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2015年7月26日 (日)

イギリス紀行 2015 その3~マーケットに行ってみよう

今日は日曜日。
家内のリクエストであちこちで開いているマーケットへ行ってみよう…ということでロンドン塔の後、リバプール・ストリート駅まで来た。

10_3私は今までロンドンの東の方へ来ることがあまりなかったのだが、こっちの方もいいね~。

20_2このあたりはペチコート・レーン・マーケットとかブリック・レーン・マーケットなんてのがあるんだけど、今回はオールド・スピタルフィールド・マーケットというところに行ってみた。
19世紀からやってる。

30_2ひとりでロンドンに来たらまずこんなところ来ないけんね。いい機会だ。

40マーケットのようす。

50_2マァ、あるわあるわ、いろんなモノが!

60_2中古レコードはない。イヤ、一軒あったかな?欲しいと思うものはないけど、見て回るだけで楽しい。

70_2地図屋…

80_2コレはハンガー屋ではなくてアクセサリー屋。首回りのアクセサリーだけを扱っている。

90_2コレは、実際の文学作品から抜粋した文章で描かれたイラスト。

100_2例えばフィッツジェラルドの『華麗なるギャツビー』。このギャツビーが実際の小説の中の文章で形どられているというワケ。

110_2ホンモノのウイスキー・ボトルをペッチャンコにして作った時計。

120_2コレはわかりやすい。アウトレットの洋服。ゴッチャゴチャ!

130_2ベルト屋さん。待っていればその場でオリジナルのベルトを作ってくれる。

140_2アナグラムのブロックを使った飾り。

150_2こんな感じ。

160_2赤ちゃんの帽子屋さん。

170_2どれも可愛いの!

180_2さほど大きくもなく、混んでもおらず、ブラブラと見て回るにはちょうどよい感じ。

200_2端っコにはテーブルとイスが設置してあり、何種類もの食べ物屋の屋台が並び、簡単な食事ができるようになっている。
そろそろお腹が空いてきたのでウチもお昼ごはんを頂きましょう。

210_2家内が選んだのはコレ。
中の緑のヤツはヒヨコマメ、またはソラマメ、もしくはその両方から作った「ファラフェル」というコロッケのような揚げ物。
中近東の伝統的な料理だそうだ。それを野菜と一緒にピタに挟んだもの。

230_2

この「pilpel」というお店がものすごい勢いで気前よくこのファラフェルをサンプルに配っているもんだからウチもご相伴にあずかった。
そしたらこれがなかなか美味だったので家内はコレを頂いたというワケ。
ボリューム満点!
pilipelはロンドンに4つの店舗を構えているそうな。

220_2私はコレ。
トリの残飯定食…じゃないよ。
チキンのカレー煮とライス。見た目は汚いけどピリリと辛くて結構おいしかった。

240_2マーケットの外に出るとこんな感じ。

250こういう古いいでたちの店舗が街中でごく普通に営業していて実におもしろい。

260_2これなんか古そうだよ~。今は雑貨屋さんのようだけど、昔は果物屋さんだったんだね。看板を掛け換えずそのまま使っちゃうところがおもしろい。

270さっそく、さっきのpilpelの店舗を発見。今日はもういいわ。

280_2リバプール・ストリート駅のほぼ正面にある1745年開業のパブが「ダーティ・ディックス。」 1745年といえば延享2年だ…っていつ?1745年だ。徳川家重が九代目将軍になった年。


元々、このパブは18世紀の中頃に荒物屋や倉庫業を営むリチャード・ベントレーという人が経営していた。
ベントレーは若い頃はとてもダンディだったが、結婚式の日に婚約者が亡くなったショックでその後身の回りのことに一切構わなくなった。
やがて彼の店や倉庫は荒廃し、「汚いモノ」の代名詞となり、「ロンドンの汚い倉庫」という宛先だけで郵便が届いたという。
その後、その汚いリチャード、すなわちディックにちなんでこの店は「ダーティ・デイックス」という名前になったそうだ。下ネタではござんせんのであしからず!
そして、このベントレーはディケンズの『大いなる遺産』に登場する変人キャラのミス・ハヴィシャムのモデルになった。

300_2店内はこんな感じ。さすがに古いナ。

310_2入り口にはゲーム機があって「?」だったけど、中はムード満点だ。

315_2何の銘柄か忘れちゃったけど、エールでひと休み。あ~、リラックス、リラックス。
ロンドン散策の大きな楽しみのひとつ。

320_2隣りのテーブルでは若いカップルが食事をしてる。
雰囲気はタップリなんだけど、この店は、元はビールの醸造所で現在は約220軒のパブを運営する「Young's」というチェーン・パブの一角だそうだ。ちょっとガッカリ。
で、このYoung'sというのは、「Young's Bluecrest」というイギリスの年間の魚介類の消費量の40%を取り扱う食品会社の傘下なのだ。
だからとなりのカップルが食べていたフィッシュ&チップスもこのYoung's Bluecrest社の商品というワケ。
1745年開業の由緒あるパブも大手企業の商品を販売するための一拠点になっている。
ま、そんなもんか…。
ちょうどセメント会社とその直系生コン会社の関係みたいなものだ。

