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2019年9月 4日 (水)

イギリス紀行2019 その9 ~ 引っ越し

 
イギリス滞在14日目。
昨日、家内が先にひとりで日本に帰っちゃったからな~。
あと1週間、寂しぞ~…なんてことをスッカリ忘れさせてくれるような大快晴!
今日は丸1週間滞在した、住み慣れたラッセル・スクエアの「プレジデント・ホテル」を出て、安宿に引っ越す日。
ひとりになるからね。
自分1人だったらマァどんなところでもいいからね。経費の節減だ。
荷物をまとめて比較的早い時間にチェックアウト。
この窓からの景色もコレで見納めだ。
10行き先はキングス・クロス駅の周辺。
ロンドンは主だった通りの角々にこうした地図が掲示してあって実に便利。
チョット「迷ったかな?」なんて時にもこの地図のおかげですぐに軌道修正できる。
もっとも今は「ナビ」っての?
皆さん、スマホ片手にスイスイよ。
街角でこんな地図を見ているのは私とお年寄りぐらいのモノ…あ、私自身がお年寄りだったわ。
とにかくおおまかな方向と目指す場所の通りの名前さえわかっていれば、ロンドンの中心部にいる限りまず迷うことはない。
15問題は荷物。
6月1日にミルトンキーンズで開催されたMarshall Liveが終わって、そこから向こう約10日分の衣料を詰め込んだスースケースを携えてロンドンに移動して来た。
それぐらいの荷物ならワケないんだけど、カメラだのレンズだのパソコンだのを詰め込むと、コレが信じられないぐらいの重量となる。
取り急ぎ必要のないモノはMarshallの本社に置いて来たつもりなんだけど、以前書いた通り「大は小を兼ねる」と特大サイズのスーツケースを持って行っただけになんやかんやとつい詰め込み過ぎてしまうのだ。
そして、ロンドンに来るときは車だったでしょう?
だからそのスーツケースがコレほどまでに重かったとは気づかなかった!…というかナントカなると思い込んでいた。
もちろんスーツケースの底には4つのキャスターが付いているが、果たしてこの重さに耐えられるかどうか…。
キャスターが壊れたら一巻の終わりだ。
こりゃナントカならんかも知れん。
何しろ簡単に持ち上げることすらできない有様なのだ。
これから直線距離にして約500mを歩いて次のホテルに移動する。
大した距離ではないが、コレがツルツルの地面だったら問題ないのだが、ロンドンの歩道は年季が入ってるもんだから、あちこちの石畳やブロックがズレまくっていて、ホーチミンほどではないにせよ、デコボコな箇所や段差がやたらと多いのだ。
そんな悪路でスーツケースのキャスターを壊さないように…と用心深く、そして少しずつ歩いていたらたった500mの道を移動するのに30分以上かかってしまった。

7_rtok何とかたどり着いた所がコレ。
ココにこれから3泊ほどご厄介になる。
ロンドンではそこら中で見かける「ホテル」とは名ばかりのB&B。
30でも、ロケーションは最高!
何しろキングス・クロス駅がすぐそこに見える。

50歩いて1分ぐらいか?

60その隣は当然セント・パンクラス駅。

70「ヨーロピアン・ホテル」と大上段に構えた名前。
実はこの時、ブッキングのミスが発生していて、前の日にチェックインすることになっていた。
それに気づいて数日前に予約をしたウェブサイトを通じてキャンセルを申し入れようとしたのだが、どうにもキャンセルを申し入れるページが探し出せなくて、仕方なくこのホテルのウェブサイトにメールでキャンセルを申し入れた。
返事はなかった。
ちゃんとキャンセルされているかどうか心配しながら、朝9時頃にチェックインすると案の定「昨日チェックインする予定でしたよね?」とコチラの様子を窺って来た。
東ヨーロッパ出身風の頑丈そうなお姉さんだ。
そう来ると思っていたので、打ったキャンセルのメールのスクリーンショットを見せた。
すると彼女は「アラ~、不思議ね。届いてないわ…でも気にしないでいいわよ。キャンセル扱いにしておくから。一日分は請求しないでおくわね」と、事後にもかかわらず気持ちよくキャンセルに応じてくれた。
それどころか、「今朝はもうごはん食べた?よかったら下の食堂で食べって行って!」と親切に朝食を誘ってくれた。
なんたる親切!
こういういいB&Bに当たるとうれしいね。
「アラ?もしかして9時過ぎてる?ゴメンナサイ…朝ごはんは9時までなの!」ということで頂戴することはできなかったが、気持ちがうれしいじゃないの!
コレは後日譚。
日本に帰って送られて来たクレジットカードの請求を見ると、このホテル名義の請求が2件計上されていた。
結局キャンセルされていなかった。
つまり、ホテルはキャンセルしてくれたのだが、間に入っていたホテルの斡旋サイトにキャンセルの通知が届いていないので、そちらからシッカリと請求が来た…というワケ。
まぁ、こうなるとはウスウス思っていたんだけどね。皆さんも気を付けてください。
キャンセルは必ず申し込んだ先にすべし。お姉さんの好意が「無」になってしまった。
 
