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2013年7月

2013年7月28日 (日)

寺田恵子生誕50周年記念興行『QUEENS BIRTHDAY』

イヤ~、昨日もSHOW-YAはホントに素晴らしかった!
恵子さんの生誕50周年記念興行『QUEENS BIRTHDAY』!
Marshall Blogでも紹介したように、24日には22年ぶりのシングル『V.S. MYSELF』も発売され、いいように盛り上がっちゃった!

これがそのシングル『V.S. MYSELF』。
うれしいことに今まで私が撮ってきたライブ写真がふんだんにちりばめられている。
それに『NAONのYAON』完全収録しているDVDもうれしいね!私を探したりしないでよ!
もちろんSHOW-YA史上最速という新曲『V.S.MYSELF』も出色の出来だ。

Vs_img_9557_2 さて、昨日のコンサート。レポートはMarshall Blogにもちろんゆずんるんだけど、とにかく密度の濃い素晴らしい演奏だった。
やっぱり、最初の音が出た瞬間、ゾワーっと鳥肌がたっちゃうんだよね、この音圧に!

恵子さんもお誕生日コーナーもあって、最高に楽しい内容だった。ここで書けないのが残念!マーブロ待っててね。

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そのほかにも企画がテンコ盛りで、次作のジャケットにお客さんの写真を載せちまおう!というのがスゴかった。撮りも撮ったり350人以上!
卒業アルバムじゃあるまいし、こんなにたくさんの方を一度に一枚一枚撮影したのははじめて。イヤ~、人間の顔ってものすごいバリエーションですな。ご協力いただいたお客さま、ありがとうございました。

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そして、昨日の様子が今日のスポーツ報知、サンケイスポーツ他に掲載されている。写真は私めが撮ったものでやんす。
自分で撮った写真が新聞に使われるのは初めてではないけど、うれしいなったらうれしいな!恵子さんの記念すべき50回目のお誕生日ということもあいまってそのうれしさも倍増!

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でも、新聞用の写真って時間の制限があるし、いいのが撮れているかどうかわからないし…結構緊張するのよ。

それではMarshall Blogでのライブ・レポート乞うご期待!

Vs_img_9562SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA Official Site

(ライブ写真:2013年7月27日 赤坂BLITZにて撮影 新聞記事はスポーツ報知、サンケイスポーツより抜粋)

2013年7月23日 (火)

エイドリアン・ブリューを撮ったよ

2013年3月22日 初出

某誌からお仕事を頂戴し、エイドリアン・ブリュー率いるクリムゾン・プロジェクトを撮影してきた。

プログレッシブ・ロック大好き。中学の時からずっと聴いてきた。カンタベリーも行った。

ところが、私がロックに夢中になっていた頃はプログレもすっかり下火だった。中学3年の時、『And Then There Were Three(そして三人が残った)』をリリースしたジェネシスを新宿厚生年金会館へ観に行ったが、他に活動しているバンドはピンク・フロイドぐらいで、高校の時に『Animals』がリリースされてあのヒプノシスのジャケットに感動した。もちろん、あのバタシー発電所も訪れた。

他に活発に活動をしていたのはカンサスぐらいだったかな?でも、アメリカのプログレはどーもねぇ…。

そんな中、キング・クリムゾンが装いも新たに活動を再開し、『Discipline』を発表した。『Red』や『USA』とは趣を異にしたアルバムはポップには聴こえたが、「Elephant Talk」「Thela Hun Ginjeet」に興奮した。

そして、1981年、ついにクリムゾンが日本にやってきた。しかも東京公演の会場は浅草国際劇場。フランク・ザッパも立ったステージだ(前座のひとりは四人囃子ね)。

当時、国際劇場のすぐそばに住んでいたものの、万年金欠病の大学生には大好きなキング・クリムゾンのコンサートに行くお金もなく、憐れにも「少なくともそばへ行けば音ぐらいは漏れ聴こえてくるだろう…」と自転車に乗って国際劇場まで行ってみた。

会場の周囲は待ちに待ったキング・クリムゾンの姿をとうとう目の当たりにしようと興奮している人たちばかりでにぎわっていた。

しばしその場にたたずんでいると、見知らぬ若い男性が近寄ってきて物欲しそうにしていた私に声をかけてきた。

「あの、キング・クリムゾンお好きなんですか?」

「え、まぁ」

「チケットはお持ちなんですか?」

「イヤ、その…お金がないもんですから外で立ち聞きしようかと思って…ハハハ!」

「それでは、このチケット差し上げますよ」

「差し上げますって…そんな、アータ!」

「イエ、構わないんです。(コンサート会場の入口付近で来るお客さんに声をかけている人たちを指さしながら)あの人たちに売るぐらいなら好きな人に聴いていただいた方が私も気が済みますから…」

「エ~、それじゃ申し訳ありませんよ!」と言いつつ、ポケットの中にあった有り金すべて…2,000円をお渡ししてお言葉に甘えてチケットを譲っていただいた。席は2階の一番前だった。

そんなことがあったので、とても印象に残るコンサートのひとつになった。

その時の音源がブートレッグになっている。

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「Red」でエイドリアン・ブリューが「アカ」と曲紹介したり、歓声に応えてなかなかステージを降りないブリューをロバート・フリップが半ば強引にそでに連れて行ったり、はじめて見るキング・クリムゾンのコンサートは思ったより柔らかく親しみやすいものだった。

とにかく、演奏がもの凄くウマイのには圧倒されっぱなしだった。

あれから何と32年も経っている!そりゃあ頭もうすくなりゃ、ハラもでるわ…あ、自分のことね。

32年ぶりに見たブリューはとても若々しく、エネルギッシュにクリムゾン・ナンバーをプレイしていた。

もう熱心にクリムゾンをフォローをしていないのでブリュー、トニー・レヴィン、パット・マステロット以外のメンバーのことはまったく知らない。でもみんなアメリカ人でしょ?