330_2目の前のリバプール・ストリート駅から地下鉄に乗って「コート―ルド美術館」へ。最寄りの駅はテンプル。

340_2コート―ルド美術館はテムズ川沿い、ウォータールー橋のすぐそばにある政府関連機関、芸術・教育関連機関が入った巨大な建物、「サマセット・ハウス」の中にある。

S_img_0659ゴッホ、モネ、マネ、ルノアール、ゴーギャン、ゴヤ、モジリアニ等々、日本には恐らくは来ないであろう印象派の名画が目白押しの有名な美術館。
以前にも来たことがあったが、美術好きの家内にココの素晴らしいコレクションを見せてやりたくてやって来た。
入場料は£7.00。1,435円。高い!でもLONDON PASSがあるので安心、安心。
これでまた£7.00元を取った…と。
しかし、旅の二日目はツライ。
時差ボケは激しさを増すし、少しはトレーニングして来たつもりの徒歩も能力の限界をスッカリ超えてしまったようだ。
動きたくない…。
ちょうどギター二本をバックにした声楽のミニ・コンサートをやっていたので休憩がてらジックリ聴き込んで来た。

345でもまだ歩く!
ライセウムはまだ『ライオン・キング』やってるのか…。

350_2ドゥルーリー・レーンは『チャーリーとチョコレート工場』か?
まったく見る気もおこらんな。
コレ、映画ではジョニー・デップがやったヤツでしょ?昔、飛行機の中でチャレンジしたけどとても観れなかった。

360_2…ということでブラブラ、ソロリソロリとコヴェント・ガーデンへ。ここはまた来るでしょう。

370レスター・スクエアを通ってソーホー経由でウォルドア通りに向かう。ウォルドアはマーキーの二号店があった通り。
途中ロニー・スコッツに通りかかったら長蛇のキュー!あ、列のことね。誰が出るのか気になったが、もう足が棒でアソコまで行くのすら億劫だ。
まだ歩かなきゃならないんだから!

380_2目的地はウォルドア通りのイタリア料理店「Princi」。
家内が日本にいる間にチェックしておいてくれた「ウマそうな店」のひとつ。
食事がマズい…というのが定番のイギリスだけど、チャンと調べればおいしそうなお店がゴマンとある。
「でもそれは大抵イギリスの海外から来た料理でしょ?」ってなことになるけど、そんなの関係ねぇ。
イギリス料理に限定していたらステーキかローストビーフかフィッシュ&チップスばっかりになっちゃう。
ハギス(茹でたヒツジの内臓ミンチ、オート麦、たまねぎ、ハーブを刻み、牛脂とともに羊の胃袋に詰めて茹でる詰め物料理)だのジェリード・イール(ウナギの煮こごり)だのマーマイト(イースト菌のエキス。オイニーがキツイ)だの、そんなもの初めから口に合わないのはわかってるんだから対象外だ。
以前にも書いた通り、グルタミン酸ナトリウムづけの加工食品や、店頭に何日置いておいてもダメにならない不思議なサンドイッチを平気で食べる日本人の方がよっぽど身体にマズイ(=ヤバいという意味)ものを食べてる。
あ、そういえば、卵の消費期限というのは海外の方が長いらしい。25日とか?コレにはワケがあって、向こうの連中は卵を生で食べる習慣がないからだ。
「生卵には寄生虫がいるから」といって、すき焼きをそのまま食べる外人はそう珍しくない。

だからロンドンでも平気でイタリア料理を食べよう。
問題は食事の回数。
つまり、一日の食事の回数はキマっている。
朝っぱらからウマいものめぐりは考えにくいことに加え、我々は米を食べることが義務づけられているから、食事は昼と夜の二回に限られる。
したがって、いくらおいしそうなお店を事前にたくさん発見していても、どれもこれも行くワケにはいかない。
ましてや時差ボケで体内時計が狂いまくっちゃっているから、あまりお腹が空かないので余計食事の回数が少なくなりがちになってしまう。

それと為替レート!
コレは後にまた書くと思うけど、ま、外食はどんなものを食べても感覚的にすべて日本の2倍から3倍の値段になっちゃう!

そんなことを念頭に置いて家族会議を開いた結果、プリンチで惣菜を買って家飲みにしよう!…ということに相成った。
何せビールには困らないでね~。缶ビールでも十分にウマいし安い。

歩きに歩いて「プリンチ」という店に到着。
モノスゴイ人気でお店は満席。
店の右側が食事スペース、左側が惣菜コーナーになっている。疲れ切っていたのと混雑具合が尋常でなかったので店内の写真は撮れなかったが、この惣菜コーナーが何しろ素晴らしい!
どれもヨダレが出そうなくらいおいしそう!
デザートがまた見目麗しい!
悩んだ結果、ツナとモルタデッラのフォカッチャをひとつづつとカプレーゼ、それに冷蔵庫に入っているティラミスがひとつ。それで£18.20だから3,731円。やっぱ高い~!
それでもビールは駅前のスーパーで買い込んで来てるからその分安上がりなのだ。
銘柄は定番のボディントン。好きです。
ボリュームはタップリだし、すごくおいしかった~!

で、この後、予想だにしなかった悲劇が!次号を待て!

390つづく