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2015年3月

2015年3月25日 (水)

【DAY2】 5 DAYS ART CHALLENGE

さて、2日目。
私はチョー幸運にもSHOW-YAのライブのオフィシャル・フォトグラファーを務めさせて頂いている。
この、世界でも稀なる最高にカッコいいフィメイル・バンドは、時を経るごとにそのカッコよさを増している。
こっちだって負けてはいられない。完全に同じ年頃なのだ。
「熟男ナメんなよ!」と声を大にしたいところだが、いつも恵子さんたちのパワーには押されっぱなしだ!
それでも汗をフキフキ、少しでもカッコいい写真を撮ろうと七転八倒しているのである。
そんな努力が実ってか、うれしくも面白いことが起こった。
昨年の11月から今年の1月末まで開催された居酒屋の全国チェーン「庄や」と「SHOW-YA」のコラボ企画のポスターに私の写真を使って頂いたのだ。
コレはうれしかったね~。
全国の庄やさんだからね。

2_10ポスターの元となったのがこの写真。
コレは確か、PVを撮影しているところを撮ろうとして、ワザとビデオカメラをフレームの右に入れたハズ。
もちろん恵子さん、グラスは手にしていない。
ウマくアレンジするな~。
でもね、もっとウマいのは、このキャンペーン中、限定のメニューで恵子さんが考案したという「ショウガ鍋」。めっちゃウマい!
ネギタップリのサッパリお鍋で、コピーしていまだに家でよく食べております。
恵子さん、ありがとうございます!

2_15SHOW-YAつながりでsun-goさん。
これはAra ProIIがプロデュースしているsun-goさんの新しいシグネチャー・モデル、「Fairy」の雑誌広告。

2_20コレが元の写真。
ギターの広告用写真ということではじめから狙って撮った。
ところが、コレがなかなかに難しい。
派手に動くsun-goさんのことだから、ギターがハッキリ丸ごと正面を向く瞬間がなかなか訪れない。
今だ!と思ってシャッターを切った瞬間、照明の色が変わったりストロボがたかれたり…。
しかも、ギターのボディに描かれているブルーの妖精が照明によって色がコロコロ変わってしまうので、白いライトの時しか撮影のチャンスはない。
専門がアンプとはいえ、私だって楽器のプロだ。商品はきれいに撮ってシッカリ見せられるようにして差し上げたい…。
また今だ!と思ってシャッターを切ると今度はsun-goさんの顔が髪の毛で隠れてしまったりするのだ。
sun-goさんの写真ということでは他にお気に入りがたくさんあるが、ギターとsun-goさんを主役にしている写真という意味では、最高に気に入っている。
荒井貿易さん、ありがとうございます!

2_25 D_Drive、2012年8月の東京での初ワンマン・コンサートのもようを収録したDVD『D_Drive LIVE IN TOKYO(アトスインターナショナル刊)』のジャケット。
D_Driveは4人4様の個性が出ていて撮っていていつも楽しい。
ところがこの時は大変だった。
会場は立錐の余地がまったくない超満員。一旦プレスピットに入ってしまったら最後、終演までそこを抜け出すことはまずもって不可能。
それなのにアレがやって来たのだ、アレが…。
ハライタ。
「渋り腹」っていうのかな?とにかくハラが痛くなっちゃって往生した。
お客さんをカキ分けてトイレに行くのはいいが、シャッターチャンスをいいように逃してしまうじゃんか。
それでもトイレに駆け込むべきか否か…迷ったね~。
まさかプレスピットで用を足すワケにもいかんし…。
で、どうしたか…ってガマンするより選択肢がない!脂汗タラタラ…。
しかし、「心頭滅却すれば火もまた涼し」…何とか乗り切りましたよ。
それで出来上がったのがこのジャケット…ああ愛おしい。

2_30コレらが元の写真。
Seijiさんの立ち位置はナゼか、いつどこの会場でも照明の条件が比較的よくて撮りやすい。

2_40 Yukiちゃんもたくさんの表情を持っていて撮っていて楽しいな。私の写真では笑顔が多いんだけど、これはシリアス!難しいパートの真最中かな?

