イギリス紀行 2015 その9~チョイと八っつぁんトコへ行ってくらぁ
数日前に訪れた時は雨模様だったので、リベンジ。
やっぱりココはいい天気で押さえておかないと…。
ウエストミンスター寺院の横のロータリーに立っているチャーチル像。
第二次世界大戦でイギリスをはじめとした連合国軍を勝利に導いた時のイギリスの宰相であることは誰しも知っているだろう。
フルネームはSir Winston Leonard Spencer-Churchill, KG, OM, CH, TD, PC, DL, FRS, Hon. RAという。
KGだのOMだのはもらった勲章や学位の略称。
ジム・マーシャルもDr. James Charles Marshall, OBEという。
ポール・マッカートニーはSir James Paul McCartney, MBE。
ジムはSirの称号は得られなかったが、MBE(Member of British Empire)よりOBE(Order of British Empire)の方が上のハズだ。
ちなみにポールのSirは一代限りで、世襲はできない。Andrew Lloyd WebberやElton JohnのSirも同じ。
税金をたくさん払うからご褒美としてそういう称号がもらえるのか、称号がもらえたから文句言わずに納税するのかは知らない。
この人の生家は300年前に立てられたブレナム宮殿というお城だ。ナント、世界遺産。
チョッ~ト、実家が「世界遺産」って一体どうなのよ!
チャーチルの戦時中の面白い逸話を知った。
今ココで書きたいけど、機会はMarshallの新商品が出る時に譲ることにする。
少しでもいいからイギリス発音を身に付けたくて買った2枚組のCD。
BBCの制作で、チャーチルの有名なスピーチが延々と収録されている。ま、すべてはわからないけど、わかるところは面白い。やっぱりすごい説得力だ。
Never give in!か…。私も負けないぞ!って何に?
日本の政治家の演説じゃチャンチャラおかしくてとてもこんなCD作れないわな。CDになるのはせいぜいあの号泣県議の記者会見ぐらいか?
ウィンストンと記念撮影。
実はココ、メッチャ交通量が多い道路に囲まれているスクエアで、出入りが案外面倒なので注意。
こんな感じ。
左がチャーチル、右がウエストミンスター寺院。突き当たりはテムズ川にかかるウエストミンスター橋。
ってんでそっちに歩を進めよう。
おなじみの光景ですな。
ビッグベンもかなりガタが来てるんだってね。
右は元ロンドン市庁舎で今は水族館になっている。
この右岸にネクタイで首を絞められた女性の死体が打ち上げられるところからヒッチコック後期の名作『フレンジー』が始まる。
ウエストミンスター橋の装飾。
ジックリ見て歩くと意外な発見が多いロンドンの建築物。
London Eye。
まだ朝だったからガラガラだったけど、日中はいつもモノスゴイ行列ができている。
料金は今のレートで4,000円程度。
一周だいたい30分ぐらいかな…。
それで4,000円が高いと思うか、安いと思うかは、アナタしだいだ。
テムズ河畔から離れてロイヤル・フェスティバル・ホールの横を入って向かったのは…
ここはかつてユーロスターの発着駅だった。今は駅舎が立派なセント・パンクラス駅に取って替わられちゃった。
電車の出発を示す電光掲示板。
どこの駅も共通だ。
コレすごくいいと思うんだけどな。
左から時系列にこれから出発する電車が提示されていて、一番上は終点の駅名。その下に停車駅がズラッと並ぶ。
でも日本の場合、ほとんどすべての電車が同じ駅に停まるので意味ないか?
これからハンプトン・コートへ向かうのだ。
前から一度行ってみたかったところ。
コレがその電車。プラレールみたいでしょ?
ウォータールーを出て10分も経つとココに停まる。
あのウィンブルドンね。
テニスにはナンの興味もないけど…。
でもここのフランチャイズ・チームがMarshallのミルトン・キーンズと合併してMK Donsになったのだから縁がないワケでもない。そうでもないか?
ウォータールーから約30分でハンプトンコート駅に到着。
ロンドンの中心から20kmほど南西のロケーション。
コレ駅のホームの売店。
サンドイッチやらカップケーキやらが置いてある。ノンビリしてるな~。
掲示板にが日本語の表示が…。
英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、そして日本語。中国語も韓国語も見当たらない。もうすぐ日本語の上に中国語が入って来るんだろうな。
駅舎はこんな感じ。ここはジェフ・ベックやエリック・クラプトンの地元サーリー州に属する。
イギリスの行政区分には「state」はなく、「county」となる。でも「county」も「州」という訳語を当てているようだ。
入り口に掲げられたタペストリー。
「Welcome to Hamptom Court, house of our most Sovereign Lord, King Henry VIII 」と知るされている。
「我々の最も権威ある君主、ヘンリー八世の家にようこそ」…ぐらいの意味かな?
