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2013年5月 3日 (金)

TAIKO GATHERING vol.1 春~GOCOOの世界

2012年5月14日初出

Tiko gathering vol.1 Spring~The world accordimg to GOCOO

『オーケストラ・リハーサル(Prova d'orchestra)』というフェデリコ・フェリーニの1979年の作品がある。深夜のテレビで放映されたのを、たった一度眼をこすりながら観ただけなので細かい部分は一切覚えていない。元来、フェリーニだとか、ゴダールだとか、ワイダとか、評論家先生方が絶賛するこのあたりのヨーロッパ映画ってサッパリわからないのですよ。フェリーニも『甘い生活』だの、『8 1/2』だの、『アマルコルド』だの、『ジンジャーとフレッド』だのと、チョコチョコ観てはいるものの、どーもワカラン!

やっぱ映画はハリウッドよ!黒澤よ!…これが私の映画道なのです。歳をとってきているのでコムズカシイのはもう一切ダメね。子供の頃、お年寄りが時代劇ばかり観ているのを「一体ナニがおもしろいのやら?」と不思議に思ってたけど、いよいよ来たぜ!その良さがわかる歳が!

で、フェリーニは結局、小学生の時に観た『道』ぐらいしか印象に残っていなかった。ジュリエッタ・マシーナ演じるジェルソミーナが切なくて…子供ながらに「ずいぶんイヤな映画だ…」と思ったものだ。対するザンパノを演じるアンソニー・クイン。好きだな~。これも一度しか観たことがなくて、是非また観たいと思っている彼の主演作品で『25時』というのがあった。戦争に翻弄されるユダヤ人の話しで、とても切ない映画だった。『アラビアのロレンス』のハウェイタット族の首長もよかったし、『炎の人』のゴーギャン役もスゴかった。あ~また昔の映画観たくなってきたな…。

もうひとつ印象に残っているフェリーニ作品が『オーケストラ・リハーサル』というワケ。この映画の中でオーケストラの各パートの担当者が自分の楽器について色々とインタビューを受ける。ま、自分とは感覚の相違があれど、「こういう性格だからこういう楽器をやっている」というのが浮き彫りになってくるところがおもしろかった。

N響の方の主席オーボエ奏者の茂木大輔さんに『オーケストラ楽器別人間学』という著書もある。やっぱ音楽にたずさわる人はみんな興味のあるとこなのだろう。

さて、自分はどうか?

やっぱり、ギターなんだよね~。最近はもうすっかりイジる時間も少なくなってしまったけど、やっぱりギターが好き。正確にいうとギターを使った音楽が好きなのかも知れない。間口を広げてもせいぜい弦楽器。絶対打楽器人間じゃないと思う。

こういうのは、好みの音楽や家庭での環境など、かなり早い段階での刷り込みが影響しているんだと思うけど、楽器が違えばそれぞれが滅多に相容れようとしないし、奏でる人の性格も似通っているからスゴイ!生まれた時から「楽器をやるならこの楽器」って運命づけられているような気がする。

管楽器ばっかり好きな人もいれば、ベースのことしか頭にない人もいるもんね。

そして、今日は和太鼓の話題(コ。ここシャレになってます)。生まれながらにして和太鼓を叩くことが決められていた方々のライブのレポート!

弦楽器族の人間が打楽器族を撮影するとどうなるか?そこんところも含めてご覧あれ!

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この日は『TAIKOギャザリング vol.1 春』というタイトルのイベント。下谷さんのお祭りが昨日で終わって、今週末は三社さん。それに大分先駆けて開かれたのこのお祭り!

「♪何もすることがなくて、おろしたてのバラ色のシャツきて…」…おまつりっていいよね!

でもこちらは4人どころじゃなくてお客さんもゴッチャにまみれての太鼓の大宴会!楽しいよ~!

主宰は世界で活躍する和太鼓バンド、GOCOO(ゴクー)。そのGOCOOがプロデュース和太鼓グループTAWOO(タヲ)の演奏や、東京キネマ倶楽部で催された和太鼓のワークショップの第1回目の発表会も併演された。

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ワークショップの発表会。

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1か月程度のワークショップでアンサンブルに参加できるようになる。新しい趣味を見つけた人、ストレスを発散している人、エクササイズしてる人、そして和太鼓の魅力にとりつかれた人、みんな楽しそうだ!

