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2019年7月23日 (火)

イギリス紀行2019 その3 ~ オックスフォードを訪ねる <後編>

 
ウッドストックからバスに乗ってオックスフォードの町に帰って来た。
うん、ヒザはココまでのところ何とか大丈夫だったんだけど…ズドドドドドドドド!
バスの2階から降りようとした時、中ほどで足を滑らせて一番下まで落っこちちゃった!
運転手さん、ものすごくビックリしちゃって、「I'm OK!」とか「Don't worry about that!」とか何回言っても「Are you sure?」と、本当に心配している様子で訊き返してくれた。
ま、生来身のこなしが素早いせいか(ウソこけ!)本当に何ともなかったのね。
520クツはUnder Armourの「SPEED FORM GEMINI 3」というスニーカー。
去年、三重の長島温泉のアウトレット「ジャズドリーム長島」に立ち寄った時に買ったんだけど、すごく気に入っていて、ズットしまっておいてイギリスに履いて行くのを楽しみにしていた。
普段シャレっ構わない私が珍しいでしょ?
でもクツは結構好きで、猿若町のクツ市なんかで、一目ぼれして履くことのない革靴を買っちゃったりすることがあるの。
革靴は履かないのよ~。
とにかくこのスニーカーが気に入っていた。
このバスの時はかろうじて難を逃れたんだけど、この後、横浜で雨の日…地面が濡れていたせいで思いっきり靴底を滑らせ、コンクリートの階段に腰を強打してしまった。
もう、気が遠くなるような激痛だったんだ。
そして、もしかして腰骨にヒビが入っってしまったのではないかと、真っ青になってしまった。
幸いそれも大丈夫だったんだけど、一週間ぐらい寝返りも打てなかった。
マジでコワかったわ~。入院してそのままボケちゃったらどうしようかと思ったよ。
え、そのクツをどうしたかって?履いてます。お気に入りだから。

Uaコーンマーケット通りという目抜き通り。
イギリスの地方の町にありがちな光景。
カンタベリーなんかもこういう感じだった。

530このハーフティンバーは古いよ。
何やら建付けが狂っている感じだもん。
ところが、下の右ハジを見て。
「PRET」が入ってる。
スゲエ不釣り合い!

540「PRET」とは「PRET A MANGER(プレタマンジェ)」というサンドイッチのチェーン店のこと。
大手ハンバーガー屋が誘致して日本でも一時出店していたことがあったのでご存知の人もいらっしゃるかも知れない。
ロンドンではそこら中にあるんだけど、以前は私はココの商品が好きではなかった。
普段からサンドイッチを食べないこともあった。バゲットみたいなモノも置いてあるんだけど、やたらと冷たくてカチンカチンのパンばっかりで、どうしても他に食べるモノがない時以外はPRETに入ることはなかった。Pam2ところが、今回は3週間の間に一体何回入ったかな?
1日に2回なんてことが何度かあった。
どういう風の吹き回しかというと、ロンドンのホテルのすぐ近くにPRETがあって、ある日イヤイヤそこに入ったところ、家内がチキンのスープを発見してくれた。
もちろんアツアツで、コレがもうバカうま!
奥のヤツね。

5_cs おいしい理由のひとつは下のロゴにある通り、ファストフードのくせに「オーガニック」で「ナチュラル」なのよ。
そのチキンのスープにしても、まったく「調味料(アミノ酸等)」っ気がなくてすごくおいしいの。
そのウチ、一部のサンドイッチをオーブンで焼いてくれることを知って、もう怖いモノなしよ。
理由のもうひとつはWi-Fi。
1回どこかの店で登録すると、イギリス中のPRETですぐにWi-Fiが使えて便利なの。
PRET以外にもスターバックスやらNEROやらファストフード店のFree Wi-Fiにはずいぶんお世話になったわ。

Jpam1

ところがスープ飲みたさにPRETに入ると、朝は置いていないところが多く、その代わり下の写真のようなモノが並んでいる。
コレは「Porridge(ポーリッジ)」という押し麦のお粥。
麦を牛乳で煮込んじゃう。「オートミール」っていうヤツ?
どう見てもお粥でしょ?
お粥といえば、米に卵、(ウチの場合)オカズは塩ジャケに梅干しやら塩昆布やら…。
ところがこのポーリッジっていうのはハチミツをかけたり、ドライフルーツをまぶしたりして、お菓子感覚で食べる。
こっちは日本食に餓えていることもあって、コレを見ちゃうと頭の中は自動的に塩昆布のショッパさでイッパイになっちゃうワケよ。
で、ひと口食べてみる…グエエエエ!甘~~~い!お粥じゃない!
お粥じゃないのはわかってるんだけどどうしてもこうなっちゃう。脳ミソが困っちゃう。
全部食べたけど、1回で卒業させて頂きました。
どうして朝はスープがポーリッジになっちゃうのか、不思議に思ってお店の人に尋ねてみた。
すると、ポーリッジは朝食で、スープは昼食に出すんだそうです。Pori店の中のようす。
昔の建物の雰囲気を残しつつ、上手に改装してある。ステキ。
この時はもう午後だったのでトマトのスープ(L)を食べたんだけど、おいしかった。

550「The Covered Market(ザ・カバード・マーケット)」というアーケード。
こううところは絶対にオモシロイ。
まず開業が1774年。200年以上前からやってるってんだからスゴイ。

560いいね~、このレトロな雰囲気!