ナンカ、違うんだよな~。やっぱりこうした音楽はイギリス人が発明したイギリス人の音楽だと思うのですよ。つまり、キング・クリムゾンの曲はイギリス人に演奏してもらいたいのだ。

またしてもブリティッシュ・ロックの凋落ぶりを眼前で見てしまったような気がした。

今回、クリムゾンのエイドリアン・ブリューというよりも、目の前の人が人類の奇跡、『Sheik Yerbouti』に参加して、「Jones Crusher」や「City of Tiny Lites」を歌っている…ということの方が感慨深かった。

もうひとつ思ったのは、やっぱり音楽って最終的には曲の良し悪しにつきるということだ…当たり前だけど。ロバート・フリップの遺産はとてつもなく偉大だ。

 

 

 

『カイズ』~クルベラブリンカのセカンド・アルバム

2013年3月15日 初出

久しぶりにレコード会社に勤める仲良しと昼食を摂った。彼は仕事がら新しい音楽メディアに精通しており、いつもいろいろと教えてくれるそっち方面の私の師匠だ。

そして、いつも話題になるのは「CDの終末」に関すること…。私はご覧の通り音楽が大好きで、「人生一度はレコード会社で仕事がしてみたかった」、あるいは「してみたい」…と思っている。ところが、その友達の前でそんなことを口にしようものなら、「絶対やめた方がいい!」と彼はまるで自殺を押しとどめるような勢いでいつも私を諭すのである。

「CDは本当になくなってしまいますよ…」

これが理由だ。もちろんこんなことは今までもあちこちで耳にしてきていることだし、アメリカに行けば本当にCD屋がないことも知っているし、ロンドンもHMVをはじめ、ジャンジャンCD屋が消滅していることも目の当たりにしている。

それでも、「まさか…元祖はエジソンだぜ…」という気持ちが先行してあまり実感がわかないのは、あまりにも自分の人生の深い部分にレコードやらCDが当たり前に入り込んでいるからかもしれない。それとCDというフィジカル・プロダクツの最後の砦がなくなってしまう悲劇を信じたくないという気持ちもあろう。

彼の話しの中でショックを受けたのは、今年中には日本に入ってくるとかいう新手の配信サービス。その配信サービスは4大レーベルと契約していて、月額いくらか払えば、1500万曲の中から好きなだけデジタル・オーディオ・プレイヤーやスマートホンにダウンロードできるという。

コイツのおかげでiTunesも近い将来駆逐されてしまうんだと。そりゃCDもなくなるわ。

ま、好きなようにやってくれればいいけど、音楽ってここまで「どうでもいいモノ」になり下がってしまったんだな~。音楽にはお金は使う必要はありませんよ~!と言っているようなものだ。

今、今年1月に上梓された『誰がJ-POPを救えるか?』って本を読んでいる。もちろん(?)私みたいな音楽変態にJ-POPは死んでも無用のものだが、同書の中では私がマーブロに書いているようなことにも触れていて、加えて世の中の音楽マーケットのしくみが見えてきてなかなかおもしろい。

やっぱ大変そうだからレコード会社はやめておこう。好きなCDを買い続ける一方、外野で音楽業界に対して文句を言っている方がはるかに楽しそうだ…。読後、思うところがあればまたここで論じてみたいと考えている。

私なりの結論としては、フィジカルな商品を買いたくなるような音楽がないからCDが売れない…コレに尽きると思っているし、その本がそう結論付けてくれることを期待している。

さて、前置きが長くなったが、ここからはお金を出して買いたくなるCDの話し…。

クルベラブリンカのセカンド・アルバム『Kaizu』がそれだ。

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リフやらソロやら、正統派ロック的な魅力がふんだんに詰め込まれている。特にこのバンドは前作(ライブを除いて)『KRUBERABLINKA』の「太陽」のような鋭利で奇抜なギターリフが素晴らしい。

少し前にマーブロでメロディに対する持論を吐いたが、もっというとギター・リフというのはロックにおいて、ましてやハード・ロックにおいては第一印象もいいところで、ギター・リフさえカッコよければ1曲カッコよく仕上がっちゃうといっても過言ではないでしょ。みんなディープ・パープルもUFOも好きでしょ?それがここにある。

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ロックはギターと野太いボーカルでしょ。いつそれ聴くの?今でしょ?