2_50vしまちゃんは実はすごくフォトジェニック。この写真はそうでもないが、いつもポーズがビシっとキマっているのだ。

2_60vChiikoちゃん、いつも照明の条件が悪くてうまく撮れずにゴメンね。
とにかくドラムはムズカシイ。
照明が暗い、動きが速い、ポジションが同じ、楽器で顔が見えない…こんなに撮影に不利な楽器は他にないだろう。
実は鍵盤楽器も難しいと常日頃思っているのだが…。
でも、そういう被写体こそ撮り甲斐があるってもんよ!

2_70vちなみにこの時に撮ったこのShimataroちゃんの写真は彼の教則DVDの表紙にもなった。

2_80 こんな感じ。

2_80v
つづく

2015年3月23日 (月)

【DAY1】 5 DAYS ART CHALLENGE

作家が自分の作品を1日3つずつ、5日間公表した後、知り合いのアーティストを紹介してバトンを渡し、アートの輪を広げていく『 5 DAYS CHALLENGE』というアート・ムーブメントがfacebookで展開されている。
Marshallのカタログや、GRANRODEOのツアープログラム、数々のCDジャケットを制作し、Marshall Blogでも「下町のヒプノシス」として何回かご登場頂いているデザイナーの梅村昇史さんからこの企画がバトンが送られてきた。
「ライブ・フォト・カメラマン」という触れ込みだ。
私がアーティスト?

イヤイヤ、生まれてからこの方、「自分がアーティスト」だなんて考えてみたことは本当にただの一度もない。
そもそも、AKBが「アーティスト」と呼ばれている時代である。
「言葉は生き物」であり、時代の趨勢に合わせて刻々と意味やとらえ方が変わることは理解しているし、仕方のないことだとも思う。
しかし、今音楽関連の仕事をしていて斯界を見回すに、「アーティスト」という6文字ほど意味が変わり、地位が下がった言葉は他に例を見ないのではなかろうか?
あ、「楽曲」があった。この言葉への仕打ちもかなりヒドイと思う。

私は自分が見たい写真やイメージしている写真、とにかくミュージシャンをカッコよく撮るために毎晩暗がりでシャッター・ボタンを押しているだけで、梅村さんのような「アーティスト」と一緒にしてもらってはあまりにも申し訳ない。
たとえ端っこの方でも、私を「アーティスト」というくくりに入れるのは言葉の誤用というものだ。

したがって、当然梅村さんからのご指名は分不相応と考えた。
でも、よく考えてみると私の写真は「fake」でも、そこに写っているギタリストはシンガーは見紛うことなき魅力的な「アーティスト」であることは間違いない。
つべこべ言って恐縮だが、私の回は、「アーティスト」と私の「ライブ写真」の「合わせ技」ということで自分を納得させて、いつもお世話になっている梅村さんのご指名を受けることにさせて頂いた。
梅村さん、お疲れさまでした。そしてご指名ありがとうございます。

さて、Marshall Blogをご覧の方々は「イヤ~~~!」というほどご存知だと思うが、何か思いつくと筆の抑制が効かない私である。
素直にfacebookに3点ずつ自分お気に入りの写真を掲載して5日間終わればいいのだが、それはできない。
解説を書かないと気が済まないのだ。
facebook上でゴチャゴチャ書くのもやりづらいので、写真の仕事をメイン・トピックスに据えているこのShige Blogのスペースを使うことにしたのだ。
ま、照れ隠しとか言いワケとかと捉えてご一読頂ければ幸甚である。
ちなみにこのShige Blogのバナーも梅村さんの作品だ。

5 DAYS ART CHALLENGE <DAY1>

1. 桑名正博さん

それでは、記念すべきひとつめ。
順番はほぼ意味なく掲載していく予定だが、最初の1枚はコレにしようとキメでいた。
桑名正博さん、バースデイ・コンサートのひと幕。
場所は渋谷のPleasure Pleasure。
このホールは照明が強く、露出合わせがなかなかに難しく、慣れるまで結構苦労した。
桑名さんは原田喧太氏と何度もMarshall Blogに登場してくださっており、この日も開演前に楽屋に赴き、桑名さんにご挨拶すると、「ジブン~、メッチャええ写真撮るな~」とおっしゃってくださったのだ。
私は、正式に写真の勉強をしたことなど一度もなく、Marshall Blogに掲載するための写真を撮るために、何万枚も失敗しながら、「どうすればよくなるのだろう?」と本当に一枚一枚研究しながらやってきた。今でもそのまっただ中にいる。
長年にわたって超一流のカメラマンの被写体となってこられた桑名さんにそんな言葉をかけて頂いたのである。
もう、最高にうれしかった。
そして、その日の本番。先の強い照明と苦戦しながら夢中で撮った一枚がコレ。
私も、我ながら「カッコよく撮れたワイ」と思っていたのね。もちろんMarshall Blogにも掲載した。
その後、それほどの時が経たずして、桑名さんは天国へ召されてしまった。

