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2022年7月14日 (木)

sources~『一刀両断』&『つむぐ』リリース記念ライブ<前編>


2人のヴァイオリニストとピアニストのトリオ、sources。
曾我泰久(ヤッチン)のコンサートのサポート・メンバーとしてMarshall Blogには何度となくご登場頂いている。
今日はそのsources単体のコンサートの様子をレポートする。
2枚のアルバムのリリースを記念するライブ・ステージだ。
残念ながらMarshallのファミリー商品をお使い頂く機会がないので、私個人のブログ「Shige Blog」へのご登場をお願いした。05会場は今となっては「ヤッチンのホーム」とも言うべき「神田明神ホール」。
やっぱりココはいいね。
ナニがいいって…まず、家から近いのよ!10コンサートが開かれたのは6月だったので境内には茅の輪が設置してあった。
儀礼に則ってこの茅の輪をくぐり、その年の正月から6月までの半年の間に溜まった罪穢(つみけがれ)や疫病を祓う。
コレが「夏越の祓(なごしのはらえ)」。
そして、12月に執り行われる同様の行事を「年越の祓(としこしのはらえ)」と呼び、下半期分の疫病や罪穢を祓う。20拝殿の隣にいる神馬御幸号「あかりちゃん」の様子を見に行くと…残念!いなかった。
あかりちゃん、過去に脱走したこともあったらしく、この時もそうだったのかも?
何しろ神様がお乗りになる馬ですからね。大変なもんです。30_2 以前は気がつかなったのがこの御神酒「金婚」。
太古の昔から「酒」といえば灘か伏見。
そんな中にあって慶長元年(1596年)に操業を始めた東京の造り酒屋が「豊島屋本店」。
その酒屋のブランドが「金婚」。
スゴイのは、この「金婚」は明治神宮とこの神田明神に奉納される唯一の御神酒なのだ。
それだけじゃない、酒と味噌田楽を出して居酒屋のルーツを作ったのも、ひな祭りの白酒を広めたのも、そして鏡開きの儀式を広めたのも豊島屋らしい。
とにかく「金婚」は「祝い酒」として確固たる地位を築いているのだそうだ。
へへへ、先日必要に迫られてホンの少しだけ「灘の酒」について調べましてね、すごくオモシロかったのでこの日もこの酒樽が目についた…というワケ。
 
その時の記事はコチラ⇒【Marshall Blog】酒は白鶴、アンプはマーシャル!

