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2013年6月

2013年6月19日 (水)

マジで『バンドやろうよ!!』~FLiP編

2012年8月24日 初出

前回レポートしたdollsのオープニング・アクトの後、本編がスタート。このコンサート(あえて「コンサート」って呼ぶよ)、進行がすこぶる素晴らしく大いに感動してしまった!

出演者は7!!、今日紹介するFLiP、ステレオポニー、そしてSCANDALと4組なのだが、転換の待ち時間なしなのだ。皆無!これは実によろしい。転換で20分もっかってしまうとテンションが下がるばかりか、帰りも遅くなっちゃうからね~。

どうしてるかていうと、ステージに2バンド分のバックラインをあらかじめ並べておいて、演奏している間に次の出演者がもう片方のセットを済ませてしまう。だから、1曲ずつ出演者が変わるもんだから実に楽しいし盛り上がる!まるでバンドの「わんこそば」や~!

そして、FLiP。

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FLiPは2曲目に上手側ステージに登場。実はFLiPは以前、あるイベントをレポートした時、以前のブログに登場してもらったことがあった。その時はじめてステージを見たのだが、ストレートなサウンドに実にウマイ具合にチョロリと地元沖縄のフレイバーをまぶしてある音楽が新鮮で印象に強く残っていた。

そして、久しぶりに見るFLiP。彼女らははさらにさらに!スケールを強大化していた!
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ボーカル&ギターのサチコ。

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ギター&コーラス、ユウコ。

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ベース&コーラス、サヤカ
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そしてドラム&コーラスのユウミ。
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液体を飛び越してドッカ~ン!と固体がいきなり気体になったような爆発感!
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FLiPのファースト・フル・アルバム『未来evolution』収録の「カザーナ」。
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いきなりのノリノリ・チューンに観客も大爆発!

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イントロ、バッキングとギターのシャープなオクターブ・フレーズが小気味よい。
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FLiP最初の登場はこの1曲を演奏してSCANDALにバトンを渡すのだが、たった1曲でズバッと観客の心をつかんでしまうような、そんな演奏であった。イメージ的には開始数秒で「背負い投げで一本!」みたいな…。
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そう、FLiPは「有効」も「効果」も存在しない「一本!」のバンドなのだ。(ってナニ言ってんだか…でもそんな感じ!わっかるかな~、わっかんね~だろ~な~←これもわっかんね~だろ~な~)
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存在感の強いベース・ラインでFLiPの低音域をガッチリ固めるサヤカ。
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2回目の登場時には3曲を続けて演奏した。ますは「Cherry Bomb」。年配の諸兄(含むアタシ)、♪チチチチチチチチじゃござんせんよ。セカンド・フル・アルバムの1曲目に収録されたタイトなファスト・チューン。

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電光石火の早業、手際のいいユウミのドラミング!

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続いて同じく『XX emotion』から「Shut up, Men!」。ハイ!こりゃ男性陣、口をつぐむしかない!

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とめどもなくエキサイトするサチコ!FLiP最初のシングルとなった「カートニアゴ」。ブレイクで「♪カート、カート…」ってところが何ともカ・イ・カ~ン!
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テレキャスター・デラックスからクリエイトされるユウコのソリッド、ワイルド、タイトなギターがFLiPサウンドにベストマッチする!
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間に7!!とSCANDALをはさんでもう1曲。
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今年2月にリリースされたシングル「ワンダーランド」。これまたたたみかけるようなハードドライビング・チューン!

容赦なく全力疾走するFLiPは気持ちイイ!
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こういうイベントは各バンドが惜しみなく自慢の見せ場を用意してくれるんで好きです。まずバラード演らんもんね。ロック・コンサートはそうこなくちゃいけネェ!そんなロックの直球魂を見せてくれたFLiPのステージだった。

また観たいな…FLiP。

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FLiPの詳しい情報はコチラ⇒FLiP|OFFICIAL WEBSITE
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つづく

(一部敬称略 2012年7月16日 SHIBUYA AXにて撮影)

ヴィンテージ・エフェクターを引き倒せ!

2012年10月10日 初出

『ヴィンテージ・エフェクターを引き倒す!』というYOUNG GUITARの別冊がシンコー・ミュージックより上梓された。

今や洋の東西を問わず、エフェクター花盛り。目玉が飛び出しそうな高価なブティック・エフェクターから、オイオイ大丈夫なのかよ?と心配したくなるようなリーズナブルなものまでその幅はピンキリもいいとこですな。

昔はね、「エフェクターなんかに頼っちゃイケねぇ~」なんて『用心棒』の東野英治郎みないに厳しく言っていた人もいたもんですけどね。

一方では、とにかく足元にたくさん並べたくてサ…。

フランク・マリノが来日して後楽園ホールに出た時ななんか、開演前、ステージ前に黒山の人だかりになってたっけ。何しろ全長2メートルは優にあろうかという「エフェクターのプラットホームや~!」状態。ギター・キッズがみんな「スゲーな、スゲーな」とヨダレを垂らしながら観察していた…うちのひとりが、ま、私なんですけどね。この「ギター・キッズ」なんて言葉も死語だな。ギター・ソロがなくなった時に同時に消滅したんだろう。

考えてみると、エフェクターについて過去に何か書いたことはあったかな?マーシャル・ブログの時もなかったし、今回が初めてかもしれない。

ずいぶん買いましたよ、私も…。歪み系は言うに及ばす、コンプレッサー、フェイザー、コーラス、フランジャー、ワウワウ、オート・ワウ、ボリューム・ペダル、ディレイ、エコー・チェンバー、マルチ・エフェクター数種…。

あの頃はエフェクター・ボードだのケースだのなんてまったく売ってなくて、ボードはみんな自作だった。エフェクター用の短いケーブルなんてものもなかった。私は秋葉原でケーブルとプラグを買って自分で短いケーブルを作って、父からもらったコンパネの歯切れにアロンアルファでエフェクターを貼りつけて作った。

もう載せるエフェクターもなくなっちゃったんでボードは捨てちゃったけど…、アレ、どこへしまったっけナァ~。

(15分経過)

あった、あった、コレコレ!ボードにする前はプロの真似をして、カメラ屋さんに行ってジュラルミンのケースを買って、そこへエフェクターを出しちゃ入れ、入れちゃ出したりして悦に浸っていた。それがコレね。ギターを肩から提げて、このケースを自転車の荷台に乗せて街を跋扈したものですよ。かれこれ買ってから軽く30年以上は経つナァ。

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昔はここに色とりどりのエフェクターがビッシリ詰まっていたんだけど、ギターやアンプを買い直すために手放したりしているうち、こんだけになっちゃった。裏返しになっちゃってるけど、MXRのDistortion+なんて買った日にゃ大人になった気がしたもんですよ。
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そう!エフェクターは男のロマンなのだ。最終的に自分が求める音が出さえすれば使おうが使うまいが、ンなことは関係ない。エフェクターは何物にも代えがたい「男の趣味」なのだ!

時折考えるんだけど、趣味なんてものは大半が道具を集めるパートが楽しいもんでしてね…釣りもギターも楽しみ方は大して変わらん。

釣り竿がギター(サオだけに)、で、リールがアンプ。そして、エフェクターは仕掛けかな?なんて思ったりして…。(スミマセン、あたかも釣りが好きなような印象があるかもしれませんが、私マッタクやりません)

で、たいていどこの世界にもいるのが道具オタクね。やたらリールに詳しいのに磯釣りに行ったことがないヤツみたいな…。ヘタすると音楽をロクに聴かないクセに機材だけにはやたら詳しいヤツなんかもいたりするもんね。でもいいんです。「男の趣味」だから!

さて、この『ヴィンテージ・エフェクターを引き倒す!』をナゼここで紹介するのかというと、表紙を含め、写真という写真、すべてワタクシメが撮らせていただいたのです。

で、写真を撮るとなると当然実物を触るでしょ?それでどうにもギター始めたころがすっかり懐かしくなってしまいましてね…。一筆取らせていただいたワケ。ああ、私自身もすっかりヴィンテージなんだナァ~。

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ズラリと並んだ44種類の懐かしのエフェクターたち。詳細な解説だけでなく、付属CDで実物の音が聴けちゃうのですね。これは便利!ちょっといくつか見てみましょうか?

このOD1、高校の時、友達から安く買ったっけナァ~。後年、これを手放した時、エラク高くうれたんでビックリした。これと1959+1960AXを組み合わせてライブハウスに出てたの。自分が持っていたのはどういう世代のものかは知らないけど、この組み合わせで出て来るマーシャルの音が快感で大好きだった。将来マーシャルの仕事するのがわかってたら売らなかったんだけどナ…失敗した。

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生まれて初めて買ったエレキ・ギターと一緒に入手したのがこのグヤトーンのサスティナー。懐かしいな~。中2の時、ビートルズが好きで、いとこのマネをしてギターを始めた。そのいとこがこれを持っていたのでマネッコしたのね。「歪み」だの「ディストーション」だのなんていう言葉すら知らなかった。「なんかやたらジーっていってんな~」程度の認識だったからね。それにしてもこのデザイン…今にして思うとスゲエな。中国のこと言えんわ。

しかしですよ、歪み系のエフェクターってイッタイどれくらいの種類が存在したのであろうか?または、古今東西、発表されたエフェクター全体のうち、歪み系エフェクターが占める割合ってどれくらいかね?60%ぐらい?イヤ、80%ぐらいいってんのかな?もっとか?知りたいナ…。

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これはスキだったナァ~。今ではあって当然のエフェクターだけど、当時「コーラス」なんてもの自体珍しかった。「え?これ使うと12弦ギターになるの?」なんてマジで思ってたからね。

とにかくこれを使った小川銀次さんの音がすさまじくてさ…。当時、銀次さんはRCサクセションをやっていて、渋谷の屋根裏で清志郎さんの横でトコトン弾きまくる銀次さんが猛烈にカッコよくてあこがれた。

PANTA & HALの平井光一さんがこれをものすごく上手に使っていてアレにも相当あこがれましたね。

もうこの歳になると欲望もスッカリ萎えてしまって、撮影中も「ちょっとコレ試させて!」なんて見事にしなかった。ただただ懐かしかったナ…。この本に出ているエフェクターのほとんどは、当時、秋葉原の「○○無線」や大きな楽器屋さんに行けばゴロゴロしていた。しかもしょっちゅう楽器屋さんに行って、ヨダレを垂らしながらウインドウの中のこれらを眺めていたので、何やらこれらに対するレア感とかヴィンテージ感がものすごく希薄なんだよね、おなじみすぎる部分があるのですよ。

このあたりのエフェクターを森さんあたりに解説してもらうとさらに面白かったかもしれない。森園さんなら恐らくこれらが現役だった頃すべて試しているに違いないから…。

とにかく好きな人にはたまらない一冊のハズ…写真もいいし!是非みなさん書店でチェックしてみてください!
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『ヴィンテージ・エフェクターを引き倒す!』の詳しい情報はコチラ⇒シンコーミュージック公式ウェブサイト

それにしても今楽器屋さんに行くと、エフェクターの品ぞろえはホントすさまじいものがある。海外の人はみんなビックリするもんね。ヘタするとロンドンのデンマーク・ストリートの全店のエフェクターをかき集めても、東京の大型楽器店一店に展示してるエフェクターの数には及ばないのではないの?それだけ氾濫していると、失敬ながら当然、玉石混交であることは否めないでしょう。そして、どんどん淘汰も進み、本当に良いものだけが残って行くに違いない。

なので、皆さん、臍を噛む思いをしないように気になるアイテムは欲しい時にゲットすべきでっせ~!将来どう化けるかわかりまへんよ~!

住友俊洋ソロ・アルバム発売記念ライブ!

2012年9月18日 初出

音楽のジャンルを問わず、いいライブに出くわすと「あ~、『音楽』を聴いたナァ~」って思うよね~。それがたとえ普段聴くことのないタイプの音楽であっても、何か心に触れるものがあるというか、波長が合うというか…。ジャンルを超えて得も言われぬ満足感が生まれるもんだ。

なんて書きだすと、今日の主人公の奏でる音楽がタイプではないが、いいライブだった…という風にとらわれそうだね。言い方を変えて…こうれはどうだろう?

いい音楽や演奏はカテゴリーを超越する。

つまり音楽には本当は種類なんかなくて、「いい音楽」か「よくない音楽」、もしくは、「いい演奏」か「つまらん演奏」の2種類しかない…ということ。へへへ、これデューク・エリントンのパクリだね?でもさすがデューク、いいこと言うわ~!

住友俊洋の登場です。

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住友さんとの出会いは、彼まだSavoy Truffleをやっていた頃のこと。某ギター雑誌の編集者(当時)の親友の紹介だった。…といってもいきなり住友さんをご紹介いただいたワケではなく、初めに「音」ありきだった。つまりSavoy TruffleのCDを聴かせてもらったのだ。

「ナニこれ?外人でしょ?」

と思わずにはいられなかった。メンバー各人のプレイが日本人離れしているのもさることながら、曲が日本人の書くそれではない!とまず感動したね。それでその親友氏にお願いしてライブで上京された際に(横浜だったけど)ご本人に紹介していただいた。

その住友さんがソロ・アルバムを発表した。「発売記念ライブをするから行きませんか?」と、またしてもその親友氏から誘われて駆けつけた。

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これがその住友俊洋のソロ・アルバム『Long Way to Go』。オリジナル曲2曲を含む5曲入りの力作だ。
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さてその後、住友さんとは何かとお近づきにさせていただき、ハンドワイアード・シリーズの大阪での発表会にSavoy Truffleとしてご出演いただいたのが最初のお仕事だった。あれもいいライブだったし、楽しかったナァ~。
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他にもVintageModernのプロモーションDVDへのご出演、同じくVintageModernの発表会、親友氏の雑誌でのサザン・ロック・ギター特集の取材、フジロックも見に行ったし、ライトニン・ブルー スにもお邪魔した。

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元マーシャルの社員でサヴォイの大ファンというヤツもいたりして、結構あれこれごいっしょさせていただく僥倖に恵まれてきたのね。

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それだけに今回のソロCDの発表は実にめでたい。ライブも素晴らしいに決まってら!
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ライブの出演はCDでも大活躍のふたり…

ベースの井出信志。

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ドラムの三夜陽一郎。

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ん~、この音!住友トーンとしかいい得ない芳醇にして深い音色!エレキギターの醍醐味やね~!

