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2020年5月26日 (火)

イギリス紀行2019 その33 ~ さらばマンチェスター&ただいまブレッチリ―

 
2泊したマンチェスターも今日が最後。

10_5マンチェスターはとても音楽が盛んなところでね。
色々なコンサートが夜ごと開かれている。
Holliesはマンチェスターだもんね。
グラハム・ナッシュのコンサートにバディ・ホリーのメモリアル・ショウ。
Herman's Hermits、Bee Geesもマンチェスター。
Marshall Blogでやったように10ccはおとなりのストックポート。

20_5「イヤイヤ、ナニ言っちゃってんの?マンチェスターと言えばOasisでしょう?
他にもたくさんスゴいバンドを輩出してるじゃないの!
Buzzcocks、Joy Division、The Smith、Stone Roses、Take That…マッドチェスターという言葉を知らないの?
The Haciendaという有名なライブハウスの跡地へは行ったの?
アナタ、いつもロンドンでそういうのやってるでしょ?」…と言われそうなのはよ~くわかってる。
でも…申し訳ないんだけど、ホントに知らないんですよ~、そういう新しいの…と言ってももう30年以上前のバンドたちか…。
最近、自分の古さに呆れる時が多くなってきたわ。30_5この日も朝はPRETのジャム・クロワッサンとカプチーノ。

40_4午後から行きたいところがあるのでトットとホテルを離れた。
この裁判所を見るのもコレが最後か…。
今日は薄曇り。お世辞にも「いい天気!」とは言えない。

50_6お、「マンチェスター・クラフト・ビール」なんてのがあったのか…知っていたら飲んだのに!60_5この路面電車にも乗らなかったし、地下鉄にも乗らなかったナ。

70_7マンチェスター・ピカデリー駅に到着。

80_5

90_5コンコースに展示している象のガイコツ。
いつもはマンチェスター博物館に展示されているアイテムなのだが、6月4日~16日まで特別に駅に設置された。
私が見た日が最終日だった。
マンチェスター博物館の有名な展示品を駅の目立つところにおいて盛り上げ&宣伝しちゃおうということだろう。100_6この象、生きている時は「マハラジャ」くんという名前だった。
今から150年ほど前のこと…エジンバラのサーカスの団員だったマハラジャくんがマンチェスター動物園に買われて汽車に乗って引っ越しをすることになった。
ところがマハラジャくん、ガンとして汽車に乗りたがらない。
どうも暴れて貨物車を粉々にしちゃったらしい。
ま、それを見ていたまわりの人たちはマハラジャくんのパワーにさぞかしゾ~っとしたに違いない。
象ってスゴイ力持ちだからね、そんな貨車をぶっ壊すことなんでナンノ造作もない。
コレがホントの「造反」だ。
どうするか…マハラジャくんに残された選択肢はただひとつ。
エジンバラからマンチェスターまでひたすら歩くしかない。

105その距離、約320km。
ノッシノッシと10日間かけて踏破したというんだけど、道中大変だったろうナァ。
ナニが大変って、まずエサの確保。
それと…食べるということは、出しもするでしょう?
動物園で見たことある?…象が用を足すところ。
アレをそこら辺でやられたらタマったもんじゃない。
自分の家の前でやられたら憎悪の念すら沸いてしまうだろう。
しかし、みんなビックリしただろうナァ。
その間のマハラジャくんの面倒をつきっきりでみたのはロレンツォ・ローレンスという人。
この人、マハラジャくんに入れ込んでしまって、そのままマンチェスターでマハラジャくんが死ぬまで40年間面倒をみたんだって。
ちなみにロンドンに「Elephant & Castle」というところがあるけれど、コレとは何の関係もありません。Map2構内のようす。
この日は日曜日だったけど、特段混んでるようにも空いているように見えなかったナ。110_6来る時に「Return」の切符を買ってあるので、都合のよい時間の電車を探して乗り込むだけ。
この時刻表は実にいつも合理的だと思う。

120_5止まる駅がアルファベット順に、時系列に並んでいる索引的な表示。
私は今これから「ミルトンキーンズ」に戻るので「M」のところで「Milton Keynes」のところを探す。
すると次にミルトンキーンズ駅に停まる「Virgin」の電車が10:35分に5番線から出ることがわかる。
ナゼこうなっているかと言うと、電車によって止まる駅がマチマチだからなのね。
このあたりが日本人とイギリス人の電車の感覚の違いなんじゃないかしら。
新幹線は別にして、日本の場合、特急電車なんかでも止まる駅が全部同じでしょ?
日本の鉄道の先生はイギリスなのに、ナゼこのシステムを導入しなかったのだろうか?

