イギリス紀行 2015 その8~テムズに沿って歩く
タワー・ブリッジのすぐそばにあるのがこの「デザイン・ミュージアム」。
以前から一度入ってみたかったんだけど、入館料が£13.00(=2,665円)もするのでロビーにあるミュージアム・ショップをチェックするだけでいつもガマンしていた。
でも、今回は入るぞ~!
例のLondon Passが有効なのだ。元を取らなきゃソンソン!
グラフィック・デザイン、工業デザイン、建築デザイン、と種々にわたるアイテムが展示されている。
訪れた時は「靴」をモチーフにしたアイテムの特別展が開催されていた。
2007年にはThe Times誌が選ぶ「年間ベスト博物館」の第二位に選出されたそうだ…が…ハッキリ言って私が期待していたものとは全く違っていた。
あ~、£13.00出さないでヨカッタ…。
それでも年間20万人の人が訪れるんだって。全員London Pass持ってたりして。
さっきの青空はどこへやら、いよいよ雲行きが怪しくなってきた…と思ったらもう遅い!
「ザー」っというより「ガー」っと来た…と思ったらコレ、雹(ひょう)じゃねーか!パチンコ玉よりチョット小さい白い球が猛烈な勢いで降ってくる~!
「ヘイズ・ガレリア」でしばし休憩。
ここは元々倉庫だったが、1980年に改装されて観光地となった。といっても、チェーンの店舗が連なっているだけで、さして観るべきところはない。
写真ではわかりにくいが、真ん中には金属の彫刻があって、それの評価が高いらしい。
10分もしないうちに晴れて来た。
これは「HMS Belfast」という実際に第二次世界大戦で活躍した軽巡洋艦で、大英帝国戦争博物館の分館として1971年より博物館として利用されている。
コレがチケット売り場。
ま、お金のことばかり言って申し訳ないんだけど、ここも以前から入ってみたかったが入館料が£16.00(¥3,280)もするので長年パスしてきたところ。
今回はLondon Passで遠慮なく入ってやった!
外から見るよりはるかに広い艦内にビックリ。もちろん寸分のスキ間も無駄にしないようにどこもかしこも機能的に設計されているからだ。
コレはパン工場。
魚雷。デカい!
「魚雷」は英語で「torpede」。「シビレエイ」という意味だ。
そして、「魚雷」といえば」ロックではThe Pretty Thingsの『Silk Torpedo』。ジャケットはHipgnosisでステキなんだけど、音の方はチョット…。何枚かアルバムを持っているけど、どうもThe Pretty Thingsはニガテ。
また、映画なら何と言っても『アフリカの女王(The African Queen)』だろうね。ジョン・ヒューストンが監督で、ほとんどハンフリー・ボガートとキャサリン・ヘップバーンしか出て来ない。ストーリーの中で「魚雷」が実に重要な役割を果たす。
コレも死んだ父から子供の頃に教わった映画だが、初めて見た時ヤケクソにおもしろいと思った。
ちなみに「魚」と「雷」を入れ替えて「雷魚」となると、英語で「snakehead」となる。「雷魚」は「蛇頭」なんだって。
昔、お祭りになると、「雷魚釣り」やりたくてネェ。親から禁止されてたのでやったことなかった。そりゃあんなもん釣って持って帰って来られたらイヤだもんね。
館内に放送局があって、乗組員のためにここからお楽しみの音楽を艦内に流した。ジャズだね。
余裕ですよ。
そんな国の連中とケンカしてかなうワケないよ、そもそも。
マネキンが変な恰好をしているのは、こういうことをしているアーティストとのコラボなんだって。当時の乗組員がこういう格好をしていたワケではない。余計なことしなきゃいいのに。
でも、本当にこんな格好しているのを知ったら、敵はヘタな武器よりビビるかもよ。
艦内の階段はどこもかなり急。階段というよりハシゴ。
で、この写真を撮ったのは、黄色いサインが気になったから。
「Face Ladder」って書いてある。
つまり、ハシゴの方を向いて使用しろ…ということ。
コレは学校で習わない英語だよ。この手の表現は現地に住まないと絶対に習得できない。
デッキに出てパチリ。
後ろにタワー・ブリッジが見える。
風が強くて寒い~!
晴れてるんだか、曇ってるんだか、雨が降るんだか、なんともスゴイ天気!
隅田川同様、タワー、ウォータールー、ブラックフライヤー、ウェストミンスター等、テムズ川も名橋が多い。
「♪ロンドばし落ちた~、落ちた~」の歌のおかげで、名前としてはこの「ロンドン・ブリッジ」が最も有名なのではないだろうか?
