パンダ広場のsources
別段、スイーツ・マニアというワケではないけど、一番好きなケーキ屋さんは日暮里の「パティシェ ショコラティエ イナムラショウゾウ」…なんて書くと見知らぬ虫の学名みたいだな。
安くはないけど、そこら辺のマズいケーキにいくらか払うんだったら、いくらか足してでもイナムラショウゾウのケーキを食べた方が味覚的にも精神的にもずっといい。
結局は安い買い物になる。
ケーキづくりっていうのは材料の計量がシビアで大変なんですってね。
あのおいしさはそうした製造テクニックや手間のかけようもさることながら、素材の良さがモノを言うんでしょうね。 しかしそうした高級スイーツとは異なり、一般庶民ために用意されたこのダブルシューのおいしさはどうだ?
いくつ食べても飽きがことがない。
ところが最近、ご多分に漏れず190円だった定価が200円に値上がりしてしまった!
ところでこのダブルシュー、ナゼか置いている店と置いていない店があるんですよ。
「銀座コージーコーナー」っていうぐらいだから、本店は銀座1丁目にかつてあった「テアトル東京」と大きな映画館の並びにあるんだけど、以前はこのダブルシューを取り扱っておらず、19日の「シュークリームの日」にしかお店に並べていなかった。
今は常時お店に出しているようだ。
この状況はどうやらお店の規模とは関係がないことは、日暮里の立派な店舗にも置いていなかったことから容易に推察できよう。
綿密なマーケティングをしてダブルシュー好きの人が集まっているエリアを突き止めているのであろうか?
そんな環境下、必ずダブルシュー置いているのが御徒町のお店。
ごくごく小さな店舗なんだけど、必ず売っている。
ただし、すぐに売り切れちゃう。
そんな御徒町のコージーコーナーに行く時によく通りかかるのが…このパンダ広場。昔、ココにナニがあったかはサッパリ覚えていないんだけど、今年で10年になるらしい。
この但し書き…すげえ読み仮名だらけ。
一体誰に読ませるつもりなんだろう。
地方にお住まいで東京に縁のない方には「御徒町(おかちまち)」が難読地名のひとつに挙げられるかも知れない。
「ぎょとちょう?」とか言ってね。
ココは江戸の昔、最下級武士の「徒士(かち)」が集まっていた場所。
徒士というのは、足軽よりは身分が上だけど、馬に乗ることはNG。
いわゆる下士官みたいなモノだった。
だから、昔は城下町であればどこにでも「御徒町」があったらしい。
今は徒士ではなくパンダばっかりよ。
上野動物園に思いっきりブラ下がって町を活性させている。
ちなみに近くにある銀座線の「上野広小路駅」が出来たいきさつってご存知?
そう、三越本店がある「三越前駅」に対抗して、松坂屋がゴリ押しして「上野広小路駅」を作ってもらったんだけど、残念ながら駅名に「松坂屋」を入れることができなかった。
コレはタイミングの問題だったように記憶している。
でもね、今の松坂屋がある場所ね。
上野戦争の時に西郷隆盛がアソコに陣取って彰義隊との戦闘を指示したらしい。
寛永寺の入り口の黒門の目と鼻の先だからね。
そして今、西郷さんは犬を連れてアサッテの方角を向いている。
この辺りは湯島天神にも近いもんだからこんな勉強熱心なパンダもいるよ。
湯島天神に行くには中央通りを渡って、「黒門町の師匠」八代目桂文楽と五代目古今亭今輔の家の跡の近くを通る「学問の道」を抜けるのが一番早い…いうことを言っている。
パンダ広場の中央に陣を取るパンダたち。入り口にいるパンダはややリアル。
今回お邪魔したのは、このパンダ広場で開催された「ビアナイト」というイベント。広場内には数々の露店が並んで完全なお祭り気分。ようやくここまで戻って来たって感じ?そして、広場の奥に設置されたステージ。
みんなショウが始まるのを今か今かと待っている。定刻となり、司会者が登場してお客さんにごあいさつ。そしてsourcesがステージに上がった!加賀谷綾太郎日高隼人野津永恒先日、このShige Blogでレポートした通り、sourcesは6月に『一刀両断』と『つむぐ』の2枚のアルバムを発表し、単独公演を大成功のウチに終わらせたばかり。
そして、権威ある弦楽器の専門誌『サラサーテ』の8月号にもドカっと特集が組まれてまさに順風満帆!
記事の中には私が神田明神で撮った写真もご採用頂きうれしいなったらうれしいな! 今回のステージは新旧のレパートリーを取り混ぜてのチョイスでセットリストを構成した。
オープニングはアルバム『SUNRISE』から「衝動-SHOUDOU-」。持ち時間が30分と短いので、初っ端から飛ばしていくぜ!と、言いたいところなんだけど、何しろ暑い!
あいにくこの日は夜になっても風がほとんど吹かず、モノスゴク蒸し暑かったのよ!江戸の昔、江戸に住む人たちは夕方になると、気圧配置が変わって一定方向から風が吹くことを知っていた。
だから、寝苦しい夏の夜を少しでも快適に過ごそうと風が抜ける向きを考えて家を建てたんだネェ。
昔の人は本当にエラい。
風鈴なんてのもスゴいアイデアだと思わない?
