2CELLOSを観た!
久しぶりの武道館。
ん…今年初めてか?
初めてだ…。
なんかもう時間の経つのが早くて3年ぐらいまでは1年以内の出来事と混同してしまうわ。
その久しぶりの武道館、今日は完全に観客なの。
そんなのも久しぶりだ。
チョット前にレナード・バーンスタインの講演会には行ったけど、その前は浅草の「東洋館」で観た「日本コメディウクレレ協会」の発足記念コンサートだった。
高木ブーさん以下、元ウシャコダの藤井さんからポカスカジャンまで、アレはヤケクソに面白かった。
で、今日は何用かと言うと、2CELLOS。
あのイケメンのチェリストのデュオ・チームね。
入り口はどっちかな?
あ、ココは2階席ね。
私は14歳の時から武道館のロック・コンサートに来ているけど、考えてみるとチケットを買って2階席で観たのって、エアロスミスとフォリナーだけかも知れない。
というのは、昔有楽町にあったプレイガイドが穴場で、発売日にチケットを買いに行くと、どんなコンサートでもほぼアリーナ席のチケットをゲットすることができたのね。
たまには2階席で観てみたいな~…なんて、イヤらしい。
あ、ウチはこっちか!
「VIP」だから関係者受付を通らなきゃ!……なんて、イヤらしい。
やっぱいいね、武道館は!
色んなことを思い出すわ。
さっきのフォリナーなんかは、北側、つまりステージの裏から観たよ。
ルー・グラムの背中はカッコよかった!…ウソこけ!
ショウがスタート。
仰々しいオープニングSEなんて使わない。
クラシックのコンサート譲りなのかな?
ストリングスのトーキョー・スター・オーケストラ・ヴィルトゥオーソ、キーボーズ、ドラムスが定位置に着いた後、チェロを手にした2人がシレっと出て来て演奏が始まった。
しかし、あのオープニングSEってのはいつからどのバンドも使うようになったのかね?
「We must be over the rainbow」ぐらいだったゼンゼンいいんだけど、どっかの曲が1曲丸々かけちゃうようなのがあるでしょ?
私はああいうのがあんまり好きではなくて、客電が落ちて、歓声と拍手の中にバンドが登場して、一旦静かになってハイ、スタートっていうのがいいな~。
クラシックとかジャズのコンサートのスタイルとでもいうのかな?高級な感じがしていいのよ。
もしこれを読んでいる若いバンドの人がいたら、コレを試してごらん。
きっと目立つよ。
やっぱり人と違うことをやらなきゃ!
1曲目は「炎のランナー」。
原題は「Chariots of Fire」。私はこのイギリス映画を観てないんだよね~。イギリスの宗教と民族をテーマとしている…か。今度観てみようかな?
「Chariots of Fire」というのは旧約聖書に出てくる戦車のことらしい。
「戦車」といってもタイガーとかシャーマンとかの戦車じゃなくて、「ベン・ハー」に出てくるようなヤツ。
ちなみに「ベン・ハー」って、「ベンハー」じゃなくて「ベンハー⤵」って発音するんだよね。
音楽はエヴァンゲロス・オディセアス・パパサナスィウ。
ひと言でいえばヴァンゲリス。ギリシア人の名前は難しい。
ヴァンゲリスが率いたギリシアのプログレッシブ・バンド、Aphrodite's Childの『666』は時々思い出しては聴きたくなるアルバムだ。
「コンバンハ…アリガトウ…」だけのMCで笑いを奪う。
初来日の時から武道館で演るのが夢だったとか。
ショウの前半は日本人ストリングス・チームが加わったパフォーマンス。
ゴッド・ファーザー、レインマン、グラディエーター、タイタニック、等々映画の名曲が美しいチェロの音色でつづられた。
しかし、チェロの音色ってのはいいもんだね。
ところで…実は、私は2CELLOSを見るのは今回が初めてのことではない。
6年ぐらい前にイギリスで見たのね。
エルトン・ジョンのコンサートに出演していたの。
デイヴィー・ジョンストンやナイジェル・オルソンといった往年のエルトン・ジョン・バンドに混ざって2CELOSの2人が激演を見せてくれた。
まだ、あのテレビ・コマーシャルをやる前のことだったので、「なんじゃ、コリャ~!」状態だった。
向こうの人のこういうオリジナリティってのはホントにスゴイと思う。
後半はチェロのふたりとドラムスの最大3人がステージに上がっての展開。
2人きりで演奏しているとはとても思えない「コレどうやってんの?」という不思議なアンサンブル。
結局、ギター・デュオと違って、音域が広いので、基本的には1人がベースと伴奏、もうひとりが旋律というアレンジなんだけど、2人の音色や歌いまわしがよく似ていて、どっちがどのパートを弾いているのかわからない感じ。
ピアノの除いてオーケストラの中で一番音域が広い楽器はコントラバスだってどこかで聞いたことがある。
ゲイリー・カーがテレビに出た時かな?
もちろんコレはフラジオレットを含んでの話なんだけど、考えてみれば楽器って、高い音を出すより低い音を出す方が大変なんじゃないかしらね?
歌もそうでしょう?
「ハイノート」とか言ってやたらと高い素っ頓狂な声を出すロック・シンガーは多いけど、「バリトン」で歌いまくるロック・シンガーっていない。
だからフランク・ザッパの『Overnite Sensation』で演ったことはレアなことだ。
それとケヴィン・エアーズ?
Curved Airの「Vivardi」みたいなカッコいい曲もあったりして、十八番の「Smooth Criminal」でドッカン!
下手のステファン・ハウザーが舞台狭しと暴れまくる。
一方、上手のルカ・スーリッチは座奏のまま熱演。
ルカは英国王立音楽院のOBなんだってね~。
あ、私は同窓なワケではありません。
メリルボーンの王立音楽院ってエルトン・ジョンの母校なんだよね。
詳しくはコチラ。
アリーナのお客さんは完全総立ち!
軽く歪ませたチェロの音がまたスゴイ。
そういえば、PFMのヴァイオリニスト(マウロ・パガー二じゃないよ)もMarshallを使ってたっけ。
ドラマーの彼も大フィーチュア。
ステファンはMCがユーモラスで、「He's the best drummer on the stage!」なんて紹介したり「He loves Japan because he's small」なんてやってたけど、本当にかなり小柄な人だった。
でもプレイはクリスピーで気持ち良かったよ。
一旦ノリ出したらもう止まらない!
Nirvanaの「Semells Like Teen Spirit」、AC/DCが好きなのかな?「Highway to Hell」、「Back in Black」、大合唱の「Satisfaction」。
案外アップテンポの曲ってなくて、多分この日一番テンポが速かった曲はロッシーニの「ウィリアムテル序曲」だったんじゃないかしら?曲はわからなかったけど、アンコールでは美しいバラードをプレイ。
「次はドームでやるぞ~!」なんて宣言に満員のお客さんは大喜び!