『Kaizu』があるんだから!とにかくこのアルバムにはそうしたロックの魅力が満載しているのだ。一聴して自分たちが目指すべき音楽を心から愛し、丁寧に自分たちの音楽を作っていることがわかる。気持ちいいですよ、こういう作品は。

で、加えて歌詞がまた実にスリリングなのだ。

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あのね、ちょっと前にある音楽評論家がボブ・ディランの歌詞のことを書いていたんですよ。その方は、しばらく海外にいて少々歌詞の英語がストレートに頭に入ってくるようになったんだって。

そして、ボブ・ディランを聴いて驚いたというのだ。「連中(英語圏の人たち)はこれを聴いてストレートに歌詞を理解していたのか!」とショックを受けた。

コレ、めちゃくちゃわかるんですよ。いつも書いているようにビートルズの魅力のひとつはメロディと同時に味わう歌詞にあると思うし、エルトン・ジョンもしかり。おそらくキング・クリムゾンやピンク・フロイドの音楽を歌詞カードや辞書なしに耳と頭で味わえたら、その世界はケタ違いに奥が深くなると思うよね。ザッパなんかなおさらだ。

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こういうのはいくら後で歌詞を調べて意味を取っても魅力が半減してしまう。メロディと同時に歌詞の意味が理解できてそれを口ずさめないと味わったことにならないんですよ。

じゃ、お前はどうなんだ?って?ダメダメ、ようやくビートルズがようやくストレートにキャッチできるようになってきた程度。でもね、私はそうしてビートルズを人生で2回楽しんでいるんですよ。

それにクルベラブリンカがあるからね。「いったいこの歌詞はどういう展開になるのか?」…ハード・ロックでこんなことを期待させるバンドはまずないでしょう。
これはレトリックの問題もさることながら、あの言葉がCazさんの声で、そしてあの歌い回しで並べられるから耳に入ってくるんだろうけど。

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昔からハード・ロックは、演奏のカッコよさと歌詞のバカバカしさのギャップがいつも問題になっていたと思うんね。英語で歌っちゃ意味ないし、卑怯な感じがするし(箱根駅伝にエチオピア人を出すみたいナ…)、歌詞を重視すれば歌謡曲になっちゃうし…いつもこのジレンマにミュージシャンたちは悩まされ続けてきたのではなかろうか?そうした問題を忘れさせてくれる曲と歌詞のバランスがクルベラブリンカの曲にある。

だいたい1曲目の「宇宙は滾れ」って、「は」はスゴイ。ここ普通の感覚では「は」は持ってこない。「は」に「れ」ですからね。これ英語だと「Universe must boil」かな?ホラ、つまらなくなっちゃった!イヤ、英語にはならないでしょうな。こういう感覚がおもしろい。

ふざけているように思われるかもしれないが、今は忙しくてそう時間はかけられないが、文章を書いていて助詞ひとつに悩むことって結構ある。「が」にするか「は」にするか…みたいな。でもそんな悩みは読者には一切通じないのが普通だ。しかし、こうして歌の一部に組み込まれたが最後、たった一文字が曲の雰囲気を変えてしまわないとも限らない。だから音楽はおもしろい。

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どの曲も出来がよく、1曲ずつ紹介しているとキリがないので、その作業は割愛するがひとつだけ…。

最後の「野ばら達へ」 。バラード。これおもしろい。ちょっとコード進行をコピーしてみたんだけど、なんというか、どうもシックリこない。「アレ?こっち行っちゃうの?」みたいな…。久しぶりにこんな作業したからかな?

コード譜を全部載せたいところだけど、怒られちゃうかもしれないからダイジェストで…。

曲中に出てくるイントロのBm/Db7|D/D#dimのこのディミニッシュがタマらん。いつかCazさんがメタルはディミニッシュよ!みたいなことをおっしゃっていたが、それとは意味が違う「パッシング・ディミニッシュ」という手法。ただ滑らかに次のコードに進むために使うだけなんだけど、こうした曲にでてくるとギクっとする。

この曲のメインのキーはBmなんだけど、部分的にサブドミナントがダイアトニック・コードのEmではなくEになるもんだから曲がメジャーに聴こえてしまったりする。

また、これは特殊でもなんでもないんだけど、ドミナントのGb7を強調することでドラマチック度をアップさせている。

そしてさらにギターソロで転調。これがまた実に自然に聴こえる。よくできていますな~。カッコいいわ~。

クレジット見てみると作詞も作曲もCazさん。訊いてみると、ピアノで作った曲だとか…。やっぱ違うんだよね、ギタリストが作る曲と…。

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CDに使われている写真は昨年10月に東京キネマ倶楽部で私が撮影したもの。かくも素敵にレイアウトしてくだすったことにこの場をお借りして心から感謝申し上げます。

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…とそんな順風満帆のクルベラブリンカなのだが、悲しい知らせが届いた。音楽性の相違を理由にキーボードの岡田英之が脱退した。

ジャケットのスリーブの表4に使われている写真を撮る時、岡田さんにモデルになってもらいずいぶん手伝ってもらった。

誠に残念なことだが、双方のますますの活躍を祈念すりばかりである。

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そして、クルベラブリンカは新しいキーボード・プレイヤー、片岡祥典を迎えて活動している。

その布陣で3月20日、クルベラブリンカが目黒の鹿鳴館に登場する。普段は関西を中心に活動しているバンドなので東京圏のメタル、ハードロック・ファンの皆さんはお見逃しなきよう!

クルベラブリンカの詳しい情報はコチラ⇒KRUBERABLINKA facebook

こういう良質なCDがリリースされる限り、日本人の良識をもってすればこの国からCDが消え失せるということはないであろう…と信じたい。
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NAMM2013にて~その2

2013年2月2日 初出 

旅の楽しみのひとつは現地のおいしいものを食すことですわネェ。ってんで、Marshall USAのライアンに連れられてみんなでメキシコ料理へ…。結構メキシコ料理好きなのです!楽しみ!

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ビーフ・ファヒータ…ようするに牛の鉄板焼きですな、これは。熱いうちは大変においしいものでござるが、ウッカリ話に夢中になんて、ちょっと冷めてしまうと、肉が車のタイヤみたいに硬くなってしまうんね~。もちろん車のタイヤをかじったことはないけどサ。

しかも、この鉄板に思いっきり触っちゃってヤケドしちまった!ヒリヒリとイテーのなんのって!

