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2016年6月10日 (金)

イギリス紀行2015 その18~イギリスの田舎町を探検しよう!

ナンダカンダで昨晩のパーティがお開きになったのは、午前一時を大分過ぎた頃だったであろうか?
それにしても向こうの人たちの体力には頭が下がる。
ま、ハナっから競うなんて気はない。ひたすら感心するのみだ。
日本人はホンモノのアルコール中毒にはなれないとか聞いたことがある。基本的に体力がないので中毒になる前に身体が壊れてしまうのだそうだ。
そこへ行くと西洋人は屈強な上に肝臓が丈夫、さらに活発なアルコール分解酵素を持っているために、すさまじい量のアルコールを摂取しないと中毒にならないし、一旦なってしまうと本当に酒で死ぬまで飲み続けることができるらしい。
ニコラス・ケイジの『リービング・ラスベガス』なんて映画があったけど、ビリー・ワイルダーの『失われた週末』とかブレイク・エドワーズの『酒とバラの日々』なんて、日本と異なり、アルコール中毒患者を主役にした映画が作られるのもそうした肉体的な背景があるのかもしれない。

05v前回書いた通り、この時泊まったホテルは17世紀の建物で、相当年季の入ったモノだ。
でもこうしてちゃんとWi-Fiが飛んでいる。もちろん無料。
有料としているところもあるが、イギリスはどこのホテルでもB&BでもWi-Fiが有効だ。
そこへ行くと、日本のインターネット環境の整備の遅れようはかなり顕著なものだ。

06vイギリスに行ってロンドンや有名な都市の名所旧跡を訪れるのもとても楽しいが、こうして田舎の小さな町をブラブラと見て歩くのも非常におもしろい。

20町並みを見て歩くのもよし、日本では見かけないものや、もう見ることのなくなったものなど、発見がたくさんあるのだ。
やっぱり足を使って見て回らないとダメだね。
ということで、朝食の前に家内と町をひと回りしてみた。

23イギリスってすぐに見て回れるものすごく小さな町がボコボコッと点在していて、それぞれに風情があっていいんだナァ。
でも、このNewport Pagnellという町は小さいながらも侮れないスゴイものがあるのだ。
それは後半で紹介する。

25コレは宝石屋さん。
ナゼこの写真を撮ったのかというと、Andrew Charlesという社員がMarshallにいるからなのだ。
Andrewに尋ねてみると、まったく関係はないそうだ。

30イングランドの典型的な天気?
朝早いうちはちょっと晴れているんだけど、昼ぐらいには曇ってしまう。
そのうちポツポツと雨が降りだして、夕方になるとカラッと晴れてくる。
今日もきっとそんな一日だろう。

35お、アソコの赤い建物に「ROCK」の文字が…。

40「Mortgage Broker」というのは「住宅ローン・ブローカー」という意味。すなわち、銀行より安い金利で住宅建設資金を融資する機関らしい。
サラ金とはチョット勝手が違うようだ。

50v_2「Mortgage」という単語は「抵当」という意味で、ココは、ま、中古の楽器屋さんですな。

70

見るからにチープな雰囲気が漂ってますな…。

60例に漏れずココも汚い。
西欧の人が東京に来ると必ず「きれい」というが、コレは「清潔」という意味。すなわち「clean」。
東京の街は決して「beautiful」ではない。

80_2ロンドンなんかも実に不潔なんだけど、街は飛び切り美しい。
すなわちロンドンは「clean」ではないけど「beautiful」だ。
ニューヨークなんてブロードウェイの歩道の真ん中に平気で巨大なウンコが落ちていたりするもんね。
イヌの飼い主が始末しないでどっかへ行っちゃうんだろうね。
ブロードウェイなんかどこも人通りが多いからね、全員が避けてなんか歩けない。ドンクサいヤツもいるだろうし…大勢の人に踏まれることによって清掃処理が進むワケだ。
ご存知の通り向こうは土足の文化だから、そのウンコを踏んづけた靴で自分の家の中に入っちゃう。
ま、家に着く頃には大分歩いているので、付着物はほとんど靴には残っていないだろう。
でも、コレ、日本人は絶対に許せないよね?
あなたできますか?
向こうの淑女は何千万もするミンクのコートを、用を足す時に平気でトイレの地面に置いちゃうっていうからね。

