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2013年7月23日 (火)

「様式美」でいこう!

 2012年9月7日初出

「様式美」…いい表現だ。

いつから「様式美」というロックのジャンルが定着したのかは浅学にして知り得ないが、こうして日本語で、しかも漢字で表現できる音楽ジャンルがある…ということがうれしい。

だって日本人って「英語崇拝主義」よろしく何でも英語化しちゃうじゃん?そのくせ英語表現を好む割には英語が苦手だったりする人が多かったりするでしょ?

前にもどこかに書いたかもしれないが、不思議なのは携帯電話が「ケータイ」という日本語名で定着していること。アレどうして英語で呼ばなかったのかな?最近は「モバイル・フォン」とか英語で呼んでいるけど、以前は「セルラー・フォン」って言ってたでしょ?「セルホ」、「モバホ」…両方ムリなく略せるし…。それなのに、スマート・フォンが出てきた途端、こっちは「スマホ」って呼んでるじゃない?どうして「リコー」にならないんだろうナァ。日本人独特のリズム感によるところなんでしょうな。

私だってやっぱり英語の表記がカッコいいと思うことが多々ある。でも、日本語で表記できるものは日本語を使った方がいいと思うし、何でもかんでも英語表記するのはキチンと英語の勉強をしてからの方がいいと思うんだよね。(でもどうしても英語単語を使った方がラクな時があるの。「クリエイト」とか「インスパイア」とかね)

せめて着ているTシャツにプリントしてある文言の意味ぐらいは知っておいた方がいい。

それと、日本分なのに外来語、もしくは海外の固有名詞の部分だけアルファベットにしてある文ってよく見かけるじゃない?あれも何だかナァ。日本語を話しているのにところどころ、キマって短い単語だけ本格的な英語になっちゃう帰国子女のコントがあるでしょ。アレみたい。(ああいうネタは大好きです)

シゲブログでもアルバムの紹介や『イギリス紀行』などでは英単語を交えることがあるけど、アレは固有名詞だけ。「原題」とか「原名」を尊重してのことで、ある部分だけEnglishでexpressすることはnothingなのdeath!

でもね、ドイツ人の友達にきいたけど、彼らもそうなんだって。ドイツ語表記より英語表記の方がカッコいいと思われているんだそうです。同じアルファベットなのにね!

日本語も英語も様式にこだわるところが美しいのだ!ってんで、今日のレポートは『Jill岡垣☆様式美大作戦』。

まずタイトルがいい!

出演は岡垣正志率いるJill's Project-EXとAphrodite。もうこの手のサウンドが好きな人にはタマらないであろうライブだった。

Jill's Project-Exの岡垣正志。やっぱり「様式美サウンド」にはキーボードが絶対に欠かせない!ロックにおける鍵盤楽器の使われ方としてもっとも重要で、もっともカッコいいsituation、あ、シチュエーションだと思う。ホントにこうしたキーボードが入っているバンドって少なくなった。

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ギターは足立"You"祐二と、

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日下部"Burny"正則。
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アンコールのみに登場したのが…

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KRUBERABLINKA(クルベラブリンカ)赤尾和重に…
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Strange, Beautiful and Loudの三宅庸介
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そうバーニーを除いてはみな岡垣さんのTerra Rosaに関わった方々だ。

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バーニーといえばレス・ポール。でも335もいいもんだ。ビグズビー付きというところがまた泣かせるね!実はこの日、バーニーが出るのを知らなくてビックリしちゃったんだけどね…。でも久しぶりに会えてうれしかった!
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相変わらずのド迫力ヴォイス!和重さん最高!

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三宅サウンドもいいように大炸裂!スンゲェ音の存在感!
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うちわ片手に爆笑MCを展開する和重さん。エエなぁ~。死ぬほどわろたわ~!

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短い時間ではあったが、コッテリ系の様式美サウンドは観る者の心をわしづかみにした!