ヘンリー八世が好きなんだよね、イギリスの人って。
この人ね。
我が家では「八っつぁん」の愛称で親しまれているヘンリー八世。
ヘンリー八世はMarshall Blogでリック・ウェイクマンを絡めて「ロック名所めぐり」で一本編もうと思っているのでココでは細かく触れない。
大英帝国史の中でも「暴君」として最も有名な元首。
日本の総理大臣同様、イギリスにはチャールズ二世とかジョージ一世とかヘンなのが山ほど王様やら女王様に君臨して来たが、現地の友人数人に八っつぁんのことを尋ねると、「悪」と知ってはいるものの「好き」みたいな返事が多い。
田中角栄的人気とでも言えばよいのだろうか?
ここにも大勢の小学生たちが見学に来ていた。
この学校はお坊ちゃん校な感じだナ。
この施設の見所のひとつ、夜な夜な激贅沢な宴が繰り広げられたという食堂。
「食堂」ッたって「焼き魚定食880円?高ェな~」とかいうのとはワケが違う。Banquet roomっていうヤツ。
天井ははるか高く、東京ドームは入らないにしても、ヘタすりゃO-EASTが丸々すっぽり入っちゃうようなデカさだ。
この天井の装飾にはヘンリー八世の二番目のお妃、アン・ブーリンの頭文字「AB」が所々に刻まれていたが、ご存知の通り、アンは処刑されてしまう。
その後、その「AB」の印をすべて削りとったのだが、ひとつだけ削り忘れたところがある。さて、どこでしょう?…ってわかんね~。見えないっつーの。こちとらもう老眼なんだから!
食堂に人が集まると、チョットした寸劇が始まる。
どうもこの人がヘンリー八世役らしい。
一応最初から最後まで成り行きを見ていたが、何かオチらしきものが一切ないんだよね。
見ている人全員の頭の上に「???」が出ていたのを私は見逃さなかった。
中庭もこの通りの美しさ。こんなの「家」じゃね~!
この宮殿は元々当時のヨークの大司教であったトマス・ウルジー(カンタベリーとヨークの大司教はメッチャ偉い)の持ち物だったのだが、ヘンリー八世が「いいな~、あの家…」とヤキモチを妬き出したので八っつぁんにプレゼントしちゃった。
または、ウルジーは自分の立場がヤバいと感じて、八っつぁんのゴキゲンを取るためにあげちゃったとか…。
どっちも同じか…。
しかし、さんざん悪政をひいておいてイイ気なもんだ。政治家のやることは今の日本と変わらんね。
相当手を入れているんだろうけど、マァ、どこもかしこも美しく豪華なことこの上ない!
子供たちはゼンゼン興味なさそうだったけど。
このコスプレの人は先生かな?それとも係の人かな?
ヘンリー八世の六人の妻なんでのは子供たちにどうやって説明するんだろう?
また、プロテスタントに起こりついても触れるのだろうか?
興味あるな~。
ここもスゴイ…ギャラリー。
今、美術作品を展示する設備を「ギャラリー」と呼んでいるが、この言葉は元々は「回廊」という意味だったらしい。
ヘンリー八世はこのバカデカかい回廊に美術品を飾り、天気が悪い日でもそれを眺めながら散歩ができるようにした。
それが転じて「ギャラリー」が美術品を展示する設備を意味するようになったとか…。
ヘンリー八世の五番目のお妃、キャサリン・ハワードは姦通の罪でアン・ブーリン同様処刑されたが、護衛に護送される直前、無実をヘンリーに訴えようとしてこの回廊を叫びながら走り回ったという。
だから当然、ここに夜な夜なキャサリンの幽霊が出ても仕方あるまい。
ちなみに三番目の王妃、ジェーン・シーモアの幽霊も有名なのだそうだ。
London Passの元を取らなければならない都合があってあまりユックリできなかったのが残念!
またジックリ見たいな~。
…と、外へ出るとさっきまで晴れていた空はどこへやら、スッカリ雨雲に覆われているではないの!