40するとホラ、早速祝いごとが…。
ドラムメジャーとバンドの皆さんが出て来て整列した。50「♪ビエ~ン」と篳篥や竜笛の音が境内に鳴り響く。
70巫女さんたちがお出迎えして…
60参進が始まった。
80「参進」とは神職や巫女を先頭にして神殿まで歩いていく儀式。
「参進」なんて言葉、今調べて知りました。90ウチの両親もココで結婚式を挙げたんだけど、コレはやらなかったろうな。
60年以上前のことだからね。100無事、参進が終了して拝殿に入って行った新婚さんご一行。
おめでとうございました。110開演時間が近づいてきたのでホールに戻ろう。150もう神田明神ホールは勝手知ったるところ。160ロビーにはにぎやかに祝い花が飾られていた。170物販のコーナーでは今回リリースされたCDがズラリ。0r4a0002 ひと際目に付くのがこのアクリル・スタンド。
今、こういうの流行っているのかしらん?180コレがリリースされたアルバム『一刀両断』と『つむぐ』。190開演時間になり、客電が落ちると舞台のスクリーンにはヴァイオリンの弓とfホールをあしらった「sources」のロゴ・マークが投影される。
いよいよスタートだ!…と言いたいところだけど、チョットその前に…210以前、sourcesは以前Marshall Blogに「sources」としてご登場頂いたことがあったのを思い出した。
時は2011年5月。
山下達郎さんの音楽を40年以上にわたってベースでサポートし続けている、伊藤広規さんがその2か月前に発生した「東日本大震災」支援のために企画したチャリティコンサートにsourcesが出演したのだ。
まだこの頃は青山純さんも南沢KAZさんもお元気で、とても楽しいコンサートだった。
会場は仙川の「Kick Back Cafe」。
220vsourcesはトップで登場。
この頃のsourcesはヴァイオリン×2、チェロ、ピアノ、パーカッションというクインテットだった。23011年前の今のsourcesの3人。240vやっぱり若いな。250v11年後にsourcesとライブの写真撮影のご依頼を頂く関係になろうだなんてこの時は夢にも思わなかった。260v残念ながらこのブログはもう見ることができない。
で、私のところで補完している記事のデータを見ると…
「こんな楽器編成なので、メローで美しい曲ばかりかと思いきや、テクニカルでトリッキーな曲を交えて会場を沸かし、トップバッターの役目をしっかりと果たしてくれた!
なんて記事に書いてある…自分で書いたんだけど。
懐かしいナァ。
270そして、時は今!280颯爽とステージに姿を現したsoueces!
オープニング曲は『一刀両断』のクローサー「Restart!」。290加賀谷綾太郎300v日高隼人310v野津永恒320vスリリング、かつエキサイティングな幕開け!Img_0008 続けて演奏したのはグッと落として「百花繚乱」。
『つむぐ』のオープナー。320_100'のっつ'の美しいピアノに乗って…330v綾太郎くんのヴァイオリンが物悲しく歌う。
0r4a0129そして隼人くんのヴァイオリンが加わって芳醇なアンサンブルとなる。0r4a0198 もう1曲続けたのは「一刀両断」。
もちろんニューアルバムのタイトル・ナンバー。
このバンドはずいぶん気前がいいナァ。
平気でキラー・チューンをドンドン繰り出しちゃう!
340_ir「ハッ!」の掛け声とともに繰り広げられるサウンド・スペクタクル!345熱気にあふれた3人の音楽魂がいいように伝わってくる。S41a0073 アクションもキマったゼ!370ココで綾太郎くんと'のっつ'のMC。
「皆さん、本当にありがとうございます!こんばんは!」
「こんばんは~!リリース記念ライブということで、ホールライブはコロナウィルスが流行する前でしたからちょうど3年ぶり…。
2019年の6月の1日に演って以来なんでほぼ3年ぶりですね」
390「ですので、今日はいい緊張感のもと、皆さんに音楽をお届けできるのではないかと思っています。
最後まで是非、楽しんでいってください。
さて、まずは3曲お届けしました。
次は皆さまに手拍子で参加して頂きたいと思っています。
『Fiddler and buddies』という曲…『ヴァイオリン弾きと仲間たち』みたいな意味ですね。
その場でヴァイオリン弾きとみんなが楽しんでるよ~、みたいなイメージの曲。
それと他に2曲続けてお届けします」
380v『つむぐ』収録の「Fiddler and buddies」。
こういうのは実にいい。
こうしたヨーロッパの土着的な音楽を奏でられるのはヴァイオリンという楽器の大きな魅力であり、強みでもある。
sourcesには、クレツマーから、ロマーヌから、ジグから、もう何でもチャレンジして頂きたい。410_f_bこの曲で'のっつ'は鍵盤ハーモニカを披露。
コレが大変いい味を出してくれるのだ。420ところで「fiddler」という言葉を聞いて必ず思い浮かべることが2つ。
ひとつはクンタ・キンテの「ルーツ」。
もうひとつは『屋根の上のヴァイオリン弾き』ね。
となると、「Sunrise, Sunset」だと思うでしょう?
