Chris Duarte Live in Japan 2012 <後編+YOUNG GUITAR DVD>
2012年9月6日 初出
さて、クリス・デュアルテ。今回のショウを観て強く感じたのは、「あ~、『音楽』を聴いたな~」ということ。
前回も触れたように私は自主的にブルース・ロックを聴くタイプではない。しかし、こうしてクリスの音楽に感銘を受けたのはクリスがブルース・ロックの範疇におとなしく収まってなんかいない破天荒なミュージシャンということなんだろうな…これまた同じようなことを前回も書いたが、また書かずにはいられないのだ。
歌がまたいいんだよね。向こうの人は本当に歌がウマイ。英語も完璧だし!それよりも、この人たちの音楽なんだからウマイのは当たり前だね。
クリスは歌も全力投球なんだよね~。最後までまったく手を抜いたりしない。歌はギター・プレイの延長線だし、ギターも歌の延長線と考えてるんじゃなかろうか?
アウトに、インに、行ったり来たりでジックリ聴かせちゃう!「エ~、なんでここでそのフレーズ出すかね~」の連発よ!
もう平気でドアウトなフレーズを弾いた時もまったくワザとらしくないんだよね~。ごく自然に妙チクリンなフレーズをポコっと置いてしまう。カッコいいよ~。
オガンちゃんのスーパー・プレイをひとときも聴き逃すことはできない!
そして4ビートもパーフェクトにこなしちゃう!4ビートといえば…
「座らない弾けないヨ」とイスを出してきたクリス。ツラっと弾き出したのはコルトレーンの「Moments Notice」!
この難局を何ら問題なく弾きこなし、スウィングしまくるオガンちゃん!
クリスがまたすさまじいプレイで、まさにギターの「シーツ・オブ・サウンド」だ~!クリスを初めて観た時から「あ~、コルトレーン好きなんだな」と感じた。さりげなく(イヤ、さりげあるか?)挿入したコルトレーン・スタンダードが後半のステージの実にいいアクセントになった!
小粋にスウィングした後は、大詰めに向かう。
どこまでも弾き続けるクリス!またエフェクターの使い方がうまいよね~。普通さりげなく使うような音色でも、クリスはドカ~ンと思いっきりエフェクトさせちゃう。江戸っ子のそばの食い方みたいなことなしない。もうドップリとそばをつゆにつけちゃうの!オルガン効果とか実に歌にマッチしてるんだよね。とにかく自然でカッコよくエフェクターを使っちゃう!
今頃アッチでどうしてるかな?
クリスピーなプレイでクールに自分の仕事をこなしたジャック・ジョーンズ。オガンちゃんとのコンビは抜群だった!
まさに魂を感じさせるギターだ!
「残業」と称するアンコールも力いっぱいこなす。
こんな残業なら大歓迎だね!
最後にキチッとごあいさつ。妖しげな日本語のMCもクリスのショウの魅力のひとつ。妙なアクセントはまるで歌のようで、新式のスティーヴ・マリオット?そういえば今回はラーメンの話ししなかったな。でも相変わらずお好きなようです。
いかがでしたでしょうか?私の切り取った瞬間の数々でクリス達の素晴らしい音楽を少しでも伝えることができていればうれしいです。そうであることを祈って止みません!
かわってこちらはYOUNG GUITAR誌付録DVDの収録風景。
何回かにわたって、様々なブルースの弾き方を講義してくれるという企画。
アクロバティックな日本語が飛び交い、実にリラックスした雰囲気のなか収録が進む。
バンドだろうとバッキング・トラックだろうと弾きだしたらもう止まらないね。
結局、クリス節大爆発!昨日のライブと変わらない本気ぶりにまたしても超のつく音楽人ぶりを見た気がした。
YOUNG GUITARロゴ入りのシャツも持参!気配りも忘れない。アメリカ人にしておくのはもったいない人だ!
Chris Duarteの詳しい情報はコチラ⇒The Chris Duarte Group Official Web Site of Chris Duarte(英語版)
小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒Dancin' Funky Bass!!!
(一部敬称略 ライブ写真:2012年7月26日目黒Blues Alley Japanにて撮影)