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2013年6月10日 (月)

イギリス紀行2012 その9~エジンバラ3

2012年7月11日 初出

スコットランドで始めて過ごした夜の翌朝…。やっぱり曇ってる。一晩寝りゃ天気もよくなるかと期待していたが、ま~ったくダメ。それでも昨日よりはチョットはマシで、薄日がさしているような、さしていないような…。何しろ分単位で天気がコロコロ変わる土地柄だからね。ホテルは朝ごはんもついていないのでカメラをブラ下げて早々にホテルをチェックアウト。

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スティーヴが待つニューキャッスル行きの列車は10:30発。それまでの間、もう一度街を見ておこうというワケ。
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『オリバー!(Oliver!)』がかかっている劇場。『オリバー!』は1960年にロンドンのウエストエンドが初演。これはその何度目かのリバイバルだ。原作はディケンズの『オリバー・ツイスト』だね。

1968年にはマーク・レスター(Mark Lester)の主演で映画化もされた。ウチの下の子は小さい頃熱心に見てたけど、私はあんまり好みじゃなかったな…。

今の若い人は「マーク・レスター」といってもあんまりピンとは来ないだろうね。『小さな恋のメロディ(Melody)』のあの子ね。一時は日本でもモノスゴイ人気で森永のキャラメルだかチョコレートのCMに出てたでしょ。そういえば、外国人のアイドルっていなくなったな~。ハーフのアイドルは相変わらずだけど…。ルネとかいたじゃんね?ゴールデン・ハーフのエバってどうしてるかな?

映画版にはその名もズバリのオリバー・リード(Oliver Reed)が出ていた。この人はマッチョなタフガイを地で行く人で、『トミー(Tommy)』のロジャー・ダルトリーのお父さん役が印象的だった。それでも、あんまりなじみのある役者さんではないのでちょっと調べてみると、ナントこの人、73年には『スティング(The Sting)』、75年には『ジョーズ(Jaws)』の出演を断っているそうだ。前者ではドイル・ロネガンの役だろうね。後者ではクイント船長か市長(アミティとかいうんだよね)の役でしょう。オリバー・リードのクイント船長も見ものだったかも知れない。偶然かイヤミか、両方ともロバート・ショウ(Robert Shaw)が演じた。もうふたりともこの世にはいない。
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劇場のとなりにあるパブ。開演前には、これから見るショウへの期待を語りあい、終演後には今見て来たショウの感想を語り合うんだろうね。それが向こうの人たちの観劇の第2の楽しみなのだ。
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劇場の反対側のビルディング。こっちの人はこうしてウマ~イ具合に古い建物を利用しちゃう。「石の建物」だからできるんだね。
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少し陽がさしてきた!このまま晴れ切ってくれればいいいのに!
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でも、さすがに朝の光は柔らかすぎて色がヨワヨワしいな…。
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昨日は苦労して傘を脇の下に挟んで撮ったアングルに再挑戦!

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これは土産物屋ではなくてちゃんとした男性洋品店。やっぱりウインドウに飾るのはスカートだ。
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ニュータウンでことさら威容を示すバルモラル・ホテル(The Balmoral Hotel)。ドアボーイもフレンドリーで目が合うと話しかけてくれる。
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やっぱ曇りだわ!
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駅の看板。この日本の「やがすり」みたいなマークはイギリスの国鉄「National Rail」のロゴ。イギリスの国鉄は上下分割方式で、線路や管理を国が、列車やサービスは完全に民間企業が面倒を看ている。
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右は昨日訪れたエジンバラ城。

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ウェイヴァリー橋を渡ってノース橋をのぞむ。
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今日は少し坂道を行き来してみよう。

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この街を飛びきり美しくしている要因のひとつはこの急勾配の坂だろう。
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坂にものスゴイ角度がついているので、遠くからはより多くの建物が見渡せ、近くではより遠くの建物が目に入ってくるのだ。
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また、あまりにも勾配がきついため、どうしても道を蛇行して作らざるをさせざるを得ない。見通しが悪い半面、よけいにたくさんの建物が見えるというワケ…と見たがどうだろう?

