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2015年8月11日 (火)

イギリス紀行 2015 その5~リアル・エールはマジうまい!

メリルボン・ハイ・ストリートからオックスフォード・ストリート方面へ戻る途中…思い出してチョイと行ってみたのがこの通り。

05「ウィンポール・ストリート(Wimpole Street)」というんだけど、聞き覚えがある人はかなりの映画通。あるいはミュージカル通。

06ここは『マイ・フェア・レディ』のヒギンズ教授の邸宅があるところ。
もちろん実在の人物ではないのでそういう設定ということなのだが、映画の中でヒギンズ教授とイライザがコヴェント・ガーデンで出会うシーンで何度も「ウィンポール通りの我が家」と出て来る。
すなわちフレディがロイヤル・アスコットでイライザにめぐり会って、恋に落ち、浮かれまくって名曲「君住む街角(On the Street Where You Live)」を歌った界隈だ。
ライラックの木々も石畳も見かけないが、この辺りのハズだ。

07リージェント・ストリートへ出る。ピンクと黒をあしらったシャレたデザインのバナーがはためいている。

20vコレ、MAGNUMというアイスクリーム・バーのキャンペーンのバナー。
チョコレートをかぶせてナッツをまぶした棒のアイスクリームあるでしょ?ああいうヤツ。
イギリスではコーナー・ショップに行けば大抵扱っている。
£1.00~1.50ぐらいで買えるかしら。
ボリュームがあっておいしい。私もよく買って食べる。

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カーナビー・ストリートへ行こうと思って…。

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ココの装飾はいつもシャレている。

30vシェイクスピアが見下ろすパブ。
私もシェイクスピアみたいになって来たな…文章じゃなくてアタマのことね。

40_3John Stephenというこの通りを築いた人のプラーク。
モッズ発祥の地。50年以上前の話しだ。

45もうチェーン店の洋服屋ばかりで昔の栄華を感じ取ることはできないが、よく見て歩くと結構面白いものが発見できる。
立ち並ぶビルのところどころに小さな案内板が取り付けてあって、当時人気の的だった洋服屋やレコード店だったことが指し示されている。「ロンドン・ロック歴史探偵」としてはコレをめぐるのがまた楽しい。
詳しくは別途Marshall Blogで紹介する。

50_4女性の大工さん。カッコいいんだ、コレが!
右のプラークにも興味深いことが書いてある。コレもMarshall Blogで!

60_4さて、ここいらでパブ・タ~イム!

90_4この前は以前にも何回か通りかかっているが、初めて入ってみる。
「The Old Coffee House」という店。

95「コーヒー・ハウス」というのは17世紀に現れた女人禁制の男のたまり場で、文字通りのコーヒー・ショップでアルコールも食事も出さなかった。
コーヒー代のほかに入場料が徴収され、今の巷間の安いコーヒーを飲ませるといった類のものではなかったらしい。
店内では賭博も禁止され、コーヒー・ハウスに集まった男たちの会話から株式会社や保険、新聞、広告等のアイデアが生じ、産業革命の発端にもなったそうだ。
その「コーヒー・ハウス」がそのまま店名になっているパブ。

100_3店内はそれっぽくメチャクチャ古いイメージ。
軍隊への勧誘のポスターや古い写真が飾ってあってひとつひとつよく見るとすごく面白い。

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日本にいるときに下調べしておいたのだが、何でもBrodie'sというリアル・エールがおいしいというので試してみた。
「試してみた」というより、それを飲みに来たのだ。
ま~た、ここのオヤジがやたら無愛想で感じが悪い!オーダーしてもニコリともしない。

一方、そのリアル・エールとやら、向かって右がそれ。
泡が少なめの普通のラガーみたいだが、モロに味は上面発酵のエール。コレが破天荒にウマいッ!
何とも言えない香りと適度な苦み、そしてスムースなノド越し!
これはウマイとしかいいようがない。
これまでのところ最良のエール。

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Brodie'sのハンド・パンプ群。
恐る恐るオヤジに「写真撮ってもいい?」と訊いてみると「50ペンス出さなきゃダメだ…」とボソっと言いやんの…でも顔はニコッとしている。その上、ウインクまでしてみせた!
なんだ案外いいオヤジじゃんか!

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スッカリ気に入っちゃった!次回もまた来ようっと!

135v足はすでに「棒」…。
風が強くて寒い…。
でももうちょっとガマンして、ついでだからリージェント・ストリートを渡ってへドン・ストリートまで「棒」を伸ばす…イヤ、足を伸ばす。

ココももう何回も来ているが、自分がシッカリと写真に収まるのはコレが初めて。

140_3コレを撮影した場所だ。しまった!ホウキかなんか借りて来てジャケットのボウイと同じポーズを取ればよかった!