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そして!来る10月13日、そんな仲間が集う狂熱の様式美の宴がまたも開催される!題して…

『クルベラブリンカと究極の楽師達@東京キネマ倶楽部はちょっぴりテラローザです』

クルベラブリンカ率いる和重さんの呼びかけで、この愛すべきサウンドを様式美あふれる会場でゲップが出るほど堪能しようと言う企画なのだ!
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出演は…ジム・マーシャルに次いでシゲブログのオープニングを飾ってくれた、アタシの大好きなクルベラブリンカ…赤尾和重(vo)、 鈴木広美(g)、 山崎浩一(b)、 泉谷賢(ds)、 岡田英之(key)。
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スペシャル・ゲストとして、Love Missile…足立祐二(g)、 瀧田イサム(b)、 山崎  慶(ds)。

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YOUさん、またマーシャル弾いてくれるといいネェ。他では聴くことのできない独特のサウンドがカイカンなのよ!

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さらに、これまた大好きなYosuke Miyake’s Strange,Beautiful and Loud…三宅庸介(stratocaster)、山本征史(b)、金光健司(ds)。
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「完成されたスタイル」という魅力を猛烈に教えてくれる三宅さんのギター。
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「ワン・アンド・オンリー」という言葉が実にシックリくるね。
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さらにさらに、岡垣さんも出演してくれるのだ!

そしてTerra Rosaの曲も演奏される!

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時は10月13日。会場は東京キネマ倶楽部。この凄まじくも素敵な連中が日本一様式美を誇る会場に解き放たれるのだ!ク~、タマランね~!
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これは見逃せないでしょう!

「様式美」と言葉でいうのは簡単なんだけど、実際にこの手の音楽を演奏することは決してたやすいことではない。過酷な鍛錬に耐え抜いた屈強な精神の持ち主だけが習得できる器楽演奏の技術をぶつけ合うのがこの手の音楽なのだ。「選ばれし者たちが奏でる音楽」といっていいかもしれない。そういうところがス・キ!
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チケットのお求めはコチラ⇒東京キネマ倶楽部メール受付
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(一部継承略 ライブ写真:2012年8月4日 目黒Live Stationにて撮影)

2013年6月19日 (水)

ヴィンテージ・エフェクターを引き倒せ!

2012年10月10日 初出

『ヴィンテージ・エフェクターを引き倒す!』というYOUNG GUITARの別冊がシンコー・ミュージックより上梓された。

今や洋の東西を問わず、エフェクター花盛り。目玉が飛び出しそうな高価なブティック・エフェクターから、オイオイ大丈夫なのかよ?と心配したくなるようなリーズナブルなものまでその幅はピンキリもいいとこですな。

昔はね、「エフェクターなんかに頼っちゃイケねぇ~」なんて『用心棒』の東野英治郎みないに厳しく言っていた人もいたもんですけどね。

一方では、とにかく足元にたくさん並べたくてサ…。

フランク・マリノが来日して後楽園ホールに出た時ななんか、開演前、ステージ前に黒山の人だかりになってたっけ。何しろ全長2メートルは優にあろうかという「エフェクターのプラットホームや~!」状態。ギター・キッズがみんな「スゲーな、スゲーな」とヨダレを垂らしながら観察していた…うちのひとりが、ま、私なんですけどね。この「ギター・キッズ」なんて言葉も死語だな。ギター・ソロがなくなった時に同時に消滅したんだろう。

考えてみると、エフェクターについて過去に何か書いたことはあったかな?マーシャル・ブログの時もなかったし、今回が初めてかもしれない。

ずいぶん買いましたよ、私も…。歪み系は言うに及ばす、コンプレッサー、フェイザー、コーラス、フランジャー、ワウワウ、オート・ワウ、ボリューム・ペダル、ディレイ、エコー・チェンバー、マルチ・エフェクター数種…。