130_5まだ時間が大分あるので2階に上がって休んで待つことにする。
ここにも「yo!SUSHI」があるわい。

140_6このオレンジと赤のロゴ…「ソク!SHUSHI」と読んだ人がいるが、私は彼の感性に敬意を払いたい。
「Yo!SUSHI」は外食、ホテル、不動産業までを展開するサイモン・ウッドロフという人が立ち上げたイギリスの「Yo!Company」の寿司部門。

11_yslogojpナント言うか、イギリスの6番目の大都市の玄関とは思えないノンビリムード。
この三角の旗が大変に前時代的でよろしいな。

150_3このトノサマバッタみたいのがVieginの特急車両。

160_5「Virgin Knight」という名前がついている。カ~ッコいい~!
「Pendolino(ペンドリーノ)」というのはイタリア語で「振り子」の意味。
そうね、英語で「振り子」のことは「ペンデュラム」って言うからね。
イタリア製の車両なのだ。
コレはイタリアの列車の形式の名前で「車体傾斜式車両」というものを指すのだそうだ。
つまり、列車がカーブに差しかかった時、車体を傾かせて高速を維持する方式。
実際、メッチャ速いんだよね、イギリスの特急って。

175一応「Milton Keynes Ctrl」に停まることを確認して…と。
あ、この列車、ミルトンキーンズを出た後ロンドン・ユーストンまで直行だ。

170vもう何回もMarshall Blogで見せているけど、中はこんな感じ。
イスの向きを変えることができない。
そして背もたれがかなり垂直で、決して座り心地がいいとは言えない…と感じるのは日本人だけであろうか?

180_5ドアの開閉は日本の雪国方式。
冬はヤケクソに寒いからね。

190_5窓の上の表示。
コレいいと思わない?
「058の席はマンチェスターピカデリーから予約されています」
一方、通路側の057は「Available」でロンドン・ユーストンまで席が空いていることを示している。

200_5お、ココは窓際も通路側もズッと空いているようだからこの席にしよう。
コレ、名前が出ちゃうヤツもみたことがあり。

210_4何だよ、マンチェスターを離れたら一発で晴れやがった!
アソコ、本当に天気が悪いんだな。

220_4コレは火力発電所だって言ってたな。
今、イギリスの火力発電の割合は28%で、2025年までに火力発電所を全廃するらしい。
じゃ、原発か?というとそではなく原発も廃止の方向で動いていて、それらの代替となるエネルギーは天然ガスによる火力発電や洋上の風力発電とかになるらしい。
イギリスが火力発電を止める理由は「イギリスのような先進国が環境に悪い火力発電をやってるなんてメッチャかっこ悪いじゃん?」ということもあるそうです。
さすが世界の一等国。

230_3イヤ~、キレイだな~。240_4ハイ、アッという間にミルトンキーンズに到着。

250_5大して馴染みのない風景だが、ものすごく「帰ってきた~!」という感じ。
慣れというのは恐ろしい。

260_5タクシーでベース・キャンプのホテルに帰ってきた。
再々度チェックインして、預けてあるメインの荷物を受け取る。
ココからまた2泊ほどして日本に帰ったワケなんだけど、最終日にチョイとうれしいことが起こった。
うれしかったから書いちゃう。
それはチェックアウトする時のこと。
今回は3回もお世話になっていたので、応対をしてくれたレセプションの女性とは顔見知りになっていた。
そして、その女性に「いよいよこれで帰ります」とお礼を告げた。
するとその女性が「え?帰るってどちらに?」と訊いてくる。
「東京です。日本」と私が答えると…「エ~、ロンドンじゃないんですか?英語がお上手なのでイギリスに住んでいらっしゃるのかと思っていました!」と言ってくれるじゃないの!
ムリのあるお世辞でもうれしいもんです。
本の数秒間の「ロンドンっ子体験」でした。

270_5部屋に荷物を置いてすぐに出かけた。
いい天気だな~!

290_6この低い雲!

300_5Marshallの前を通り過ぎる。

310_5今日は日曜日なのでお休み。

320_5ン?チョット雲行きが怪しいか?
すると訝しんでいる間もなく…

330_4雨!
オイオイ、さっきの青空から5分と経ってねーぞ!

340_3でもすぐ止むんだな、コレが。

350_3TESCOの駐車場に置いてあった箱。
コレはゴミ箱ではない。
「The Salvation Army(救世軍)」がやっている、不要の服や靴を入れるための箱。
いわゆるリサイクル・ボックス。
コレで集めた衣料を貧しい人たちに分配する。

360_4今、ブレッチリ―の駅へ向かっております。

370_3また降ってきた。

380_4目指すは「Bletchley Park」。
また晴れてきた。

400_5駅のすぐそばのパブ。
帰りに寄ったけどナント、エール売り切れ。ラガーしかないというので帰って来ちゃった。

410_5目指す「ブレッチリ―・パーク」はブレッチリ―駅のチョット奥。

420_4着いた~!
天気も復活。

430_5もちろんコレが有名なのはずいぶん昔から知っていた。
3年前に来た時に入ろうかと思ったんだけど、入場料の高さに驚いて断念。
「やっぱり行っておけばヨカッタ」と後悔の念が激しく、今回いよいよ再訪とあいなった。
イヤ~、思わぬオマケも付いて来てオモシロかったのよ。
ココがナニかと言うと「Park」とはなっているけど、第二次世界大戦中、ドイツの暗号を解読するための秘密基地があったところなの。
それに関する博物館があるのね。
この先はMarshall Blogでレポートしたいと思います。
ココは「ロックの名所」ではないけれど、Marshallの地元の名所ということと、真空管仲間ということがその強引な理由。
お楽しみに!

440_3<Marshall Blogにつづく>
 
(2019年6月16日 イギリス マンチェスター&ブレッチリ―にて撮影)