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これは付け合せ。メキシコ料理といえば豆と米だもんね。この豆はどーもなー。味がどうのではなくて食感(texture)が合わんのですよ。これにトルティーヤが何枚かつく。で、バラバラに食べるなり、好きなものを巻いて食べるなりhelp youselfという仕組み。

このグァカモリがすごくおいしかった。私普段はグァカモリはおろか、アヴォカドなんて食べないんだけど、ここのはすごくおいしかった~。

テーブルには各種の辛味ソースが置いてあって、その中にオレガノのビンが混ざっていた。これは普通は置いてないらしく、ライアンによればこの店は変わっているそう。

あんまり安くなかったナァ。なんか今回アメリカの物価がひどく高いようなイメージがあったな~。

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さて、NAMM会場で会った人、見かけた人…。

ロブ・マルセロ。FUJIGENさんのブースでバッタリ!ロブはある日本人ギタリストを通じて知り合った。フランクフルトなんかでかを合わせているうちに近しくなった。

彼はFUJIGENさんからシグネチャー・モデルをリリースしている。手にしている赤いギターがそれだ。

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さすがにミーハーになるですよ。何のブースが黒山の人だかりになっていた。中に誰がいるのかは見えないのだが、何かモノスゴイものがそこに潜んでいるようなすさまじいオーラを感じたというのは大げさか…。でもすごいオーラ。
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ああ、昔のあこがれの人。あんまり有名になっちゃったので追っかけなくなってしまったが…。かつてのマーブロで長文を書いたこともあったっけ。でも、考えてみると演奏しているところを一回も見たことないんだよね~。このまま一生見ないで「夢の人」のままにしておく。
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ディーン・ブラウン。あ、あの、決してファンではございませんが、出てくるちょっと前にもジャズ・ギタリストの関雅樹とこの人の話しをしていたものだからつい…。わかんないんだよね~、ディーン・ブラウン。
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おわり

(敬称略 2013年1月 ロサンゼルス、アナハイムにて撮影)

NAMM2013にて

2012年1月26日 初出

マーブロでは「滅多に有名人や有名人といっしょの写真を撮ったりしない」なんていっているが、知り合いは別。

クリス・デュアルテとバッタリ!彼はなんで私がここにいるのかちょっと不思議がっていた。「マーシャルののスタッフだから」と名刺を渡すとビックリ。言ったハズなんだけどな~。いつもの調子でブルースを弾き倒していた。

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「シゲさ~ん」と私を見つけるなりハグハグしてくれたウリ。ウリとは約2年ぶりかな?ちょっと前におなじみのスティーヴ・ドーソンの住むサウス・シールズで演奏したウリ。その話をしたら、「夜、スティーヴと食事をしてシゲの話しをしていたんだよ!」なんて言ってくれた光栄です。今年は東京で会えるかも?でも残念ながらもうマーシャルじゃないの…。だからシゲ・ブログに登場してもらいました。

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マーシャルのブースのとなりで弾き語るレジのそっくりさん。声がクリソツ!この日、本物もコンサートを開催していたが、こちらもなかなか!ヒット曲のオンパレードで、エルトン・ファンの私はしばし聴き入ってしまった。この人は知り合いではありません。

ちなみに私が一番好きなエルトン・ジョンの曲は「Skyline Pegeon」です。
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ダグ・アルドリッチにも会った。彼はどこかのブースのサイン会の真っただ中だった。

ものすごく長い行列ができていたが、私を見つけるなりダグが「来い来い」と手招きをする。サイン会を中断するとみんなの迷惑になるし、何しろそのサイン会をやっている会社の人が「テメェ、サイン会の邪魔すんじゃねぇよ」的なスゴイ形相になっていたので、「いいよ、いいよ」断った。ところが、ダグは「来い、来い」ととうとうサインペンを手から離してしまった。こりゃかえってマズイと思い、急いでかけよってハグハグ。もちろん、その会社の人はコワイ顔をしてこっちを見てる。

ああ、日本人って奥ゆかしいナァ~。

アメリカ、ひっさしぶりだ~!

2013年1月23日 初出

アメリカに来るのは5年ぶりぐらいかナァ~。

ここのところイギリスばっかりだったから、てっきり昼ごろ飛行機が飛ぶのかと思ったら夕方だった。

ロサンゼルスまで9時間。ロンドンより3時間ぐらい早くてメッチャ助かる。この老体にとって、座りっぱなしの3時間の差はかなり大きい。

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ホテルの部屋から撮った外のようす。これは朝焼け。

この5年の間にエラク年取ったような気がするのは、時差がメチャクチャつらくなったこと!ロンドンの場合は昼に成田を発って夕方ヒースローに着くので、そのまま寝ちゃえばそう問題ない。どうせ飛行機の中ではグッスリ眠れないのですぐ眠れちゃう。

今回はシンドイ。成田を夕方発って、ロサンゼルスに着くのが前の日の朝9時。激疲れの状態でもう1回一日をやり直さなければならないからね。帰りは帰りで昼にロスを出て、成田に着くのが朝の5時。アメリカ往復ってこんなにつらかったっけ?