さにあらず…「Matchmaker, Matchmaker」という曲が大好きなのです。For 続けてメッチャさわやかに「アオハルデイズ」。
「青春の日々」か…?
いい曲!Img_0008_2 ピチカートの響きが「さわやか」さを強調するんだよナァ。460この曲は『つむぐ』収録。
いいね~、ジャンジャンと新しいアルバムから演っちゃって!
ネタが豊富ってのは素晴らしい!470続けて「水平線の彼方へ」。480v_shkこの曲では鍵盤ハーモニカの'のっつ'を大フィーチュア。490コレも民族的な3拍子のリズムに乗って独特の世界を作り上げることに成功している。500v「ありがとうございます!
ボクらは歌詞がないインストゥルメンタルのグループなんですが、毎回どうでもいい話しをするコーナーを設けています。
それをココで…。
近況報告っていうヤツですね。
'のっつ'は最近どうですか?」
510「先日ですね、事務所の先輩の曾我泰久さんのトークライブのゲスト出演させて頂きました。
その際、トークのお題が出されたんですよ。
『最近気になること』を川柳にして発表してください…という趣があるお題でした。
川柳なんて今まで考えたことなかったんです。
で、ボクが今気になることっていうのが、“毎朝の目覚まし代わりに背を痛む”って。
最近、背中が痛くて目覚ましのアラームが鳴る前の6時とか7時に痛くて目が覚めちゃう。
新しい家に引っ越して数年経つんですが、引っ越した際にベッドを変えたんです。
お店で実際に試してみて『あ~、コレいいなぁ』ってヤツを選んだんですが、マットが悪いのかも知れません…腰が痛くなっちゃう。
整体に行ってみると、起立筋とかいうのがヤラれていて背中が弱くなっているらしんです。
曾我さんを始め色々な方からアドバイスを頂戴したんですが、マットを変えるより枕を変えてみたらどうですか?って意見があったんです。
それで枕を変えたところ…なんか治ったんですよ!
ところが今度は首が痛い!」
まぁ、ピアニストの方は仕事柄座って下を向いている時間が長いので、腰、背中、首に大きな負担がかかってしまうことは避けられないよね。
お大事になさってください。520v「ヴァイオリンをやっていらっしゃる方や音大生の皆さんはよくご存じだと思うんですが、『サラサーテ』というヴァイオリン関連の雑誌についにボクらも載ることができました!
しかも、表紙と6ページの記事です。8月号です!」
おめでとうございます!
私がこの日に撮影した写真もご採用頂きました。
誠にありがとうございます。
530vコレがその『サラサーテ(せきれい社刊)』の8月号。
私が以前勤めていた会社では輸入のヴァイオリンとか弓を取り扱っていて、前の席のオジさんがそれらの商品を担当していた。
カーボン製の弓かなんかの広告を出していたのか、そのオジさんがしょっちゅう『サラサーテ』と口にしていたのでこの雑誌は大変馴染みがある。
はじめ雑誌の名前を聞いて日本人に対する「ツィゴイネルワイゼン」の影響力って甚大なんだナァと恐れ入った次第。
作曲者のパブロ・デ・サラサーテはヴァイオリニストとしてもスゴイ人だったらしいけど、こと作品に関してはどうあがいても「ツィゴイネルワイゼン」しか思い浮かばないもん。
クラシック界の「One-hit Wonder」なんて言ったら怒られるか…。
200v_bMCの間、こうして2人の愛器が博物館の展示品よろしく高いところに収められているのがすごく新鮮だった。
お、「ヴァイオリンの展示」といえば、ストラディバリウスやらアマティやらが登場するこんな記事を書いたこともあるんですよ。
ロンドンの「王立音楽院」の楽器博物館のレポート。
   ↓    ↓    ↓
【イギリス-ロック名所めぐり】vol.21~マリルボン周辺

400最後に綾太郎くん。
「ボクは、つい1週間くらい前なんだけど一眼レフカメラに触ってみたんですよ。
いっぱい撮ってるの…どこにでも持って来てるカメラ小僧。
今、カメラって携帯の画質も良くて、いつでもパっと撮れるでしょ?
この手間のかからない便利感が自分の中でオモシロくなかったんですよ。
いつでも撮れるし、いつでも見れるんなら今じゃなくていいや…って。
ところが、チャンとしたカメラで撮るって、まずカメラを探してさ、電源を入れるじゃん?
で、自分でピントを合わせて撮るというこの手間を自分の意志でやるワケで、自分の中で『ナンカすごい!』って思ったんですよ。
で、コレから先、ポートレイトみたいなことをやりたいんですよね。
こうやってポーズとって…」0r4a0122…と、早速sourcesのポートレイト撮影会!
隼人くんと…
540'のっつ'を激写したのであった!
 
sourcesの詳しい情報はコチラ⇒sources offcial site550<後編>につづく

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ヤッチンのライブ・レポートが掲載されているお兄さんはコチラ⇒Marshall Blog

  
(一部敬称略 2022年6月11日 神田明神ホールにて撮影)