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住友さんの歌をはじめて聴いたのは日比谷野音の「ライトニン・ブルース」のことで、曲は「Statesboro Blues」だった。

あの時のことは忘れられない。なぜかというと、おそらく初めて住友さんを見たお客さんだったのであろう。演奏中しきりに友達に向かって「スミトモってす げーな!」、「住友ってすげーな!」と何度も繰り返し叫んでいたのがすごく印象的だったのだ!もちろん「そうだよ。スゲエに決まってんじゃん!」と心の中 でその人に叫んでいたのは言うまでもない
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失礼千万なのを承知で言うと、あの時より住友さんの歌は格段の進化を遂げたように思う。アレ?歌ってこんなに簡単に上達するもんなのかしらん?と思わざるを得ないほどの絶妙な歌いっぷり!
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住友さんのギターって独特な呼吸というか、フレーズの歌わせ方を持ってるんだよね。息を吸って、その息を全部吐ききるまでとにかく弾く…みたいな。そして、聴き慣れたフレーズの中に、背筋が寒くなるよな音を少しだけ入れる。これが快感なんだ。

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もちろんお家芸のボトルネックについては何をかいわんや。スライドバーを滑らせつつ、ハーモニクスを出す瞬間がまたタマラナイ!コキーンって!

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アルバムにも収録されている「Born Under a Bad Sign」なんか鳥肌ものだった!
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エドガー・ウインターのカバーなんかも取り入れたりして…この選曲のセンスがチョイとよそと違ってておもしろいんだよね~。
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また、リズム隊のふたりが出すぎず引っ込みすぎず、実にいい塩梅で親分を押し出してくる!
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それを得て、まるで宙に舞うかのように奔放に弾きまくる住友さん!
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アンコールではグランド・ファンクでおなじみ、Soul Brothers Sixの「Some Kind of Wondrful」。
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いいナァ~。こんな曲だったっけ?というぐらい住友節になってる。別に突飛なアレンジが施されているわけでもなし、こうしてシレっとカバー曲を演ってその人なりの味がでてしまうところこそ”Some Kinf of Wonderful”なのではなかろうか?

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短い時間に住友さんの魅力が詰め込まれたいいライブだった!間違いなくコリャ「いい音楽」だ!

住友俊洋の詳しい情報はコチラ⇒JUST SLIDE A BOTTLE
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住友さんのインタビューがギターマガジン10月号(リットーミュージック社刊)に掲載されているので見てね!

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(一部敬称略 2012年8月6日 横浜Thumbs Upにて撮影)

Chris Duarte Live in Japan 2012 <後編+YOUNG GUITAR DVD>

2012年9月6日 初出

さて、クリス・デュアルテ。今回のショウを観て強く感じたのは、「あ~、『音楽』を聴いたな~」ということ。

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前回も触れたように私は自主的にブルース・ロックを聴くタイプではない。しかし、こうしてクリスの音楽に感銘を受けたのはクリスがブルース・ロックの範疇におとなしく収まってなんかいない破天荒なミュージシャンということなんだろうな…これまた同じようなことを前回も書いたが、また書かずにはいられないのだ。
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歌がまたいいんだよね。向こうの人は本当に歌がウマイ。英語も完璧だし!それよりも、この人たちの音楽なんだからウマイのは当たり前だね。

クリスは歌も全力投球なんだよね~。最後までまったく手を抜いたりしない。歌はギター・プレイの延長線だし、ギターも歌の延長線と考えてるんじゃなかろうか?

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それにしてもスリリングなギター・プレイの連続にはマイッタ!
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アウトに、インに、行ったり来たりでジックリ聴かせちゃう!「エ~、なんでここでそのフレーズ出すかね~」の連発よ!

もう平気でドアウトなフレーズを弾いた時もまったくワザとらしくないんだよね~。ごく自然に妙チクリンなフレーズをポコっと置いてしまう。カッコいいよ~。
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オガンちゃんのスーパー・プレイをひとときも聴き逃すことはできない!
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単純なエイトにシャッフル、スローブルース…
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そして4ビートもパーフェクトにこなしちゃう!4ビートといえば…

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「座らない弾けないヨ」とイスを出してきたクリス。ツラっと弾き出したのはコルトレーンの「Moments Notice」!
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この難局を何ら問題なく弾きこなし、スウィングしまくるオガンちゃん!
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クリスがまたすさまじいプレイで、まさにギターの「シーツ・オブ・サウンド」だ~!クリスを初めて観た時から「あ~、コルトレーン好きなんだな」と感じた。さりげなく(イヤ、さりげあるか?)挿入したコルトレーン・スタンダードが後半のステージの実にいいアクセントになった!
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小粋にスウィングした後は、大詰めに向かう。

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どこまでも弾き続けるクリス!またエフェクターの使い方がうまいよね~。普通さりげなく使うような音色でも、クリスはドカ~ンと思いっきりエフェクトさせちゃう。江戸っ子のそばの食い方みたいなことなしない。もうドップリとそばをつゆにつけちゃうの!オルガン効果とか実に歌にマッチしてるんだよね。とにかく自然でカッコよくエフェクターを使っちゃう!
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コーラスも完璧!
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自然に歌うオガンちゃん!その姿はまるで南部男だ!
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今頃アッチでどうしてるかな?

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クリスピーなプレイでクールに自分の仕事をこなしたジャック・ジョーンズ。オガンちゃんとのコンビは抜群だった!

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ア・カペラのギター・ソロ。
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まさに魂を感じさせるギターだ!

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「残業」と称するアンコールも力いっぱいこなす。

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こんな残業なら大歓迎だね!

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最後にキチッとごあいさつ。妖しげな日本語のMCもクリスのショウの魅力のひとつ。妙なアクセントはまるで歌のようで、新式のスティーヴ・マリオット?そういえば今回はラーメンの話ししなかったな。でも相変わらずお好きなようです。

いかがでしたでしょうか?私の切り取った瞬間の数々でクリス達の素晴らしい音楽を少しでも伝えることができていればうれしいです。そうであることを祈って止みません!

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かわってこちらはYOUNG GUITAR誌付録DVDの収録風景。

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何回かにわたって、様々なブルースの弾き方を講義してくれるという企画。
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アクロバティックな日本語が飛び交い、実にリラックスした雰囲気のなか収録が進む。
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しかし!弾き出すと真剣そのもの!
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いよいよ立ち上がり出した!
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バンドだろうとバッキング・トラックだろうと弾きだしたらもう止まらないね。
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結局、クリス節大爆発!昨日のライブと変わらない本気ぶりにまたしても超のつく音楽人ぶりを見た気がした。

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YOUNG GUITARロゴ入りのシャツも持参!気配りも忘れない。アメリカ人にしておくのはもったいない人だ!

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Chris Duarteの詳しい情報はコチラ⇒The Chris Duarte Group  Official Web Site of Chris Duarte(英語版)

小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒Dancin' Funky Bass!!!

(一部敬称略 ライブ写真:2012年7月26日目黒Blues Alley Japanにて撮影)

Chris Duarte Live in Japan 2012 <前編>

2012年9月5日 初出

ワタクシメのヘタな写真でこの音楽の達人たちが奏でる驚異的なサウンドの片鱗を少しでも感じ取っていただけるとうれしいと思う…。写真中心でご覧あれ~!

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クリス・デュアルテの来日公演。

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ベースは小笠原義弘、オガンちゃん。
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ドラムはジャック・ジョーンズ。

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表記としてはきっと「デュアーテ」さんが正しいんだろうな。、アメリカ人の発音だと「r」で舌をきつめに巻くので私には「デュアルテ」に聴こえるな。なので今回は「デュアルテ」さんでいきます。

さて、クリス・デュアルテのステージを観るのはこれ3回目…かな?
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前回は比較小さな会場で、タバコの煙に3時間近く燻されながらのライブだった。以前のブログでレポートしたんだけど、ichiroちゃんとのツインギターで、究極の弾きまくり大会だった。それでも両雄相譲らずのすさまじいステージで、かのichiroちゃんですら「もうギター弾くの飽きちゃったよ!」とステージで言わしめたほどだった。
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今回はトリオでのパフォーマンス。またしてもクリスの魅力が大爆発した充実のステージとなった。

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実はですねェ、ワタクシ、ブルースとかブルース・ロックって自主的に聴くことはほとんどないんですね。決してキライなワケではないんだけど、長時間聴いているのはなかなかにツライ。よっぽどの演奏でない限り、飽きてしまうんだよね~。要するにお子チャマなんですかね~?

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でもね、クリスの演奏はチョイと違う。「ブルース・ロック・ギタリスト」というワクにはめ込むにはワクが小さすぎちゃうんだよね。何と言うのか、もう「音楽の塊」みたいな感じ。「音楽の塊」が歌ってギター弾いてる。

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「音楽の塊」といえばこの人もそう。
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世界のオガンちゃん。現在アメリカに潜伏中!アメリカで演奏しているオガンちゃんの姿を一度見てみたいナァ~。
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今回初めて観たジャック。
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シンプルにして深い味わいのドラミングはクリスの音楽によくマッチする。ちょっと加藤浩次に似てる?!

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とにかく音楽の香りに満ち満ちた最高のエンタテインメントということができよう。とにかく出て来る曲、出て来る曲、どれもがカッコよくてしょうがない!早く次の曲が聴きたくなる!
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今回もスゴかったオガンちゃんのベース。やっぱりこれぐらいじゃないと世界から声をかけられないんだな~。
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シレっと弾いてたけど、1曲アホみたいにすさまじいランニング・ベース・ラインがあったな。ホントのJaw-Dropping!ちなみにこの写真の時ではない。なぜなら、あんなベースラインを聴かされている時にシャッターなんか切れないってば!

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オガンちゃんとのイキもピッタリだったジャック。ベーシストと顔を見合わせて大口を開けてドシャメシャ叩く…なんてことはまったくなく、クールなドラミングに徹していた。
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こっちはそうはいかない!ラーメンを食べた直後だったのであろうか、もうノッケからスロットル全開!
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最初から最後までクール・ダウンなんてことはなかった!
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これらの写真でナンカ伝わりましたかね?次回はもっと詳しくお届けします。

Chris Duarteの詳しい情報はコチラ⇒The Chris Duarte Group  Official Web Site of Chris Duarte(英語版)

小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒Dancin' Funky Bass!!!
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つづく

(敬称一部略 2012年7月26日 目黒Blues Alley Japanにて撮影)













マジで『バンドやろうよ!!』~dolls編

2012 年8月24日 初出

もはやガール・バンドの頂点に達したといっても過言ではないSCANDALが主催するイベントが『バンドやろうよ!!』。好評に好評を重ね、今回で3回目を迎えた。SCANDAL、FLIP、ステレオポニー、7!!が集まり、あまりにもにぎにぎしく、かつゴージャスなイベントとなった。

それにしても、女子の勢いの強いこと!卓球、バドミントン、サッカー、柔道、アーチェリー、レスリング、水泳等々、ロンドン・オリンピックでも女性陣の活躍には目をみはるばかり。

音楽においても、中学や高校の吹奏楽部だって女子ばかりだもんね。バンドもそう。私は数年にわたり関西最大の高校生のバンドコンテストの審査員をさせてもらっていたが、出場者は約9割が女子だった。

まさにこの『バンドやろうよ!! vol.3』はそんな女子のパワーを感じさせてくれる熱狂のイベントとなった。

ホントのところはね、女の子でも男の子でもいいから、いい音楽を聞いて「自分も演ってみたい!」という気持ちになって、みんなでマジでバンドやってもらいたいのよ。

お、そろそろ始まるゾ!

オープニングに登場したのはdolls。

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名古屋出身の純ガール・トリオ・バンドだ。

メンバーはギター&ボーカルのEve。

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ベース&ボーカルのMayu。

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ドラムのSach(サチ)。
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昨年の12月、『第2回SCANDALコピーバンド/ヴォーカリスト・コンテスト』で486組の頂点に立ったバンドである。

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それだけに堂に入ったステージはなかなかの見ものであった。
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何たってアータ、この人たち1996年とか1997年の生まれでっせ!「オレがそのころ何やってたかな~」なんて思い出せない時代のことでは断じてなくて、ついこないだの話しですよ!

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つまり、16歳とか17歳。
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それでこの演奏ですからね。自分が16~17歳の時にやってた高校生バンドとは雲泥の差だわ。
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とにかく、若者しか持ち合わせていない自然なエネルギーを爆発させた演奏が魅力的であった。
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曲はSCANDALコピーバンド・コンテストの勝者らしく、SCANDALの「マボロシナイト」とオリジナルの「Burst」を演奏。
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2曲という短い時間ながら満員の観客を前に堂々とその存在感と開け来る平井の可能性を示したのであった。

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演奏後、ステージ袖へ下がろうとした時、3人が同時にハッと気づき、振り向いてお客さんにもう一度頭を下げた。これやろうって決めていたのね~。とてもすがすがしく気持ちのいいシーンだった。
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終演後には人気ウェブサイトのteenaのインタビューを受けた3人。
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今回のステージの感想や、コピバン・コンテスト・グランプリの話しなど…
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満足いくステージの後だけにイキイキと自信ありげに応える彼女たちはキラキラと輝いていた。
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インタビューのもようはコチラ⇒teena「第二回グランプリ、dollsSHIBUYA-AXの楽屋でインタビュー!」
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7月に発売されたデビュー・ミニアルバム『dolls』も大好評発売中!

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dollsの詳しい情報はコチラ⇒Fairy ★dolls

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つづく

(一部敬称略 2012年7月16日 SHIBUYA-AXにて撮影)

TAIKO GATHERING vol.2 <後編>

2012年8月17日 初出

GOCOOライブの後半は人気のパフォーマンス「Ka-gu-ra」から…。

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GOCOOのメンバーが狐面をつけ…

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奏で…
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そして舞う。

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横笛はKaori。

幻想的にしてイマジネーションあふれるシーンはGOCOOショウのハイライトのひとつだ。
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もう後はクライマックスに向かうだけ!
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それにしても今回の選曲はいつもよりロック色が濃いものであった…と思ってるんですけどね。私はよくGOCOOを「キング・クリムゾンっぽい」と形容しているが、それどころか、今回はもっとスケールを広げたプログレッシヴ・ロック・テイストあふれるレパートリーを並べてくれた。

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サルサ・ダンスのワークショップで会場のほぼ全員を踊らせてしまったMacomoも加わる。
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さらに、ダンサー2人も登場してMacomo y sus divas from Team LA BOMBA dance companyとなるともう会場は興奮のるつぼ!

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ナンノナンノ!まだまだ盛り上がるぞ!「ウィダー」こと鈴木晃一郎も再登場する!
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もう会場はトランス状態!一階席のお客さんは、さっき覚えたステップで華麗にGOCOOと共演する!
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ニ階席の観客も総立ちだ。
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クリスタル・ボールのジャグリングも登場。
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甲子園球児にように最後の最後までまったく手を抜かないパフォーマンスで魅せるKaoly。時間が経てば経つほどパワフルにそしてアクティブにバチが空を舞うのだ!
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もちろんGOCOOメンバー全員が同じ勢いで襲いかかって来る!
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ウィダーもノンブレスで熱い息を猛烈な勢いでディジュに送り込む!

