イギリス紀行 2014~その2
前回、「おもしろい!」と大変好評を頂戴しました、ありがとうございます。
だいたい人が苦労している話しってもんはおもしろいもんですな。過去掲載の記事も是非ご覧になってくださいまし。
★イギリス紀行2012 秋の陣(8本シリーズ)
★Relaxin' in London 伊藤広規、ロンドンを往く(3本シリーズ)
★イギリス紀行2012(全19本シリーズ)
ハッピーな体験もあれば、トホホな話しもあるし…イギリスは本当におもしろい。今回も目についたものを書き連ねていきます!
さて、今回の宿泊地はBoston Manor。Manorというぐらいなので当然「マナー・ハウス」がある。
マナー・ハウスとは簡単に言って貴族の邸宅ですな。
下の写真はその敷地内に建っている小学校。
これがそのマナー・ハウス。
一般的に非常に古い建造物が多く、歴史的な価値もあることから、内部を公開しているマナー・ハウスもあれば、実際に住居として使用されているモノもあるそうだ。
このマナー・ハウスは建てられたのは1622年!関ヶ原のチョット後だぜ!
この建物は天井や壁に施された漆喰の彫刻が見事ということで、早朝散歩した時に中を除いてみたが、漆喰の彫刻よりも薄気味悪さの方が勝っていたな。ディズニー・ランドの「ホーンテッド・マンション」みたい。モーツァルトみたいな頭をした人が平然と廊下を歩きすぎて行く姿を見たような…。
よく考えてみると「古い、古い」とばかりよろこんでもいられないような気もするワケで…。というのは、建物が出来て数百年、どれだけ多くの人が住んで来たのか知らないが、かなり多くの人がココで亡くなっているワケでしょう。
それを考えると結構気味が悪い。「ロンドン塔」とか「エジンバラ城」なんか最たるもんだよね。
田舎に見られる古いホテルやB&Bなんて、夜中、寝ている間に部屋にどれだけ幽霊が出ているのかわからんゼ。
敷地内には池まであって実に美しいたたずまいを見せている。
「古いホテル」で思い出した。
泊っているB&Bの「お湯の出が悪くて困った」という話しを前回書いたが、大分前、会議でマーシャルに行くとみんなで泊る古いホテルがあった。ジムの家からほど近いところで、ジムの家でパーティをやってもブラブラ歩いて帰って来れるようなロケーション。
傍らに美しい公園があって、建物は築120年は経ってようかという立派なものだったが、風呂には困った。
ここはお湯の出はよかった。よいどころか盛大に熱湯が出る。これはありがたいと思ったのもつかの間、水の出が極端に細く、頭なんかとても洗えたもんじゃない。アレのおかげで大分毛が抜けた。
程度な温度になるように、細い水の量に合わせてお湯の量を調節すれば今度は全体の水量が少なくて身体を洗うこともできやしない。
アレにはマイッタなぁ。
やっぱり他の宿泊者からもクレームがついていたが、ホテルの連中もクレームをつけられるまで「知らなかった」というワケではなかろうに。確信犯なんだゼ。
そこへ行くとやっぱり日本の接客業はピカいちだね。
ピカデリー線、「ボストン・マナー」駅へ続く道。住居以外にはとにかくナ~ンにもない。
イギリスのポストはまだたいていこういうヤツ。日本も昔はこうだったんだけどね。
こういうモノを見ると昔の日本はイギリスのマネッコをずいぶんしていたことを実感する。郵便の発祥はイギリスでしょ?
ホラ、土曜日を過ぎると表示は「MON」になっている。「月曜日まで来ませんよ~」という意味。
「Hounslow」というエリアは公園が多いとか、交通の便がいいとか、ロンドンでも住みやすい地区のひとつらしい。
右の赤と白の「T」の字のサインは「この先行き止まり」という意味。
「GIVE WAY」はその字面通り「道譲れ」。その下の矢印の標識はYesでおなじみのラウンドアバウト。あのクルクル回ってる交差点ね。
つまり、「この先にラウンドアバウトがあるから、中に入っている車を優先させなさいよ」ということ。
ちなみにラウンドアバウトがあるのはこうした郊外のみ。ロンドンの中心地にはまったく存在しない。
ロンドンの中心地から少し離れた住居地区を訪れてすぐに気がつくのは路上駐車だ。
道路という道路にビッシリと乗用車が連なっている一方、住居にガレージが一切ない。月極駐車場のようなモノもまったくない。
そして、路上に停まっているすべての車のフロントガラスには下の写真のような証明書が貼ってある。
気になる。そこで仲良しのMarshallのDannyに尋ねてみた。
ピンク色の丸いヤツは「Road Fund Tax」といってイギリスの高速道路や一般道を整備維持するための税金を払っているという証書。
で、イギリスでは住民税を払う時に登録申請すれば家の前に自家用車を停めちゃってていいのだそうだ。その登録を示すのが上の四角い「RESIDENT(住人)」というヤツ。いいな~。
イギリスは日本に比べて国土が2/3、人口が半分とかいわれるけど、こんなことろでそれを実感するね。
仮にピカデリーサーカスをロンドンの真ん中ということで銀座だと仮定すると、このボストン・マナーはそうだな…時間的に市川ぐらいかな?そんなところで路上駐車し放題なんて考えられる?