570コレ、観光客を狙ってこうしているワケではなくて、元々こうで、コレからもこうなんだろうね。

676v「Cobbler」というのは「靴直し屋」さんのこと。
こっちで言うと、駅で見かける「ミスターミニット」ですな。

580魚屋さん。
結構ニオイがすごかった。

590肉屋さん。

600「オーガニック」となっているけどウインナーとかはどうなっているんだろう。
世界有数のオーガニック先進国のオーストラリアの友人が「プロセス・フーズ」という言葉を使っていたけど、スーパーなんかで売っているハムとかウインナーとかベーコンっていうのは相当ヤバいらしい。
「もうほとんど薬品を食べているようなモノ」と言っていた。
参院選も終わったけど、「食の安全」とか「食べ物の正常化」を訴える政治家っていうがゼンゼン現れないね。
きっと「そういう」仕組みになっているということなんだろう。

610コレはパイ屋さん。
いちいちお店の造作がカッコいい。

620こんなところに郵便ポスト!
その上にブラ下がっているのはウサギ。
何でウサギだと思う?

630vコレは「不思議の国のアリス」のウサギなのです。
ナントならば、「不思議の国のアリス」の作者ルイス・キャロルはオックスフォードの大学を卒業しているから…みたい。

640ココのアーケードの大きな特徴のひとつは、チェーン店がほとんど入っていないこと。
昔は日本の商店街だってこうだったんだよ。
675このケーキ屋さんもそう。

655父の日が近かったのでこんなケーキが…。

656おシャレなウェディング・ケーキ。
新郎と新婦に目をやると…

660vオイオイ、2人とも新郎じゃねーか!
このウェディング・ケーキの段の数って、欲しい子供の数を表すって知ってた?

670v「オックスフォード」と言えばコレ。
もうMarshall Blogに何度も登場しているけど、世界で最初の辞書「OXford English Dictionary(OED)」編纂の物語『博士と狂人(The Professor and the Madman)』…と行きたいところだけど、スッカリ忘れてたわ!
というのも、これまた何度も書いてきたいるけど、この本、「オモシロかった」という印象がゼンゼンなかったからなのです。

Pmメル・ギブソンとショーン・ペンの映画どうなったのかな?
と思って調べてみたら、日本公開は未定だって…なんだよ。

12pammさて、オックスフォードといえば何と言っても「大学」。
でも時間がなくて皇室の方々が学んだことでも有名な「オックスフォード大学」には行かれなかった。
とはいえ、オックスフォードってのは街全体が大学のようなモノで、そこら中が「ナントカCollege」だから、そういうのをいくつか覗かせてもらった。
こういう建物はみんなそう。

690チョット中にはいるとみんなこうなってる。

700コレもそう。

710中はこんな感じ…全部大学。

720まぁ、とにかく街並みがなんとステキなことよ。

730こんな狭い路地も…

780広い通りも、どこを歩いても絵ハガキのようだ。

790またコーンマーケット通りに戻る。
目指すは前方の塔がある教会。

795工事現場を覆う壁。
大きな通りに設置されるそうした壁にはこうして地元の情報や歴史を記した何がしかの読み物が刷られていることが多く、時にはウィキペディアにも出ていないようなマイナーな情報が得られてオモシロイ。
この時はエリザベス一世が目を惹いたのでナニが書いてあるのか読んでみると、「2021年に北門が開通します。その年は1571年に『Jesus College(ジーザズ・カレッジ)』が創立してちょうど450周年の年に当たります。
ジーザズ・カレッジはエリザベス一世がオックスフォードとケンブリッジだけに創設した大学です。そこで学ぶ学生はエリザベス一世が説いた伝統的な規律を重んじつつ、現在はサイバー・セキュリティや医療画像処理やゲノムの最新の研究に勤しんでいます」…みたいなことが書いてあった。
だからエリザベス一世なのね?