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ホテルの廊下。出てくる数日前に「シャイニング」を観ちゃったもんだからつい…。ダニーが三輪車で走り回った廊下みたいでしょ?おっと!部屋番号は?大丈夫、237ではありません。

私、実際にあの「シャイニング」のホテルに泊まったことがあるんよ。イヤ、正確にはモデルとなったホテルなんだけど…。キューブリックの演出を気に入らなかった原作者のスティーブン・キングがテレビ版を作った時にロケで使われたホテルね。詳しくはまた別の機会に。
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そう、今回の訪米はNAMMショウに参加するためなのです。

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NAMMには何回も来てはいるものの、まさか正式なマーシャルのスタッフで来る日が来るとは夢にも思わなんだ。

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着々と準備が進む。

NAMMの詳しい情報はコチラ⇒マーシャル・ブログ

今晩はみんなでメキシコ料理。案外好きなんだ~、メキシカン。楽しみ!
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(2012年1月22日 ロサンゼルス・アナハイムにて撮影)

嗚呼HMV

2013年1月16日 初出

年が明けて最初のシゲ・ブログ。終わったかと思ってたら大間違い!マーシャル・ブログのサポート・ブログとして続けていきますのでよろしくお願いします。

で、年が明けて最初の話題が湿っぽくて申しワケありません。今、ちょうどニュースでやってたもんだから矢も楯もタマらずポストしてしまった。

英HMVが経営破綻。

理由は配信によるフィジカル・プロダクツの販売不振だという。この問題の根っこは配信ではないとマーブロにも書いてきたが、実にイヤな気分だ。

HMVについてはマーブロの『イギリス-ロック名所めぐり』でやろうと思っておたのでここでは詳しくは触れない。ちょっとだけ…。

ここはロンドンの繁華街のひとつ、オックスフォード・ストリート。左のFoot Lockerという靴屋はかつてHMVの第1号店だった。左下のブルー・プラークがそれを表している。詳しくは後日マーブロで。

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名盤『Relaxin' at IWAKI ALIOS』の宣伝ポスターを持つ広規の後ろに見えるのが現在のオックスフォード・ストリートのHMV。これもなくなってしまうのか…。

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それにしても本当にこのままCDというものがなくなってしまうのだろうか…。みんなでよ~く考えた方がいいと思うけど…。

 

 

北のエレキガール、Tomokoカレンダー撮影

2012年12月19日 初出

Tomokoという北海道出身のベンチャーズ弾きがいる。北のエレキガールTomoko。キャリアも長く、ノーキー・エドワーズとの共演も果たした実力派ギタリストだ。

で、あるツテで2013年のカレンダーの撮影をご依頼いただいた。

とても楽しい撮影だった。

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私が担当させて頂いたのは2か月分と表4。

Tomokoさんにはもうキチッとしたイメージがあって、それに近づけていくというような進行だったので実に撮影もスムースに進んだ。

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ステージ・ライトと格闘しながら刹那刹那を切り取るライブ写真の撮影も最高にエキサイティングだけど、こうしてひとつの目標に向かってジワジワと作り上げていく作業も実に面白いものだ。

どんなことでも何かを作り上げていくということは実にやりがいのあることだ。
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Tomokoの詳しい情報はコチラ⇒tomoko 北のエレキガール

田川ヒロアキ、ニュー・アルバム『アヴェ・マリア』ジャケット撮影

2012年12月7日 初出

マーシャル・ブログでレコ発ライブのもようをレポートした通り、いよいよ田川ヒロアキのニュー・アルバムが発表された。詳細はマーシャル・ブログをご覧いただくとして、今日のシゲ・ブログはジャケット写真の撮影のレポートをお送りする。

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マーシャル・ブログで紹介した通り、これがニュー・アルバム『アヴェ・マリア』のジャケット(スリーヴ)。デザインはマーブロのバナーを作ってくれた梅村デザイン研究所

もちろん、中もバックインレイも表4も、なんもかんも梅村さんに私の写真を使ってもらった~。

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撮影は結構大変でしてね。あーでもない、こーでもないと長時間にわたる大撮影会になってしまった。ヒロアキくんもさぞかしシンドかったに違いない。

ジャケットに使われ以外にも様々なバリエーションがございましてな…こんなんとか…。

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とにかく、「動きのある写真にしよう」といろいろやってみた。ポーズをつけてもらうんだけど、ヒロアキくんは、人が、もしくは自分がどういうポーズをとっているのか見たことがないワケ。

そこで、「もっと足を前に出して!」とか「脇をしめて!」と文字通り手取り足取りポーズを決めても、長続きはしない。いくら超人的な記憶力のヒロアキくんでもさすがに手や足の位置までは即座に覚えることは困難なのだ。

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で、作戦変更。絶対こうなるとは思っていたけど…。マーシャル持ってきて、オケに合わせて自由にギターを弾いてもらった。

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すると水を得た魚のようにビシビシとポーズが決まり出した。

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これは、ジャケットに使用された写真の次に撮ったもの。一枚違うと全然変わっちゃうね。

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 ブックレットの表4の写真の別バージョン。

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衣装も変えて…と。

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帽子もかぶってみたけど…ボツ!

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照明を変えたり…ああ楽しいナァ~。

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アコギ・バージョンもあったんよ。

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こういうおすましポーズも好きなんだけどね~…

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やっぱこれか…。

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2013 SHOW-YAカレンダー!