「音で涼を取る」なんて日本人以外にはできない芸当ですよ。
今は夕方になるとやたらと強い風が吹くようになったでしょう?
コレ、東南アジアの気候だよね。
1週間しかいなかったけど、ベトナムなんてまさにそういう感じだった。
我々は何から何まで恐ろしい時代に向かっていることは間違いない。
…なんて言うこととは関係なしに、暑さと格闘しながら気合の入った演奏を聴かせる3人! 2曲目は同じアルバムから「鍔迫ーTUBAZERIー」。ヴァイオリンの弓を刀に見立ててのアクションはこの曲の見どころのひとつ。そして、素手でピアノと大格闘を繰り広げるのっつ!
のっつ、本当に暑そうだったよ~。
シャキーン、チーンとホンモノの刀を交えているかのような緊迫した演奏。
「鍔迫り合い」っていうけど、アレは後の処理が大変だったらしいよ。
日本刀って本当に切れ味が良いので、少し刃に触れただけでスパっと何でも切っちゃうんだって。
だから、鍔迫り合いをした後は血にまみれた耳や鼻や指がそこいら中に散乱するそうだ。
例えば、安政7年の「桜田門外の変」。
井伊直弼が暗殺されて、ことが収まった時、桜田門の近所には彦根や水戸(薩摩1名)の藩士たちの耳や鼻や指が転がっていて、仕方なく近所の人が片づけたらしい。
ヤダね~、やっぱり生ゴミ扱いなんだろうナァ。
ま、今回はせいぜい噛みちぎられたウインナー・ソーセージとミミガーが地面に転がっていたぐらいだろう。キマった~!3曲目は『つむぐ』から「アオハルデイズ」。爽やかだけど、どことなく悲しいメロディ。それが「青春」なのね。
隼人くんもとにかく暑そうだった!
こうした愛らしいポップ・チューンもsourcesの大きな魅力のひとつだ。
そういえば、前回のココでのイベントはのっつが身体を壊してしまって出演できなくなってしまったんだっけ。
今日はバッチリだ!「後ろ向きなニュースが多い中、音楽で元気に前向きにするためのファイトソングです。
皆さんに元気になっていただけたらと思っています!」
と次の曲を紹介した綾太郎くん。
そういえば綾太郎くんはそんなに暑そうにしていなかった感じだったな。
南国の出身というワケでもあるまいに。
最後の曲はお待ちかねの「一刀両断」。アクションもタップリ詰め込んだsourcesのキラー・チューン。暑さなど一刀両断に切り捨ててやれ!
本当に溶けてしまいそうな暑さの中、一時もタルむことなく激演を披露した3人!
最後は景気よくジャ~ンプ!パンダに囲まれて、短い時間ながらsourcesの魅力にあふれたとても楽しいステージだった!「ありがとうございました!
去年とはまたチョット違う感じがしたけど、とても楽しかったです!」
sourcesの詳しい情報はコチラ⇒sources Official site
ところで…sourcesファンの皆さん。
sourcesは歌詞のないポピュラー音楽、すなわち「インストゥルメンタル・ミュージック」に取り組んでいますよね?
世の中にはなまじ歌詞がついているばっかりに台無しになってしまう曲がたくさんあるにも関わらず、日本ではよっぽど強力なテレビ番組や映画とのタイアップでもない限り、ポピュラー音楽の世界においては「歌詞なしの音楽」がもてはやされるチャンスが絶望的に少ないのが現状です。
そこで…みんなでこのインストゥルメンタル・ミュージックを盛り上げませんか?
この場をお借りして、私の方からひとつインストゥルメンタル・ミュージックのバンドを紹介させてください。
ギター・アンプの世界的トップ・ブランドである、イギリスのMarshall社は現在Marshall Recordsというレコードレーベルを運営しています。そのMarshall Recordsと契約をした関西出身の「D_Drive(ディー・ドライブ)というバンドです。歌詞のない、いわゆる「インスト・ロック」を演っています。
sourcesより格段に激しい音楽ではありますが、「歌詞がなくても歌がある」という点においてはsourcesと大きな共通点があると私は思っています。
そのD_Driveが8月26日にセカンドアルバム『DYNAMOTIVE(ダイナモーティブ)』をイギリスから全世界に向けてリリースし、イギリス本国をはじめ、フランス、ドイツ、イタリア、オーストリア等、現在ヨーロッパで大きな注目を浴びています。
コレがその『DYNAMOTIVE』。アルバムの1曲目に収録されている「Red Light, Green Light」のミュージック・ビデオがコレです。
いかがですか?
世の中にはこういう音楽もあるんです。
そう、ギターを弾いているYukiさんは数年前にSONYのXperiaのテレビ・コマーシャルに出演していた女性ギタリストです。
もし『DYNAMOTIVE』が気になるようでしたら、もう少し詳しい情報をMarshallのレコード屋さんからゲットしてみてください!
Marshallのレコード屋さん⇒Marshall Music Store Japan
さ、早く帰ってひとっ風呂浴びてビールでも飲もうか!(一部敬称略 2022年8月3日 御徒町パンダ広場にて撮影)