イギリス紀行2012 その4 ~ 北へ!<ヨーク:前編>
2012年6月29日初出
イギリスにはかなりの回数訪れてはいるものの、マーシャルのあるミルトン・キーンズとロンドンばっかりでしてね~。イヤ、それでも十分おもしろい。でも、せっかく行くんだから、色々見てみたいのが人情ってもんでさね。
他に行ったことがあるところといえば…プログレの聖地・カンタベリー、ベタにリバプール、その近くのサウス・ポート、ブラック・サバス・ファンではないけどバーミンガム、ゲイリー・ムーアやクイーンでおなじみのブライトン…こんなもんかな?
リバプールへ行った時にマン島が見えたのはうれしかったかな?マン島は、フランク・ザッパの曲で「マン島は女不足(Manx Needs Women)」というのがありましてね…。
こうしてみるとリバプールより北へ行ったことがない。スコットランド行ったことない。。金は無いけど時間はある。行ってみたい…ということで、ニューキャッスルの近くのサウス・シールズという街に住む、これまた大親友のスティーヴに頼んでマーシャルからの帰り道の車に便乗させてもらった!
行くぞ!北へ!
スティーヴのプジョーでフリーウェイを大激走だ!BGMはBTOか?!実はこの日のために国際免許も取ったんだけど、スティーヴの車の保険の関係で運転は控えることにした。ま、私も運転好きな方じゃないので助かった…。
途中で出くわした発電所。このタン壺みたいなヤツはイッタイ…こんなん見ると、この時期つい神経質にもなってしまうよね?!
これはヨークシャーにあるウェザビィ発電所(Wetherby Power Station)。火力発電所らしい。でも自然と異様な光景に映ってしまう。
The Whoがらみで、まずリーズへ行ってみたかったのだが、街が新しくておもしろくないとスティーヴが言うのであきらめた。
そこでまず、ヨークへ寄ってもらった。なぜヨークへ行ってみたかったと言うと、かつてジム・マーシャルが「ヨークってのは美しいところじゃな…」と誰かに話されていたのを耳にしたことがあって、それがすごく印象に残っていた。で、いつか行ってみたいと思っていたのですね。
よくよく考えてみると、ヨークはサウス・シールズに行く途中にあるではないの!よくやった!欲張りな私はよーくスティーヴに説明してヨークに寄ってもらったのだ。
街の入り口がいきなりこれだもんね。こりゃ期待できそうだ!
なんとここは駐車場。この城壁はクリフォーズ・タワーといってヨーク城の一部だった。
駐車場のシステムをチェックするスティーヴ。面白いことにここは前金制。つまり、「○時間停めます」と先にその分だけの料金を機械に入れる。ドライバーはその時間を超過しないように駐車場にもどってこなければならない。オーバーするとどうなるかはわからないけど、これは観光地にあってはなかなかいいシステムかも。スティーヴと相談して3時間停めることにした。£6、800円チョットか…。東京よりははるかに安い。
イギリスはどこへ行っても教会をはじめ古い建物が並んでいて美しいが、なるほど、ここはひときわ美しい!
川に出た。世界4大文明もそうだけど、文明は川の傍らから広がるんでしょ?イギリスの都市も同じなんだって。ロンドンのテムズ川はその代表。シェークスピアの生まれた村、ストラットフォード・アポン・エイボンのエイボンも、ニューキャッスル・アポン・タインのタインも川の名前なのね。
そして、それらの川にかかる橋が例外なく美しい!テムズ川もニューキャッスルのタイン川もそう。今回特に橋で感動したのはニューキャッスルだった。
鳥。
ヨーク大聖堂へと続く参道。ここの建物の特徴は、階が上がるほど面積が大きくなる。これ変でしょ?1階より2階が、2階より3階の方が広いんだゼ。これ、昔この軒下に肉をブラ下げていたんだって!さぞかしスゴイ光景だったろうナァ。
大聖堂ってそこかしこにあって、「カセドラル(カテドラル)」という名称が付いている。「カンタベリー・カセドラル」とかね。でも、このヨークの大聖堂は「ヨーク・ミンスター」っていうんだってさ。
何回か作り直していて、今目の前にあるヤツは13世紀の初めにつくり始めたというからスゴイ。250年もかけて建立した。イギリス最大のゴシック建築の教会。それどころか、北ヨーロッパではケルン大聖堂に並ぶ最大級の聖堂建築物なのだそうだ。
私、案外こういうの好きでしてね。神社仏閣とかいうことではなくて、人間が作った馬鹿デカイものに惹かれてしまうのだ。ダムとか橋とか、もちろんスカイツリーも好き。
ダムはいいナァ~。アーチ式の壮麗さ、重力式の力強さ、ロックフィルの美しさ…。ダムの現場ってダムそのものもそうだけど、取り付け道路やら生コンプラントやら、やることすべてスケールが大きくて気持ちがいい。
だから、カンタベリー大聖堂、リバプール大聖堂、もちろんウエストミンスター寺院等みんな感動した。今回もこのヨークの後はダーラムの大聖堂を楽しみにしていた。
スティーヴは以前に見ているから外で待ってるって。そう、「一回入ったけど、つきあいでまた入るよ」なんて気軽に言える値段じゃないんだよね~。ウエストミンスターにしてもセント・ポールにしても、こういうところは高い!ここだって£14だもん!2,000円ぐらい。
でも、せっかく来たので入るよね~。入った途端その荘厳さに値段のことは忘れるね。
これだけの天井の高さのハコで鳴らされた日にゃリバーブかかりまくっちゃって(これがホントの「カセドラル」)「はい、入信します」と言わざるを得なくなっちゃうんだろうね。
ゴシック建築の大聖堂は壁をできる限り少なくし、ステンドグラスに彩られた光の空間を実現した…んだって。とにかく光と高さを求めて構造に変化を与えたんですな。この天井って以前は半円、つまり丸かったんだけど、一番高いところをとんがらせてみた。半円型だと片側から弧に沿って向こう側の壁につながって終結してしまう印象があった。ところがこうして弧の頂点をとんがらせるとあたかも壁の両側から限りなく天井へ向かう上昇感が出て来るらしい。なるほど…。
また、梁(斜めに入っている線ね)を入れることによって躯体を軽量化するとともに耐加重強度も増したという。つまりドンドン高くしちゃうけんね~ということ。欲がそうさせるのか知らんけど、昔の人はホントにスゴイ。
「チャペル・ハウス」と呼ばれる別棟。ほとんど360°ステンド・グラスですさまじい美しさ!魚眼持って来ればよかった!
しおりはこんな感じ。
いかにも観光地らしく大聖堂の前にはこんなんも走っている。スティーヴ、お待ちどうさま!この暑いのに外で待たせてゴメンね!この頃は暑かったのだ…。
<ヨーク:後編>につづく