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2016年3月26日 (土)

イギリス紀行2015 その14~バラ・マーケットで足腰バラバラ

色々とマーケットに行ってみよう!…と下調べしたものの開催している日がスケジュールに合わずナンダカンダで結局前半に訪れたスピタルフィールズ・マーケットぐらいになっちゃった。
ポートベローなんかにも家内を連れて行ってあげたかったんだけど、次の週末にはロンドンにいない。そう、今晩ロンドンを発たなくてはならないのだ。
それじゃイカンということでとにかく「Borough Market(バラ・マーケット)」にだけは行ってみようということで、棒状の足を前後に動かした。

10バラ・マーケットはロンドン・ブリッジのそばにあるオーガニック食品のマーケット。
「バラ」ってヘンだよね?
この「borough」は行政区画の名称。サイモン&ガーファンクルの「スカボロー・フェア(Scarborough Fair)」なんかでおなじみのはず。
それなら「ボロー」だと思うんだけどね。
ところが!調べてみるとイギリス人はコレを「バラ」と発音するんだそうだ。今度Marshallの誰かで試してみよう。
こっちは「バラ」という発音になじみがないもんだから、知らないうちに「ボロ・マーケット、ボロ・マーケット」って言っちゃうんだよね。それじゃ古着のマーケットになっちゃう!

20ココはおもしろい。
ひとりでロンドンに来た時にはまず訪れない場所だ。
ま、クサいと言えばクサいし、汚いと言えば汚い。
でも、イギリス人の伝統的な食卓観を抑えようとする時には実に興味深いところだ。

30マァ、ありとあらゆる食材が取り揃えてある。
日本でもおなじみのヤツから見たことないヤツまで多種再々。

40チーズはスゴイね。チーズ屋さんが何軒もある。

50オリーブ屋さん。
どうすんだよ、コレ?

60パスティ屋。
イノシシとかすごいいろんな種類が用意されている。

70コレはパン屋。
ごっついパンがズラリ。

80魚屋。
昔は日本もみんなこうだった。なかなか新鮮そうだったよ。
そう、ロンドンの街を歩いていると、魚屋を見かけることがあるんだよね。

90もちろんブッチャー=肉屋もある。

100このマーケット、現在の形になったのは1756年というから今年で丸260年!
ところが…

105この市場は1014年からあったんだって。日本では平安時代。
それで2014年に1000周年記念を迎えたそうな。

170v

コレは干し肉屋っていうのかな?肉屋か?

110あ~、お腹空いてきた。
結局、この日もお昼を食べていないこと思い出した。
で、目に入ったのがコレ。
130

コンビーフ・サンド屋さん。
ん~、圧倒的にウマそうだ!店員さんもカワイ子ちゃんだし…ということで買ってみた。
この店員さん、写真ではムスっとしているけど、最後までムスっとしてた。メッチャ愛想悪し。
仕事をイヤイヤやるんじゃない!イヤなら辞めなさい!

120ジャ~ン!
コレコレコレコレコレ!

140厚めに切った食パンにコッテリとマスタードを塗って、そこにタップリのコンビーフとバカでかいピクルスを挟む実にシンプル。
コンビーフはかなり塩が利いているが、ウマい。
残念なのはね、パンを焼いてもらいたいんだよね~。向こうの人は何かを挟んで食べる時、たいていパンを焼かないんだよね~。
それとピクルスがデカすぎ。
マズくはないんだけど、私はピクルスがあまり好きではないのでほとんど家内に引き取って頂いた。
コレで£5.0だったかな?当時の為替レートだと1,100円ぐらい。
決して安くはないけど、お腹が空いていたので十分満足。

150おいしそうなアイスクリーム屋が目に止まったのでデザートがわりに頂いてみた。
食べてややビックリ。
味はバニラなんだけどミルクのテイストが濃くておいしい。でも、ほとんど甘くない!
コレが£2.5だったかな?550円ぐらい。
決して安くはないけど、生まれて初めてロンドンに来たとき、ハーゲンダッツのアイスクリームがひと玉600円ぐらいだったからね。値段では驚かない。
ロンドンの外食の値段で驚いていたら何も食べれない。東京は外食天国だよ。

160そとにもジャンク・フードを売っている店がズラリ。

180マーケットのすぐ隣には立派な聖堂。

190チョット視線をズラすと「ザ・シャード(The Shard)」という地上87階建てのEUで最も高いビルがそびえている。
チッ、バカが。こんなもん建てやがって…。
イギリスには歴史的な建物を保護する決まりが確立されていて、東京に比べればまだマシだけど、ロンドンも古い施設をジャンジャカ壊して近代的な設備に入れ替わってきちゃってる。
バタシーも大幅に改装しちゃうし、アールズ・コートのコンベンション・センターもなくなっちゃう。
モッタイない。
でも、東京と違って地震がまったくないロンドンゆえ、建築意匠が凝っていて、新しいビルもなかなか見ごたえがあるといえばある。
ちなみに生まれも育ちもエンゲレスのウチの社長は60年近く生きてきて、ただの一度も地震の経験がないそうだ。

200vこの辺りはスイーツ・コーナー。

210ブラウニーのようなゴテっとしたものが多いのだが、パイを扱っている店も多い。

215チーズケーキを買ってみる。
コレはそんなに高くなかった。
で、味が濃くて結構おいしかった。

216ウン、ココは確かにおもしろかった。
またロンドンに来たら訪れてみよう。

220コレはさっき見えていた聖堂。

230「サザーク大聖堂(Southark Cathedral)」という教会。

235古そうに見えるが、聖堂が落成したのが1905年だから110年。そう古くなない。
しかし、この場所自体はクリスチャンの集会所として1,000年以上の歴史を持っているそうだ。