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TAWOOの演奏。

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アタシだってね、パラディドルやフラマキューぐらいは知ってますけどね、このスティック…バチか…で延々と叩き続けるなってとてもできゃしませんね。すごいエネルギーだ!

TAWOOのメンバー、kaori。

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Keiko。

このポーズ!自分がやった時のカッコ悪さを想像するとタマランわ~。

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Akiko。

そもそも、このパターンというか曲が覚えられそうにないですわ!

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Chihiro。

また打楽器特有のダイナミクスを味わうのも楽しい。ピアノから…

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はじけるようなフォルテシシモまで!

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男性陣のソロ。

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このGOCOO一派は女性比率の高いパフォーマンス団体だ。その中で男性だけの演奏となるとまた雰囲気が変わっておもしろい。

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一糸乱れぬアンサンブル…

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キマッタ!
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イベント中ごろにはお客さんが参加しての体験コーナー。
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和太鼓といえば、子供のころキャラメル欲しさに山車に乗って叩いた「ドンドンカカカ」ぐらいだかんね~。
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ここでGOCOOの人気者、Nogzo(ノグゾー)さんの指導で会場が一体となる。

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音を出してみることから始まって、最後はみんなで大合奏。曲は「天才バカボン」だ!はじめのうちはホンノちょっと恥ずかしがっていたみなさんもNogzoの明るく楽しいリードで最後は「え~、もう終わり?」みたいな…こういうところが打楽器のいいところなんだよね。ギターではこれできないから。

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そしていよいよGOCOOのパフォーマンス!

GOCOOをご存知ないシゲブロ読者のためにプロフィールをば…淺野香(Kaoly)をリーダーとした1997年デビュー和太鼓バンド。メンバーの松崎太郎(Tarow)が制作したオリジナルの太鼓を含め、30台を越す和太鼓を使用している。。
活動は国立劇場「日本の太鼓」から「フジロック・フェスティバル」までと幅広く、海外でもヨーロッパのビッグフェスを中心に中南米やオセアニア、アフリカなど延べ28ヶ国174回(2012年1月時点)にのぼるライブを敢行している。

和太鼓の常識を大きく越えたサウンドが絶賛され、グローバル・ミュージックとしての和太鼓の在り方を打ち出しており、ド映画『マトリックス』のサウンド・トラックにも日本から唯一参加。2009年の7月には雑誌 『Newsweek』の「世界が尊敬する日本人100」にも選ばれている…のだ。

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GOCOOのリーダー、タヲ太鼓道場主宰のKaoly(カオリー)さん。

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あのね~、とにもかくにもカッコいいことこの上ないのよ、Kaokyさん!

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「ハッ!」と気合いを入れて打擲する瞬間、その場の空気が締まるのだ。

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そして、白鳥のように舞う姿は、打楽器奏者というよりバレリーナだ。
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しかもこのスタミナ!この日、ズッと出ずっぱだったのですよ。出ずっぱりでもボーっとステージに立っているワケではないからね。ずっと力イッパイ叩きっぱなし!まさに和太鼓のAavatarなのだ!

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これね~、みなさんね~、和太鼓のアンサンブルっていうとどういうサウンドをイメージしますか?

そうだな…和太鼓のオノマトペといったら…「ドンドコドンドコ」でしょ?私流の聴き方だけど、GOCOOのアンサンブルからはそれが聴こえてこない。

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そうした和太鼓のステレオタイプを粉々にしてしまったって感じね。だからといって奇をてらったワケのわからない演奏ではまったくない!伝統的な奏法を踏襲した上で、完全に自由な発想でアンサンブルを組み上げているというやり方だ。

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自分たちを「和太鼓バンド」と標榜しているが、そう、私にはね、キング・クリムゾンのイメージがメッチャ強いのです。私は先に触れたように自分を根っからのギター人間ではあると思ってはいるけど、打楽器も結構好きでござんしてね、GONGの『Expresso II』なんて愛聴盤だし、某音大の打楽器科の卒業記念コンサートに行ったこともあるんですよ、ハイ。

