDick、WillianをBill、AlexanderをAlexのように呼び名を使うでしょ。これに興味があって、名刺をもらった初対面の人に「これはReal nameですか?それともDiminutiveですか?」なんて訊いたりすることもあるのね。

ややこしいのは「ジョン系」。JoeはJacob、Jon(Jon LordとかJon Anderson)はJonathan、でJohnはJohnときてる。しかもJackはJohnにもJacobにも用いられる。

これらは呼びやすく、口にしやすくすることを目的としているんだろうけど、大学の時の英会話の先生でMalory(マロリー)という人がいて、「子供のころ自分の名前がすごくイヤだった」と言っていたのが印象に残っている。その先生によれば「友達はみんなDickとかBenとか一音節なのに自分の名前は『Malo-ly(マロとリー)』と二音節で長くカッコ悪い」というのだ。

「フーム、外国の人もそんなんあるんだ?」と当時は思ったが、今こうしてたくさんの外国人とお付き合いしているとなるほどと思う。でもMal Waldronというピアニストがいるぐらいだから「Mal」にしちゃえばいいと思うけどそうはいかないの。なぜならMalはMalcomのDiminutiveって決まってるからなのね。おもしろいね~。

で、ここまでは豆知識のイントロ(エ、まだ?!…的な)。

Larry(ラリー)というのはLawrence(ローレンス)のDiminutiveなのね。で、私の友人がお嬢ちゃんにつけた名前はLauren(ローレン)。そうなんです、Laurenというのは男性名のLawrenceの女性版なのだ。ようするにLarryは愛娘に自分と同じ名前をつけたというワケ。向こうの人は平気でこういうのやるよね。じいさんの名前そのまま付けちゃうとか…。コレ日本ではまずないでしょう?

話しはもどって…前述の通り私は実際に踊るのはまっぴらゴメンだが、観る方は大好きなので、「いつかローレンちゃんのダンスを観てみたい!」と思っていた。

ラリーからのメールはローレンちゃんが所属する「トリニティ・アイリッシュ・ダンサー(Trinity Irish Dance、以下TID)」の日本公演のご招待だったのだ!

チャンス到来!もちろん大よろこびでご相伴にあずかることにし、公演日を待った。

そして、公演日当日…会場は渋谷のオーチャード・ホール。

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TIDは1979年にシカゴで創設。1987年にアイルランドで開催された世界アイリッシュ・ダンス・コンクールでアメリカのチームとして初めて優勝し、現在まで18回世界タイトルを獲得したアイリッシュ・ダンス・チームの世界最高峰なのだ。エキサイティングにしてチャーミングなショウは大人気を博し、世界各地の公演がソールドアウトとなってしまう。

そして、今回は4度目の来日で、札幌から福岡まで全13回の公演を実現させ、前回の来日時同様各地でソールドアウトとなったのだ。

観たかったんよ~、アイリッシュ・ダンス!

ロビーではアイリッシュ・ムードを盛り上げるバンド演奏が…。他にTIDのオリジナルグッズやアイリッシュ・グッズの即売所が設けられとてもにぎわっていた。
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そして、開演!

幻想的なオープニングからエキサイティングなパフォーマンスへ!

おわ~!カッコいいやら、可愛いやら!こりゃ一時も目が離せん!問答無用、想像以上の素晴らしさだぞ!

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可愛い衣装を身にまとい、驚異的な足さばきを見せる「ステップ・アバウト」という作品。愛らしい出で立ちとは対照的に、一糸乱れぬ完璧な動きで空を舞う長い足はあまりにも魅力的だ。そして、この笑顔!普通であれば、激しい運動による呼吸困難で断末魔の表情にもなろうかというところだが、ニコニコと表情ひとつ変えない様は実にカッコいい!

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男性陣のダンス・バトルもスリリングだった。写真中央がプリンシパルのタイラー・シュワルツ。全アイルランド選手権、北米選手権、全スコットランド選手権、イギリス選手権等々でタイトルを獲得した世界最高ランクのダンサーとして知られている人。「トリニティ史上最高のダンサー」と評されている。

バスラフ・ニジンスキーは一息で5mだか10mだか横へ飛んだとかいうが、おそらくタイラー君のようだったのだろう…と思わせるような軽快な動きは感動ものだ。足に羽がはえているのよ!