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そして、クライマックスへ!

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モントルー・ジャズ・フェスティバル(スイス)への出演を含む、6カ国を巡るヨーロッパ・ツアーを展開し無事帰国したGOCOO。ドイツ、ハンガリー、イタリア、フランス、ポルトガル、と各地でセンセーションを巻き起こしたことは言うまでもなかろう。

これからもオリジナリティあふれるパフォーマンスに期待する。
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GOCOOの詳しい情報はコチラ⇒GOCOO公式ウェブサイト

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さて、場面はガラリと変わって炎天下!

浅草~上野間を貫く かっぱ橋本通り。毎年7月上旬に「下町七夕まつり」がここで開催される。通りの両側には自前の出店やフリーマーケットが立ち並び、多くのパフォーマーたちが訪れる人を楽しませる。
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そのまつりの最終日、TAWOOが登場!
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そのロケーションが素晴らしい!この写真向かって右が「どじょう料理屋」、左が元「東京電力テプコ館」!そう、TAWOOがその間に入って乾坤一擲!世直しのパフォーマンスを見せてくれた。

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キネマのステージなどではいつも裏方に徹しているKazumiも登場!
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太鼓にドラに「エ、何このパワー?!」的なプレイで人目を惹いていた。

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GOCOOメンバーのkeiko。
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Kaori。そう、今日の記事のはじめの方で横笛を吹いていた人…笛の時と太鼓の時と全く異なる表情を見せてくれる。だから楽器ってスゴイ。演奏者の頭の中をまったく変えてしまうのだ。

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屋外でも元気にAkiko!

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Chihiro、汗だくの大熱演!がんばれチッヒー!
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数ある路上パフォーマンスの中で、ひと際見物客を集めたTAWOO(音もバカデカかったけどね!)。3回のパフォーマンスすべて、大喝さいを浴びていた!
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TAWOOの詳しい情報はコチラ⇒TAWOOオフィシャル・ウェブサイト


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(一部敬称略 6月29日&7月8日撮影)

TAIKO GATHERING vol.2 <前編>

2012年8月16日初出

和太鼓の、そしてGOCOOの魅力を伝えるイベント『TAIKO GATHERING』。 全員参加型、全方位外交型のこの楽しいイベント、 前回は4月に開催され大好評を博した。そして、今日はその第2弾のレポートだ。

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まずは前回同様、ここ東京キネマ倶楽部で開催されている和太鼓ワークショップの発表会でスタート。
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今回もワークショップでで習得したワザを思う存分に披露した。みんな猛烈に楽しそう!短期間のコースながらこれほど複雑なパフォーマンスをバッチリと身体にスリ込んでいるのはアッパレとしかいいようがない。指導者と参加者の情熱、そしてなによりもタイコをプレイする楽しさがそうさせるのであろう。

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GOCOOがプロデュースする和太鼓グループ、TAWOO(タヲ)の演奏。

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あやの。
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Chihiro。

はじけるようにハツラツとしたパフォーマンスがTAWOOの大きな魅力のひとつだ。

TAWOOには<後編>でもう一度登場してもらう。
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ワークショップでも大活躍したNORI☆のステージ。NORI☆はOCTO.というユニットで歌手として活動している。
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今回前半で大いに盛り上がったのがコレ。サルサダンスのワークショップだ!
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パフォーマンスとインストラクションにMacomo y sus divas from Team LA BOMBA dance companyを迎えて、サルサ×GOCOOのコラボを初体験!
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これがねー、お客さんが恥ずかしがるかと思ってたらトンデモない!みんなもう大喜びで踊ってた!なにしろ先生のmacomoさんの指導がヤケクソに愉快で、自然に身体が動いてしまう。メッチャおもしろい!あ、アタシは『驚愕のアイリッシュ・ダンス!』で書いた通りでございやして踊りは全然ダメね。

でも、これだけたくさんの人がニコニコ楽しそうにしているのを見るとちょっとはやってみたくなる…というかただ突っ立っているのが恥ずかしくなってくるね。シャッターを切ってごまかしちゃった!だって、自分が踊っているところなんて想像しただけで真っ赤になっちゃうもん!
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2階席も大盛り上がり!
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リズムを刻みつづけるGOCOOの面々。こちらも楽しそう!

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基礎的なステップをマスターして、はいクルクル回る!人のを見てると簡単そうに見えるけど、これがナカナカ…。

みなさんなかなかの腕前(足前?)で素敵な時間をすごしたのでありました!
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そして、イベントも後半に突入。

GOCOOのライブだ!
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先程のサルサ・ダンスの雰囲気から一転…暗転からスポットを浴びて浮かび上がったKaolyに観客のすべての視線が集まる。緊張…。
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一時の静寂を切り裂くGOCOOフロント陣の怒号!
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そして、いよいよウネリ狂う「和音」のグルーヴ!
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GOCOOリーダーのKaoly。
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GOCOOの核、Taro。

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GOCOOの角、Nori。
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GOCOOの飛車、Kanae。

あ、「角」だの「飛車」だのってのはアタシが勝手に言っているだけのことですからあしからず。でもこの2人は間違いなくGOCOOの攻め駒だ!飛び道具ってのかな?
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ディジュリドゥとの競演。圧倒的な演奏がGOCOOにからみつく!世界で活躍するゲストの「ウィダー」こと鈴木晃一郎!ワウを踏みながら多彩な音色をクリエイトする。

やはりこうしたプリミティブな楽器同士は相性がとてもいい。ビリンバウなんかもすごくGOCOOサウンドにマッチするんじゃないかな?
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いつもながらの入魂のパフォーマンス!ところで、Kaolyさん、はじめの方からズッ~と叩きっぱなし!このスタミナにも恐れ入る!
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Takema
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Yuko
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Nogzo。3人はサルサのコーナーでも大活躍。

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おなじみのメンバーたちの激演・熱演はいつも通りだ!

Yoccy
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Alei
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Jera
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Yumi
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Haruna
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GOCOOの詳しい情報はコチラ⇒GOCOO公式ウェブサイト

<後編>につづく

(一部継承略 2012年6月29日 東京キネマ倶楽部にて撮影)

2013年6月10日 (月)

イギリス紀行2012 秋の陣 その9~最終回

2012年11月13日 初出

しっかし、立冬も過ぎたのにあたたかい日が続いて…。おかげさまで何とか今回の『イギリス紀行2012 秋の陣』も「秋」の気配が残っている内に終了できそうだ。

では、最終回!

地下鉄のポスター。London Undergroundのポスターっていつもすごくしゃれていてチェックするのを楽しみにしているんだけど、今回のは礼状になってた。「Right on Track」…ロンドン・オリンピックではみなさんのご協力により問題なく地下鉄を操業できました…というお礼。開催中、あんまりロンドン市がロンドンに来るな来るなっていうから地下鉄もガラガラだったらしい。

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今日はO2アリーナに来てみた。このあたりはロンドンのウォーターフロント(といってもテムズ川。お台場みたいに海ではない)の開発途上地区。地下鉄でテムズ川南岸のノース・グリニッジまで行く。もう駅舎から出るとO2アリーナがド~ンと現れる。

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みなさん、これ工事中ということではありませんから。この黄色い鉄塔で屋根を吊ってるんですな。ここが入口。

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中に入るとメッチャ広い!

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バルーンのオブジェ。V&Aのパイロンのオブジェもそうだったけど、イギリス人ってこういう何かをギュッと集めた意匠が好きなような気がする。
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これはドームの入口。

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東京ドームみたいに中に入るとボコンとデカい競技場がひとつあるだけかと思いきやさにあらず。これはドームの横っちょにあるポップ系のライブ・ハウス。チェーン店ですな。

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こうしてライブ・ハウスだの、レストランだの、いろんな設備がテナントで入っているワケ。
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何せ広い!

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ここはほぼ裏側になるんだけど、見ての通りガランドウ。景気の悪さを感じるわ~。ま、ここどちらかというと交通の便もあんまりいいワケではないので、このO2アリーナ一か所ですべてを終結させるような総合レジャー施設づくりを目指しているんでしょうな。でも、交通の便が悪いったってお台場よりははるかに楽で便利だけどね。
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ここへ来た目的はコレを見るため。
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「BRITAIN'S MUSEUM OF POPULAR MUSIC」…イギリス系音楽博物館ってか?入場料も安くないし、実は来ようか来るまいかものすごく悩んだのですよ。高い入場料払って「秘宝館」程度じゃハラの虫がおさまらんからね。

で、こういう時に我慢をして臍かむ思いをしたこと数知れず…入ってみた。これが実に面白かったんですわ~。私個人としてですよ。ま、音楽変態の私のことだから万人は喜ばないかもしれないけどね。もっとも、楽しめた一番の理由は思いっきり期待のハードルを下げたからなんだけどね。もう地面にめり込むぐらい。でもね、2時間半ぐらいここにいたんよ!

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あ~、スッカリ長居をしてしまった!外に出るとアラマ~いい天気!
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アリーナの裏はすぐにテムズ川。この川は、ちょっとハマースミスあたりの上流にちょっと行けばすぐに長野の犀川みたいだし、下流に来れば、こうしてまるで港にようでウエストミンスターやタワー・ブリッジ周辺のロンドン中心部のテムズ川とまったく違う表情になる。
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空中の黒いポチポチは新しくできたロープウェイね。

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オリンピック・スタジアムのあるストラットフォードまで続いている。
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また、中心街へ戻る。

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いよいよ明日日本へ帰るのだ~!

今回も色々なことがあったな~。
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もちろんマーシャルの工場での日々やコンサートは楽しかったし、スティーヴの訃報には大きなショックを受けたし…。
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さぁ、お土産のマフィンも買ったし、地下鉄に乗ってチキンの街に帰って荷造りしましょ。
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ピカデリー・サーカスの駅構内。そうだ!これもショックだったんだ…ここきれいな公衆トイレがあったんだけど、とうとう有料になっちゃった!残念だなぁ、あれ「イギリスの良心」といつも感謝してたんだけど…。イヤ、本当は良心なんかじゃなくてバカ高い運賃のおかげか?
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今回は(いつも通り)ほとんど買い物しなかった。安い「4 in 2」ジャズのCDとすうっかり本物に感化されて買ったサトリアーニの2枚組のライブ盤、キャプテン・ビーフハートのライブ盤に英語の勉強に…と思って買った黒澤明のDVD、『七人の侍』、『隠し砦の三悪人』、『用心棒』ぐらいかな(各£6)?この邦画に入れた英語字幕ってものすごくいい英語の勉強になるんですよ。

それとこの英ギター・マガジンの別冊。イギリスのギターブランドの特集。いつもはこういう楽器の雑誌は買わないんだけどね…。
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ま、マーシャルの広告も出ていたし…
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それよりもお友達が出ていたので記念に買ってしまった!ロトサウンドの会長のジェイソン!
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最後に…いつも海外に行く時、帰りの荷物にならないように捨ててこれるよう105円の文庫本をブックオフで何冊か買って持って行く。
飛行機の中だけじゃなく、ゆっくり風呂につかりながら読んだりするので105円ので充分。

今回持って行った本の一冊がコレ。佐賀純一さんという人の『浅草博徒一代 アウトローが見た日本の闇』という本。
この本の存在も、浅学にして佐賀さんという作家も知らなかったが、偶然手に取った。
コレが読みだしてビックリ!破天荒に面白いのだ!
大正から昭和にかけての、ある浅草の博徒の告白を医者でもあるこの著者が書きまとめたものなんだけど、アータ、読み出したらまったく止まらないのよ!
アッという間に読んでしまって、もちろんあんまり面白いので持って帰ってきて家内にも読ませた。

家内は読み出せば大岡荘八の『徳川家康』も読破するほどの読書家で、有吉佐和子のファン。
読まない時期は雑誌すら読まない。
でも、有吉の『非色』という衝撃作を教わったのも彼女からだった。
やはり女流作家がお好みで、男っぽい作品といえば『真田太平記』が関の山(新田次郎の『武田信玄』はイヤがってた)かと思っていた。

ところが、この本をすすめたところ、イヤがるどころかアッという間に読んでしまった。
それほど面白いのだ。
この手の本では団鬼六の『真剣師 小池重明』と双璧をなすな…。

で、なんでこの本のことをここで触れているのかというと、別に家内が『徳川家康』を読破したことを言いたいワケでは決してなくて、この『浅草博徒一代 アウトローが見た日本の闇』という作品は上梓後英訳されて、それを読んだ有名な海外アーティストが内容を歌にしてしまったというのだ。
これが「盗作」にあたるというワケ。

そのアーティストとは、ボブ・ディランだったのだ。
ディランは2001年の『Love and Theft』というアルバムの中で、数曲この佐賀さんの本に沿った内容の曲を吹き込んだ。

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たまたま佐賀さんの英訳本を読んでいたアメリカのジャーナリストがディランのアルバムを聞いてビックリ仰天!
これは「完全にあの本のパクリでねーの!」と佐賀さんに知らせてきた。
「ヤバいっスよ、コレ訴えたほうがいいんじゃないんスか?」と。
しかし、佐賀さんは「イヤイヤ、偉大なるボブ・ディランの歌の題材になるなんて光栄なこと」と、『ライオン・キング』の時の手塚先生みたいなことをおっしゃって不問に付しちゃったらしい。

とにもかくにも、この本、タイトルで大損をしていると思った。
おススメです。

<後日譚>
この本を父にも読ませてみた。
何せウチの父は生まれも育ちも浅草だ。
で、感想を聞くと…「こんなのデタラメだ。こんな面白がっているのか?」と言っていた。
その父ももういない。

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おわり

イギリス紀行2012 秋の陣 その8~大ショック!

2012年11月5日 初出

今日は英語の勉強から…。( )内は読み方ね。

Migraine (マイグレイン)

Period pain

Neuralgia (ニューラルジア)

Strains

Sprains

Sciatica (サイアティカ)

Rheumatic pain (リューマティック・ペイン)

Lumbago (ランベイゴウ)⇒私コレ。「ランバゴ」かと思った。

Fibrositis (ファイブラサイティス)

さあ、これらはみんな何でしょう?

