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2013年6月19日 (水)

住友俊洋ソロ・アルバム発売記念ライブ!

2012年9月18日 初出

音楽のジャンルを問わず、いいライブに出くわすと「あ~、『音楽』を聴いたナァ~」って思うよね~。それがたとえ普段聴くことのないタイプの音楽であっても、何か心に触れるものがあるというか、波長が合うというか…。ジャンルを超えて得も言われぬ満足感が生まれるもんだ。

なんて書きだすと、今日の主人公の奏でる音楽がタイプではないが、いいライブだった…という風にとらわれそうだね。言い方を変えて…こうれはどうだろう?

いい音楽や演奏はカテゴリーを超越する。

つまり音楽には本当は種類なんかなくて、「いい音楽」か「よくない音楽」、もしくは、「いい演奏」か「つまらん演奏」の2種類しかない…ということ。へへへ、これデューク・エリントンのパクリだね?でもさすがデューク、いいこと言うわ~!

住友俊洋の登場です。

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住友さんとの出会いは、彼まだSavoy Truffleをやっていた頃のこと。某ギター雑誌の編集者(当時)の親友の紹介だった。…といってもいきなり住友さんをご紹介いただいたワケではなく、初めに「音」ありきだった。つまりSavoy TruffleのCDを聴かせてもらったのだ。

「ナニこれ?外人でしょ?」

と思わずにはいられなかった。メンバー各人のプレイが日本人離れしているのもさることながら、曲が日本人の書くそれではない!とまず感動したね。それでその親友氏にお願いしてライブで上京された際に(横浜だったけど)ご本人に紹介していただいた。

その住友さんがソロ・アルバムを発表した。「発売記念ライブをするから行きませんか?」と、またしてもその親友氏から誘われて駆けつけた。

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これがその住友俊洋のソロ・アルバム『Long Way to Go』。オリジナル曲2曲を含む5曲入りの力作だ。
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さてその後、住友さんとは何かとお近づきにさせていただき、ハンドワイアード・シリーズの大阪での発表会にSavoy Truffleとしてご出演いただいたのが最初のお仕事だった。あれもいいライブだったし、楽しかったナァ~。
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他にもVintageModernのプロモーションDVDへのご出演、同じくVintageModernの発表会、親友氏の雑誌でのサザン・ロック・ギター特集の取材、フジロックも見に行ったし、ライトニン・ブルー スにもお邪魔した。

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元マーシャルの社員でサヴォイの大ファンというヤツもいたりして、結構あれこれごいっしょさせていただく僥倖に恵まれてきたのね。

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それだけに今回のソロCDの発表は実にめでたい。ライブも素晴らしいに決まってら!
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ライブの出演はCDでも大活躍のふたり…

ベースの井出信志。

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ドラムの三夜陽一郎。

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ん~、この音!住友トーンとしかいい得ない芳醇にして深い音色!エレキギターの醍醐味やね~!

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住友さんの歌をはじめて聴いたのは日比谷野音の「ライトニン・ブルース」のことで、曲は「Statesboro Blues」だった。

あの時のことは忘れられない。なぜかというと、おそらく初めて住友さんを見たお客さんだったのであろう。演奏中しきりに友達に向かって「スミトモってす げーな!」、「住友ってすげーな!」と何度も繰り返し叫んでいたのがすごく印象的だったのだ!もちろん「そうだよ。スゲエに決まってんじゃん!」と心の中 でその人に叫んでいたのは言うまでもない
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失礼千万なのを承知で言うと、あの時より住友さんの歌は格段の進化を遂げたように思う。アレ?歌ってこんなに簡単に上達するもんなのかしらん?と思わざるを得ないほどの絶妙な歌いっぷり!
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住友さんのギターって独特な呼吸というか、フレーズの歌わせ方を持ってるんだよね。息を吸って、その息を全部吐ききるまでとにかく弾く…みたいな。そして、聴き慣れたフレーズの中に、背筋が寒くなるよな音を少しだけ入れる。これが快感なんだ。

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もちろんお家芸のボトルネックについては何をかいわんや。スライドバーを滑らせつつ、ハーモニクスを出す瞬間がまたタマラナイ!コキーンって!

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アルバムにも収録されている「Born Under a Bad Sign」なんか鳥肌ものだった!
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エドガー・ウインターのカバーなんかも取り入れたりして…この選曲のセンスがチョイとよそと違ってておもしろいんだよね~。
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また、リズム隊のふたりが出すぎず引っ込みすぎず、実にいい塩梅で親分を押し出してくる!
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それを得て、まるで宙に舞うかのように奔放に弾きまくる住友さん!
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アンコールではグランド・ファンクでおなじみ、Soul Brothers Sixの「Some Kind of Wondrful」。
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いいナァ~。こんな曲だったっけ?というぐらい住友節になってる。別に突飛なアレンジが施されているわけでもなし、こうしてシレっとカバー曲を演ってその人なりの味がでてしまうところこそ”Some Kinf of Wonderful”なのではなかろうか?

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短い時間に住友さんの魅力が詰め込まれたいいライブだった!間違いなくコリャ「いい音楽」だ!

住友俊洋の詳しい情報はコチラ⇒JUST SLIDE A BOTTLE
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住友さんのインタビューがギターマガジン10月号(リットーミュージック社刊)に掲載されているので見てね!

Gm
(一部敬称略 2012年8月6日 横浜Thumbs Upにて撮影)