次は荷物。
こうしたB&Bのようなホテルにはエレベーターなどあるハズがないことはわかっている。
「頼むから1階の部屋であってくれ…」と心の中で祈っていると、お姉さんが部屋の鍵を渡してくれた。
「ハイ、部屋の鍵をどうぞ~!部屋は3階よ!」

80果たしても荷物を上げることができるのか…?
一旦、荷物をレセプションに預けて部屋までのルートを下見してみた。
気分はチョモランマかK2の登頂だ。
コレは持ち上げて上がることは到底できないな…無理してまたヒザをやってしまったら大ごとだ、と思い作戦を立てた。

90vもうコレしかない。
本当に階段のステップ一段ずつスーツケースを上げて行ったのだ。
コレはシンドかったし、時間がかかった。
そのかわりチェックアウトの時は簡単だった。
反対にツルツル~と滑り下ろしてやった!

100v部屋はこんな感じ。
どうせ寝るだけなんだからコレで十分!
この時は必要なかったけど、当然エアコンはなし。
天井に扇風機が付いているだけ。

110v窓の外は…というと、「アーガイル・スクエア」という公園でなかなかの眺め。
遠くに「BTタワー」が見える。

120向かって右が玄関。
左がバスルーム。

120vその真ん中についている電気のスイッチが気になる。
オッソロしく雑な仕事。
よくコレで検収したな。

125バスルームと言ってもバスタブはない。
シャワールームというヤツ。
ちゃんと普通にお湯が出るだけでも相当優秀だ。

130v枕元にあるドア。
なんだと思う?
押し入れだと思うでしょ。

140v枕元にトイレ!
あ~、トイレが近くにあって助かるわ。

150vこういうのは日本のビジネスホテルと変わらない。
Wi-Fiは完備。
コレで朝食がついて1泊7,000円ぐらいかな?
このロケーションなら相当安いでしょう。
物価の高いロンドンではチョコっと朝ごはんを食べても1,000円近くになってしまうことも珍しくないので、「朝食込み」か否かはかなり重要なポイントだ。

160この日は朝食にありつけなかったので近くのPRET。
普通のコーヒーが飲みたいのに、ロンドンでこういう所に入ってメニューを見ると「エスプレッソ」だの「カプチーノ」だのばかり。
「ブレンド」なんてのは日本だけでしょう。
「コーヒー、プリーズ」なんてオーダーしたところで「ハァァァァ?」という反応が返ってくるのはわかりきっている。
じゃ、どうオーダーするのかというと、ココでは「アメリカーノ」という。
「ハハン、そういうことか…」と、滞在中PRETに行くと「アメリカ―ノ」と「リ」を少々巻舌にしてオーダーし、そればかり飲んでいたけど、エスプレッソを薄くしたモノを一般的にそう呼ぶことを後になって知った。
この時もアメリカーノとジャムの入ったクロワッサン。
コレが大きくて実においしい。とにかくパンが美味しいんだよね。
もうコレだけで十分。

170コレは他のPRETの店舗のようす。
「QUEUE」という言葉がうれしい。
「列」という意味ね。
クツがパンでできている。

Img_9015食べ物のコーナー。
安心の無化調。
私は一切食べなかったが、家内によるとデザートもすごく美味しいらしい。
滞在中、彼女はアサイーのヨーグルトに夢中になっていた。

Img_9014そして、コレ。
チョット失礼。
見て、この砂糖の数。
1、2、3、4……今入れているヤツも含めて全部で7つ。
コレ、持って帰るのかと思うと問答無用で全部入れちゃう。
向こうの人ってみんなこうなんだよね。
ウチの社長も事務所でコーヒーを入れてあげると角砂糖にして3個分ぐらいの砂糖を平気で入れちゃう。
お子様か!
紅茶もミルクを盛大に入れるのが当たり前だもんね。

Img_9011PRETを出て発見した地図。
コレがイケなかった。
この地図で「London Canal Museum」というのがすぐ近くにあるのを発見してしまったのだ!

175vこの日はすでに行くところがキマっていて、最高の天気だったのでチョーうれしかった。
通りはユーストン・ロード。
セント・パンクラス駅の向こうは大英図書館。
その向こうはユーストン駅。
Marshallに電車で行く時はその駅を利用する。
つまり、数日後にはそこへ行くんだけど、例のクソ重い荷物が心配だ!