あの頃はエフェクター・ボードだのケースだのなんてまったく売ってなくて、ボードはみんな自作だった。エフェクター用の短いケーブルなんてものもなかった。私は秋葉原でケーブルとプラグを買って自分で短いケーブルを作って、父からもらったコンパネの歯切れにアロンアルファでエフェクターを貼りつけて作った。

もう載せるエフェクターもなくなっちゃったんでボードは捨てちゃったけど…、アレ、どこへしまったっけナァ~。

(15分経過)

あった、あった、コレコレ!ボードにする前はプロの真似をして、カメラ屋さんに行ってジュラルミンのケースを買って、そこへエフェクターを出しちゃ入れ、入れちゃ出したりして悦に浸っていた。それがコレね。ギターを肩から提げて、このケースを自転車の荷台に乗せて街を跋扈したものですよ。かれこれ買ってから軽く30年以上は経つナァ。

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昔はここに色とりどりのエフェクターがビッシリ詰まっていたんだけど、ギターやアンプを買い直すために手放したりしているうち、こんだけになっちゃった。裏返しになっちゃってるけど、MXRのDistortion+なんて買った日にゃ大人になった気がしたもんですよ。
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そう!エフェクターは男のロマンなのだ。最終的に自分が求める音が出さえすれば使おうが使うまいが、ンなことは関係ない。エフェクターは何物にも代えがたい「男の趣味」なのだ!

時折考えるんだけど、趣味なんてものは大半が道具を集めるパートが楽しいもんでしてね…釣りもギターも楽しみ方は大して変わらん。

釣り竿がギター(サオだけに)、で、リールがアンプ。そして、エフェクターは仕掛けかな?なんて思ったりして…。(スミマセン、あたかも釣りが好きなような印象があるかもしれませんが、私マッタクやりません)

で、たいていどこの世界にもいるのが道具オタクね。やたらリールに詳しいのに磯釣りに行ったことがないヤツみたいな…。ヘタすると音楽をロクに聴かないクセに機材だけにはやたら詳しいヤツなんかもいたりするもんね。でもいいんです。「男の趣味」だから!

さて、この『ヴィンテージ・エフェクターを引き倒す!』をナゼここで紹介するのかというと、表紙を含め、写真という写真、すべてワタクシメが撮らせていただいたのです。

で、写真を撮るとなると当然実物を触るでしょ?それでどうにもギター始めたころがすっかり懐かしくなってしまいましてね…。一筆取らせていただいたワケ。ああ、私自身もすっかりヴィンテージなんだナァ~。

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ズラリと並んだ44種類の懐かしのエフェクターたち。詳細な解説だけでなく、付属CDで実物の音が聴けちゃうのですね。これは便利!ちょっといくつか見てみましょうか?

このOD1、高校の時、友達から安く買ったっけナァ~。後年、これを手放した時、エラク高くうれたんでビックリした。これと1959+1960AXを組み合わせてライブハウスに出てたの。自分が持っていたのはどういう世代のものかは知らないけど、この組み合わせで出て来るマーシャルの音が快感で大好きだった。将来マーシャルの仕事するのがわかってたら売らなかったんだけどナ…失敗した。

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生まれて初めて買ったエレキ・ギターと一緒に入手したのがこのグヤトーンのサスティナー。懐かしいな~。中2の時、ビートルズが好きで、いとこのマネをしてギターを始めた。そのいとこがこれを持っていたのでマネッコしたのね。「歪み」だの「ディストーション」だのなんていう言葉すら知らなかった。「なんかやたらジーっていってんな~」程度の認識だったからね。それにしてもこのデザイン…今にして思うとスゲエな。中国のこと言えんわ。

しかしですよ、歪み系のエフェクターってイッタイどれくらいの種類が存在したのであろうか?または、古今東西、発表されたエフェクター全体のうち、歪み系エフェクターが占める割合ってどれくらいかね?60%ぐらい?イヤ、80%ぐらいいってんのかな?もっとか?知りたいナ…。

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これはスキだったナァ~。今ではあって当然のエフェクターだけど、当時「コーラス」なんてもの自体珍しかった。「え?これ使うと12弦ギターになるの?」なんてマジで思ってたからね。

