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2013年6月10日 (月)

イギリス紀行2012 その18~ロンドン4 <雨の彷徨>

2012年8月21日 初出

ああ、今朝も天気がよくない。でも、雨模様ではないし、薄曇りのような感じ。雨よりマシと思い、「美しい」と評判のRichmondへ出かけてみることにした。

リッチモンドはディストリクトと線の終着駅。ディストリクト線は、ウィンブルドン行き他、路線が妙に枝分かれしているので注意が必要だゾ。

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駅を出てしばし散策。
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ここはロンドンの中心から地下鉄で30分も離れていないが、高い建物が少なく、とてもノンビリした感じがする。
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素敵な建物がジャンジャン出て来る。これは古い時計屋さん。
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ここはテムズ川をちょいとさかのぼった街というだけで、ギンギンの観光地というワケではない。
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ところが、お目当てのテムズ川河畔に出てみるとこんな観光船が…。
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ガイドブックに出て来るリッチモンドの写真というとたいていこんなアングルか?
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上流側はこんな感じ。問答無用で美しいのだが、この天気じゃなァ~。

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問答無用に美しいのだが、この鳥の糞じゃなァ~!危なっかしくて景色なんか見ていられない!

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お!『四重人格』か?

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「Vestpa友の会」が開かれていたようだ。
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河畔のホテルも美しい。
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天気がよければたくさんのボートが出て、この美しい(であろう)景色に溶け込んでいくんだろうけどね…。

ここは近いし、もし晴れる日があったらまた訪れることにしよう。

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ロンドン中心街にもどる。
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ビートルズ関連の建物を訪れようとオックスフォード・ストリートから少し脇へ入る。
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何やら立派なビルディングにたくさんのブルー・プラークが付いている!どれも日本ではなじみのない人たちばかりだった。
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そして、コレに遭遇。そうだった!一度来ようと思っていたのだった、ウォレス・コレクション。国立美術館。無料。
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この建物は18世紀後半につくられた。フランス色が濃いのが特徴。

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階段で2階に上がると、まるでフランスの宮殿に来たかのような錯覚におちいる…あ、アタシャ、フランス行ったことないんだったっけ!
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コレ、家ですからね。といっても「タウン・ハウス」といって貴族が華やかなパーティを催す宴会場のようなものだった。

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絵画、家具、陶器、彫刻、ミニチュア絵画(メンコみたいに小さい絵画)、中世・ルネッサンス工芸、金工とコレクションは多岐にわたっている。
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そしてこれらのコレクションは寄贈された時の状態で保存、維持されるよう、一点の作品を追加したり、削除したりしないよう法律で定められているそうだ。
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そして、とりわけ目につくのはおびただしい数の甲冑や銃剣のコレクションだ。
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甲冑だけでもモノスゴイ数!時代ごとに変遷した鎧兜がゾロ~リと並んでいる。ピストルの展示も限りなく、そのどれもが美しい。日本刀もあったな。

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この兜、マヌケな顔してるナァ~。笑っちゃっってるじゃん!

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「Juice Point」と呼ばれる電気自動車の充電ポイント。£28(約3,500円)というのはどういう単位だろうか?ちなみにイギリスのがゾ凛は日本より一回り高い。現在の異常円高為替レートでそんな感覚だから、相当高いことになるハスだ。

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チョットまたジミヘンの家に行こうと思いブラブラとソーホー方面に歩く。これも素敵なホテルだナァ。もう何回も前を通っているけど…。

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改装中なんだ…最近は日本でもこういう養生シートを見かけるようになってきたね。
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サー・ジョン・ソーンズ美術館を見たくてホルボーンまで行く。屋根付きの歩道を歩いていると空に爆音!年配の女性が慌てて屋根のない場所まで移動している。「そうかッ!」…ハッと気が付いてその女性に倣った。すると、3機(4機だったかな?)のジェット戦闘機が色とりどりの煙を吐きながら音速で飛び去って行った!スンゴイ音だねアリャ。アッと言う間もないね。その女性と顔を見合わせてニッコリ!そう今日はダイアモンド・ジュビリー・ウィークエンドの最終日。街中を女王がパレードする日なのだ。

お目当ての美術館まで行ったったのだが、ダイアモンド・ジュビリー中は休みでやんの!また雨が強くなってきたよ。

少し歩いてコヴェント・ガーデン方面へ…。サー・ジョン・ソーンズ美術館を探すべく地図を見ていた時に「フリー・メイソン図書館」とかいうのを発見していた。何となくおもしろそうだから行ってみた!