1_img_0937高い建物も一切なくて町並みがとてもいい感じ。
ネ、みんな建物をズラ~っとくっつけちゃうんだよ。

85ちょっとわかりにくいけど、写真の左の方向へ進むと家々はパタリと姿を消して、また次の町までのっぱらが続く。
かつてJim Marshallの家もその路上にあって、前を通りかかったが、デカい家だったナァ。
終の棲家ほどでもなかったけど、相当立派な物件だった。

86コレは「Picture This」という額縁屋さん。

90v「Bespoke Flaming」と看板にあるのは「額のオーダーメイド承ります」ということ。

100この日は「Bank Holiday」で町は一斉にお休み。
「Bank Holiday」というのは、その名の通り、日曜日以外に銀行が休業する日。
5月の第一&最終月曜日と8月の最終月曜日がそれに当たる。
18世紀、ジョン・ラボック卿という人が、銀行の人達はあまりにも働きすぎり、ということで強引に銀行が休む日を決めてしまったとか。
映画『メリー・ポピンズ』に「A British Bank」という「銀行はかくも厳格であるべし!」という曲があるが、銀行員のポジションというのは相当高いものだったんだろうね。
でも、おそらくその身分が高い分、「Nobless Oblidge」に基づいて市民の生活のためにハードに働いたのだろう。
イギリスの友人にBank Holidayのことを尋ねたことがあるが、「Banl Holidayは国民の働きすぎを防ぐためにあるのさ。だって、銀行が休業しちゃえば一般の企業は休まざるを得ないだろ?」って説明してくれた。
今では解釈が異なるようだ。

103黄色が可愛い「大砲」という名のパブ。
中はどうなってるんだろう?

105田舎はCADシステムがないためこうして電線が空中にむき出しになっている。
でも見た目は実にシンプル!

110それで思い出した!
チョッ~ト、コレ見て!
東京に来たたいていの外人は電線にタマげるけど、コレは私も驚いた。
こないだ四谷で見つけたんだけど、もはやチョットしたH.R.ギーガー状態?
コレ、業者の人、どういう仕組みかわかってるのかな~?
この辺りは小さい飲み屋がものすごくたくさん密集していて、恐らく配電のシステムがメチャクチャ複雑になっているんだと思う。
大地震が来たらこんなもんが高電圧を帯びてジャンジャン降ってくるワケでしょう?ホントにコワいし、こんなの復旧できないんじゃん?

1_img_2083_2 何気ないレンガづくりの建物…あ、これは四谷じゃないよ。

120_2こんな建物も保存対象になっている。

130コレなんかかなりスゴイ。

140コレはかたつむりの家。

150「かたつむり」に何の意味があるのかな?
ナンカめでたい意味合いがあるんだろうね。
古今亭志ん生の「なめくじ長屋」というのは有名だが、「かたつむり」はしらないねェ。

160黄色いドアがカッコいい!

170_2通りがかりのパブ。

180_2「The Bull」という名前。

190v_2「Sunday Roast」というのは、地主が農奴に一週間の働きをねぎらって、毎週日曜日に雄牛のローストを与えたことを起源とするイギリスの日曜日の伝統的な食事。
ロースト・ビーフ、ジャガイモ、ヨークシャー・プディング(シュークリームの皮みたいなヤツ)、ファルス(肉詰め)、野菜の付け合わせとグレイビーで構成される。
それで今の為替レートでだいたい1,100円ぐらい。さほど高くないのはここが田舎だからだろう。

210v

ちなみにロンドンの中心部のパブでは食事を出さないところばかりだ。
こうしたい中のパブはレストランを兼ねていて、しっかりした食事を提供している。
日本では見たこともないメニューが結構あって、ウサギを出すところもある。
このメニュー、全部ソーセージ。