そう、怪我または病気の名前ですな。病気の英単語はラテン語からきているモノが多く、ひどくムズカシイ!意味は各自調べてくださいね。どうせ覚えないんだから。

で、これらの症状を直してくれるのがこの薬、「アナディン・エクストラ」!ようするに鎮痛剤。こんなに効くのに成分がたった3つしか含まれていない!アスピリン、パラセタモール、カフェインだけ!大丈夫なのか?!スンゲエ強いんだろうね。胃が強くない私なんか一発でおかしくなりそう!海外で薬はコワイね。

イエね、日本にいると薬事法で海外の薬ってあまり目にしないでしょ?ドライバーのステーィーヴが持ってたんで見せてもらったの。

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今日はですね、ロンドンの西部を探検するよ。ここは「ホワイト・シティ」というところ。なんかスティーヴィー・ワンダーの「Living for the City」を連想させるような名前だね。
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ドデカイBBCの設備がある。Television Centreとかいったかな?
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で、一旦、パディントンまで戻る。イギリスいち可愛い駅名?
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オックスフォード、ブリストル、バース、プリマス、エクセター方面への始発駅。
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ここスゴイのは駅を出るといきなり地面の高さでカナルが流れてるの。
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メッチャ頑丈そうな車両止め!これたまにはここに突っ込んじゃうのかね?
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このギャップはスゴイでしょ!Mindしなきゃ落っこっちゃう!

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目的地はココ。
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さっきのホワイト・シティとココはちょっと今日は詳しくできないのね。マーシャル・ブログか他のところでもっと詳しくレポさせてもらいます!
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さて、またロンドンの中心に戻って…今度はテムズ川の南側。ここ一度来てみたかったのです。「エレファント&キャッスル」、何でかって?名前がおもしろいから。だってヘンでしょ?「象と城」なんて駅名!いったいこんな変な名前でぞうしろっていうんですかい?! 

他にも「Angel」とか「Bank」とかいう駅もあるよ。
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しかし、いかにロンドンに来ているとはいえ、用もないのにフラフラ出かけるのも何でしょ?でも今回2つのキッカケがあったのです。

ひとつは先日紹介したロンドン博物館にマイケル・ケインの紗幕が飾ってあって、そこにこう書いてあった。『オレの生まれた街は「エレファント&キャッスル」っていうんだ。でも、誰もそう呼びはしない。みんなただ「キャッスル」って呼んでいたよ』…カッコいい。行ってみようと思ったね、マイケル・ケイン好きだから。

これが駅舎。実はこの「エレファント&キャッスル」という名前の由来は、昔ここに大きな百貨店があって、そこにあった「象と城」のウィンドウ・ディスプレイが評判を呼んだから…とかそんな話のハズ。

駅を出たらスッゲェ雨!

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もうひとつの理由は行こうと思っていた帝国戦争博物館(IWM)の最寄駅だったから。

これが帝国戦争博物館。無料。
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以前にも書いたけど、戦争に関する博物館とか展示が何と多いことよ、この国は。
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ま、かつては世界最強の国だったんだから自慢したい気持ちもわかるけどね。

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でも、日本では見ることのできないものがズラリと並んでいて面白いことこの上ない。泉谷しげるじゃないけど、戦争マニアは大喜びなんじゃん?
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こりゃ何だ、タイガー戦車か?
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有名なドイツのV2ロケット。
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これがタイガーか?全然わからんわ。タイガー、タイガーって伊達直人じゃあるまいし…ごめんなさい。

でもね、こういうの手で自由に触ることができるのね。当たり前だけど、ものスゴく頑丈に作られていることがわかる。これだけ鉄を使えば鉄鋼業は景気よくなるわナァ。我々は軍隊と関係ないところで暮らしているから実感が特にわかないかもしれないけど、「一発戦争すれば景気がよくなる」なんてことを考えている不埒なおエライさんがいてもおかしくないと思っちゃいますよ。

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ところで、私がここへ来たのは戦車を見に来たワケではないのです。

目的はコレ。好きな写真家のセシル・ビートンの写真『THEATRE OF WAR』ってのを見に来たのです。
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セシル・ビートンはイギリスを代表する写真家でファッション・デザイナーでもあった人。ロイヤル・ファミリーや映画俳優なんかを撮りつづけて、こういったジャーナリズム写真でもいい仕事をした。一方、デザイナーの仕事として最も有名なのは『マイ・フェア・レディ』でイライザのドレスなんかをデザインした。あのアスコットのシーンの有名なモノトーンのドレスね。それに『恋の手ほどき』のレスリー・キャロンの衣装なんかもデザインして、この2作でオスカーを獲得した才人がセシル・ビートン。

今回のエキシビジョンは戦地に赴いた人やその周辺の人たちをテーマにするもので、今にも被写体が語りかけてくるようなモノクロ写真が限りなく美しかった。こういう風に撮ってみたいもんですな。
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ところでね、この博物館でモノスゴイものを見たのですよ。今思い出してもショックがぶり返してくるようなね…。それは4階全部と3階の一部を使ったホロコースト・コーナーだ。

こういうのはユダヤ人の習慣や宗教の解説から始まって、ナチズムの台頭があって、ゲットーができて、終末処理場ができて…とサラリとやってしまうのが普通かと思ってた。

ここももちろん史実なので流れは同じなんだけど、展示物や展示の内容がケタ違いにスゴイ。イヤ、恐ろしい。大量虐殺の展示の前には順路をショートカットするための出口が用意してある。後でわかったのだが、つまり、「これより先は興味のない人は入らない方がいいですよ」…という意味。そんな事とは気が付かずドンドン進む…。

新しいコーナーに足を踏み入れた途端、思わず「ウワッ!」っと軽い悲鳴を上げてしまった。そこには無数の白い小さな粒々…。

歯…。

犠牲者たちの歯。…とよく見るとそれは犠牲者たちの囚人服や私服についていた無数のボタンだったのだが、一瞬血の気が引いた。

ホンモノのゲシュタポのユニフォームぐらいでもものすごくインパクトが強いのに、チクロンBの空き缶や、巨大な模型で詳細に解説するアウシュビッツ、犠牲者たちの遺品、靴や服等の身の回りのものが大量に展示されているのだ。特に無数に積み上げられた靴、靴、靴…。それらが本物なのかどうかなど考える余地などまったくない…ショックで。

この悲劇を風化させまいという意図なのだろうが、あまりにもへヴィだ。この博物館がどれだけ日本の観光ガイドの本で紹介されているか知らないが、こういうものこそ、見ておくべきだと思ったね。特に若い人たち。

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まだ少しつづく

 

 

イギリス紀行2012 秋の陣 その7~寒い!けどガマン、ガマン…

2012年11月2日 初出

夕方。もう少し魚眼でロンドンを撮ってみる。これはナショナル。ギャラリー。トラファルガー広場から撮ったところ。

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反対にナショナル・ギャラリーからトラファルガー広場を撮る。晴れてるんだか、曇ってるんだかよくわからない天気。イヤ、ゼッタイに晴れてくれないと困るのよ、今晩だけは!
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1805年、スペインのトラファルガー岬でのナポレオンとの戦いが「トラファルガーの海戦」。勝利に道にいたホレイショ・ネルソン提督がこのモニュメントの先っちょに乗っかってる。
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マーシャルの運転手のスティーヴと昨日、「イギリスではあんまり白バイを見かけない」と話していたんだけど、いるわ。ちょっと工事現場の誘導員みたいでしょ?
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それをくぐる。ここから一直線に伸びている道がThe Mall(ザ・マル。変な名前)。つきあたりがバッキンガム宮殿だ。
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少し歩いてテムズ川の方面に向かう。騎馬警官だ。
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見ると物々しい警備。ここはいつ通ってもおまわりさんがたくさんいるんだよね。っと思ったら、ここ総理大臣、つまりキャメロン首相の公邸なんだと。よくニュースで黒い壁の家からキャメロン首相が出て来る映像を見かけるでしょ?あれがこの奥の左側の建物。知らなかった~。
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その向かいのパブ。別に報道陣でも何でもない。ただ呑んでるダケ。

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もう夕方になるとどこもかしこもパブは満杯で外へ人があふれだしてる!
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国会議事堂が火事だ!ってなぐらいに夕焼けが美しい。その上のこの分厚い雲!こりゃまたひと雨くるナァ。
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近くまで行ってみる。メッチャきれい!で、ここからが大変だった。やっぱり雨がジャンジャン降り出して来て寒いのなんのって!でもどうせすぐに上がるにキマってるんですよ。そして、夜陰を待つ。

ところが、なかなか雨が止まなくて、しかもいるところがない。パブに入ろうにもどこもかしこも満員だし、だいだい金がない!仕方ないので若い子たちに交じってマックの入り口のたまり場の地面に腰をおろして本を読んで時間が過ぎるのを待つ。寒い~!

その目的は…
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これが撮りたかったんですよ!
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今回は三脚も持って来ていたので、どうしてもコレが撮りたかったのです。
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以前にも書いたように、ロンドンという街の夜はネオンサインが極端に少なく、案外暗いので、こうしたライトアップされた建物が実に美しく映えるんですな。それに雨ばっかり降っているから空気がきれいだし。

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ウェストミンスター橋で撮る。あたりは三脚を抱えたアマチュアカメラマンがイッパイ!

コレ、光の線は当然車のヘッドライトなんだけど、上の方の線はナニかわかりますか?そう、二階建てバスのニ階のライトなんですね。
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テムズ川下流方面はこんな感じ。
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ロンドンアイの紫のイルミネーションが幻想的に夜空に映える。
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露光時間が長いのでこれだけ撮るにも結構時間がかかのね。マジで寒かった~。さあ、ホテルへ帰って最後のきつねどん兵衛でも食べよう。
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まだつづく

イギリス紀行2012 秋の陣 その6~Cityを往く!

2012年10月26日 初出

シティの散策はまだつづく。

よく為替の値動きのレポートで「ロンドン市場」なんて言ってるでしょ?あれ、こなへんでやってるんだよね。ってこんな言い回し、いかにも経済に疎い感じがしますな。おうよ、疎いよ!「経済」について語れと言われたら、「生コン」について語った方が全然ラクだもんね。

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でも、ここが世界経済の中心地だということはわかる。ん~、経済感じるな~。後ろの立派な建物は1568年に設立された「王立取引所(Royal Exchange)」。このウマに乗ってるオッサンはDule of Wellington。Dukle Ellingtonなら好きなんだけどね。

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その隣のこちらは「イギリス銀行」っていうとナンカ軽いナ。Bank of Englandというと重くなる。
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こっち側が正面なのかな?この建物はチョット間に紹介したイギリス一小さい国立博物館のジョン・ソーン卿によって設計されたんだと。

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そして、今日のウォーキングの目玉はコレ。前から来てみたかったんだけど、いつも忘れちゃって…。
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Leadenhall Market(レドンホール・マーケット)。

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オリンピックでマラソン・コースになっているのを見て「そうだ、そうだ」と思い出して今回は真っ先に訪れた。

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ここは本当にスゴイ。早い話がただの屋根付き商店街、すなわちアーケードなんだけど、新小岩あたりのアーケードとはワケが違う!美しいことこの上ない。ロンドンだけでなくイギリスの大きな街にはこうした美しく装飾したアーケードがゴロゴロしている。そういえばニュー・キャッスルのセントラル・アーケードも素晴らしかった。

ところで、どんな高級ブティックがゾロゾロと並んでいるのかと思うと、中身は新小岩と大して変わらないかったりする。

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チーズ屋さん。

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チョコレート屋さん。

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肉屋さん。あれかね、ここの人たちの間では「肉屋のジョン公」とか「チーズ屋のリンダばーさん」なんて呼び合ってるのかね?
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アーケードの長さは新小岩のそれとは比べ物にならない。ところが真ん中あたりでアーケードがクロスするところがあって、これが猛烈に美しい。

映画『ハリー・ポッター』のロケにも使われたんだってね?
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天井がこんなんなってる。

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1881年につくられたのね。「Leadenhall」の名は14世紀にこの辺りの土地を持っていた人の家の屋根が鉛、つまりLeadでできていたというところからそう呼ばれるようになったんだそうな。

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ここを訪ねたのはもう5時過ぎぐらいだったかな?そのせいか商店街自体は実に閑散としていた。
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文房具屋さんだってこんなにおしゃれ!

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ちょっとした路地はまさに中野サンモールみたいなんだけどね…ゼンゼン違うか?
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でも、ここでも夕方になるととパブだけはにぎやかかだ。

しかし、いくらきれいでもマラソン・ランナーはイヤだったろうなー。地面が結構凸凹してるんですよ。くわばらくわばら。

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せっかく来たので、入口にあったパブに入ってみた。店内をバチバチ撮影できないのが残念なくらい好きな雰囲気。お、ここは食べ物があるな…ドレドレ。「HAND-PRESSED BURGERS」か…「ハンド・プレス」って、足じゃプレスしないでしょ、さぬきうどんじゃないんだから~。ま、「手ごねハンバーグ」ってやつかね?みんなイギリスの料理はマズイマズイって平気で言うけど、こういうのは結構おいしいですよ。でも一番おいしいのは付け合わせのチップス(フライド・ポテト)なんだけどね。食べたいナ~、ハンバーガー、お金ないしな~。ってんで同じじゃがいもでも。カバンの中に忍ばせてあったWalkersのCheese & Onion味をこっそりいただいちゃう。あー、エールに合うな~。

あ~、立ち食いそば食べたいナァ~。

あ、そういえば昔、ニューヨークのタイムズスクエア近辺のセヴンス・アヴェニューに「EAST」とかいう立ち食いそば屋があったんだよね。当時$7だったから、かき揚げそば一杯が1,000円ぐらいだったかな?バカバカしいから我慢してたけど、最後の最後にはどうしてもたべたくなっておにぎりといっしょにいあただきましたっけね。あ~、立ち食いそば食べたい。でもこのとびきりおいしいエールでガマンしよう!

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さっきまでモノスゴイてんきだったけど、すっかり晴れた!
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もう少しつづく

イギリス紀行2012 秋の陣 その5~Swamped with Chicken!!