そして、駐車許可を受けていない人は駐車チケットを買って車を停めなければならない。
これは駐車券の自動販売機。
月曜日~金曜日の午前9時~午後6時まで4時間を上限に路上に駐車することができる。30分で£1.00だから1時間で360円弱。日本よりチョット高い。日曜日と祭日は無料。
おもしろいのは、この駐車料金を携帯から電話して払えるという点。MrshallのCraigもこれを利用していたが、このメーターの番号(この場合1693)をしかるべきところに電話をすると自動的に料金がチャージされるらしい。
東京のパーキングメーターが100円硬貨しか受け付けなくて困ったことない?100円玉を作るために食べたくもないアメをコンビニで買ったりして…。
その点、コレ便利だよね。
イギリスでは大小を問わず、ありとあらゆるすべての道に名前が付いている。こんな細い路地にも「CLITHROW PASSAGE」なんて大層な名前が付けられている。
だから住所さえわかって大体の場所さえわかっていればほぼ迷うことはない。これはいつも便利だと思う。
要するに建物の建て方というか、都市計画とまではいわないまでも、区画整理がうまくできているんだよね。日本の住所は実に複雑だもんね。
待てよ…。イギリスってすべての家が道路に面しているのか…。「道路」というのは両側に車が停められる程度の幅員があるということね。
だからさっき書いたように路上駐車ができるんだな。ウチの前は4t車が入れる程度の幅員はあるけど、それでも住人がこぞって車を止めたら大変なことになる。
ロンドンではユーストン駅から電車に乗って北へ行けば20分足らずで牧草地が広がり、牛や羊が草を食んでいる光景に出くわす。
ましてや、ロンドンの街中は美しい緑の公園だらけだ。
ロンドンの人口は830万人だそうだ。東京は1,323万人。ま、東京の方が500万人ほど多いが、東京エリアの広さと言ったらロンドンの比ではない。もっとゆったりできてもいいと思うんだけどね。いかに東京は狭いエリアに偏って人々が暮らしていることがわかる。
そうそう、最近渋谷の駅前の交差点の写真を撮っている外人が増えたね~。「ナニおもしろがっとんじゃい!」と言ってやりたくもなるけど、確かにあんな光景はピカデリー・サーカスでもオックスフォード・サーカスでもはたまたタイムズ・スクエアでもお目にかかることはできない。一大スペクタクルだ。
そんな東京が一番好きなんじゃ!
ピカデリー線、ボストン・マナー駅。これからEastboundのチューブに乗ってロックの名所をめぐりに行くのだ。
取材した内容はおいおいMarshall Blogの「イギリス-ロック名所めぐり」でレポートするのでどうぞお楽しみに。まだまだあるのよ、名所。
あ~、歩き疲れた。
ここからもうひと悩みしなきゃならないのが夕食だ。
もうすぐ帰るにしてもやっぱり恋しいのは日本食。ウエストエンドには日本食のレストランはいくらでもあるけど、今の為替レートだとバカバカしいほど高くなってしまう。
チャイナタウンの中華もな~。ワンタン麺に餃子にビールなんていったらそれだけで3,000円近くになるもんね。
…悩んでいたら、こんなものを発見。「JAPAN CENTRE」だと?ピカデリー・サーカスにこんなんあったっけ?
中には生鮮食品から乾物までありとあらゆる日本の食べ物や調味料が売られている。
スゲェ混んでる。お客さんは日本人ばかりと思いきやそうでもなくて、半分ぐらいは日本以外の人たち。