イギリス紀行2019 その31 ~ マンチェスター vol.7:見逃せない大聖堂
今回は博物館の別館をご案内。
改装中なのか、2棟のうち1つは閉まっていた。こっちの展示はデカいものばっかり。
この辺りのアイテムはゼンゼンわからないので、今日はズラっと写真を並べるだけでご勘弁。
…とマァ、マンチェスターの「科学産業博物館」はこんな感じ。
タップリ3時間は拝見させてもらいました。
帰り際に「Souvenior Guide」を買った。
博物館や美術館の、「図録」っていうのかな?
要するに「ガイドブック」ね。
アレのことをイギリスでは「スーヴェニア・ガイド」っていうんだけど、最近は値段と内容が折り合うようであれば必ず買うのだ。
コレが記念に一番いい。後でブログを書く時に役立つし。
ココのスーヴェニア・ガイドは£4.0だったかな?
安いだけあってかなり薄手に作ってあるんだけど、大雑把で内容も薄いことこの上なし。
次に向かったのはコレ。
メッチャ天気悪し。
まだマンチェスターへ来てほとんど青空を見ていない。
それどころか雨がドンドン強くなって来てやがる。
寒いっつーんだよ!
「Manchester Cathedral(マンチェスター大聖堂)」です。
イギリス各地に行ってこういう施設がある場合は必ず訪れるようにしている。
「ナントカ大聖堂」の類ね。
もちろん入場料は取られないが、館内の写真を撮りたい場合は£1支払う。
寄付の意味合いね。
とてもいいシステムだ。
ココのリーフレットは厚紙で大きくて立派だ。
ココもナントまぁ美しいことよ!
建造が始まったのは1421年かららしい。大戦中にはドイツ軍の空襲でかなり大きなダメージを受けたため、ステンドグラスなどは新しいモノなのだそうだ。
戦後、何しろ復旧に20年を要したというんだから相当大きなダメージだったのだろう。マンチェスターは工業都市だからね、ドイツも徹底的に爆弾を落とした。
「古いモノではない」ということを知ると一気に取り扱いが軽くなる悪いクセ。
木製の天井が素晴らしい!
聖堂の天井が高い理由はご存知ね?
それもそのはず、2017年に新しくしたばかりなのだ。
製作は「Kenneth Tickel and Company」というノーザンプトンの会社。
かなりの老舗かと思いきや、ナント最初のオルガンをリリースしたのが1982年!
新米だ。
「Stoller Organ」と名付けられているのはNorman Stoller(ノーマン・ストーラー)という人の寄付によって据え付けられたから。
ストーラーさんは1934年生まれのビジネスマンにして慈善家で、MBE、OBE、CBEを拝し、2010年にナイトになっている。
「Norman Stoller Charitable Trust」という慈善団体を組織して、これまで色々な先に5千万ポンドを寄付しているっていうんだからスゴイ。
5千万ポンドって今の情けないポンドの為替レートで計算しても685億円だよ。
そういえばHikakinっていう人、コロナの医療支援として1億円を寄付したんだって?
私は世代が古いので、ユーチューバーなんて職業は全く容認できないけど、大したもんですよ。
もっとウンとホメてあげなきゃ!
そこへ行くと日本の大富豪や政治家の情けないことよ。
「ノブレスオブリージュ」の精神皆無。コレが操作室…イヤ、鍵盤。
このオルガンのお値段、250万ポンド…3億4千万円也。
案外安いな…そうでもないか!
ハンフリー・チェサムという、17世紀にやはり織物で大成功を収めた商人の像。
この人もタンマリと寄付をし、病院や図書館を創設したことでその名を残した。
すぐ脇には「Regiment Chapel(レジメント・チャペル)」という礼拝堂がある。
ココもすごい雰囲気だ。
よくお寺でこういう窓を見かけるでしょう?
コレは実際の日本のどこかのお寺の窓の写真。
こういうのは「火灯窓」とか「源氏窓」とかいうらしい。
上の部分が「火」の形を模しているのだそうだ。
だから「火窓」だ。
そして、教会やこうした聖堂のステンド・グラスの形ってこうなってるでしょ?
コレ「Fire Window」すなわち「火窓」って言うんだって。
今度は本堂(?)の反対側の脇。
ココは「Jesus Chapel」という礼拝堂。
カフェになってた。
外へ出て見ると相変わらず天気悪し!
すると、どこからか雄々しい歌声が…。
ハーフティンバーのステキな建物が並ぶ「Exchange Square(エクスチェンジ・スクエア)」。
パブがゴチョゴチョあるようだっただったが入らなかった。
次の目的地はココ。
「Chetam's Library(チェサム図書館)」だ。
「チェサム」というのは「マンチェスター大聖堂」のところで出て来たハンフリー・チェサムのこと。
「チェサムの寄付で作られた図書館」というのがまさにコレ。
イギリスで一番古い図書館。
1653年だって。
日本だといつぐらいかと言うと、4代将軍徳川家綱のころだからいい加減古い。
指定建造物の「最高に重要な建造物」の「Grade I」で「世界遺産」。
「イギリスで一番古い」だけでなく「英語圏の国で一番古い」とされているらしい。
じゃ、「世界で一番古い図書館」はどこか?
調べてみると、モロッコのフェズにある、現存する世界最古の大学である「カラウィーイーン大学」の図書館で、オープンが859年だって。
カラウィーイーンはアラビア語で「جامعة القرويين」、ベルベル語で「ⵜⵉⵎⵣⴳⵉⴷⴰ ⵏ ⵍⵇⴰⵕⴰⵡⵉⵢⵢⵉⵏ」だそうだ。
でも、これはパブリックではなくて、公に解放されたのは4年前のことだそうだ。
そこへ行くとチェサムは最初からパブリックだったから「世界最古の無料の公の図書館」ということではチェサム図書館が優勝するのかも知れない。
チェサムの病院や音楽学校も併設されている。
さっそく入ってみよう!
楽しみ~!
クソ!休みだったわ…。
ココ、平日しか入れないので要注意。
しばらく見ていたら楽器を抱えた子供たちが数人出たり入ったりしていた。
<つづく>
(2019年6月15日 イギリス マンチェスターにて撮影)