2012年10月19日 初出

今日は今回のお宿の話しを…。

これだけ何度もロンドンを訪れているが、定宿というものがない。できれば、宿のスタッフと顔見知りになって「やあ、シゲ、また来たのかい?今度は長くいられるんだろ?好物のジェリード・イールを買ってきてやろうな!」…なんて関係になってみたいものだが、どう考えてもそんなことにならないのもわかってる。だから、安いところを探しては西に東に選択の幅を広げている。(ジェリード・イールが好物というのはウソです。食べたことないけど、絶対食べられないと思う)

それでも以前はヒースロー空港への便がよいハマースミス等、西方面に泊まることが多く、何回か泊まったチェーン店のホテルのレストランのインド人とは顔見知りになって彼の方から「サー、サー」と気軽に話かけてくるようになった。

そのインド人の若者、眉毛が眉間で左右ガッチリとつながっており、眉毛が元来一本でできているのが当然のようなつながりっぷりだった。いつか「それ真ん中、ワザとつなげてんの?」と訊いてみようかと思っていたが、宿泊料金がさほど安くなくて(ロンドンにあっては大したことないのだが…)、そのホテルから遠ざかってしまい訊かずじまいだった。ま、あの時そんなことを訊こうもんなら、「じゃ、あなたはワザと耳の毛を伸ばしているのか?」と訊かれていたかもしれない。そう、私は耳毛を伸ばしているのである。なぜなら、耳毛は幸運を呼ぶとされているからなのだ。

毛の話はやめよう。

今回はロンドンの東、フィンズベリー・パークの安宿に寝泊まりすることにした。フィンズベリー・パークについては過去何回か訪れていてブログでも取り上げている。

話題のひとつはレインボー・シアター。写真は駅から見たレインボー・シアター。駅からこんなに近い。70年代、ロックの一番よかった時代を代表するありとあらゆるバンドがここに出演したのである。今、たまたまジェネシスのボックスセットのレインボーシアターの未発表音源を聴いていたのだが、「Supper's Ready」とかシッカリ演っちゃって…いい時代だったよな~。ここで演奏してるんだもんな~。

もうひとつの話題は、グラハム・ボンドがこの駅で飛び込み自殺をしたということ。電車に飛び込む直前に不思議なことがあったことも記した。

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Finsbury Park駅。地下鉄ピカデリー線とヴィクトリア線、それに国鉄が通っている。これは伊藤広規さんのパートナーのくり子さんに言われて気が付いたんだけど、ここの駅は珍しくひとつのホームに異なる地下鉄の路線が入っている。普通、ロンドンの地下鉄は路線が違うと間違いなく階段やコンコースを通って別のホームに移動しなければならないが、ここはピカデリー線とビクトリア線が並行して入線してくる。赤坂見附駅の銀座線と丸の内線と同じ。東京ではこういう駅がたくさんあるが(中野駅とかね)、ロンドンではまずない。

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ホームにつづくコンコース。この駅には改札がない。このトンネルのようなコンコース、面白いよね。アーセナル駅のコンコースなんかこれが延々と続いていてちょっとしたアトラクション気分なんだぜ。

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となりの駅がアーセナル。Emirateサッカー場も近い。お、この通り、ロリンズが見たらよろこぶゾ!

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という関係で、駅舎にアーセナルのオフィシャルショップが入っている。

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国鉄の線路を挟んでレインボー・シアターの反対側のようす。ガラ悪いのなんのって!だいぶ前に初めてフィンズベリー・パークに来た時も一瞬にしてガラの悪さを感じたが、数日過ごしてみるとなるほど思った通り。ホームレスはゴロゴロしてるわ、タバコの吸い殻集めて分解して巻直してるヤツはいるは、お世辞にもお上品な街とは言えません。

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でも、このフィンズベリー・パークは美しい。

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ホテルの前から駅方面を望む。徒歩2分とウェブサイトに書いてあったがウソ。3分はかかる。ニコ・マコブレインの家はこれのずっと後方の隣町らしい。

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ホテルはフィンズベリー・パークに面しているのだが、私の部屋はもっとも安いグレードなので裏側の半地下。それでもフルイングリッシュ・ブレックファストがついて一泊6,000円だから全然マシな方ではなかろうか?ホテルのスタッフもすごく感じヨカッタし。安いチェーンのホテルでもロンドンでは10,000円を下ることはないからね。

このホテルでさ、着いた早々火災報知器鳴らしちまったのよ。イギリス人はお茶を飲む習慣があるからどんなホテルでも電気の湯沸かしポットが備え付けてある。でもチンや冷蔵庫は絶対ない(当たり前ね)。で、今回、日本からレトルト食品を持って行ったんです。そう!このポットのような湯沸かしポットでレトルトのお粥を温めようとしたのです。

イギリスは電圧が日本の倍以上もあるので、電気の湯沸かしポットで湯をわかすとものの見事にすぐ沸騰してくれる。沸騰すればサーモスタットが働いてポットのスイッチが切れて当然電源が落ちる。これではレトルト食品を温めることなんて到底ムリ。そこで、サーモスタットが働いでもスイッチが動かないように箸かなんかで固定して煮込んでたんですよ。そしたら、窓を閉め切っていたもんで、部屋に湯気が充満して突然「ギュイーン、ギュイーン」とサイレンが鳴りだした!ビビったね。

するとさっきチェックインの手続きをすいてくれたちょっとキャメロン・ディアスに似たお姉さんが合いカギをもってスっ飛んできた。すぐにドアを開けるとそこに立っていたお姉さんの顔はかなりマジ…。

「ちょっと、一体どうしたんですか?!」

「イヤ、ちょっとお湯を沸かしすぎちゃって…」

「お湯が沸けば湯沸かしポットのスイッチが切れるハズですよ!」

「イヤ、レトルト・フーズがその、あの…」

「レトルト?何ですかそれは?」

「イヤ、温めて食べるフードでございまして…その」

「ちょっと、ポットに食べ物を入れちゃったの?ダメよ!食べ物はダメ!入れちゃダメ!水以外は絶対ダメなの!」

「イヤ、そんなことわかってて、その、あの、エイゴワカリマセン~」

てな具合。最後の「英語わかりません」ウソです。ちゃんと説明したけど、ビックリしましたよ。追い出されるかと思った。

出かけるときにそのお姉さんがまだフロントにいたので、もう一度詫びを入れると「いいのよ、いいのよ。大丈夫よ!でも、夜中はやめてね!」なんてウインクしながら言ってくれるた。素敵な女性だったな。

ここで学んだこと…レトルト食品は英語で「レトルト」とは呼ばない。Puch-packed foodとかPrepared foodいうらしい。もう少し調べてみるとRetort-packed foodともいうみたいだな。全然通じなかったゾ!

それとポットでレトルト食品を煮込む際には必ず窓を開けよう!

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レインボー・シアター近影。
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さて、今回の本題でござる。ここさっきも書いた通りかなり低所得者が多いエリアなのだろう。そういうところにかならずあるのがフライドチキン屋さんなのよ。サウス・ケンジントンやスイス・コテージのような高級住宅街でフライドチキン屋を見かけることはおそらくない。

で、ここの駅周辺を歩いていてフト気が付いた。オイオイ、ここフライドチキン屋だらけじゃん!

ここでしょ。
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ここも。PFCだって。キャッチコピーは違うけど、鶏のデザインが同じだから上の店と同じなんでしょうな。
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ここも。
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またPFC…。マークのデザインがチト上の2店とは違う。
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ここも。みんなオリジナルっていってら!
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当然コレも。やっぱりこれが一番おいしい。

で、これらの店がてんでバラバラにあるわけではない。「シゲさん、またまた~、オーバーなんだから~」とおっしゃるかもしれないが、これらの店は駅から50mの範囲に集中しているのである。こんな狭いところに6軒ものフライドチキン屋がある街が東京にあるだろうか?イヤあるワケない!あんたらどれだけチキン食べるのよ~!(全店シャッターが閉まっているのは早朝の撮影だからです。昼から夜まで全店ギンギンに営業しとります)まだこのほかにフィッシュ&チップス屋があるからね。揚げ物パラダイスだよ~。

そういえばこのケンタッキーでのこと。案外客の出入りが激しくて、店員が2人しかいなかった。レジとキッチンで鶏を揚げてる人だけ。そこへ黒人のイキのいい姉ちゃんが入ってきた。「3分かかりますけどいいですか?」と店員にいわれてお姉ちゃんはそれをOKする。ところが作る方の手が足りないらしく、3分経っても、5分経っても出来上がらない。すると、そのお姉ちゃんは猛烈な勢いで怒鳴りだした。いつの間にか後から入ってきた黒人のアンちゃんと徒党を組んで「遅い遅い!」と店員を揺さぶりにかかったのだ。

その店員が彼女らのあまりの剣幕に抗しきれず、ドリンクを無料で提供することになってしまった。「それじゃ無料でコーラ出しますから…サイズは?」なんて訊くと、彼女は「Lに決まってんじゃん!L!」なんてありがとうの一言もいわない。

マクドナルドやケンタッキーの常套句、「1分少々お待ちください」がたとえ5分になっても10分になっても無料ドリンクをむしり取るようなことは我々日本人は決してしないだろう。本当に日本人って上品で素敵な国民だと思う。海外に来ると痛感します。だからもっと若者には藤原正彦先生の本を読んでもらいたい。自分も含めて年寄も同じだ。最近の日本人は年寄の素行もほめられたものではない。もっと我々は日本人らしく振舞うべきだ。
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美しいフィンズベリー・パーク。
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東京もこんな風だったらどんなに素敵だろう?

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9月の下旬でもロンドンの空気はもう完全に冬だ。
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日向ぼっこをする老夫婦。ロンドンならではの光景だと思う。

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つづく

イギリス紀行2012 秋の陣 その4~探せばまだあるロックネタ

2012年10月17日 初出

いつも観光客でゴッタ返しているコヴェント・ガーデンに近いホルボーン地区。大通りをちょっと入ると瀟洒な住宅街となる。といっても現在は多くが事務所などの商業設備として使用されているようだ。かつてはチャールズ・ディケンズがここに住み『オリバー・ツイスト』を書いたという。

この通りの左側にイギリスで一番小さな国立博物館、「サー・ジョン・ソーンズ博物館」がある。前回、訪れたが女王陛下の「Diamond Jubilee」の関係で臨時休業しており入れなかった。今回の訪問はリターン・マッチとなる。

ちょっ~と前まで晴れていたのにまた雨。

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博物館になっているのは真ん中の白い建物。何しろ元々はジョン・ソーン卿の個人宅なので小ぢんまりしている。もちろん個人宅にしてはアホほどの広さだが…。

それでも大勢の人が観て回るには狭すぎるので、入場制限はあるし、大きな荷物は一切持ち歩けず、預けなければならない。

赤い傘の下におじいちゃんが立ってるでしょ?他におばちゃんがいて、この方々は博物館の関係者なんだけど、モノスゴイ丁寧な話し方をされる。クイーンズ・イングリッシュのかたまりで、ゆっくりと歌うようにしゃべるさまには気品が満ちあふれている。これがあのVallyey Girlが使っている言語と同じものかと信じたくない。

若いころ、アメリカの英語がカッコいいとあこがれ、何とか身につけたいと思っていたけど、今はイギリス英語の方が全然カッコよく聞こえるな。語彙も豊富でおもしろい。ところがこの発音、まったくできない。

勝手な自己流の研究で言えば、「r」で舌を巻かず、とにかく子音、とくに「t」「k」「p」「b」といった破裂音をハッキリと発音し、反対に「th」のような摩擦音は弱くする。そしてアクセントを大げさに強めず、文尾を上げすぎずにツラっとしゃべりきれば何とかそれらしく聞こえなくもない。

ところが、長い間アメリカ英語にあこがれて練習してきた舌にはこれがなかなかできない!そして、何よりも一体誰の英語を手本にすればよいのかサッパリわからんのよ!イギリスでは村々で異なる英語を話すっていうからね。ま、いつかは体得したいものです。

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そんな美しい英語に惑わされて、つい小冊子を買わされてしまった!£2。ま、入館料は取られないので寄付かと思えばゼンゼンいいんだけど…ってアータ、ここ£2なんてこといってたらおつりが来すぎちゃって困るぐらいおもしろいのよ!ここも館内撮影禁止なのが残念なんだけど、小さいながら素晴らしいコレクション!

このジョン・ソーンというオッサンは建築家かつ教育家で有名ではあったが、それほど裕福ではなかった。奥さんの側の親族の遺産相続をしてからコレクションがスパークしたらしい。

コレクションの幅は恐ろしく広く、古代遺跡の破片やら絵画、彫刻などなど、マァ、そのコレクションをひと目見たら思うこと間違いない…「ああ、このオッサン、いっちゃってんな~」って。しかも、さすが建築家らしく家の構造が迷路のようで、こりゃ住んでいても迷ってしまうのではないか?という感じなのよ。

しかも、ここはソーンさんが亡くなった時の状態そのままになってるっていうのよ。法律でイジッちゃいけないことになってるらしい。ホントにこんなとこに住んでたんよ~。ソーンなの信じられないね~。

ここのコレクションの目玉である18世紀にウィリアム・ホガースとかいう画家の連作「放蕩者のなりゆき」というのはおもしろかったし、地下に展示されている「セフィ1世に石棺」というのはなかなかに見ごたえがあった。この石棺は出土したエジプトの国外にある石棺の中ではもっともクォリティが高いとされ、このソーンというオッサンはこれを手に入れた時、三日三晩祝宴をしたそうだ…やっぱりイッちゃってるでしょ?

蔵書なんかも荘厳で素晴らしい。是非、ロンドンに訪れた際には見学することをオススメします。見なきゃソーン損。。

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この博物館の向かいはリンカーン・イン・フィールドという公園になっている。ナントこの公園、ニューヨークのセントラル・パークのモデルになんだとさ。スッゲ~な、ロンドン。

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で、今回は考えてみると一度もジックリと歩いていないロンドン東部のシティ方面を散策することにした。

例によってもう足やら腰やら痛くて痛くて…。疲れがなかなか取れないのですよ。もちろん歳のせいなのはわかっているけど、よ~く考えてみると、コレ食事のせいだわ。毎日毎日、朝から晩までサンドイッチとカップヌードルにポテトチップ(クリスプ)、フライドチキンにフレンチフライポテト(チップス)でしょ、ちょっとした栄養失調ではないのかということに気付いた。栄養失調といってもカロリーは高め。米ですよ、米。もうかれこれ10日は米を一粒も食べていない。きっと身体が驚いちゃって、動かしにくくしていたに違いない。「おまえこれ以上米を食わずに動いたら死ぬぞ!休め休め、疲れを残して動けなくしてやる!」と身体が防衛本能を発揮しているんだ。あ~、納豆食べたい。

肩に食い込むカメラが一層重い…。兵隊さんは大変だったろうナァ~…とマジで思ったね。それでも野辺を歩き続ける悲しい兵隊ひとり…なのだ!(from 小室等)

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雨も降ってる、し前から入ってみたかった「ロンドン博物館」を訪ねる。これにはちょっとした思惑がありましてね…。ロックの本場、ロンドンの博物館なんだから、何がしかロックに関するアイテムがあるんじゃないかと思ったのですよ。V&Aみたいにね。

ここの博物館はスゴイ。ものすごく壮大なのよ。何しろ前人類史からロンドンの歴史をさかのぼっちゃう!いわゆる郷土資料館ですな。まあ、これゆっくり観てたら3日ぐらいかかっちゃう。で、思いっきりワープして1960年代へ!