とにかくこれを使った小川銀次さんの音がすさまじくてさ…。当時、銀次さんはRCサクセションをやっていて、渋谷の屋根裏で清志郎さんの横でトコトン弾きまくる銀次さんが猛烈にカッコよくてあこがれた。

PANTA & HALの平井光一さんがこれをものすごく上手に使っていてアレにも相当あこがれましたね。

もうこの歳になると欲望もスッカリ萎えてしまって、撮影中も「ちょっとコレ試させて!」なんて見事にしなかった。ただただ懐かしかったナ…。この本に出ているエフェクターのほとんどは、当時、秋葉原の「○○無線」や大きな楽器屋さんに行けばゴロゴロしていた。しかもしょっちゅう楽器屋さんに行って、ヨダレを垂らしながらウインドウの中のこれらを眺めていたので、何やらこれらに対するレア感とかヴィンテージ感がものすごく希薄なんだよね、おなじみすぎる部分があるのですよ。

このあたりのエフェクターを森さんあたりに解説してもらうとさらに面白かったかもしれない。森園さんなら恐らくこれらが現役だった頃すべて試しているに違いないから…。

とにかく好きな人にはたまらない一冊のハズ…写真もいいし!是非みなさん書店でチェックしてみてください!
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『ヴィンテージ・エフェクターを引き倒す!』の詳しい情報はコチラ⇒シンコーミュージック公式ウェブサイト

それにしても今楽器屋さんに行くと、エフェクターの品ぞろえはホントすさまじいものがある。海外の人はみんなビックリするもんね。ヘタするとロンドンのデンマーク・ストリートの全店のエフェクターをかき集めても、東京の大型楽器店一店に展示してるエフェクターの数には及ばないのではないの?それだけ氾濫していると、失敬ながら当然、玉石混交であることは否めないでしょう。そして、どんどん淘汰も進み、本当に良いものだけが残って行くに違いない。

なので、皆さん、臍を噛む思いをしないように気になるアイテムは欲しい時にゲットすべきでっせ~!将来どう化けるかわかりまへんよ~!

2013年5月 3日 (金)

♪ シゲブログ、はじめました~

2012年4月17日

3年と9か月にわたり多くの皆さまに可愛がっていただいたマーシャル・ブログを脱稿して3か月と半月…もう書きたくて、書きたくて…。

毎日記事を書き連ねるのも、そりゃ死ぬほど大変でしたが、書けない方の苦しみの方が断然大きかったのです!知らない間に身体の一部になっていたんですね~。

加えて皆さまからのご支援!これはもう筆舌し難いほどのよろこびでした。相変わらずライブ会場をカメラ片手(最近は両手!)にウロチョロしている私ですが、その姿を見かけて声をかけてくださる方が多数いらっしゃいました。

「どうして止めちゃったですか?! もう復活しないんですか?!」

「またブログ始めてください!楽しみにしています!」

知り合いは言うに及ばず、お顔をまったく存知上げない方からも温かきお言葉をたくさん頂戴しました。

加えて、これまた多数のミュージシャンや音楽業界の方々からの応援も!

「またブログやってよ!いくらでも協力するよ!」

「やっぱり、アレがないとつまんないよ!」

こんなに皆さまから愛されていたなんて!

とうとう決心しました。

で、♪ シゲブログ、はじめました~

毎日の更新はかないませんが、いい音楽をご紹介するために、いいバンドをご紹介するために、色々な音楽や楽器にまつわる話題を以前のように写真テンコ盛りでお送りしていきたいと思います。

しばらくの間はお休みを頂戴していた間にホールドしていたライブやイベントのレポートを中心にお送りしたいと思います。

マーシャル・ブログの時と同様、皆さま方の末永いご厚情を賜り度く何卒よろしくお願い申し上げます。

記念すべきオープニングの写真は私の執務室を掲載させていただきました!

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