イギリス紀行2012 その2~ブレッチリー 2
2012年6月27日初出
「ジム・マーシャルの生涯を祝う会」のスタートが午後3時だったので、「その前にランチをしよう!」とマーシャル社R&Dのロランが自宅に誘ってくれた。
ロランが腕によりをかけてお昼を作ってくれるというので、一体何をご馳走してくれるのか楽しみでもあり、不安でもあり…。
すると「メニューはタイカレーだよ!」と言う。
私はこういうエスニックな料理をほとんど口にしないが、カレーに当たりハズレは少かなかろうと安心した。
だって食べられないモノが出ちゃったら失礼でしょ。
でも、ハッと気が付いた…「ヤバイ!パクチー入ってんじゃん?」
昔、「パクチー」が英語で通じなくて「懲りあんだ~」。なんて中野のシゲさんの三重弁みたいな…。
そう、パクチーは英語で「コリアンダー」。(ここメモするところです)
で、パクチーは勘弁してもらった。これがそのロラン特製のタイカレー。チキンだのナスだの具だくさん。
コレをですよ…ロランの家の裏庭でいただくワケですよ。
おいしいにキマってんじゃんねー。
いいよなぁ~、決して広いワケじゃないけど(ロラン、ゴメン!)、自宅の庭で、パラソルの下でランチですよ。天気もいいし、最高だ~!
真ん中に見える女の子はロランのお嬢ちゃん。まだ赤ちゃんの時にもロランの家にお邪魔したことがあって、あの時はひげヅラの私の顔を見て激泣きだったっけ。
それがもうすっかりお姉ちゃんになっちゃって!しっかりと弟くんの面倒をみていた。
一方、弟くんはま~ったく人見知りをしないフレンドリー派。
カメラのレンズを向けるとズイズイと寄って来ちゃう。元気がよくて可愛いんだ!
ところで、英語がわからない、あるいは聴きとれなくて冷や汗が出るシーンなんてのはしょっちゅうあるんだけど、もしかして一番わからない英語は経済の話題でも、政治の話題でもなくて、子供の英語かもしれんね。
なにしろ発音も不明瞭だし、だいたいナニを考えているのかサッパリわからないからね。
かといって無視するワケにもいかないし、見当違いなことを言えば寄ってこなくなるし…実に始末が悪い。
よく「肉屋で買い物ができれば英語はマスターしたも同然」なんてことが言われたようだが、イヤイヤ、何と言っても「こども英語」でしょう。
これがわかれば英語マスターになった証しだと思うけどね。
ちなみに「肉屋の英語」というのは言語そのものの理解だけではなくて、我々のそれとまったく異なる、肉が主食の彼らの文化を理解した…という意味でもあるんだろうね。
ところで、ロランのカレー、メッチャおいしいでやんの!思わず作り方を訊いちゃった!エラク簡単なの。
日本に帰ったら家でさっそくやってみようと思ったんだけど、やっぱりこの長粒米じゃないとおいしくないよね?と思ってまだチャレンジしていない。
お!熱かったのかな?!
そういえば、ロランは何年か前に東京に来たことがあって、その時、奥さんにお土産で「着物を買いたい!」ということになった。で、浅草に行った時に 呉服屋に入って着物を買おうとした。すると、ロランは気がついた…買うのは一向に構わないんだけど、持って帰っても着方がわからないゾ…と。その旨店員さ んに通訳すると、「アラま~、んじゃ、アンタに着せてあげるから覚えて帰りなさいよ!」と、ロランは店頭で半裸になりつつ、真っ赤になりながら女物の着物を 着こんだのであった。まわりの人はみんなおもしろがっちゃって、写真撮られるわ、冷やかされるわで大騒ぎだった。
そして、先日ロランから聞いた話し…インドに行った時、奥 さんにお土産で「サリーを買いたい!」ということになった。で、お店に入ってサリーを買おうとした。すると、ロランは気がついた…買うの は一向に構わないんだけど、持って帰っても着方がわからないゾ…と。これじゃ着物の二の舞だゾ…と。その旨店員さんに伝えると、「アラま~、んじゃアンタ に着せてあげるから覚えて帰ん なさいよ!」と、ロランは店頭で半裸になりつつ、真っ赤になりながらサリーを着こんだのであった。まわりの人はみんなおもしろがっちゃって、写真撮ら れるわ、冷やかされるわで大騒ぎだった…らしい。
ロランおいしいカレーと素敵なひとときをありがとう!