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お!思った通りそれっぽいのが出て来たゼ!
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スウィンギン・ロンドンはやっぱハズせないでしょう。思い出すな~、郡山美術館。楽しかったナァ~。
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こんなワンピースを着たレディがレスタースクエアあたりを闊歩していたんでしょうナァ。
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キンクスの「Sunday Afternoon」のシングル盤他。
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マリー・クアントも欠かせません。スゲェつけまつ毛!細い針金でできてる?
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こちらはサイケですな。「カラフル・クリーム」が飾られてる。これの原題『Disraeli Gears』の意味は前のブログでいつかお話ししましたね?
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こんなものも飾ってある。本物です。
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もっとゆっくり見ていたいんだけど、何せもう足腰がシンドくて…。それに晴れている間に先に進まないとまたエライことになりますからね。ここはまたいつか見に来よう。
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さらに東へ進む。お、スゲエ、ローマ時代の遺跡がボコっと出て来る。これ大阪でいえば梅田阪急ビルと大阪第4ビルの間に弥生時代の遺跡が野ざらしになってるようなもんだからね。
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ギルドホール。1411年の建設だそう。1666年のロンドン大火の難からも逃れ、現在も使用され続けている。
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タイルが貼られた手前の広場も美しい。この辺りは新しい背の高いビルばかりなので、突然視界が開け、この荘厳な建物が目に入った瞬間にはちょっとした感動を覚えざるを得ない。
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モニュメント。ロンドンにはこうした記念碑が数多く存在しているが、これが一番立派なのかな?1666年に起こったロンドン大火(前出)の犠牲者を悼む記念碑だ。
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£3を払えば上に上がれるようになっている。天気がとてもよかったので上がって写真を撮りたい気持ちにもなったが、この足じゃな…。足が張って帰りに階段から転げ落ちてもタマランのであきらめることにした。
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ああいい天気だニャ~。今晩もサンドイッチか…トホホ。
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つづく

イギリス紀行2012 秋の陣 その3~『Let It Be』を観たよ

2012年10月16日 初出

貧乏旅行…私の場合、食費を削ることよりも、音楽グッズを買い控えたり、観劇をガマンしたりすることの方がツライ。お土産は別にして、洋服なんて自分にはTシャツ一枚買ったことすらない。

その代わりCDやら、本やら、大好きなミュージカルには惜しみなくお金を使う!…と行きたいところだが、当然そうもいかない。両替したポンド紙幣の減り具合を確認しながらおそるおそるCDや本を少しずつ買い込まざるを得ない。

CDや本はいつかまたどこかで再会できることが期待できるので(ま、私が欲しいモノなんて大したアイテムじゃないから…)、ちょっとした努力で買い控えることもできよう。

それでも、いつかオレゴンのベンドだかベントだか、ジェリー・ドナヒューのようなチョーキング名人が集まっていそうな町に行った時…小さな小さな町だったが、中古レコード屋を見つけた。すぐに店内に入りROCKの「Z」コーナーへ。当然何かFrank Zappaの珍しいものがないかとチェックしたワケだ。エサ箱に入っていたのは十把一絡げののありきたりのモノばかりだったが、最後に『Apostrophe(')』と『Over Nite Sensation』の4チャンネル盤というのを見つけた。$10チョット程度だったかな?

普段なら絶対「買い」なんだけど、こういう時は時差による疲れのせいか、思考が妙な具合にブレるようで、どうもいい結果を生み出すことがない。この時は、「欲しいナ、問答無用で買いだろ?」→「イヤ、待てよ、こんなもの持ち帰ってどうするんだよ?4チャンネルのステレオなんか持ってないじゃんか!」→「それに荷物になるゾ~。LPがどれだけ重いか、おまえならよ~くわかってるだろう?」→「それにこのLPをスーツケースの底に入れてだな、今はきれいなジャケットがだよ、持って帰った時、ヒン曲がっちゃって醜い姿になっていたら苦労して持って帰った甲斐がねーゾ!やめとけ!やめとけ!」と天使か悪魔かどちらともつかない声が聞こえる。

結果、「やめ」である。そのまた結果が「後悔」である。それらのアイテムに後日出会ったことがない。だから、ほんのちょっとの犠牲で済むのであれば、「欲」を貫いた方が後々楽である。これが私の「海外買い物人生訓」なのだ…ま、しょっちゅうブレてるけどね。

でだ!チョットどころの犠牲で済まなくても自分に「Goサイン」を出すべきは、ミュージカルやコンサートなどのエンターテインメントである。理由は単純。他の場所では経験できないからね。

私が考えるに、実は日本は驚異的なエンターテインメント後進国である。正確に言うと経済先進国の中にあっては、西洋エンターテインメントを国内で経験できない、その方面においては最も遅れた国だと思うのです。

言葉の問題もあるし、落語やその他のオリジナルの古典芸能も豊富にあるので、ミュージカルなんて観ちゃいられんよ…ということもあるのかもしれないが、まぁ、寂しいもんです。かといってお能観にいかないでしょ?!それもこれも「観劇」という習慣がないから仕方ないのでしょう。

その結果、現地で観るということが必須になってくる。これは現地で見逃すと他では経験できないことが多いので、もしくは「劇団○×」の焼き直しなど観たくはないので、多少の犠牲を払ってでも経験しておくようにしている。

例えね、大枚はたいて観たショウがその時少しぐらい気に入らなくても、後年、「お、オレ、それブロードウェイで観たよ。メチャよかったよ~!おまえも観た方がいいよ~。ま、オレはミンスコフ劇場で観たけどね…」とかいうことになるのよ。おのぼりさん根性と笑わば笑え。どうせショウ・ビジネスにおいては、日本人は絶対に永久に向こうの連中にはかなわないんだから…おのぼりさんで上等、上等!

さて、地下鉄の広告で見つけたのがビートルズのミュージカル『Let It Be』。これか~。日本でもテレビで盛んに宣伝してたな…。どうせ日本公演のキャストは2軍、3軍だろう。コイツぁ、本場で本物観てやろか。

と、財布の中身を確認しつつ、ハーフプライス・チケットのオフィスに行くが、9月下旬に始まったばかりの興業なので、この晩のチケットはソールドアウト。「クソ!もっと早くチケット買っておけばよかった!」と思いつつ、「フ~、金使わないで済んだ~」と安心したりして。

ボックスオフィスで興業日を確認すると、あくる日にマチネーがあることを発見。マチネーというのは昼間の興業のことね。補欠のキャストでシレっと興業をかけちゃう。

ここで、このあたりのシステムになじみのない方に簡単に説明しておくと、日本では「劇団ナントカが何年ぶりに『ドッグス』の公演をします!」とかにぎにぎしくやってるでしょ?期間を決めて興業しますよね?

ところが、NYCのブロードウェイとかロンドンのウエストエンドでは毎日興業がかけられているのね。ウエストエンドの場合は、日曜日には全興業がパタリとお休みになってしまうけど、その他の日は決まった劇場で毎日同じ出し物が上演されている。で、人気のあるショウは(ウエストエンドの場合)、木曜日と土曜日には昼間にも上演される。これがマチネー。(マティニーと発音する)ブロードウェイは月曜休みで、水&土曜日にマチネーだったかな?

公演当日の夕方近くになると、同じ公演をかけるのに席を余らせておいてもモッタイないから、一斉にチケットの安売りが始まる。これを待ってチケットをゲットしてもいいのだが、ソールドアウトと変な席しか残っていないという危険性があるワケ。合理的です。

これを20年とか続けるワケですよ。当然ヒット作ともなると延べ観客動員数は凄まじい数になる。もちろんこれはイギリスに住んでいる人だけが観てるワケではなく、大半が私のような海外からのおのぼりさんだ。そこへ行くと東京のショウは日本の人しか観ないからね、動員数がケタ違いに小さくなる。

さて、人気の興業も時間が経てば動員力が徐々に減って集客が鈍くなる。それでも終わらせるには惜しい。すると今度は、ウエストエンドの場合、キャパの小さい劇場に引っ越して行って、しまいにフェイドアウトする。私が10年ウエストエンドを見て来て、『レ・ミゼラブル』は2回引っ越してるハズ。今3か所目の劇場になるけどまだやってる。『オペラ』はいまだに「ハー・マジェスティ」で演ってる。それにいまだにハーフプライスが出ない。人気のほどがうかがえるというワケ。

だからね~、東京なんかはいかに海外からの観光客が少ないかって思うんですよね~。もっともっと海外の人が興味を持って来るような魅力的な街になってもらいたい。

今もね、年末にイギリスの友人が来るっていうんで観光のプランを練っているところなんだけど、観せるとこないよね~。二重橋?お台場?スカイツリー?そんなんでよろこぶかな?それよりあまりにも混沌とした渋谷の駅前とか歌舞伎町の方がよろこびそうだな…。

それと、東京の観光地ってそれぞれがエラク離れてるんだよね。世界一の大都市だから仕方ないんだけど、ロンドンとかニューヨークはせま~い中に見どころがギューギュー詰めになってる、博物館だとか美術館が充実しているので1週間いてもまだまだ見きれやしない。という地理的ハンディも東京にはあるのかもしれない。

話し戻って、チケットオフィスの人によれば翌日のマチネーのチケットはあるということで明日チケットを買うことにした。これが失敗だった…。

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マチネーは3時から。午前中に西ロンドンでマーシャル関連の取材を済ませ(これがまた面白かった!)、ウエストエンドに戻りマチネーのチケットを買おうとすると、ヤッチマッタ!昨日聞いた値段よりガバッと上がってやがる!ニューキャッスルからの電車の時にあれほど失敗したのに!というのはぎりぎりまで待てば安くなるかと期待していたのよ~!ああ、バカな私。

ま、それでも5,000円ぐらいで始まったばかりのショウが観れるなら…とチケット買った。
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これがプログラム。£4だったかな?こういうものはよほど高くない限り必ず買うことにしている。ま、思い出というよりも「観た」という証拠みたいなもんですな。
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これが、「Prince of Wales Theatre」。現在の建物は1937年に再建されたものだが、オープンは1884年という由緒ある劇場だ。
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ロンドンやニューヨークで観劇する際のもうひとつの楽しみは、劇場そのものを味わう…ということ。日本の劇場はジャンジャン壊してしまうので歴史も風情もすっ飛んでしまうが、こちらは長い間に上演された数々の名作のポスターや写真が飾ってあったりして実に味わい深い。

NYCのリンカーンセンターにあるエイヴリー・フィッシャー・ホールに飾ってあるボールペン画によるカラヤンやベームらの名指揮者たちのポートレイトなんて実に面白かった。

それと、その名館に入ったという満足感ね。ロイヤル・アルバートにもパレスシアターにも入ったことがない若輩が言うのもなんですが…。(オペラとかスカラとかとは別の次元で話してます。ロックですから、土台。)

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オワ~!ジミー・スチュアートが1975年にここの舞台に立っているのね!感激!! これは『Harvey』ですな。同名の幻の名ギターアンプもありましたが…。

1944年にブロードウェイで初演。1950年にはこの人が主演して映画化もされた。主人公にしか見えない大きなウサギの話し。ジェイムス・スチュアートはオスカーの主演男優賞にノミネートされた。
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こちらはメル・トーメ。「The Man with the "Velvet Fog Voice" from the U.S.A.」ってのがいい。2週間もここで歌ったんだネェ。聴きたかったナァ、若き日のメルの声!

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さて、肝心の『Let it Be』。どうもシックリ来なかったんだけど、道理で…日本で盛んに宣伝しているビートルズのショウは『Rain』っていうヤツなのね。日本に帰って来て気が付いた。まったくの勘違いだった!

ビートルズデビュー50周年ということで盛り上がってるんでしょう。それにしても2012年はイギリスにとって本当にスゴイ年回りだよね。私もそうなんだけど。

この作品は特にミュージカル仕立てでもなんでもなく、ビートルズの曲を演奏するごく普通のコンサートなの。ただ、デビュー当時から順に衣装を換えてその時代のレパートリーを演奏するので、無理して言えばチョットしたビートルズ物語にもなってる。それよりも、皆さんの前にビートルが再び現れたんですよ!50年前にロンドンで演奏した時と同じなんですよ!という疑似ビートルズ体験ができるというワケ。これには弱い!

「なんだよ、そんなら六本木でも観れるやんけ~」なんてことは思っては絶対にイケません。演奏がウマイとかヘタとか、似てるとか似てないとか、こんなことを考えるのもヤボです。何しろ、このロンドンで観ている!というロマン。そして大枚はたいているという意地があるからです!

でも本当に結構楽しめましたよ。

写真は撮れないので劇場の外観だけしか掲載できないのが残念。ステージ左右にはビデオスクリーンがはめ込まれた大きなクラシックなラジオの造作が設置され、「ビートルズ・クイズ」が放映されていて、上演を待つ観客のビートルズ度を鼓舞しようというたくらみ。みんなそれを読んじゃドヤ顔で小声で答えている。

BGMはニール・セダカやコニー・フランシスらのオールディーズがガンガンに流れていて、お客さんがもうしっかりとそれに合わせて歌っちゃってる。そう、かなり年齢層が高い。オイオイ、ヘタすると、私が一番若いんじゃねーの?ぐらい。もう完全に「あなたがた皆さん本物のビートルズを見てるんでしょ?疑似体験なんかする必要ないでしょーが!」という感じなの。

「She Loves You」でショウはスタートして「From Me to You」だの「Please Please Me」だの初期の定番が連なる。

曲間にはジョン役の人が「高い席のお客さんは宝石を鳴らしてください。安い席の方は拍手してください」だっけ?有名なMC。ああいうのを入れてあたかも本物が演奏しているような演出をするんですよ。

ところで、本当にこのジョンのMCを実感している日本人ってあんまりいないんじゃないか?って思った。イギリスは今でも差別社会といわれるが、この劇場の座席の別なんてまさにその表れで、実に細かく値段によって席が分かれている。舞台に一番近い、つまり高い席を「ストールズ」といい、2階席がドレス・サークルとかロイヤル・サークルとかいうエリア。社会の授業で習ったカーストでいえば、ここまでが「バラモン」。士農工商なら「士」だね。私なんかがいつも利用するのは一番安いバルコニーというエリア。4階席ですよ、4階席。カーストならスードラであり、「商」に属する。

安い分仕方ないんだけど、このバルコニーともなると、他のいい席の方々と出入口も異なるのですよ。ま、言いたかないけど、「貧乏人様はコチラへ」みたいな…。で、エレベーターなんかないのでエッチラオッチラ階段を上がって行くワケ。別に悔しくも何ともないんだけど、ジョンが言ってたのはこれか~、最初にロンドンでミュージカルを観た時思いましたよ。ブロードウェイは劇場がウエストエンドに比べて小さいせいかこういうのないようは気がするな…。

で、ショウはつづく。ナゼか「Day Tripper」で総立ち大合唱!でもすぐ座っちゃうよ~、ご年輩だから、手拍子も1&3拍。ああ落ち着くなァ~。

衣装替えの時にはステージ両側のビデオスクリーンに60年代のロンドンの風俗が映し出される。トゥイッギー、マリー・クアント、Vespaなどなど、みんな「なつかし~」とか「あった、あった」とか言ってる。

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第2部ではサージェント・ペパーズの衣装で登場。ドラムの人が「With a Little Help」を歌ったんだけど、これが何ともよくてね~。泣けたな~。最近ようやくビートルズの歌詞がダイレクトに頭に入って来るようになりましてね。やっぱスゴイです、ファブフォーは。一番泣くるのは「She's Leaving Home」なんです。

「With a Little」には会場も大合唱。隣の隣のおじさんも目頭を押さえてた。『サージェント』からは他に「When I'm Sixty-four」も演った。お客さんの平均年齢はどう見ても64歳以上なんですよ。みなさんの膝の上にヴィラだのチャックだのデイヴが乗ってるかはわからないけど、これも完全に大合唱。私も。『ガープ』すきだったからね~。ちょっとポール役の人が時々自分風にアレンジするところが気になるナァ~。

何しろお客さん全員が、全曲完璧に英語で歌えるところがスゴイ。案外感動モンですよ。海外へ来た感が横溢してる!