それでも退屈な演奏は退屈ですからね。正直、数年前に他の団体の和太鼓のリサイタルへ行ってシンドイ思いをしたこともある。

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でもね、このGOCOOは観てても、聴いてても飽きない。曲がいいんですよ。私にとっては、キング・クリムゾンであったり、マグマであったり、後期のゴングであったり、クセナキスであったり。

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何といおうか、打楽器のアンサンブルなのに、そこにメロデイが見えてくるんだよね。

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シンバルをかき鳴らすJera。

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長胴太鼓、シメ太鼓、桶胴太鼓、バンブー、銅鑼担当のTakema。

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ワークショップで会場を大いに盛り上げたNogzo。Takemaと同じく、長胴太鼓、シメ太鼓、桶胴太鼓、バンブー、さらにジャガラシンバル、ホーミーを担当している。

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女性比率の高いGOCOOの中でステージ中央、Kaolyの背後でガッチリとサウンドを引き締めるその姿は金と銀か…。男だからふたりとも金将だ。

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リーダーのKaolyはシメ太鼓、長シメ太鼓、桶胴太鼓、インディアンドラム、法螺貝、ボーカル、MCと八面六臂の活躍!

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シメ太鼓、桶胴太鼓、あたり鉦、バンブー担当のChiyo。
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Tarowもシメ太鼓、長シメ太鼓、桶胴太鼓、あたり鉦、スリットドラム、シンバル、銅鑼と担当楽器が多い傍らGOCOOが使用している桶太鼓を製作している。

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シメ太鼓、長胴太鼓、桶胴太鼓を担当するYoccy(ヨッシー)。

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Haruna。担当楽器はYoccyと同じだ。
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今、シゲブログではこうやってひとりひとりメンバーを紹介しているが、GOCOOってステージでダラダラとメンバー紹介をしないんだよね。これも好き!

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中には大所帯のバンドで、ひとりひとり紹介して、かつ1人ひとことなんてのもあったりするじゃない、20分ぐらいかけて…。大会社の歓送迎会じゃあるまいし…サラってやってもらいたいことがあるよね。

そういえば、「メンバーを紹介します!」っていうの、アレ昔はこんなにやらなかったもんですよ。

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ちなみに、記録に残っているもので一番カッコいいと私が思っているメンバー紹介はハービー・ハンコックの1976年の『V.S.O.P.』だな。「The Eye of the Hurricane」の前。ハービーの紹介でトニー~ロン~フレディ~ウェイン~ハービーの順で入っ来てテーマをプレイした瞬間に鳥肌の出ない音楽ファンはいないだろう。

ああいう風にやってくれるメンバー紹介なら大歓迎なんだけどね!

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GOCOOがそれをやらないのも、GOCOO自体がひとつの人格を持ったパフォーマーだという意識があるからなのかもしれない。ひとりならメンバー紹介する必要もないもんね、「GOCOO」なんだから。

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シメ太鼓、長胴太鼓、桶胴太鼓担当のYumi。
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GOCOOのフロント陣、シメ太鼓、長シメ太鼓、桶胴太鼓、長胴太鼓他を担当するKanae。

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同じくNori。
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恐らくはじめてGOCOOを観る時、この2人の動きに目を奪われる時間が少なくないであろう。

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ステージ上下でKaolyをはさんだその姿は将棋なら「飛車角」、『水戸黄門』なら「助さん角さん」、『ヤッターマン』なら「ボヤッキーとトンズラー」だ。(あ、もちろん「名コンビ」という例えね!)

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最初から最後まで全身の力を振り絞った演奏から目が離せないのだ!

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GOCOOはとにかく全員楽しそうだ。全員終始笑っている。だから観ている方も楽しい!

是非みなさんにもこのワン・アンド・オンリーのGOCOOの世界を味わっていただきたい。
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世界が舞台のGOCOO。この7月にもドイツ、ハンガリー、イタリア、ポルトガル、フランス等7ヶ国15回公演のヨーロッパツアーが決定している。

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GOCOOの詳しい情報はコチラ⇒GOCOO公式ウェブサイト

今日冒頭にレポートした「和太鼓ワークショップ@東京キネマ倶楽部」の2ndクールがもうすぐ始まります!