その「ロンドン・ブリッジ」がコレ。
見ての通り、ごくごく普通の橋よ。
ところが歴史がスゴイ。
初代のロンドン・ブリッジが作られたのはローマ時代っていうんだから2,000年前ぐらい?
改築されはしたんだろうけど、1750年までテムズ川に架かる橋はコレだけだったとか…。不便だったろうナァ。
元々は現在の橋よりも少々下流にあったという。
現在の橋は1973年に建造されたもの。
先代の橋は一部を除いてアメリカのアリゾナ州ハバスレイク市に移築された。
時間は5時をチョット過ぎたぐらいかな?
駅へ向かう会社づとめの人たちが猛烈なスピードで歩いている。
よく東京の人の足が速いというが、とんでもない、ロンドンの人たちはスゴイよ。ニューヨークの人たちもブッ速い。
こんな光景ですらまるで映画のようだ。
帰途につく会社員たちとは反対に東京から来たお上りさん達はロンドン・ブリッジを渡ってテムズ川の北岸に戻る。
1666年に発生した「ロンドン大火」の犠牲者を追悼する「モニュメント」が右手に現れる。
展望台に上がることもできるが有料。£4.00だったかな?こんなんでも800円も取られる。
でもLondon Pass有効。
以前から一度上ってみたいとは思っていた。おまけに天気もいい。
し、しかし、もう足が棒のようだ。今日もたくさん歩いた。とても階段で上まで行ける自信はない。
さぁ、どうする?
エエイ!どうせタダだ、途中でどうしても足が動かなければ引き返せばいい!…と決死の覚悟で上ることを決意。
塔の裏の入り口に行くとアララ…入場のは五時までで、もう閉まってた。
残念やら、ホッとしたやら…。
もう歩くのイヤだったんだけど、どうしても家内にココを見せたかった。
ロンドン・オリンピックのマラソンのコースにもなったし、以前にもShige Blogで紹介したので「またかよ」と思う方もいらっしゃるかもしれない…また来たよ。
大好きなんだもん、Leadenhall Market(レドンホール・マーケット)。
14世紀から存在するマーケット。基本的にはチーズや肉の食品や花の商店街だ。
ちなみにチーズ屋のこと英語でなんて言うか知ってる?
「チーズマンガー(cheesemonger)」っていうんだゼ。「-monger」というのは「~商人」とか「~屋」という意味。
でも肉屋はご存知の通り「butcher」で「meatmonger」とは言わない。花屋は「florist」だし…どうなってんだろうね。
映画『ハリー・ポッター』にも登場するさして長くない宮殿のようなアーケードを突き抜けると別世界。
ウエスト・エンドには見られない、シティ近辺に林立する超近代的なビルディングが隣接している。
このホチキスの芯を入れるところのようなヤツは屋外エレベーターのレール。4基のハコがひっきりなしに上がったり下がったりしている。
こちらはレドンホールマーケットのメンバー。
今では食料品店だけでなく文房具屋やレストラン、ピザ屋、色んなお店が軒を連ねている。
Leadenhallの由来は「lead」。「Led Zeppelin」の「lead」。すなわち「鉛」。
確かこのマーケットの屋根だか何だかに鉛が使われていたからだったような記憶がある。
マァ、とにかく美しい。
スーツ姿のビジネスマンでゴッタ返している。
帰り道に同僚とイッパイ引っ掛けているワケだ。
コレ、ナニも好きで外で飲んでいるワケではなくて、パブからあふれ出ている人たちなのよ。
手前の「TORTILLA」と記した柵はイタリアン・レストランのモノ。
シッカリ自分の陣地を確保しているというワケ。
きっとこの後繁盛するんだろう。
しかし、毎日こんなところでイッパイおいしいエールを引っ掛けて行けるなんてうらやましニャ~。
我々も仲間に入れてもらおうと思ったけど、とても立ち飲みできる元気なし。
もうアールズ・コートの我が家に帰ることにします。
しかしカッコいいね~、向こうのビジネスマンは。夜はアールズ・コート駅のそばにあるインド料理店に行ってみた。
私は無難にチキンカレーとナン。おいしかった~。
家内はベジタブル・カレー。
コレが!想像を絶するウマさ!日本のインド人系カレー屋にはない味だ。
チキン・カレーより格段にウマい~!
ああ、また食べたい。
帰りにまたいつもの駅前のパブへ。
インド料理に行ってきたので、IPA(Indian Pale Ale)をグビリ。
帰りにスーパーで明日の朝食の材料を物色。
なんだコリャ?
コレはSwedeというカブみたいな野菜。「ルタバガ」という名前でも知られている。
日本でも明治時代に北海道に導入されたが、カブよりズイマということでボツってしまった。