180やっぱり撮っちゃうセント・パンクラス。
これまで一体何枚コイツの写真を撮ったことか…それでも撮っちゃう。
昔はインターナショナル駅化のための工事をズ~っとしていたが、もう何年か前にそれも終了しかなりスッキリした。

185反対側はこんな感じ。
この「FIVE GUYS」って知ってる?
アメリカのハンバーガー屋。

190キングス・クロス駅の構内。
スコットランドへ行く時はこの駅を異利用する。
例のハリーポッターの何番線だかのホームがあるところね。

210駅のコンコースで出くわした映画『ゴジラ』の広告。
今度は「ラドン」やってんのか…。
海外では「ロダン」ね。
フランク・ザッパの子供のひとり「アントロダン」はココから名づけられたんだよね。

200v今日の昼の予定(どこでナニをして来たのかはMarshall Blogの『イギリス-ロック名所』めぐりで後日レポート)は無事終了して大満足。
オマケで朝街頭の地図で見た「London Canal Museum」に行ってみた。
場所はキングス・クロス駅の裏をチョット入ったところ。
その前にお腹が空いたので…

220PRET!
ちょうど博物館に行く途中の曲がり角にあった。

225s

午後になっていたのでスープが並んでいた。
今回はちょっとエスニックな感じのココナッツ風味のチキンと野菜のスープ。美味しかった。
それとハムとチーズのホットサンド。チョットしょっぱいんだけどコレも美味しい。
本日2回目のPRETも美味しく頂きました。
この時はアメリカーノはなし。
PRETって数年前まではキライだったんだけどね~。
ココに頻繁に入る理由は取り扱っている商品の魅力以外にもあってね…それはWi-Fiなんですわ。
私のスマホは海外で使えないのでWi-Fiに頼らざるを得ない。
一度どこかのPRETで登録をしておくと、どこのPRETでも入れば、あるいは店の近くにいけばいつでもWi-Fiが飛んできてくれるので便利なのだ。

230お、標識が出て来たぞ。

240コレがその「London Canal Museum」。
つまり「運河の博物館」。

250私はこのイギリスの運河にとても興味がありましてね~。
5ポンド(700円チョット)なんて喜んで払っちゃう!

260さぁて、一体ナニを見ることができるのかな~?

270館内に足を踏み入れるとこんな感じ。
なかなか良さそうだぞ。
その前にトイレ、トイレ…。

280ココでも発見!
いつかやったヤツ。
ね、「ヒモ」のことを「cord」って呼んでるでしょ?

290さて、早速展示を見て見る…と、何ですかコレ?

300アイスクリーム関連の展示がズラリ。

310コレは昔の冷蔵庫。

320こんなので売り歩いていたって。

330チョットわかりにくいかもしれないけど、コレは氷室。
氷を保管した昔の冷蔵庫だね。
ガバッと穴を掘って再現しているけど…こんなの別に見たくないんですけど…カナルがいいんですけど。

340大丈夫。
カナル関連の展示ももちろんある。
「もし船を作ることができれば、重い荷物を水に浮かべて運ぶことができます」
コレが基本。
日本も同じなんだよね。
昔の日本は織物や生糸、その他の繊維関連が産業の中心だった。
でも、いくら優れた生産体制を確立していても流通の便が悪いとその地域は発展しなかった。
結果、産業が栄えた地域って必ず街道筋か、川が流れている場所にあったんだよね。

350ホントにこのイギリスの運河網ってスゴいんだよね。
それもコレも山がないからでしょう。
日本ではこんな運河網を全国に張り巡らせるなんてことは絶対できないもんね。

370ホンモノの昔のナロウ・ボートももちろん展示されている。

380博物館の裏には実際に稼働しているナロウ・ボートが停泊している。

4002階はすべて運河関連の展示。

410運河を行き交う船の種類の説明や…

420ロック(閘門)の説明。
でも、ほとんど見るところが少ない!
あ~、なんだよ~…入館料を損したとは思わないけど、期待して損した。
私はこの博物館をおススメしません。

430でもイッチョ前にミュージアム・ショップなんてあるんだゼ。
驚いたのはコレ!

440vナント、ナロウ・ボートに関する雑誌ってのがあるんですよ!
以前、Marshallにディックという年配の方がいらっしゃってね、仲間と「Dragonfly」というナロウ・ボートを所有して、それに乗って運河を通ってイギリス各地を巡るをことを楽しんでいた。
私も興味があったので、工場に行くたびに色んな写真を見せてもらったり、話を聞いたりした。
「シゲもいつか乗せてあげるよ!」なんて言ってくれていたけど、だいぶ前にディックも定年で退職してしまった。450ホテルに帰る。
もうコレで夕方なんだけど、前のアーガイル・スクエアは朝の光景とほぼ同じ。
みんなナニやってんだ?

460オイオイオイオイ、ナンカ変なことやってんじゃないだろうな!
この後、またブラリとソーホーまで繰り出したのであった。
ひとりで寂しいからじゃないよ。

470(2019年6月9日 ロンドンにて撮影)