« イギリス紀行 2015 その1~食わせろ、カツカレ~! | メイン | イギリス紀行 2015 その3~マーケットに行ってみよう »

2015年7月24日 (金)

イギリス紀行 2015 その2~米食ってゴー!

二日目の朝。
珍しく朝から快晴。おかしいな…。期待はしないにしても雨は覚悟してきたんだぜ。
朝、空はどんよりと雲に覆われていて、午後気が付くと晴れて、夜から夕方にかけて快晴…というのが私にとっての典型的なロンドンの天気。
もちろん雨のオプションは一日中いつでもOKという認識だ。
晴れていて文句を言う筋合いは何もないのだが、前半だけムリに晴れてくれて、後半毎日シトシトというのはゴメンだからね。
数年前はまさにコレだった。
ま、それこそコレばかりは天にまかせるよりしょうがない。

10_2今回のお宿はアールズ・コート。
窓を開けるとナント目の前にエキシビジョン・センター!要するにエキシビジョンセンターのすぐ隣り。Led ZeppelinやPink Floydが大コンサートを開催したところだ。
詳しくはコチラ
もし、Zeppelinがコンサートをやっていたらタダで音が聴けただろうにナァ~…というロケーション!

20二日目の朝食。
昨晩スーパーで買ったオーガニックの卵でハムエッグ。それと晩ごはんの残りのチップス(フライド・ポテト)にインスタントのみそ汁。
そして何よりも大切なお米ね。何も炊くことはない。チンで十分。
若い頃は洋食づくしでも何ら問題なかったんだけど、今はまったくダメね。
何がダメって朝ごはんなんですよ。
「お昼にざるソバを一枚ズルっ!」なんてのは無理だけど、スパゲティだのピザだのハンバーグだのフライドチキンだの、日本で昼とか夜に食べるモノって、案外どこでも食べられる。
ところが、朝ごはんってのはまったくそうはいかない。
焼き魚、納豆、のり、ダシ巻き卵、味噌汁、そして炊き立ての白いごはん。
リッツでもプラザでもこんな豪勢な朝ごはんは出て来ない。
本当に日本の朝ごはんはスゴイ。
日本食が無形世界遺産に認定されたとかいう話しを聞くが、主に「朝食」を対象にしてのことだと信じたい。
一見豪華そうに見えるけど、洋食の朝ごはんなんて全然ダメ。一日はよくても、二日目でもう悲しくなっちゃう。
それと、以前も書いたけど、日本人は米を食べないと力が出ない…というか、疲れが取れない。コレで苦しんだことがあるからね。
今回のお宿はキッチン付きだから便利なことこの上なし。

サァ、米も喰ったしゴーゴゴー!

30お隣のエキシビジョンセンター。
Led Zeppelinの『Presence』のジャケットのオッサンの後ろのヨットの写真もここで撮られたものだ。
興味のある人はコチラをどうぞ。

40v「アールズ・コート建築」という言葉があるらしい。下の写真がそれにあたるかどうかはわからないが、このエリアには何しろ素敵な建物が並んでいる。

50地下鉄の切符の自動販売機。銀行のキャッシュ・ディスペンサーみたいなエラそうなナリをしているが大した働きはしない。
券を売って、カードにチャージができてというだけ。日本人ならもっと小さく作るだろう。
向かって右側のヤツなんてオツリが出ない。


さぁて、今回は事前に作戦を立てて来たでネェ。
決まったエリア内の地下鉄を、決まった日数や時間帯に限って好きなだけ乗ることができる「Travelcard」という切符を買うことにしているのだが、いかに有効に買うか…これが問題なのだ。
電卓を片手に「London Underground」の公式ウェブサイトとニラメッコしながら研究した。

60結果、ロンドンの中心のみっつのエリアの地下鉄を7日間自由に使える「7 Days Travelcard」をゲット。
実際にロンドンに滞在してカードを使えるのは5日間なのだが、一日単位で5回買うより7日分買った方が割安なのだ。
だって、1日乗り放題が£12.00。対して7日で£37.70だからね。
3日ロンドンに滞在するのであれば「7days」の元なんか簡単に取れちゃう。
…というのは、今ロンドンの地下鉄の初乗りって現金だと£4.80ですよ。
アータ、これ今の為替レートだと984円だぜ!
新宿から新宿三丁目に行くのに、または渋谷から表参道へ行くのに、梅田から淀屋橋に行くのに、名古屋から伏見に行くのに、984円ですよ!
狂ってるでしょう?狂ってるんですよ。