236またココの牧師さんがやたらといい人で、チョコッと覗いてみようと足を踏み入れた途端、近くへ歩み寄って話しかけて来た。
「Japanese?  Chinese?」と尋ねてくる。
「We're Japanese」と答えるとその牧師さんはサッと踵を返して物販コーナーへ行って下のガイドブックを渡してくれた。
中には聖堂の概要を記した簡単な日本語のリーフレットが入っていた。
売りモノである。買えば1,000円以上はくだらない。
その牧師さんは、我々が首から下げていたLondon Passを見つけてプレゼントしてくれたのだ。
後で調べてみると、確かに「Passを見せればガイドブックがもらえる」とLondon Passのガイドブックに記してあった。

A_img_1982_2聖堂の中では中高生ぐらいの合唱隊が静謐な讃美歌の練習をしていた。
コレがまた美しい。
しばらくの間、聞き入ってしまった。
イケね!
実はココ、トイレを借りようと思って入ったんだ!
ところが外の廊下にあるトイレは施錠してあって入ることができなかったので、マーケットまで戻って用を足した。
歳を取るとトイレが近いだよ。
270
テムズ川の方へ歩を進めるとこんな船が飾ってあった。
この船はゴールデン・ハインド(Golden Hind)という1577年に建造されたガレオン船(16世紀半ば~18世紀ごろの帆船の一種)のレプリカ。
有料で内部も見学できるようになっている。
イギリス勢では初、マゼランに次いで史上2番目に世界一周を達成した船がゴールデン・ハインド郷だった。
コレでずいぶん悪いことしたんだよ、昔。
245

その向かいにはパブがあってもう大勢のサラリーマンがエールがなみなみと注がれたパイント・グラスを片手に語り合っている。
終業後、帰宅前のリラックス・タイム。
ココで1パイント飲んで、特別な機会でもない限り、もう家では飲まないのが普通なのだそうだ。
上司の悪口でも言ってんのかネェ?

240後ろを振り向くとこんな光景。
テムズ川の北岸、シティ方面のパノラマが広がる。
いいよナァ~、こんなところであのウマいエールを飲んでサ。
私だったら毎日寄っちゃうな。
下の写真の橋が「♪ロンドン橋落ちた」のロンドン・ブリッジ。もうひとつ下流にかかる橋がタワー・ブリッジ。

250反対側はサウザーク・ブリッジ。
端の向こうに見えるのが有名なセント・ポール寺院。『メリー・ポピンズ』の中の名シーン、「Feed the Birds」のところで出て来るアソコ。
今回家内を連れて行かれなかったのは心残りのひとつ。
私は何年か前までまであのてっぺんまで上ったけどモモがガクガクになった。

260河岸から少し中へ入るとこんな廃墟が…。
ロンドンの東の地区を歩いているとこういう遺跡によく出くわす。

280コレは12世紀に建てられた「ウィンチェスター宮殿(Winchester Palace)」の残骸。17世紀まで使われていたそうだ。

290vパブはどこもかしこもこんな光景だ。
ロンドンも車の交通量は生半可ではないのに東京じゃこんなの絶対できない。

300もうこのころになると、足は棒を通り越して、もはや取り外したいぐらいの重荷になってしまっている。
いつもこうなんだよね。
何しろ立っているのすらとてもツライ。
先に触れたように、今晩ロンドンを発たなければならない。
ところが餞別を頂戴した方へのお土産を買いそびれていて泣く泣くウエスト・エンドへ戻る。
かといって、何かお目当てがあるワケじゃなし…。
仕方ないので有名なデパート「リバティ(Liberty)」へ寄ってみる。

310ココはホントに立派なデパートだ。
つくりは木造で館内が五階まで吹き抜けになっている。日本橋の三越なんかはコレのマネをしているのかな?

320店内の装飾も実にオシャレ!

330ところが…。
置いてあるものの値段ときたら、正気の沙汰とは到底思えない。
何の変哲もないさくらんぼ柄のランチョンマットが一枚4,000円近く。それと同じ柄のこれまた何の変哲もないコースターを2組セットで買おうものなら10,000円を軽く越してしまう。東京だったら3,000円でオツリがくるようなアイテムだぜ!
それじゃバカバカしいってんで他のモノを探そうにも何でも高くて高くてまったく手が出ない。
為替レートのせいもあったけど、あまりにもヒドイので諦めてお店を出た。
釣果がなかったせいか足取りが余計に重い!
もう泣きたくなるぐらいシンドかったけど、アールズ・コートに時間通りに戻ってお迎えを待たなきゃ!
何とかホテルに戻ってしばらくしたら仲良しのディアンが迎えに来てくれた。
家内を紹介して荷物を積んで…イザMarshallのあるミルトン・キーンズへ移動なのだ!

340道々、ディアンにリバティのことを訊いてみたらひとこと「Crazy!」だって。
地元の普通の人は絶対に買い物をしないそうだ。リバティで買い物ができることをステイタスに感じるお金持ちと観光客だけが行くらしい。

激烈な交通渋滞を避けて夜の8時にアールズ・コートに迎えに来てもらって、ミルトン・キーンズのホテルについたのが9時半すぎ。
イギリスに来て初めてのホテルらしいホテル。
明日はMarshallの工場見学。
350つづく