800「オクスフォード博物館」…入らず。

810その向かいあたりにある郵便局。
コレがまた立派だった。

820入り口に設置してある大きなゴミ箱…と思ったら郵便ポスト!
向かって左が翌日に配達される「ファースト・クラス」、一番右が3日後に配達される「セカンド・クラス」。
当然料金は違う。
で、真ん中が「Newspapers and Packets」となっている。
「Packets」は小包。
「Newspapers」は何だろう?と思って調べてみると、どうもイギリスでは新聞や本を送る場合は普通の郵便より料金が安いらしい。
それが真ん中のポストなのかも知れない。
Marshallの友達に確認しておきます。
間違えていたらココ、シレッと書き直しておきますんで…。

830目的地の「Christ Church Cathedral(クライスト・チャーチ大聖堂)」。

840ココはハリーポッターの食堂のシーンのロケに使われたそう…と言っても私はわかりませんが。

850さて、早速見学させてもらいましょう…と中に入ろうとしたらNG!
入館時間に間に合わなかったのだ。
こういうところは、どこもかしこも5時まで開いているんだけど、ココはラストオーダーが4時すぎで、間に合わなかったのよ!
ま、別にハリーポッターに興味はないので、おとなしく諦めた。
が!…日本に帰って来て地団駄を踏んだのは、コレのすぐ隣に「Bate Collection of Musical Instruments(べイト楽器コレクション)」という楽器の博物館があったらしいのよ!
コレは見たかった!
やっぱりブログは取材、旅は下調べが肝心ですな…。

860緊急事態発生!
ヒザがヤバいです!

870ということで、もうこれ以上のオックスフォード見物は諦めて、ソロリソロリと駅を目指して歩いた。

880ヒザさえ痛くならなければもっと街をスタコラサッサと見て歩けたんだけどナァ。

885帰りもちょうどいい電車があって、スムーズにパディントン駅に到着。

890よく見てみるとこの駅もダイナミックだな。
あの黒い出っ張り…

900ホームまで車が直接入って来れるようになってる!
「No Public Access」と書いてあるけど、マァそうでしょうね。

910自転車だって入って来ちゃう。

920ホームに自転車置き場がある駅なんて日本にある?
地方へ行けばあるのかもしれないけど、ココ、ロンドンのど真ん中の駅ですからね~。

930ホラ、早速オジちゃんが自転車を押してやって来た。
電車でパディントン駅まで来て、自転車に乗って会社に行って、仕事が終わればまた自転車でパディントン駅まで来て、ホームに自転車を置いて電車に乗って家に帰る…と。
渋谷駅もコレをやればいいじゃんね。

5_img_9302 トイレの手洗い器。
ナゼかお湯が出るところが多いんだよね。
地方へ行ってもそう。

940こんなのあるんだ~。
「水のリフィル機」っていうのかな?
ペットボトルの水を次から次へ買うのは止めて、ココで中身だけ充填してください…という給水機。

950vコレのおかげで現在まで46,965本のペットボトルのゴミを増やさないで済んだ…というワケ。
イギリスはこうした自然保護のための節約をドンドン進めてるからね。
スーパーのレジ袋もそう。

960電車に乗っている間、足を休ませていたのでヒザの痛みもなくなった。
ということで、パディントンから地下鉄サークル線でグルリと回ってテムズ川沿いの「Temple(エンバンクメント)」まで行きます。
本当はベイカールー線で「Embankment(エンバンクメント)」まで行ってサークル線に乗り換えた方が早いんだろうけど乗り換えがシンドイのでグルリのルートを選んだ。
この配線!
日本だったら絶対に隠すでしょう?
それとも故障した時にすぐに修理できるようにワザとムキ出しにしてるのかな?…なんてことを考えながら電車が来るのを待った。

970…と思ったら、言わないこっちゃない!
ハイ、サークル線止まった。
駅でアナウンスが流れると、皆さん、文句のひとつを漏らすこともなく、また舌打ちする人もなく、サッサとルートを変えて目的地へ行くために出口へと向かっていく。
完全に慣れっこになってる。
ロンドンの地下鉄は簡単に不通になっちゃうからね。
駅は駅で、こうしてすぐにゲイトを閉めてお客さんが入れないようにしちゃう。
私も何度もこんな目に遭っているので、特段驚いたり慌てたりすることはないんだけど、困っちゃうのが構内のアナウンスの聞き取りなんだよね。
音質が悪く、盛大に響いてしまうのでとにかく聞き取りにくい。
聞き取ったところで大した情報が含まれていないことは承知しているんだけど、やっぱり気になる。
今回こんなことが他でもあって、音に集中しようと思いっきり眉をひそめてアナウンスに耳を傾けていたら、そばにいたオバさんが見るに見かねたのか、笑いながら英語を英語に通訳してくれた。
案の定大したアナウンスではなかったけどオバさんの親切がとてもうれしかった。

980結局、ベイカールー線でエンバンクメントまで行ってサークル線に乗り換えることになった。
面倒だったけど、へへへ、これからスゴいパブにエールを飲みに行くのだ!

990<つづく>

(2019年6月6日 オクスフォードにて撮影)