詳しい情報はコチラ⇒和太鼓ワークショップ@東京キネマ倶楽部公式ウェブサイト

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(一部敬称略 2012年4月1日 東京キネマ倶楽部にて撮影)

灼熱のへヴィ・メタル!~KRUBERABLINKA発進!!

2012年4月23日

先週の土曜日、とあるライブの撮影に行って来たんだけど、もう数えきれないくらいの方々から「ブログ再開おめでとう!」、「楽しみにします!」、「がんばって!」、「またアレが読めてうれしい!」ともう涙がジャージャー出るほどうれしいお言葉を頂戴しました。この場をお借りしまして、温かいご支援につき心から御礼申し上げますとともに、相変わらずのお引き立てを何卒よろしくお願い申し上げます。

おかげさまで開始早々アクセスも期待をはるかに上回る件数をマークし、今、燃えに燃えております!シゲちゃん、ワイルドだゼェ~?

前職を辞し、マーシャル・ブログを脱稿してホッとしていたのだが、このバンドの音を聴いて矢も楯もたまらなくなった!どうしてもまた書きたくなったのだ!また筆を握り(PCのキーボードだけどね)、いいバンドや音楽を少しでも世に広めたい!という欲望と義務感が爆発炎上したのだった。

スタート早々、涙系の記事が続いたシゲブログだが、今日からは元気イッパイみなさまにいい音楽の情報をお届けしていきたいと思う。マーシャル・ブログの続き、イ~ンヤ、それ以上と思ってお楽しみあれ!

さあ!KRUBERABLINKA(クルベラブリンカ)の登場だッ!

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元Terra Rosaのスーパー・ディーヴァ、赤尾和重が結成したKRUBERABLINKA(クルベラブリンカ)だ。大阪を拠点とし、同じく元Terra Rosaの鈴木広美をギターに迎えている。

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これが昨年11月にリリースされた5曲入りミニ・アルバム『KRUBERABLINKA』。 コレいいんだゼ~。歌詞もメロディもアレンジも演奏も、実に細かいところまでていねいに作り込まれていて、和重さんの気合いの入れようが充分に伝わってくる。

また、録音もいいね。最近の高域と低域しか聞こえてこない、誰が何をやってるんだかさっぱりわからないドンシャリ・レコーディングと違って、それぞれのメンバーのプレイが目前に飛び出してくる。何回聴いても疲れない。

最初、バンドの名前からするに、ロシア系の要素が入っている音楽を想像してしまったが全然違う。でも、考えてみるに古今東西、スラブ系の要素を盛り込んだロックって今までにないんじゃないかな?狙い目かもよ?!

アッレ~?!しかもレコーディング・メンバーを見るとベースがオガンちゃん(小笠原義弘)じゃん!「ワシ、へヴィ・メタル苦手やわ~」とか言っておきながら…盤石のプレイではないの~!

そして、このCDを聴けば聴くほど「ああ、ライブが見たい!」という欲望が募るのであった!

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そしてとうとうその日がやって来た。2012年2月25日、目黒の鹿鳴館での『Battle Hymns』というイベントにKRUBRABLINKAが登場したのだ!

ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンのカッワーリーに導かれてメンバーが登場する。

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メンバーは、赤尾和重。

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ギターに鈴木広美。
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ベースは山崎いっつあん浩一。
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岡田英之のキーボード。
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そして、ドラムは泉谷賢だ。
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腕利きのメンツに囲まれて思う存分シャウトする和重さん!

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セットリストはミニアルバム+1曲と言う内容。オープニングはアルバム1曲目のキラー・チューン「Don' be so mad」だ。

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怒涛のごとく押し寄せる音の壁!これぞロック!
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アルバムと同じく、2曲目に「太陽」を持ってきた。これメッチャ好き!何なのよこのリフは? フツー、こんなん弾かないよ!