2012年12月6日 初出

しっかし、早い!1年が早すぎる!去年の今頃は将来に対する、イヤイヤ将来なんてもんじゃないわ…翌月翌週の生活を心配しなきゃならなかったのに!何とか1年生き延びることができました!皆様のおかげでございます。この場をお借りしまして心から深く御礼申し上げます。

この1年、大変お世話になった方にSHOW-YAさんがいらっしゃいます。マーブロの写真をご評価いただき、一昨年位からライブ写真を撮らせていただいております。

そして、その撮り溜めた写真で2013年のカレンダーを作ってもらっちった!

12か月分ゼ~ンブ私がとらせていただいたもの。あった、あった、あのシーン、このシーン!舞台の床と間違えてsun-goさんに頭を踏み散らかされたこともあったっけ!

とにかくSHOW-YAはいつもカッコよかった!

で、このカレンダー、誕生月にはそのメンバーの写真がフィーチュアされるという仕組み。これ大変だったろうナァ、選ぶの…どれもいい写真だから!ナンチャッテ~。

で、この写真をよく見てください。6枚にサインが入ってるでしょ?メンバーの直筆サインなのだ!ごめんね~、特製なのよ。

え、SHOW-YAは5人だろうが!って?そう、このカレンダーは12月から使えるようになっていて、今年の分と来年の分で12月が2枚入っているのね。で、12月生まれでサービス満点のmittanが2枚ともサインを入れてくれたというワケ。

そして、真ん中にあるのはsun-goさん月。マーシャルを使ってくれるギタリストだから特別に真ん中に置いたワケじゃないよ。sun-goさんは11月生まれ、寅年のさそり座なの。なんでスラスラ出てくるかというと、ナント、ワタシと誕生日が1日違いなのです!20日が私(ハートマークがついてるでしょ?!)、21日がsun-goさん。だからおとなり同士で印が付いてる。

sun-goさん、「私は嵐」じゃなくて「私は五十嵐」なんてやってるけど(だれがこれを考えたのか知らないけど、これは相当にウマイ。50年に一回しか、イヤ一生に一回しかできない名ギャグだね。)、そう、ふたりしてマーシャルと同じ歳なのだ~!めでたいめでたい!

で、このカレンダー、SHOW-YAのウェブ・ショップでゲットできます。数がもうそんなに残っていないそうなので、興味のある方は今すぐここからチェック!

SHOW-YAカレンダーの情報はコチラ⇒SHOW-YA OFFICIAL SITE

繰り返しますが、商品にはメンバーのサインは入っていませんので予めご了承ください。2013年は、恵子さん、キャプテン、さとさん、mittan、sun-goさんと同じ屋根の下で過ごしま~す!

マーブロでは『NAONのBATTLE』の第2弾を近々アップします。

来年もよろしくお願い申し上げます。

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青山純&伊藤広規『A*I』のライナー・ノーツと撮影

2012年12月5日 初出

今年の5月にリリースされた伊藤広規&ヒズ・フレンズの『Relaxin' at IWAKI ALIOS』では写真だけでなく、ライナー・ノーツも執筆させていただき、加えてタイトルも私のアイデアをご採用いただいた。僥倖の至りである。

このアルバム、演奏は言うに及ばず、音響業界の重鎮・岡田辰夫さんが手掛けたこともあって音も抜群によく、今でも時折CD棚から引っ張り出しては聴き入り、リラックスしている。

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さて、マーシャル・ブログで紹介した通り、青山純と伊藤広規のデュオ・ユニットの新譜『A*I』が発表された。

そして、光栄にも今回も写真とライナー・ノーツを担当させていただいた。

スリーヴに使われるメインの写真は10月20日の『いわき街かどコンサートin TAIRA』のステージで撮影した。このコンサートのもようは近々マーシャル・ブログでレポートする。

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で、ライナーノーツ。何しろ、音楽史上まれにみるベースとドラムのデュオ・ユニットの2枚組大作だ。ヘタなことは書けない。イヤ、どんな内容でもヘタなことは書けないのだが、これはなおさら…。何せ青山純と伊藤広規だからね~!

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 というので、A&Rの荒木くり子さんの発案で食事でもしながら『A*I』を語り、ライナー・ノーツのネタを探ろうと相成った。場所は高尾の料亭だ。ひっさしぶりだナァ~、こういうところへ来るの…かった~いサラリーマンやってた頃以来かも!

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メンバーはA*Iの青山純さん、伊藤広規さん、そして今回のプロデューサーを務めていただいたホッピー神山さん。

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 鶏が美味!

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2人の長いお付き合いの歴史や…

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プロデューサーの仕事…
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レコーディングやミックスのノウハウ…

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もう最初から最後までアルバム『A*I』を中心にした音楽の話しでメチャクチャおもしろかった!

エ?それでちゃんとライナー書けたのか?って?それは、CDをお買い上げになってのお楽しみ!イエイエ、ライナー目当てで「どれ、そんじゃ買ってみようか!」なんてやめてくださいよ。ま。そんな奇特な人はいないだろうけど…。

でも音はスゴイよ!
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 おいしい食事の後は庭を散策。

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ジャケットに使えそうな他の写真を撮ってみようというワケ。

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 ものすごく美しいお庭なのですが…

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あまりにも雲が厚く、実に残念!

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少し場所を変えようということになり…

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多摩御陵へ訪れた。

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もうクローズまで15分しかないというタイミング。く、暗い!

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それでも色々撮ってみた。

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レフ板片手にビデオを撮りながら必死に歩み寄るくり子さん!レフ板持たせてごめんなさい!
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どれが使用されたのかはCDを見てのお楽しみ!

ところでこのお三方、まるで示し合わせたかのように赤いアイテムを身につけていた!