200v_2ボッコンと佇む一軒。
何だろね?
気になるのは後ろの壁。

220_2こんなヤツ。

1_img_0974ASTON MARTIN…。

1_img_0975 そう、冒頭に「スゴイもがある」と書いたのは、ここNewport PagnellはASTON MARTINの本社があったところなのだ。
上の一軒家はかつての本社社屋。

230猛烈に車に疎い私でもASTON MARTINぐらいは知ってる。
もちろんジェイムズ・ボンドの愛車としてだ。

240_2イギリスの最高級車は、ビジネス向けはロールス・ロイス、スポーツカーはアストン・マーチンというの定番だとか。

250車に関してはなんの思い入れもなし。
記録として数枚掲載しておきます。

260_2

280_4

290

295vNewport Pagnellなんてまず来ないからね~…

300vコレで「あ、オレ、アストンの本社行ったことあるよ!」と威張れる。

310v_2ブラリブラリとさらに街を歩く。

320_2例の家のアダ名のプラーク。
「COBWEB」というのは「クモの巣」のこと。
なんでフクロウなのかなわからない。好きなのかな?

330イギリスは郵便発祥の地だからして、ポストにも歴史を感じる。すんごい色んなタイプがあるんだよね。

1_img_2431 ホテルの数軒先にあった映画関係の古本屋。

350vこういうものには際限なくそそられるね~。
370
チョット失礼して…。
左下にはロレンス姿のピーター・オトゥールのポートレイト!
ク~、中をジックリ見たかったな~!

360お菓子屋さんのショウ・ウインドウ。
「ルビー婚(40周年)」を祝うケーキ。
ウチは来年「真珠婚(30周年)」なんよ~。それを祝ってまたイギリスに行きたいけど、チョット無理か…。

380ホテルに帰着。

10 この日の朝食。
コレでfast(断食を)をbreak(破る)する。
このホテルはやや軽めのイングリッシュ・ブレックファストですな。
このトースト!
イギリスの食パンは麦の香りが強くてとてもおいしい。
三角に切った薄めの食パンをこのトースト・ホルダー(って言うのかな?)で供されるのがうれしい。
ちなみにイギリス人には日本人のようにトーストを厚く切って食べる習慣がない。
Marshallの社長が来日して同宿した時、朝食を一緒に摂ったのだが、彼は出された厚切りのトーストに驚き、そして大爆笑していた。

ところで、言っておくけど、そこらで売ってる日本のパンって異常だよ。
何故なら、カビないからだ。うす気味悪い。
オーストラリアに住んでいたウチのセガレも言っていた。
イギリスでもオーストラリアでも、パンというものはすぐにカビが生えるものだ。
ホントにアッという間にカビる。
日本の大手メーカーが売っているパンってカビないでしょ?
アレ、防錆剤を喰っているようなものだとか…。
絶対に食べないようにしてる。
何日も店頭においてあっても痛まない惣菜入りのパンなんて、何をか言わんやだ。
日本は政府と大手食品メーカーが結託しているもんだから、危険な食用薬品を規制しない。
「アミノ酸」とよんでいるヤツとかね。
自分で気をつけて変なモノをなるべく口にしないようにするよりしょうがない。
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昨晩はジョンとエリーが主役だったため遠慮していたのか、少し我々に慣れたせいか、大勢の人が「着物」に関する質問をしてきた。
「自分で着たのか?」とか「帯の仕組みはどうなっているのか?」とか「いろんな種類があるのか?」と興味津々!
ジョンのお姉さんのご主人はスウェーデンの人で、しきりに言っていた。
「着物にはなじみがあるんだ。ノーベル賞の授賞者の奥さんが式典で着ているからね。でもそれはテレビの話し。昨日はホンモノの着物が見ることができて感激したよ!なんて美しいんだ!」
やっぱり苦労して仕込んだ甲斐があった。

今日はイギリス最後の日。
この後、ジョンの家に寄って、しばらくしたらヒースローに向かい、夜の便で東京へ帰るのだ。

1_img_2461次回、最終回につづく!