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この曲を聴いた時、35年くらい前に初めてジューダス・プリーストを聴いた時の戦慄をおぼえたね。「The Ripper」ね。「おんなディオ」なんてよく言われる和重さんだけど、私にとってKRUBERABLINKAはジューダスだ。ボーカリストだけは確かにロバート・ハルフォードではなくてロニーだけど…。

恥ずかしながら最近知ったのですが、「ジューダス・プリースト」って「ジーザス・クライスト」のモジリなんですってねェ~?

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3曲目はグッと落としてバラードの「砂山」。

このビミョーな和重さんのブルーノート感覚がタマランね。「ウォ!ソコそうやって歌っちゃう?!」みたいな…。やっぱりロックはどこかにブルースの要素が必要なんよ。

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舐めるようにジーックリと歌い込む和重さんに鈴木広美の泣きのギターがからむ!

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「♪さらさら崩される気など 砂山の心根にはありはしない…」なんてまるで石川啄木か島崎藤村のような詩もステキだ。

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1曲はさんで5曲目は「だれも」。これも好き!「♪だ~れも」のリフレインが印象的なミディアム・テンポのハードブギ!

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いつか令文さんもおっしゃっていたが、若い人は3連を演らないって(あ、これKRUBERABLINKAが若くないって意味ではないのよ!)。このドライブ感!カッコいい~っての!こうした、ノリのよいブギもハードなロックの大きな魅力ではなかったか?ザッコザッコと疾駆するサマはロックそのものだ

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レコーディングでもライブでも絶妙なバッキングでサウンドを分厚くする岡田英之のキーボード。「だれも」ではゴキゲンなオルガン・ソロが炸裂した!

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そう、リズム隊の力量も見逃しては絶対にならない!

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すさまじいパワーでフロント陣をプッシュしまくるこの律動感もKRUBERABLINKAの大きな魅力であり、心強い武器だ。
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1時間にも満たないステージ…アット言う間に最後の曲だ。
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締めくくりもアルバムと同様「業火(ごうか)」。業火とは、罪人を焼く地獄の火のこと。タイトルにはギョっとさせられるが、サウンドはソリッドでヘビィな正統派ハード・ロック。

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イントロのギターリフからして魅力的だ。この曲では鈴木広美のギターの魅力が最大限に発揮された。3/8+3/8+2/8パターンに乗って展開するギター・ソロが素晴らしい!

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それにしてもこの声!「声の壁」だ!最後まで全力で絞り切る歌唱はまるで業火にあぶられる罪人の断末魔の声!あ、スミマセン、これ全然ホメ言葉じゃないね!でも人並み外れた何かものスゴイものを感じさせてくれることは確かだ。

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ナゼこれほどまでにKRUBERABLINKAの音楽が魅力的でカッコよく、シックリくるのか?…理由は簡単!曲がいいとか演奏ウマイなんてのは当たりまえ。その理由は…ハードロックの魅力的な要素がパンパンに詰め込まれているからだ。

それは、まず①ボーカルの声がいわゆる「ロックの声」で、声量がある②ギターの低音弦で奏でるギター・リフがある③ギター・ソロやキーボード・ソロといった器楽演奏の見せ場がある④複雑なキメに対応できるしっかりした、それでいてドライブ感満点のリズム隊がいる⑤ステージマナーをわきまえている…だと思うのですよ。マーシャル・ブログ時代にもズ~ッと言ってきたことなんだけどね…。これがロック!少なくとも聴きたくなるロック!

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とにもかくにも自分の音楽を奏でることを最高に楽しむ和重さんを見るのが最高に楽しい夜なのであった!次回作、次回のライブ、両方実に楽しみだ!

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KRUBERABLINKAの試聴はコチラ⇒KRUBERABLINK My Space

KRUBERABLINKAの詳しい情報はコチラ⇒KRUBERABLINKA facebook

赤尾和重のブログはコチラ⇒赤尾和恵 official website

鈴木広美のブログはコチラ⇒Blue Symphony Official Web Site

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後日譚:和重さんに訊いてみた・「カッワーリー好きなんですか」って。ヌスラット大好きなんですって!趣味がいい!私も大好きなのだ!

(一部敬称略 2012年2月25日 目黒鹿鳴館にて撮影)