145cd後で知ったんだけど、どうやらこういうプラークも存在しているらしい。全然気が付かなかった。あるいはもう取り外されたのかな?

146電話ボックスもまだ置いてある。ずいぶん奥に引っ込んじゃったな…。

150_4コレね。

155_2昔はこんなに見えていたんよ。

160v移動。
上品なお店が立ち並ぶアーリントン・アーケード。

170v_2珍しくフォートナム&メイソンなんかにも入ってみよう。家内と一緒じゃなきゃまず来ない。

180_4とにかくここの木造の階段には感動した!
もう「ギーギー」上り下りするたびに盛大に木がきしむ音がする。
上を見上げるとまるでヒッチコックの『めまい』のようだ。カッコいい!
でね、ココに入った目的のひとつはお土産探し。そしてもうひとつは当然トイレ。
男子トイレは四階(実際には五階。この差の理由は皆さんご存知の通り)の紳士服売り場の奥にあって、このいかにもポッシュな売り場を通り抜けて行くのが結構気が重い。
「May I help you, sir?」と「What are looking for, sir?」とか聞かれるのがイヤなのだ。
まず、こんな汚い格好をしていて「sir」と呼ばれることに莫大な恥ずかしさがある。
もうひとつは、そういう時は定番の「Thanks, I'm just looking」で乗り切れば何ら問題はないのだが、その足でトイレに駆け込むところをその店員に見られるのがあまりにも情けない。
…ところが、ココはロンドン。
ゼンゼン人のことなんか構わないのよ。つまり、汚い客はシカト。
でもね、チャンと用事があって話しかけると、ものすごく真摯に対応してくれる。
うるさくなく、丁寧なその態度はすごく好感が持てる…と行ってもタオルの一枚すら買わなかったけど。
ゴメンね、F&M。

190vおなじみリバティ。
こんなのもほぼ初めて入った。
家内と一緒だといつもは絶対に足を踏み入れないようなところにも行くので旅がとても新鮮になる。

200v_2しかし、ここは殺人デパートだね。
店内はそれはそれは気品にあふれていて素晴らしい!木造風なんだよね。
あ、ちなみに、ヨーロッパは「石の文化」とかいって『三匹の子ブタ』の三番目の子ブタちゃんが作ったような築100年は軽く経過している石造りの古い建物がたくさんあるが、梁をはじめとした中の構造は完全に木造だからね。だから盛大に床は軋むし、傾いている。
話しは反れるが、昨日、テレビの甲子園の番組のインタビューで家の職業を訊かれ、「父は子ブタを育てています」と答えていた子がいた。「子ブタを育てる?」…ずいぶん可愛い職業だな~…とその時は勝手に思ったけど、アレはもしかして「小ブタ」なる小さい品種のブタの飼育をしているのかもしれないな。
どうでもいいか…。

とにかくリバティ!
素晴らしく群を抜いているのはその雰囲気だけではない。
値段だ。
殺人的に高い!
もちろん為替の関係もあるが、すべての商品に日本だったらひとつも売れないような値段がついている。
数日後、ブレッチリ―の友人とこのことについて話しをしたが、まず出て来た言葉は「Crazy!」だった。
もちろん値段の話し。やっぱタケぇんだ…。
例えば、どう見ても日本で一枚500円も出せばオツリが来そうなコースターが2,000円近くもする。
イギリスの消費税は20%なので、そのせいもある。それを割り引いても十分に高い。
「旅の記念」じゃ許されない範囲だ。
すべてのアイテムが日本の価格の2~3倍と考えればよかろうか…するとイチイチ考えなくても何も買わなくなる。
「コッツウォルズ命のセレブの方々」にはまったく関係のない話しですよ~。

イギリスは、日本とは比べものにならないぐらい都会と地方の物価に差がある。だから地方の人はよほどシッカリした目的がない限りロンドンで買い物はしない。
つまりロンドンでしか手に入らないものしかロンドンで買わない。
最近、Kate BushやFleetwood Macのコンサートがロンドンで開かれMarshallの社長ご夫妻も観に行っていたが、そういうものにはシッカリとお金を出すのだ。

210_4ヘロヘロなクセにナイツブリッジで地下鉄を降りてハロッズへ…。
「せっかく来たのにこんなにハロッズを見ない日本からの観光客は他にいるまい」というぐらいの短時間で切り上げる。キメ台詞は「三越にきっとあるから…」だ。
もう疲れちゃってダメ!

220_4つづく