これがそう。正確に言えばこの建物の一部がそうなのかな?閉まっているのか、やってないのか、特に何もなかったのでガッカリ。それでも、ものすごく立派なビルディングだ!
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建物に茶色のプラークを発見!ナニナニ、「1807年11月13日 世界で初めての『Geological Society(地質学会)』は『Freemason Tavern(フリーメイソン食堂)として知られるこの建物から産声を上げた』」とある。ロンドンの地質学会(Geographical Society of London)はここにあるように世界最古にしてヨーロッパ最大の地質学会で、イギリスの地質構造を調査するために創設された。

信じるも、信じないも、あなた次第です…。

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コヴェント・ガーデン近くで見つけた可愛い公衆電話、5連チャン!まるで空港で売っているお土産の缶入りクッキーみたいだ。昔のようすは知らないが、携帯電話の普及で、やっぱり今は公衆電話はあまり見かけないような気がするナァ。
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時々見かけるユニオン・ジャック・タクシー。

オリンピックの期間中、お客さんがいなくて大変だったんだってね。お気の毒に…。
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これは王立オペラハウス。
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その裏にある王立バレエ・スクール。バレエは観たことないな。いつか観てみたいな。

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ここは確か「劇場博物館」みたいなヤツだったんだけど、変わっちゃったな。

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変わって「ロンドンフィルム博物館」になってる。まだ新しい。無料だったので入ってみた。題材はほとんどハリウッド映画で、スチール写真の展示がたくさんあって、私にはとてもおもしろくて結構ジックリ見ちゃった。やっぱり映画も最近の方より、昔の作品の方が比べようもないくらい素晴らしい。完璧な脚本に才気あふれる演出、そして美しくゴージャスな出演者…音楽もそうだが、映画はずいぶんと退化してしまったよナァ。

ロックの衰退はブリティッシュ。私の立場的に言えば、イギリスからギターヒーローがいなくなってしまったのが痛い!そして、映画の衰退はハリウッド。皮肉なことにCGや3Dだの技術は進化したけど、人の心を揺さぶるプロットに沿ったいい脚本がもう書けなくなってしまった。リメイク、アニメ、ゲーム、それに火薬だけになっちゃった。

まるっきり音楽と同じだね。録音技術や音の流通経路、再生装置は驚くほど進化したけど、肝心の音楽自体が無味乾燥でがスッカスカになってしまった。まず、「楽曲」と「アーティスト」という言葉を廃すべきだ。「楽曲」は「曲」、多くの「アーティスト」は「歌手」とナゼ呼べない?

音楽と同じでサ、今映画を作っている若い人たちって、そうだナァ~、たとえばビリー・ワイルダーの「情婦」だとか、ジョン・ヒューストンの「黄金」だとかフランク・キャプラの「素晴らしき哉人生」なんて観てるのかな?

もし観ていない若い人たちが「映画人」を気取っているとしたら恐ろしいことだ。誰が部活を辞めたって関係ない。映画ももっともっと温故知新をするべきだ。

私は何とかして死ぬまでに観たい映画があるんですよ。これは「なんだ、まだ観てないのか?!」といまだにいつも父からからかわれるのだが、シドニー・ギリアットの『絶壁の彼方に(State Secret the Great Manhunt)』というイギリス映画。もう一生観れないかと思っていたらどうもDVDになったよう、すぐに観たいような、楽しみはとっておきたいような…。

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ちょうど見かけたので撮っておいた。ゼブラ・ゾーン。この道の両側に黄色いライトが付いている横断歩道では車はどんな時でも歩行者を優先させなければならない。これがまたビシッと守られている。もし見つかっちゃうと罰金だからね。

でも、我々の感覚からするとあまりにもこれがシビアで、うっかりこの黄色いライトのそばで立ち止まると、それだけで車が止まっちゃう!もちろん車だっていちいち止まるのは面倒だから、そんなヤツがいると実に不快な顔をしていますな…。

ちなみにEMIスタジオの前のアビィ・ロードの交差点もこのゼブラ・ゾーン。だから運転手はタマッタもんじゃない!

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コヴェント・ガーデンもこの通りユニオン・ジャックのオンパレード!
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これだけ集まると壮観だ!
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地下鉄に貼ってあった「ナショナル・ポートレイト・ギャラリー」の広告。「女王様展」をやってる。そう、このお二方は同一人物のエリザベス・アレクサンドラ・メアリー!
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大好きなロンドンだけど、何回も書いてきたように、あまりにもヒドイ天気と寒さで、今回はすっかり意気消沈してしまった。こんなヒドイ天候を私に用意したロンドンに裏切られたような気がしたのだ。

「もう帰りたい…」と思い出した頃、この方が現れたのだった!伊藤広規。

広規さんたちとの合流がどれほどうれしかったか!もうこうなりゃ雨が降ろうが、寒風が吹きすさぼうがヘッチャラ、ヘッチャラ!日本語話せるし!

…というワケで、次回から<新シリーズ>として、4回にわたって広規さんたちと過ごしたロンドンをレポートする。お楽しみに!
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<新シリーズ>につづく