一方、「7days Travelcard」といえば7日間、Zone 1から3と呼ばれる中心地の地下鉄とバス、一部の国鉄をいくら乗っても7,730円。1日1,104円。
計算おかしいでしょう?計算おかしいんですよ。


このチケットは自販機では買えないので、窓口のオジちゃんに頼んでカードを作ってもらう。
Oyster CardというPASMOみたいなヤツに「7日間使える」というデータを入れてもらうワケ。
このカードを作るのも実は£5.00取られるんだけど、それでも割安。ケースつき。

70実は前日ヒースロー空港からアールズ・コートへ来る時には現金で切符を買った。£5.80、つまり1,189円。
それなら前日にヒースロー空港駅でこのカードを買えばいいじゃんか?と思うでしょ?でもね、ヒースロー空港はZone6といってロンドンの中心から一番遠いエリアにあって、Zone6をも含む7days Travelcardを買うとなると£58.00にもなってしまうのだ。円に換算すれば11,890円。
コレではバカバカしいもんね。
こんなことを事前に計算していたワケ。

80さっきのカードをこの自動改札口の上面の黄色いところに引っ付けると、前方のゲートがバコンと開く。
ところがですね、フィンズベリー・パーク駅みたいにゲートがなくて、この黄色いヤツが見当たらない駅があるんですよ。
それで、ピッとやるのをシカトしておくと、次に使う時にはカードが使えなくなってしまって、窓口の不愛想な黒人のオバサンに頼んでデータを再登録してもらわなきゃならないので注意が必要だ。(係の人が不愛想とも、黒人とも、オバサンと決まっているワケじゃないけど、私の場合そうだった)

90さぁて、いよいよロンドン・ツアーのはじまりはじまり~!
家内は初めてのことで大興奮。カッコいいとこ見せなきゃね!

その前に…とにかく今回は為替レートに泣かされたよ。
今、新聞なんかを見ると1ポンド=194~197円ぐらいの間を行き来しているでしょう?これは銀行間取引の値段だから我々はこのレートでポンドを買うことはできない。
コレに手数料が上乗せになるので£1=205円。今、浅草の両替屋に行ってチェックしてきた。
ロンドンでは両替店によって異なるけど、高いところでは210円ぐらいだったよ。
私は5月の上旬にギリギリ200円以下でゲットししたけど、今回このブログでは£1=205円で計算することにする。

100来た来た。毎度おなじみピカデリー線。

110まずはロンドンの銀座4丁目を家内に見せてやろうとピカデリー・サーカス駅で下車。
「サーカスってナンのこと?」
「サークルってことなんだよ。つまり円だね」
なんて初心者の質問にやさしく答えるわたし。

120「ロンドンのエスカレーターは東京都違って右側に立つんだよ」…なんてことも。

130ドワッ!
いつも大勢の人でゴッタ返しているピカデリー・サーカス駅の改札。誰もいない!
こんなの初めて見た!

140地上に出る。
このリリー・ホワイトというのはスポーツ用品店。シーズン・オフとなったグッズが安く買える。
ワールドカップの終了後のイングランドのユニフォームなんて定価の9割引きぐらいで処分販売しちゃう。誰も課って行かないけど…。
いつも混んでる。

150ロンドンといえばこの景色。
「SANYO」や「TDK」の看板がなくなって久しい。

155エロス像の前で一枚。
自撮り棒大活躍。

156最初の目的地に行くまで少し時間があったので劇場街のシャフツベリー・アベニューをブラリ。

160スゲェ!ほとんど誰も歩いてない!

170もう朝の9時半ぐらいなのにこの静けさ!

180目的地はコレ。レスター・スクエアの端っこにある「LONDON PASS」の販売所。
ここでインターネットで予約しておいたパスを受け取ったり、飛び込みのお客さんが購入したりする。
ウチは離日直前にこのパスの存在を知ったので、現地購入することにしていた。
インターネットで予約しているお客さんには列ができて待たされていたが、現地購入する人はその場でスイスイ。
「インターネットで予約しなくてヨカッタわね!」なんて係のオバサンが言ってた。
事前に頼んでおけば有料で送ってくれるサービスもあり。