これぐらい踊れればダンスやってもいいな…ザケンなよ!ってな感じか?

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もちろん音楽もトリニティの重要な要素だ。演奏するはディファレント・ドラムス・オブ・アイルランド(Different Drums of Ireland)というカルテット。ギター&ボーカル、ドラムス、ハンド・ドラム、イリアン・パイプ&笛という楽器編成。時折打ち込み音源を交えながらケルト風味満点の完璧な演奏でダンサーをインスパイアする。アイルランドやアメリカの大統領に呼ばれて演奏したこともあったという。

こういう人たちの器楽演奏のテクニックってスゴイよね。我々の知っているところではシン・リジーの「ブラック・ローズ」のあの部分みたいのを平気で奏でてしまう。

ダンサーとの絡みも完璧で、おたがいにリスペクトし合い、この総合芸術を組み立てているのが観ていてよくわかる。

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ショウの間中ダンサーの後ろで演奏していたディファレント・ドラムス・オブ・アイルランドも最後は観客の歓声に応える。

約2時間、ラリーのおかげで最高に幸せな時間を過ごすことができた!

それにしても、このダンスだけは足の長い方が有利だな…。
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終演後に面会することができたローレンちゃん!もうニッコニコで大興奮!

「日本が好き!帰りたくない!」なんて言ってくれた。まだ、これほど暑くなかったからね、この時は…。

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モートン家はアイリッシュの血筋。ラリーの父方のおじいちゃんはアイリッシュ・フィドラーだった。さらに母方のおばあちゃんはアイリッシュ・ダンサーだったそうな。で、両親がローレンちゃんがまだほんの小さい時にTIDのショウに連れて行ったところ、力強く美しいダンサーたちは幼い彼女ちゃんをたちまちにウチに魅了してしまったそうだ。

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そして、ローレンちゃんはあこがれのTIDに入るために5歳の時からアイリッシュ・ダンスのレッスンに励んだ。

猛練習の結果、彼女は国内コンテスト(USA National Championship)のみならず、本場アイルランドで開催される世界大会(World Championships)でソロ、団体でともにメダルを獲得したのだ。
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そしてローレンちゃんは13歳の時にTIDのジュニア・チーム(Junior Touring Company)に入り、全国ネットのテレビショウ、全米各地やフランス、スペイン等などでパフォーマンスを披露、そして、とうとう念願のTIDのメンバーになったのであった!やったね、ローレンちゃん!

入ったはいいけど、さすがに世界一のチーム、その練習は生半可なものではないらしい。トップ・ダンサーたちは普段は週に10時間程度のトレーニングをしているが、こうしたツアーの前になると毎日10~12時間の練習をこなさなければならない。そうだろうなぁ~、いくら才能あふれる優秀なダンサーたちでも、あれだけのパフォーマンスを実現するには相当な練習量が必要なハズだ。
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そしてこの日、日本の観衆に目もくらむような素晴らしいダンスを披露してくれたのであった!

ホントに素晴らしいかった!また観たい!すぐ観たい!

Larry-san, Lauren-chan, domo arigatou!!

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最近、中学校かなんかのカリキュラムで「ダンス」という単元があるらしいが、アレ何をやってるんだろう?アイリッシュ・ダンスをやれ!なんていう気は毛頭ないけど、人形振りだらけの妙なあの踊りはやめてもらいたいナ~。ああいうのはパッと見はカッコいいかもしれないけど、美しくない。

門外漢なので多くは語れないが、ダンスも音楽や映画と同じ状況にあるようですな。フレッド・アステアやジーン・ケリー、シド・チャリシやジンジャー・ロジャースのダンスの方がはるかにカッコいいと思うんですけどね。少なくとも彼らのダンスは優雅で美しい。人形振りも結構だが、こうした素晴らしいものを勉強したうえで取り組んでもらいたいと願っている。ロボットはコロッケだけでもう結構。またオヤジのボヤキになっちゃった!

(敬称一部略 2012年7月16日撮影 ※ライブ写真提供協力:株式会社テンポプリモ