「A Day in the Life」とか「Love is All You Need」とかも披露。ポールは今でも自分のステージでビートルズのレパートリーを演奏しているけど、ジョンはもうできないからね。コピーだとはわかっていても、そういう意味ではすごく新鮮に感じる部分もあった。「Strawberry Fields」とか「Lucy in the Sky」とかヨカッタな。「♪Lucy in the sky with diamonds」の前のキメのところなんかお客さん全員膝叩いて合わせちゃうんだから。

考えてみると、となりにいたご夫婦ももう70歳近くにお見受けしたが、そういう年齢の方がビートルズの曲をソラで歌っちゃうんだよね、もちろん英語で。昔の曲ならわかるんだけど、ちゃんと『リボルバー』あたり以降の曲もちゃんとマスターしてる。本当にお茶の間にビートルズがいたんだなって感じがするワケですよね。日本だったらどうなんだろう?GSとかかな?この差はかなりデカイ。

アコースティック・セットでは3人が同時に「Blackbird」を弾いたりして…。「Here Comes the Sun」や「In my Life」と続く。ん~、ここは確かにお日様がありがたいところだからね~。この名曲もここでは余計に心にしみますよ。ジョージ関連で残念だったのは「While my Guitar gently Weeps」を勝手にアレンジ手演りやがんの。ソロは完全コピーだったけどね。ジョージの人スゲエギターうまかった。
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最終のセットは映画『レット・イット・ビー』のイメージだよね。最後にビートルズが演奏したアップルの社屋があるセヴィル・ロウはここから歩いて5分ぐらいのところなんだから臨場感が違う。『Abbey Road』のジャケットがバックドロップに映し出されるところがあるんだけど、これにしてもアビィ・ロード・スタジオがある「St. John's Wood」まで地下鉄ですぐだもんね。家で本物さんのCD聴いていてもいいんだけどね、でもせっかくロンドンにいるんだし…こうした何とも言えない本場感を味わうようなもんですよ。浅草のうまいもんみたいなものです。

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アンコールの最後に「Let it Be」を演奏。これで終わりかと思うとみんなが「Hey Jude!」とリクエストするの。私なんかは「Hey Bulldog」の方が好きだったりっするんだけど。この「Hey Jude」は今年のイギリスの大イベントたちのおかげでビートルズNo.1曲になった感じがするね。当然大合唱よ。手をつないでいっしょに歌っている老夫婦の姿なんか感動的だったよ。

客出しのBGMが「I Wanna Hold Your Hand」でさ、みんな大声で歌いながら帰ってった。音楽に国境はないとかナンダカンダ言っても、ビートルズはやっぱりこの国の人たちの誇りであり、この国の人たちのモノなんだなって思った。

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つづく

イギリス紀行2012 秋の陣 その2~Mr. Fish-eye Goes to London

2012年10月12日 初出

タイトルはもちろん、1941年(開戦の年!)日本公開のフランク・キャプラの代表作『スミス都へ行く(Mr. Simith Goes to Washington)』のパロディ。今日のシゲブログの内容はこの名作とは似ても似つかないタダの写真集。ま、タマにはこんなのもいいでしょう?

この作品に出て来るスミスさんも弱いものの味方をするアメリカン・ヒーローの典型で、人気キャラのひとり。では、スーパーマンからランボーから、古今東西のアメリカ映画で一番人気のあるヒーローは誰とされているか知ってる?

答えは弁護士のアティカス・フィンチ。ちゃんとアメリカ映画を観て来ている人にはどの作品の主人公かすぐにわかるでしょう。

さて、ナゼ魚眼か?実は5月にイギリスに行った時、魚眼レンズを持っていかなかったのね。それであのエジンバラやらニューキャッスルの素晴らしい景色を目の当たりにして実に悔しい思いをしたのです。何で持って行かなかったのかって?…重いから!どちらかにしようと思って50mmの単焦点を持って行ったんですよ。そしたらほとんど使わなかった!

そんなバックグラウンドがあったので、今回は魚眼を使ってロンドン・タウンを激写してみた。私の目が魚みたいだからこのタイトルになったワケではありやせん。

「魚の目」といえば、手塚治虫の『どろろ』に「鯖目さま」という妖怪に憑依された悪役が出てきたでしょ?文字通り死んだ魚のような目をしてるの。「鯖目」って名前、カッコいいなって思ってた。

元より手塚治虫の作品は絵が可愛いだけじゃなくて、登場人物の名前がとてもイカしてた。アトムにウラン(これ今だったらとても使えない)。『リボンの騎士』なんかサファイヤにジュラルミン、チンク(これは亜鉛でしょ?)にナイロン…。そいえば白戸三平には「赤目」なんていうのも出てきたっけね。昔のマンガは本当に素敵だった。

ってなことは置いておいて、魚眼で街へゴーゴゴー!

トッテナム・コート・ロードのドミニオン劇場。この『We Will Rock You』とうとう10年目に入った!私が初めて見た時、イヤ、一回しか観てないけど、ちょうど2周年記念で本物のブライアン・メイが出てきた。

もう何回も書いてるけど、ギターを弾いているのは元ウィッシュボーン・アッシュのローリー・ワイズフィールドと元マーシャルのデモンストレーターのフィル・ヒルボーン。昨年の春、フィルと会った時に「イヤ~まだやってんだよ。もう9年だゼ~。」と言っていた。その時はローリーもまだ弾いていると言っていた。

まだ結構にぎわっていた。

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おなじみロンドンのお茶の水、デンマーク・ストリート。エルトン・ジョンがここで「Your Song」を書いたこともよく知られている。

ロンドンの古い建物はエアコンがついていないのが普通で、ここらの楽器屋にも冷房が効いていないところがたくさんある。いくら湿度が低くて夏も涼しいイギリスとはいえ、さすがにドアを〆切った(ショウウィンドウしか窓がなく、当然開けることはできない)楽器屋はもう完全にサウナ状態。汗ダクダクでみんな楽器をイジくってる。
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お、ローズ・モーリスのとなりが改装してる。そう、ここもね~店の入れ替わりがおっそろしく早いんですよ。

この積み上げている土の入った袋は「フレキシブル・コンテナー」という。略称「フレコン・パック」。セメントトならこれで1t入る。日本と同じなんだね~。
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チャリング・クロス・ロードから見たデンマーク・ストリート。
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これはチャリング・クロス・ロード。ロンドンの神保町だ。この通り大好き!

実はしばらくイギリスにいる間に途轍もなくショックな出来事があった。というのは、スティーヴ・イェルディングという元マーシャルの担当者が亡くなったというのだ。あまりのショックでこの話を聞いた時、気分が悪くなった。

スティーヴは私にとって初めて接したマーシャルの人間であり、初めてのイギリス人の友人であった。出会いはジムがまだゼンゼン元気なころで、TSLの発表会で来日した時だった。あれからしばらくしてマーシャルの仕事をするようになって、ずいぶんと色々なことを教わった。

それで、私が初めてミルトン・キーンズを訪れた最初の晩、わざわざB&Bを訪ねて来てくれて、再会をよろこび力強くハグハグしながらこう言ってくれた…「シゲ!やったな!とうとう来たじゃないか!とうとうマーシャルに来たんだゾ!」って。本当にうれしかったな。

「マーシャル祭り」もいっしょにやったし、フランクフルトでもドップリ付き合ったし、本当によく可愛がってもらった。スティーヴがマーシャルを離れる時には、送別会に招待されてわざわざイギリスまで飛んだ。

彼がマーシャルを離れた後は、お互い忙しくてスッカリ没交渉になってしまい、フランクフルトや楽器フェアで顔を合わせる程度になってしまったが、それほどの仲良しだった。ウィッシュボーン・アッシュが好きと言ってた。

このチャリング・クロス・ロードは初めてロンドンに来た時スティーヴといっしょに歩いた思い出の場所だ。ひと通り楽器屋さんを見て回った後、スティーヴは当時付き合っていた(現未亡人)レベッカを呼び寄せて3人でお茶を飲んだ。ベッキーはスラリと背の高いブロンドの美人で、スティーヴ自慢の彼女(当時)だった。

スティーヴはキャリアが長かったためイギリスの楽器業界では名の知れた存在でもあった。この写真、通りの向かいに白い看板の店がある。これはMacari'sという老舗の楽器屋さんで、確か親戚がやっているとスティーヴが言っていた。ここでのアルバイトが彼にとってのイギリスの楽器業界での最初の仕事だった。

そんな話しを聞いていたから、スティーヴがマーシャルを離れてからも、この店の前を通りかかるたびに「スティーヴどうしてるかな?」といつも考えたものだった。この時もそうだったが、次にここを通りかかる時にはきっと寂しい想いをすることだろう。でも、その時はこう思うことにしよう…「スティーヴはあっちで楽しくやってるんだろうな!」って。

この場をお借りして、スティーヴ・イェルディング氏のご冥福を心からお祈り申し上げます。

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さて、魚眼散歩はまだまだ続く!

行くたびにどうしても写真に収めてしまうパレス・シアター。でも魚眼で撮るのははじめて。
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マチネーでもあったのかな?モノスゴイ数のおばあちゃん!やっぱ『雨に唄えば』ともなると客層はこうなるか…。
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引きではこうなる。
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イギリスは6月が一番日が長く、10時半とか111時近くでも明るい。でも9月ともなると、大分日は短くなってきていて、日が沈むとアッという間に暗くなる。

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前回も夜景を掲載したが、ロンドンの街はネオンサインが極端に少なく予想以上に暗い。だからこのくらいの時分が写真を撮るにはちょうどよい。
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ソーホーのようす。やってるやってる!パブに入りきれない人たちが表でエールを引っかけているのだ。
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夕暮れのロニー・スコッツ。今日の出番は誰かな?
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Prince of Wales Theatreではビートルズの出し物『let It Be』を上演中。これはこの後の回で詳しく紹介する。
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レスター・スクエア。
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見ての通り街灯がほとんどないので、こんな繁華な場所でも夜になると大分暗い。
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ピカデリー・サーカスの大道芸。ね?ネオンがあるとこんなにも明るい。マーシャルのサンチャゴも言っていたけど、東京の夜って相当明るいってことね。
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アクロバットを演っていた。
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リージェント・ストリート方面。ここはいつも素敵だナァ~。
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さ、そろそろ宿へ帰ろう…。なんか寂しくなっちゃったね…。
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つづく

 

 

 

イギリス紀行2012 秋の陣~Denbigh Road Walk Down

2012年10月11日 初出

またまた始まりました『イギリス紀行』!今回は9月22日に開催されたマーシャルの創立50周年記念コンサート『50 YEARS LOUD LIVE』前後に滞在したイギリスの模様をお送りします。

一部の方々にはすでにご覧いただいた写真も少々含まれておりますが、ガマンしてお付き合いくださいまし。

さて、今回はマーシャルの事務所に自分のオフィスを構えてもらって、一般社員の方々としばらくの間、時を同じくした。みんなとてもよくしてくれたし、まあ、いろいろな発見があって面白かったナ。

天候も前回の5~6月の時よりもおしなべて良好だったが、もう気候は完全に日本でいうところの冬。5月でもあれほど寒かったので、今回もバッチリ冬支度をして渡航したのであった。

ま、それでも朝からドップリと雨という日も当然あって、この通り、丸一日太陽が顔を出さない。北部の方では豪雨が続き、かなりの水害も出てしまった。とにかく世界中の天候がメタメタだね。

左の男性、こんなに寒いのに半袖!ちなみにこれを撮っている私は下着、シャツ。厚手のニット、薄手のジャンバーの4枚体制です。だってね、海外で風邪でも引いたら一巻の終わりだからね。この歳になるとそりゃ気を付けますわ。それでも晴れの日は湿度が低いせいか、そんな格好していて少し歩いたりするともうガンガンに熱くなって汗が出てきてしまうのね。これがコワイ。だから気温&体温に合わせてこまめに上着を着たり脱いだりしていた。

それと何と言っても海外でコワイのが歯痛だよね。今まで怪しかったことはあっても、幸いにガッツリ痛くなったことはない。海外へ行くととにかく甘いものは気をつけるようにしている。

ところで、左に見えるのはおなじみマーシャルの本社社屋。そして、その前のこの通りをDenbigh Road(デンビー・ロード)という。この道沿いにホテルがあり、毎日歩いてマーシャルに通ったというワケ。

今回のエピソードはその通勤途中に撮った写真で構成してみた。それで今日のサブタイトルを「Denbigh Road Walk Down」としてみた。これはソニー・ロリンズの『East Broadway Run Down』のパクリね。

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我がオフィスから見下ろすデンビー・ロード。風邪も結構強くて寒そうでしょう?
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しかし、晴れるとトコトン気持ちがいい。これは「ハルフォーズ」というカー用品店。いかにもイギリス的な名前じゃない?「ハルフォード」っていうから鉄鋼関係かと思ったでしょ?そうメタルね。
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前回も書いたけど、イギリスの空は低くて本当に美しい。
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夕方になるとこうした線状の雲が出てくる。
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飛行機が飛んでるワケでもないので、飛行機雲ではあるまい。日本ではあんまり見かけないよね?
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だいたいマーシャルの工場からホテルまで歩いて12~13分ぐらいかかるかな?こんなに空を見上げながら歩くなんて、子供の時以来のことだ。

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また雨が降り出しそう!でもこれぐらいじゃもう全くビビらんけんね!
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こうしてものすごく雲の厚いところと晴れてるところが平気で共存していて、そのコントラストが格段に美しい。
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夕焼けをジッと眺めるなんてもう長いことしていなかった。
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ホテルに帰る前にちょっと寄り道。ここはAylesbury Street(エイルズベリー・ストリート)という繁華街。イヤ、繁華はしてないか。パブとインド料理店が2軒ずつ、小さなスーパー(Marks & Spensor)、ピザ屋、中華料理、必ずどこにでもあるチキン屋。それに少々の商店が並んでいる程度。

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通りかかってビックリしたのがこのウェディング・ドレス屋。どれもデ、デカい!
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そして太い!ウチの家内が着ようものなら頭からつま先まで完全に入り込んでしまうようなサイズ。…と店名を見ると「Large & Lovely」という。なるほどね、日本でいえばライオン堂の花嫁さん向けみたいなものか…。
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そして、以前も紹介したフィッシュ&チップス屋。何回かお世話になった。
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定番のタラのフライ。揚げたてでおいしかった。実はこの味はおなじみで、マーシャルで会議があるとここから取り寄せてごちそうになるからだ。これはレギュラー・サイズ。マーシャルが出してくれるのは、ありゃラージサイズだな。
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このバレーボールをちょっとつぶしたぐらいの包みの中には…
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チキン&チップス。1/4ムネ肉のフライ。これが出てくるまで15分ぐらい待たされた。つまり、揚げ置きが底をついて、その場で揚げてくれたのね。これがまたベラボーにうまい!ま、揚げたてだからね。でもね、味付けもとてもよくてマジでおいしいです。ポテトはどうも最後まで食べきれん!