210ところでLONDON PASSとは何ぞや?
簡単に言えば、コレを買っておけば加盟している観光名所に自由に入ることができるパスのこと。
♪チョット~待って~、チョット~待って~、「え、イギリスって博物館とか全部タダじゃないの?」…と訊かれそう。
大英博物館だとか、V&Aとか、芸術や科学の普及を促す国立の施設の多くはタダよ。それはそれは観光客にとってありがたい。
ところが、そういった名所旧跡、あるいは観光名所の全部が全部タダというワケでは決してなくて、有料のところは頭がおかしんじゃないかと思うぐらい入場料・入館料が高いのよ。
例えば、有名なウエストミンスター寺院の入場料、拝観料っていうのかな?コレがひとり£20.00だから4,100円。アータ、ふたりで行って、中で記念のペナントの一枚でも買おうものならすぐに10,000円超えよ。
それから、これまた人気のロンドン塔。コレが£24.50で5,223円!日本だったらこんな寺はまずないでしょ?!ロンドン塔は寺じゃないけど…。
ま、こんな調子でケタはずれに高い。
でも、行ったからには見たい、入りたい…で活躍するのがこのパスなんだと。
買う時に何回か言われたのは「マダム・タッソーとロンドン・アイには使えませんからねッ!」だった。
マダム・タッソーは今東京にもあるのかな?ベイカー・ストリートにある有名な蝋人形館。コレの入場料が驚きの£33.00!6,765円なり!
ロンドン・アイはウエストミンスターにあるあのバカでかい観覧車。コレが£19.35だから3,967円。
セントポール大聖堂が対象なのかどうかが最後まで不明だった。

パスは有効期限によって4種類が用意されている。
1日で£52.00=10,660円
2日で£71.00=14,555円
3日で£85.00=17,425円
6日で£116.00=23,780円
で、写真のようにケース、ランヤード、ガイドブックが付いてくる。
極端な話し、1日パスを買って、ウエストミンスター寺院とロンドン塔と、あとひとつどこかへ行けば簡単に元は取れちゃう。
ウチはどれを選んだかというと、5日しかいないのに6日パスをゲット!大盤振る舞いである。
もちろん勝算はあっての話し。
…というのは、事前にインターネットでどこに入れるかということを調べたんだけど、「高い、バカバカしい!」という理由で今まで行きたくても行けなかった施設がゴロゴロ網羅されている。
それなら今回一網打尽にそれらの施設をすべて踏破してやろうじゃないの!…と考えたワケ。
結果はどうだったかというと、マァ、トントンに毛が生えたぐらいかな?
もう一日あれば楽勝だったんだけどね。
やはり好きな人には見どころ満点のロンドンの観光名所だからね、ユックリ見て回りたいのが人情だけど、このパスのおかげで、元を取ることばっかり考えちゃってつい早足になってしまうのが難点か?
特にこういう公的な観光名所は5時とか4時半までしか入場できず、開館から7時間ぐらいしか猶予がない。
移動、食事、休憩の時間を考慮すると、かなり時間が限られているのだ。コレが結構手ごわい伏兵だってことに気付いたのは後になってからのことであった。
後悔は全くしていないけどね。

同じものがパリ、ダブリン、ローマ、ベルリンにもあるんだって。東京じゃできないだろうナァ。お金を取ってまで見せる施設が少なすぎるもん。
東京でやるなら「MESHI PASS」だね。
加盟店ならどれだけドカ喰いしても金を取られないってのどうよ。牛丼10杯ぐらい食べちゃうヤツいくらでもいるんじゃないの?
220ちょうど『ひつじのショーン』って映画の公開キャンペーンを展開していて、ロンドンの観光名所にはその場所にちなんだ格好をしたショーン像が置いてあって、コレを探すのが存外に楽しかったナ。
キティちゃんのもあったらしい。

230翌週末のクラプトンのロイヤル・アルバート・ホールのチケット売り出しの看板がチケット屋に出ていた。

240これがレスター・スクエアに林立しているハーフ・プライス・チケット屋さん。
ニューヨークでいうところのtktsね。
主に毎晩上演しているミュージカルやお芝居のチケットを取り扱っている。
その日の売れ残りのチケットを当日に格安で販売するワケ。また、ここの係員が不愛想極まりない。どうせやるならニコニコしてろ!っての。
ああ、この黄色い看板の『Sunny Afternoon』っての観たかったんだけど、時間が合わなくて断念!
好きな人には題名を見ただけでおわかりでしょう。The Kinksのミュージカル。

250vさぁて、LONDON PASSも無事にゲットしたし、元を取りに行くか!…イヤ、ロンドン観光を楽しむか!…イヤ、マーブロの取材に出かけるか!
ということで最初に訪れたのはロンドン塔。
やっぱりこのタワー・ブリッジ駅から外に出た瞬間の感動はいつ来てもスゴイよね。しかも天気がいい!