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(一部敬称略 2012年10月撮影)

桑名正博さんのこと

2012年10月27日初出

ある年の大みそかの晩、突然携帯電話がなった。原田喧太からだった。

「道がわからないんでちょっと案内してくれない?」

ふたつ返事で指定された浅草のすし屋通りの日本そば屋へ赴いた。2階の座敷には喧ちゃんはもちろんのこと、桑名さん、後藤次利さんたちがそばをたぐっていた。これが桑名さんとのはじめての出会いだった。彼らは浅草ロック座で開かれた「ニュー・イヤー・ロック・フェスティバル」に出演するところだったのだ。

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はじめてお会いする桑名さんは、そのままテレビから出てきたような感じで、「よろしく!」ととても気さくに接してくれた。

それからというもの、喧ちゃんと共演するライブにマーシャル・ブログの取材でよくお邪魔させていただいた。

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私は残念ながらファニー・カンパニーには間に合わなかった世代だが、元来桑名さんの声が好きで、ライブに行けば行くほど、男が聴いてもウットリするようなその美しい歌にハマった。

曲がいいのは当然だが、桑名さんは声だけで聴く者ををトコトン酔わすことができる究極のシンガーだった。

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基本的にマーシャルの人ではなかったが、愛用のB.C. Richで奏でる音数の少ないギターも素晴らしかった。ストン、ストンと選び抜かれた音で構成された味のあるフレーズをアーシーなリズムの中に散りばめて歌い上げていくスタイルが実にいい感じなのだ。

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喧ちゃんの結婚式で披露してくれた1曲も感動的だった。原田家の餅つき大会でもよくご一緒させていただいた。

桑名さんは自分が掲載されているマーシャル・ブログの記事を読んでおいでで、ある時取材でコンサーtお会場に行き、楽屋に挨拶にお邪魔すると私に向かってこう言ってくれた。

「ジブン…エエ写真撮るナァ~。使わせてもろてもええか?」

「桑名正博」が私にそう言ってくれたのである。超一流の著名なカメラマンに撮られ慣れている「桑名正博」がですゾ!うれしかった。コレは本当にうれしかった!

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2011年7月22日、喧ちゃんのお父様、原田芳雄さんの告別式に参列させていただ日、晩にも桑名さんにお会いした。その晩は森さん(森園勝敏)や大二さん(岡井大二)のライブがあって私は告別式の後、原宿のクロコダイルに取材にお邪魔していた。楽屋で森さんとおしゃべりをしていると、桑名さんが楽屋に入って見えて森さんに悲痛の声をもらした。

「告別式の後、ジョー(ジョー山中氏)のところへ行ったんや。芳雄さんやろ(正確には桑名さんが原田さんのことをどう呼んでいらしたかは記憶していない)、ジョーやろ…もうホンマ、こんなんタマランよ!」

それからちょうど1年後、桑名さんが病床に伏してしまった。この不幸なニュースを聴いた時、まっ先に桑名さんがクロコダイルの楽屋で話していらしたことを思い出して軽いめまいを覚えた。でも、必ず桑名さんは復活されると思っていた。

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私は桑名さんの音楽には「ブルース」を感じた。それは関西の人だけが持っている一種独特の感覚で、東京の人には絶対に出せないオーラのようなものが漂っていた。それは「●●ブルース」というタイトルが付いているとかいないとか、曲が3コードでできているとかいないとか、そんな形式的なものではなく、魂が「ブルース」という意味だ。しかも、桑名さんはこの「ブルース」という言葉を平気で「ロック」という言葉に置き換えてしまうことができるアーティストだった。または、ロックがブルースでできているということを証明する音楽の神の使者だったのかもしれない。つまり本物のロック・アーティストだったのである。

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そして桑名さんを失ってしまった今、我々や日本のロック界はとてつもなく大きな音楽的財産を失ってしまったことを悲しみ、そして深刻にとらえてしかるべきであろう。

もうあの歌声をナマで聴くことができないなんて不幸以外の何物でもない。もっともっと聴いておくべきだった。

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桑名さん、素晴らしい音楽を本当にありがとうございました。安らかにお眠りください。

桑名さんと少しでもお近づきになれたことを誇りに思います。

そして、そんなスゴイ機会を作ってくれた原田喧太さんに心から御礼申し上げ、桑名さん一家の一員としてますますのご活躍をお祈り申し上げます。
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(一部敬称略)

「様式美」でいこう!

 2012年9月7日初出

「様式美」…いい表現だ。

いつから「様式美」というロックのジャンルが定着したのかは浅学にして知り得ないが、こうして日本語で、しかも漢字で表現できる音楽ジャンルがある…ということがうれしい。

だって日本人って「英語崇拝主義」よろしく何でも英語化しちゃうじゃん?そのくせ英語表現を好む割には英語が苦手だったりする人が多かったりするでしょ?