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それとこの街の大きな特徴は、無数に「Close」と呼ばれる階段状の路地が存在していること。これがまたおもしろい!
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写真で見るとわかりづらいが、エジンバラという街は真ん中が峡谷になっていると先に書いたが、とくにこのオールド・タウンは谷の反対側も急勾配で下がっている。つまり、尾根の上に街があるような格好なのだ。
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だからこのオールド・タウンの真ん中を貫くロイヤル。マイルには左右の谷に下りるための階段、すなわちクローズが多数用意されているのだ。通勤時にはみんなエッチラオッチラと階段を上り下りしている。
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ここは酒屋さんかな?店の両脇にクローズが付いてる!
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少しエジンバラ城方面と反対に向かって歩いてみる。
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真ん中の白黒の家はジョン・ノックス(John Knox)が住んでいた家。って誰?16世紀のスコットランドの宗教改革者だそう。前々回に紹介した「聖ジャイルス大聖堂」で牧師を努めていたこともあった。近いので通勤に便利なロケーションだ。それにしてもこの建物、15世紀に建てられたっていうんだけど、ホントかね?500年以上前だゼ?!こういう話しを聴くとキマって思い出すのが「三匹のこぶた」だ。
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ニュー・タウン側を眺める。向かいはカールトン・ヒルと呼ばれている丘。
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クローズを使ってノース橋の下まで降りて来たよん。
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The Scotsmanというのは1817年創立のスコットランドの新聞社。発行部数は40,000弱…少ないな~。そんなんでやっていけるのかしらん?
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何の建物かは知らないが、これもスゴイ!
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クローズを歩いていて見つけた場所。石畳には文学作品からの引用が彫り込んである。
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何でもエジンバラ市民は世界でも有数の読書家なんだと。ま、天気は悪いし、冬は寒くて外に出られないから読書の習慣がつくんですよ。昔は信州もよくそう言われていた。でも、読書はいい。人間の厚みを増すのは読書が一番!とにかく読書!本を読んでいる人かどうかは文章を書かせれば一発でわかる。決まり文句で書かれる会社の書類でも一読すればわかる。エ?「お前もあんまり読んでないな!」って?! ヘヘヘ…。
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この建物もそう。古い教会なんだけど、入ってビックリ!中は近代的なインフォメーション・センターかなんかになってるの。
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写真は全然関係ないけど、地続きでもスコットランドはイングランドとは別の国。コインも紙幣も違うからね。もちろん供用だけど、一瞬「果たしてアッチで使えるのかいな?」と不安になる。
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くどいようだけど、聖ジャイルズ大聖堂。
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ひと通り歩いてウェイヴァリー駅へ戻る。朝をまだ食べていないので駅ビルのマックでソーセージ・エッグ・マフィンを食べる。ダブル・ソーセージかな?どうでもいいか…。

なんかイギリスのマックって日本のより油っ気が強いんだけど、ミズミズしい感じがするんだよね。明らかに卵はこっちの方がおいしい。それにここはニューヨークのマックなんかに比べて格段に店員がやさしいのもうれしい。ニューヨークのマックの店員こえーし…。

乗り遅れるとマズイので早めにホームに降りる。風が強く寒い!…けど、マントを羽織って昔ながらに電車の発着をさばく駅員さんの仕事ぶりを眺めていると楽しい。それにカッコいい!

これはNational Raiの切符。ニューキャッスル⇔エジンバラの「RTN(リターン)」。£47.60だから6,000円チョット。片道103kmで3,000円。高いか…。

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さあ、自分の列車も入線してきた。景色がいいのは進行方向左側と…。アリャリャ、背中向きのイスしか空いてないわ…。でも絶景には代えられないので我慢しよう。

以下は車窓から撮影したモノ。ガラスに色が入っているのでチョット色が素直じゃない。

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なんか天気が良くなって来たようでハラ立つなぁ。と思っているとまたすぐ雨!ハハハ、やっぱりね。もう諦めるよりしょうがない!
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この海は北海。もうそこら中、ヒツジやら牛やら馬やら…。
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あの橋を渡って来た!ココどこだか知らないけど、どんな街でも何かしら見どころがあるナァ。
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イングランドまではアっという間だ。
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つづく