255ここにもショーン。

260こっちはビフィーター姿のショーン。
可愛いね~、子供たち!

275マァ、信じられないぐらいの晴天!寒いかな?と思って薄手のダウンジャケットも用意してきたけど今日は必要なさそうだな。

280ウチはですね、イギリスに来るためにアン・ブーリンの映画を観て予習してきたんですよ。
だから感動もひとしお?ったって、アンが首を斬られたところだからね。

290いつも混んでいるけど、今日もモノスゴイ混雑っぷりだった!
この建物の中に王室の財宝が展示されているのね。撮影禁止。ムービングウォークに乗ってサッサと移動させられちゃう。
この「E II R」というロゴの「E」と「II」はもちろん「Queen Elizabeth II」のこと。女王陛下が崩御してチャールズ皇太子が戴冠すれば「C III R」になるらしい。
Charlesという王は1660年から1685年まで在位したチャールズ2世以来となるからだ。
これでいくと、ダイアナの下の子、ヘンリーが王位を継承したら、8世以来ヘンリーというなの王がいないので「ヘンリー9世」となる。
カッコよくない?「八っつあん」直系だぜ。ハーマンズ・ハーミッツにまた歌ってもらわねば!

300あ、ちなみにウチでは「ヘンリー8世」のことを親しみを込めて「八っつぁん」と呼んでいます。

310みんなサ、ロンドンでも一、二を争う観光名所ってんで、ワイワイ楽しそうにVサインしながら記念撮影しているけど、ココ、元は政治犯らを収容する刑務所であり処刑場だったんだぜ!その前は城砦だった。
ヘンリー八世の時代、「ロンドン塔送り」は死刑宣告を意味した。一度入ったら生きて出てこれないのが普通。「オマエ、つべこべ言ってるとロンドン塔だぞ!」ってな具合。
罪人たちは船に乗せられてテムズ川からこの「トレイターズ・ゲイト(裏切り者の門)」を通ってロンドン塔に収容された。

315このあたりでアンは首を斬り落とされたという。
ちなみにロック・ファンはよくご存知だと思うが、ヘンリー8世には6人の奥さんがいて、処刑されたのは2番目の奥さんのアン・ブーリンと5番目のキャサリン・ハワードの2人。
ヘンリー8世はナンダカンダで6人の妻のうちアン・ブーリンのことが一番好きだったらしい。
アンを処刑する時、フランスから特別に切れ味のよい刀を取り寄せてスパッと首を落とさせたという。また、その刀が本当に切れるかどうか、自分の首で試してくれと申し出たヤツもいたらしい。
一方、キャサリンの時はそこらへんの刀でゴリンっとやっちゃったらしいよ。
昔は残酷だよね~。

320王室の財宝以外にも武具甲冑の類のすごいコレクションが展示されている。

330

340これは1613年に徳川秀忠からジェイムス1世に贈られた鎧ふたつのうちのひとつ。日英間の最初の貿易協定締結の記念品。
この鎧は元々武田勝頼のものだったとか…ホンマか?武田信玄の息子だよ~。会ったことないけど。
1961年まではロンドン塔内で飾られていたが、「重要人物からの贈り物」とされていただけで、すでに日本云々ということは忘れ去られていた。どうせ日本なんかその程度のもんだたのだろう。
返して欲しいね。それで鑑定団に出そう!
ちなみにどちらがマネをしたのかはしらないけど、BBCでも鑑定団と同じ内容の番組をやっているんだよ。

350アン・ブーリンと家内。

360スゲエ股間!
この鎧のモデルがヘンリー8世のものというワケではないんだろうけど、身体がデカかったヘンリー8世はたくましいふくらはぎを見せながら、フランスの王と自分のどちらが立派かと取り巻きの連中に尋ねたらしいが、一番の自慢は股間だったらしい。
で、鎧のこの部分も大変大きなパーツが取り付けられたということだ。
シゲ2世はコレの1/5で十分だわ。

370vテムズ川側の出口からタワー・ブリッジを望む。ここでまた感動!

380つづく