1_10「なんや、ジブンが撮ったんかいな!元のデータがみつからなくて苦労したんやデェ!」とは妹の晴子さん。
生前の桑名さんは、この写真を大層お気に召していらしたとお聴きした。
本当にうれしかった。
桑名さんは色々な形でこの私が撮った写真を色々アレンジしてお使いになられたそうである。
下のフライヤーはそのうちのひとつ。桑名さんがご自身で制作されたものだ。
ああ、桑名さんのナマの歌声が聴きたい!

現在閲覧できる桑名さんに関するMarshall Blogの記事はコチラ

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2. 三宅庸介『Orchestral Supreme』のジャケット写真

三宅さんも自分だけの音楽世界をギターで表現する真のアーティストだ。
それだけに三宅さんを撮るのは、いつもとても楽しい。
ただし、疲れる。
三宅さんが真剣勝負を挑んでくるからだ。
こっちは真っ向から受けて立とうとするが、すさまじいサウンドと気迫に圧倒されてしまう。
とにかく「今だ!」という瞬間を逃すまいと集中するのみだ。

コレは三宅さんのバンド、Strange, Beautiful and Loudのセカンド・アルバム『Orchestral Supreme』のジャケットの元ネタ。
撮影場所は東京キネマ倶楽部。
この日撮影した何枚かの写真の中から三宅さんが選んだのがこの写真。

1_img_9569

それが三宅さんの手にかかるとこうなる。
ありがたくも、いつも三宅さんからは私の撮る写真にお褒めの言葉を頂戴する。うれしい限りなのだが、まさか上を選んで下にするとは!
このセンスに座布団を何枚も差し上げたいと思うのはチト生意気か?

三宅さんがやっているような音楽が少しでも世の中に浸透することを願いつつ選出。

三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange, Beautiful & Loud

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3. クリス・デュアーテ『LIVE』のCDジャケット写真

コレはね、死ぬほど驚いた。そしてすぐに生き返るほどうれしかった。
大好きなベーシスト、オガンこと小笠原義弘が参加しているクリス・デュアーテ・グループの2枚組CD『LIVE』。
写真はオガンちゃんの依頼で目黒のBlues Alley Japanで撮影したもの。
オガンちゃんからは「ライブ録音してCDになるかも知れへん」…と聴いていた。
それからずいぶん経って、あるアメリカ人から突然メールが届いた。
送り主の名前にはMike Varneyとあった。
「まいくゔぁ~に~?マイク・ヴァ―二―ってあのシュラプネルの?」…それでピンと来た。
クリスがシュラプネル・レコ―ズ・アーティストだということを思い出したのだ。
マイクはイングヴェイ・マルムスティーンを発掘した人とされ、主宰するシュラプネルといえば、アータ、ポール・ギルバートやらリッチー・コッツェンやらジェイソン・ベッカーやらが所属していたレーベルだ。
メールを開けてみると、案の定、この「クリスのCDに私の写真を使いたい」という申し入れだった。
もちろん即断即決。
するとアッと言う間に契約書が送られて来て、私は喜々としてそれにサインをした。(あ、もちろん文面はキチっと読んでます)

私はプロ・ギタリストにななれなかったが、まさか写真でシュレッド・ギター・ミュージックの名門レーベルと契約するなんて思ってもみなかった。
オガンちゃんありがとう!
私はシュラプネル・アーティストなのだ!

それにしても!

1_30このCDの元の写真は実はコレ。
かなり手を入れてある。
もちろん契約で、そういうこともOKしているので何ら問題はない。
しかし、コレを選ぶかね?
あのね、他にいいのがない、ということは絶対にあり得ないんよ。この日は私もかなり好調で、いいのがザックザック撮れたのだから。
特にクリスやオガンちゃんのソロの写真は自分でもホレボレするものが多かった。
それなの内ジャケに使われているソロの写真も「なんでやね~ん?」状態。
ん~、外人との感覚の違いをいいように味わった一件だった。

Chris Duarteの詳しい情報はコチラ⇒Chris Duarte Group Fans
小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒DANCIN' FUNKY BASS!!!

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つづく