さて、日にち変わって…。
この日、ホテルがいっしょだったスティーヴ(後出)の車に便乗させてもらおうとマーシャルの工場の駐車場に行くと、同じR&D所属のマイルスが自転車に空気を入れていた。自転車で通勤しているのだ。でも、完全にパンク。家まで5km以上あるのでマイルスは何とか直そうとしたんだけど完全にパンク。で、「渡りに船」ってんでスティーヴの車で家まで送ってあげることにした。
するとマイルスは家の近くに食事がおいしい、いいパブがあるよってんで教えてもらった。それがこれ。
「The Barge Inn」という典型的な田舎のパブ。田舎のパブは運河のほとりにあることが多いようで、宿屋だったそうしたパブには「Inn」という言葉がついていることが多いと聞いた。
このお店の名前も「The Barge Inn」ってぐらいだから。「Barge」というのは小型の荷物船という意味。各パブについているこの看板を見るのがまた楽しい。
ね、入口には「VINTAGE INNS~PUBS OF DISTINCTION(ビンテージのイン~風格のパブ)」なんてプラークが付けられている。こうした古いパブを訪ねるのは最高におもしろい!
「吼えて会話する4本足の友達用」…ここに犬をつないでおくワケだ。
これがネェ~、いつも気になってたんだよね。「QUIZ」ナイト。田舎のパブではもれなくコレをやっている、そして、後日別のパブでとうとうこれを体験したのだ!
一度、家に帰ったマイルスが合流しにきた!「ハ~イ、マイルス!」
「ハ~イ、シゲ!」
ああ、愛しのイングリッシュ・エール。今回の滞在で一体どれだけビールを飲んだかわからないけど、缶ビールを除いてすべてエールで通した。ここでは「DOOM BAR」というのと「UBU」というのを頂いた。1パイントでご覧の値段。1パイントは0.568リットル。でも、グラスの淵ギリギリまで注いでくれるので0.6リットルぐらいになるのかな?だから大瓶よりちょっと少ないぐらい。で、レートを135円/£とすれば、1杯460円ぐらい。これが10年ぐらい前だったら780円ぐらい。こういうところは円高サマサマなのだ。
でも、レートなんか関係なしに飲んじゃうよね~!だってこのイングリッシュ・エールは日本では味わえないし、とにかくおいしいんだも~ん!
向かって右側の木製の台に乗っているレバーがポンプになっていて、コキコキ向こう側へ倒してエールをくみ上げる。
スティーヴと3人、音楽の話しでかなり盛り上がった!マイルスが日本のイングヴェイの女の子を教えてくれたりして…。
マイルスは素敵だ。いつだってニコニコしている。「Myles Smiles」ね。こう見えてもノイズとかインダストリアル系の音楽をクリエイトしている。日本に来た時もレコーダーを肌身離さず持っていて、銀座線の音なんかを録音していた。私の誕生日にはいつもメールをくれる大親友のうちのひとり。
暑くもなく、寒くもなく、やっぱり外でのんびりイッパイやるのは気持ちいい!
ちょっと失礼してあたりを散策…。
コインを受けつけない公衆電話。変なの…でも、日本にもテレフォン・カード全盛期にはこういうのがあったか?
「Bridleway」の「Bridle」というのは「馬勒(ばろく)」のこと。って知らないな~。バロク。バッハか?調べてみると、馬の頭にくっつけて馬を御する革ひももことだそうだ。つまりこれはお馬さんの道というワケ。普通の生活にこうして馬が存在しているということね。
これはポスト…って見ればわかるけど、昔は日本もこういうポストだったよね。郵便はイギリスが発祥だったっけかな?「Royal Mail」。いかに明治日本がイギリスをお手本にしていたかがよくわかる。
マイルスは家でごはんが用意してあるので先にバイバイ。残ったスティーヴとこのパブで食事をした。ちょっとゴメンナサイ、この写真、お腹が空いていたせいか思いっきりブレちゃった!
「チキンソテーのベーコン風味」みたいなヤツ。これがまたとても柔らかくてヤケクソにおいしかった!イギリスでもおいしいものはおいしいよ。でも、グリーンピースがな~。
こっちはスティーヴのオーダーした魚。これもとてもおいしそうだった。ミドリのヤツはマッシュ・ピース。グリーンピースを漉したもの。マッシュポテトのグリーンピース版だ。
「さあ、スティーヴ、もう夕方で日も暮れて来たし、お腹もイッパイになってきたからホテルへ帰ろう!」
つづく