前にもどこかに書いたかもしれないが、不思議なのは携帯電話が「ケータイ」という日本語名で定着していること。アレどうして英語で呼ばなかったのかな?最近は「モバイル・フォン」とか英語で呼んでいるけど、以前は「セルラー・フォン」って言ってたでしょ?「セルホ」、「モバホ」…両方ムリなく略せるし…。それなのに、スマート・フォンが出てきた途端、こっちは「スマホ」って呼んでるじゃない?どうして「リコー」にならないんだろうナァ。日本人独特のリズム感によるところなんでしょうな。

私だってやっぱり英語の表記がカッコいいと思うことが多々ある。でも、日本語で表記できるものは日本語を使った方がいいと思うし、何でもかんでも英語表記するのはキチンと英語の勉強をしてからの方がいいと思うんだよね。(でもどうしても英語単語を使った方がラクな時があるの。「クリエイト」とか「インスパイア」とかね)

せめて着ているTシャツにプリントしてある文言の意味ぐらいは知っておいた方がいい。

それと、日本分なのに外来語、もしくは海外の固有名詞の部分だけアルファベットにしてある文ってよく見かけるじゃない?あれも何だかナァ。日本語を話しているのにところどころ、キマって短い単語だけ本格的な英語になっちゃう帰国子女のコントがあるでしょ。アレみたい。(ああいうネタは大好きです)

シゲブログでもアルバムの紹介や『イギリス紀行』などでは英単語を交えることがあるけど、アレは固有名詞だけ。「原題」とか「原名」を尊重してのことで、ある部分だけEnglishでexpressすることはnothingなのdeath!

でもね、ドイツ人の友達にきいたけど、彼らもそうなんだって。ドイツ語表記より英語表記の方がカッコいいと思われているんだそうです。同じアルファベットなのにね!

日本語も英語も様式にこだわるところが美しいのだ!ってんで、今日のレポートは『Jill岡垣☆様式美大作戦』。

まずタイトルがいい!

出演は岡垣正志率いるJill's Project-EXとAphrodite。もうこの手のサウンドが好きな人にはタマらないであろうライブだった。

Jill's Project-Exの岡垣正志。やっぱり「様式美サウンド」にはキーボードが絶対に欠かせない!ロックにおける鍵盤楽器の使われ方としてもっとも重要で、もっともカッコいいsituation、あ、シチュエーションだと思う。ホントにこうしたキーボードが入っているバンドって少なくなった。

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ギターは足立"You"祐二と、

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日下部"Burny"正則。
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アンコールのみに登場したのが…

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KRUBERABLINKA(クルベラブリンカ)赤尾和重に…
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Strange, Beautiful and Loudの三宅庸介
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そうバーニーを除いてはみな岡垣さんのTerra Rosaに関わった方々だ。

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バーニーといえばレス・ポール。でも335もいいもんだ。ビグズビー付きというところがまた泣かせるね!実はこの日、バーニーが出るのを知らなくてビックリしちゃったんだけどね…。でも久しぶりに会えてうれしかった!
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相変わらずのド迫力ヴォイス!和重さん最高!

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三宅サウンドもいいように大炸裂!スンゲェ音の存在感!
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うちわ片手に爆笑MCを展開する和重さん。エエなぁ~。死ぬほどわろたわ~!

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短い時間ではあったが、コッテリ系の様式美サウンドは観る者の心をわしづかみにした!

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そして!来る10月13日、そんな仲間が集う狂熱の様式美の宴がまたも開催される!題して…

『クルベラブリンカと究極の楽師達@東京キネマ倶楽部はちょっぴりテラローザです』

クルベラブリンカ率いる和重さんの呼びかけで、この愛すべきサウンドを様式美あふれる会場でゲップが出るほど堪能しようと言う企画なのだ!
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出演は…ジム・マーシャルに次いでシゲブログのオープニングを飾ってくれた、アタシの大好きなクルベラブリンカ…赤尾和重(vo)、 鈴木広美(g)、 山崎浩一(b)、 泉谷賢(ds)、 岡田英之(key)。
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スペシャル・ゲストとして、Love Missile…足立祐二(g)、 瀧田イサム(b)、 山崎  慶(ds)。

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YOUさん、またマーシャル弾いてくれるといいネェ。他では聴くことのできない独特のサウンドがカイカンなのよ!

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さらに、これまた大好きなYosuke Miyake’s Strange,Beautiful and Loud…三宅庸介(stratocaster)、山本征史(b)、金光健司(ds)。
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「完成されたスタイル」という魅力を猛烈に教えてくれる三宅さんのギター。
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「ワン・アンド・オンリー」という言葉が実にシックリくるね。
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さらにさらに、岡垣さんも出演してくれるのだ!

そしてTerra Rosaの曲も演奏される!

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時は10月13日。会場は東京キネマ倶楽部。この凄まじくも素敵な連中が日本一様式美を誇る会場に解き放たれるのだ!ク~、タマランね~!
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これは見逃せないでしょう!

「様式美」と言葉でいうのは簡単なんだけど、実際にこの手の音楽を演奏することは決してたやすいことではない。過酷な鍛錬に耐え抜いた屈強な精神の持ち主だけが習得できる器楽演奏の技術をぶつけ合うのがこの手の音楽なのだ。「選ばれし者たちが奏でる音楽」といっていいかもしれない。そういうところがス・キ!
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チケットのお求めはコチラ⇒東京キネマ倶楽部メール受付
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(一部継承略 ライブ写真:2012年8月4日 目黒Live Stationにて撮影)

2013年7月18日 (木)

友遠方より来る

仲良しのアメリカ人が遊びに来てくれた。洋の東西を問わず気の合う友達と会うのはとても楽しい。
よせばいいのにお土産まで持ってきてくれた。
Pu_img_4756 Hotties Guitarsというその友人がやっているギター・ブランドのハムバッキング・ピックアップ一式。
もう全然ギターなんか弾いてないのに…。
昔はこのピックアップのように燃えてたんだけどな~。
Pu_img_4785 うれしいナァ。ピックアップだけじゃくて、彼の気持ちが…。
またギター弾こうかな…。
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