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パブにも入ってみた。「Bull & Butcher」という店。ドアの横の緑の看板に「Real Ales」ってあるでしょ?これに弱い。別にリアルでもなんでもないんだけどね。
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店内のようす。これは店の後ろの部分。表の通りの部分は典型的なイングリッシュ・パブのスタイルで、仕事帰りのおっちゃんでゴッタ返していたので、そそくさとこちらに移動。ん~、落ち着けていい感じ。あ~、エールがおいしい!

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ここのパブのお姉さんがやたらと愛想のいい人だったので、ちょっと訊いてみた。「あの壁のDISCOっていうのはここで踊るワケ?」するとお姉さんがノリノリで踊って見せながら答えてくれた。「そうよ~、♪フフフフン、ここと表の方の店で踊るのよん~、♪フフフフフン、楽しいわよ~、カラオケじゃないのよ~、♪ハハハハン、ブギーなのよ、ブギー!わかる?ブギー、ブギー知ってるの?ブギー、♪ホホホホン~、ハイ、エールいっちょお待ち!」なんて説明してくれた。

ディスコで踊ることをブギーっていうのかね?まさか、ステイタス・クォーのレコードに合わせて踊り狂うとか?

帰り際に、「♪ラララン、お出かけですか~(これはウソ)、ブギーで待ってるわよ、ブギーで!♪ルルルルン」とか言ってた。

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これでマーシャル工場近辺の散策レポはおしまい。次回からはロンドンで新展開!

(iPhoneにて撮影)

イギリス紀行2012 その19~ロンドン5 <さらばUK!>

2012年9月14日 初出

今日は広規さん達と分かれて別行動。天気予報によると久しぶりにいい天気なりそう!ということで、『ロック名所めぐり』取材がてら、まずは街中をブラブラすることに。

ここはチャリング・クロス・ロードからちょっと入った路地。

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セシル・コート(Cecil Court)といって古本、古地図、中古楽譜屋さんなんかが集まっている通り。東京でいう神保町だ。ゼンゼンこっちの方が小さいけどね。
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イギリスはウィリアム・シェイクスピアやアガサ・クリスティを生んだ日本に並ぶ読書大国。本の装丁にも並々ならぬ技術とこだわりを見せる。
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他にも専門書店が軒を連ねる。
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ここは音楽書を専門に取り扱っているお店。神保町にもあるよね。
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こっちもそう。クラッシック関連の書籍が多かった。
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ここは車やオートバイ関連書籍のお店。
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チャリング・クロス・ロードに戻る。もう数えれないくらい歩いているエリアだけど、こんな建物気がつかなかったな。抹茶テイストでおっしゃれ~!

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やっぱりロンドンの街並みはすこぶる美しい。イギリスの田舎の風景もこの世の物とは思えないくらい美しい光景が広がるが、多くの人が認めるように、私もこのロンドンの街並みが大好きだ。ヒトラーがぶっ壊さなかったらもっときれいだったのかな?

それでもイギリスの連中に言わせるとベルギーの方がもっときれいだって言うね。イヤ、アタシャ、イギリスで大満足です!
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ピカデリーをブラついていたら宗教系のデモに遭遇。
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何を訴えているのかはわからないが、何しろすさまじい熱気!
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リージェント・ストリートもユニオン・ジャック一色だ。
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しっかし、ようやく晴れたナァ~。
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せっかく晴れたので何かロンドンならではの美しい景色を撮りたいと思い立ち再度リッチモンドへ向かうことにした。
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やっぱり抜群にきれいだった。

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まるで絵画。というか、画家たちがこれを絵にしたのだから絵画的で当たり前なのだ!

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それしてもいい天気!今度は暑くてしょうがない!
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久しぶりに顔を出したお日様のもと、お母さんと戯れる少女。きゃわいーなー。鳥さんもいいけどお嬢ちゃん、フンに気をつけるんだゼ!
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河畔のホテルもこの通りの美しさ!
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曇天下の前回のレポートとはえらい違いでしょ?

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この光景がウエスト・エンドから20分ぐらいのロケーションに広がっているとはにわかには信じがたい。
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ま、せっかくここまで来たので有名なKew Gardenでも見てみようと、おとなりのキュー・ガーデン駅で下車。キュー・ガーデンまでは駅から歩いて10分かからないぐらい。自慢の美しい庭園をカメラに収めようと重い足を引きずって行ってみた。たけーの、入場料。やめた。
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で、ナニもしないで駅までもどってホームのベンチで電車が来るまでの間、この2週間のこをボ~~っと思い出していた。

明日は最後か…。ずいぶん色々あったな~。楽しかった。みんなにホント~に良くしてもらった。最高の友達たちだ。感謝感謝。彼らが東京へ来たらどうやってもてなしてやろうかな?楽しみだな~。

ジムを送り出す会、ヨーク、エジンバラ、ニューキャッスル、サウス・シールズ、ダイアモンド・ジュビリー、ポールの歌…。あまりの天気の悪さに寂寥感が芽生え、途中で帰りたくなっちゃったけど広規さん&くり子と合流して復活!やっぱりアッという間だった。

なんて感傷的になってロンドンの中心街へ戻って行った。
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そして次の日、私は機上の人となって、愛すべき祖国へ向かったのであった。

これにて『イギリス紀行2012』を脱稿させていただきます。広規さんシリーズも含め、23回にも渡ってご覧いただきましてどうもありがとうございました。

でもね、肝心なものはまだ出していないのです。それはこの旅でゲットした「ロック名所」ネタ。こちらも近日公開致しますので是非ご期待くださいませ!
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<おまけ>

ここ数年の円高は対ポンドにおいても猛威を振るっていて、観光には実にうれしい環境を作り出してくれている。10年ぐらい前には£5のCDを買うのに1,150円払っていたのを今では625円でゲットできる。実は私はロンドンで本はよく買うけど、イギリスでCD買ったことがほとんどなかった。

そんな円高を味方にCDをツラツラと見て回り、少し買いこんで来た。

このアリス・クーパーのライブ盤は見たことがなかった。£5だったので即ゲット。これは1975年、ロスアンゼルスでのライブ。名盤『Welcome to my Nightmare』の発売直後、つまり今でいうレコ発ライブだったのだろう、同アルバムから「The Awakening」を覗いて全曲演奏している。もちろん「I'm Eighteen」、「No More Mr Nice Guy」、「School's Out」、「Billion Doller Babies」等も演奏している。完全にショウ仕立てになっていて、71分の収録時間が短く感じる。音もよくて625円。
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大好きな大好きなセンセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンド。1976年の『SAHB Stories』と1978年の『Rock Drill』の2 in 1。「好きな割には2 in 1かよ」と笑わば笑え。ゼンゼンへっちゃらよ。だってSAHBって中古でほとんど見かけないもん。(『Next』とか『The Impossible Dream』ばっかり) 体裁にこだわって聴けないよりも、早いとこ内容を楽しんだ方がいいでしょ?もう残された時間があまりないのだ!2 in 1といっても2枚組で£10。

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The Whoのメモラビリア。音源はナニも入っていないコレクターズ・アイテム。相当売れ残ったんだろうな?元の値段の半額以下で£15。契約書やらチケットの半券のレプリカがゴロゴロ入っていて楽しい。それにブックレットの写真がすこぶるカッコいい。The Whoなんて撮ってみたかったよな~。この4人のライブの写真すべてが私の教科書のうちのひとつなのです。(それとジム・マーシャルにセシル・ビートン)
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これは人気音楽誌「UNCUT」の別冊。UNCUTは1997年創刊の総合音楽雑誌で、本誌は新しいミュージシャンを中心に編まれている。ところが、そんな雑誌でもこうして過去のブリティッシュ・ロックの遺産に関する別冊を時折出すのだ。こういうところがエライ!読むのはかなり骨だが、写真も多く、ページをめくっていてワクワクしてくる。なによりもこうしたブリティッシュ・ロックに関するアイテムを本場イギリスで手に入れることに快感を覚えるってワケ。これ東京で見かけても高いし、絶対買わんよ。ジョン・レノンとフーは数年前に買ったもの。今回はツェッペリンの特集だったので迷わずゲット。£6.99。

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ヒッチコック大好き!作品をひとつひとつ解説した豪華本。£30が£8で売っていた。これも多数のメモラビラが収蔵されていてうれしいなったらうれしいな!
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極めつけはコレ!£19.95の定価でゲット。古今東西のミュージシャンの写真が雑多に掲載されている。そこには何のテーマも見受けられないが、ま、参考書的に持っておいてもよかろうという判断が働いた。それよりもこの表紙を見たら義務感が湧いてきて買わずにはいられなかった。
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完全にMG15DFXだもんね~。マーシャルの社長に見せたらなんじゃこりゃ的に「見たことないナ~」と驚いていた。それにしても、滅法重くてさ。ヒッチコックの本とこれだけでもう超へヴィ級。買って買いたい本は他にも山ほどあるんだけど、重量を考えるとイヤになっちゃうんだよね~。デザイン・ミュージアムで見つけたソール・バスの作品集も欲しかったんだけど、とても持って帰れる重さではなかった!

飛行機で預かってくれる荷物の重量は23kgまで。それを超えると4,000円ぐらいの超過料金を払わなければならない。ところがANAなんかは2個まで無料で預かってくれるので、この超過料金を払うより8,000円以下のバッグを買って荷物を分けた方が全然利口なの。ヴァージンは1個しか預かってくれないので注意ね。

この他。マイルス・デイヴィスの自伝のペイパーバックが£3だったので買ってみた。

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『イギリス紀行2012』これにてすべて終了!長い間お付き合いくださいましてありがとうございます。

Relaxin' in London 伊藤広規、ロンドンを往く 4 <バトラーズ・ワーフでシェー!>

2012年9月11日 初出

キングス・クロス駅(King's Cross)。こっちの人は「King's X」なんて書きますな…カッコいいね。

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『ロンドン紀行2012』のスコットランド行きのところで紹介した通り、この駅は北へ向かう路線のターミナル駅。東京でいえば上野ですな。いつもたくさんの昇降客でゴッタ返している。

今日も天気の悪さは絶好調で、日が経つにつれて回復してくれるどころか、日増しに悪くなってる感すらある!なので、先を急いでもどうせ雨に遭って足止めを食らうから、「焦らずゆっくり行こう!」ということになった。

そこで、くり子さんのリクエストにこたえて、キングス・クロス駅名物の「9と3/4番線ホーム」を見に行くことに…。Uk_IMG_8143

「きゅーとよんぶんのさん?ホントにそんなのあるんですか?」とくり子さんに訊きなおす。「あるわよ~!」とくり子さんは駅の案内係に突撃!

そしてたどり着いたのがここ。なるほど、人だかりができてる!
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ホントだ!ホントにあるのね?で、これナニかと思ったら「ハリー・ポッター」に出てくるんですってね?くり子さんがポッタリアンだったとは知らなんだ。

私は原作を読んだこともないし、映画をほんのチラリとしか観たことがないのだが、そのチラリと観た瞬間にお隣のセント・パンクラス駅が登場していたのを見逃さなかった。
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その奥にはFuller's直営のダイニング・ルームができていた。Fuller'sは由緒正しいビールメーカーで、工場のひとつがハマースミスにある。以前はハマースミスのホテルを定宿にしていたので、工場の周りを散策したことがあったが、工場稼働時に近くに行くと何ともいえない、普段の東京の生活にはないにおいがあたりに充満していた。麦を加工する過程のにおいらしい。私は決していい香りだとは思わなかった。

このことをホテルの受付の若い女性に話すと、「アラ!いい香りじゃない?私は好きよ!このあたりの人はみんなあの香りが好きなのよ!」と言っていた。

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どこかのパブでもらって来たFuller'sが出している小冊子、「賢い飲み方ガイド」。中を見ると「賢い飲み方のコツ」が書いてある;

1.自分のペースで飲むこと

2.何かを食べながら飲むこと

3.ソフトドリンクといっしょに飲むこと

4.「Ikki」はしないこと

…ま、4はウソだけどね。

ひとつひとつ文句をつけるのであれば(別段文句をつける必要はないんだけど、がチョット言いたくなるようなコツなんだもん!)…

1.自分のペースで飲みたいけど、もしそうすれば、同席しているイギリスの人たちの5倍は飲んでしまうことになる。間違っても彼らみたいに1パイントのビールを飲むのに1時間もかけられない!こちとら江戸っ子だ!と思わずにはいられないイギリス人のスローペースなのだが、もちろん私なんてのは最もよくない飲み方で、そういう人に惑わされずゆっくり飲みましょう…ということ。

ホントに遅いから。チビチビチビチビチビチビチビチビ飲む。絶対にグッとはやらない。エールなんかはもともとあまり冷たくない状態で出されるが、アレだけ時間をかけて飲んだ日には、前日に煎じて置きっぱなしにしておいた漢方薬みたいになってしまう。

2.ロンドン等の都市部のパブでは料理を出さないのが普通。どうやって飲みながら食べるのよ?またポテチか?

3.ガイドには「例えば水」と書いてあるが、そんなことできないでしょ?ビール飲みながら水飲めます?んなバカな!だいだいパブでそんなことしてるヤツなんか見たことない。

そうそう、向こうの人がこっちへ来てイッパイやるでしょ?我々ってお酒を飲んでる時ってご飯(米)食べないじゃない?もしくはご飯(米)を食べてる時は飲まないよね?少なくとも私はそうなんだけど、向こうの人ってゼンゼン平気なんだよね~。〆のご飯とみそ汁に合わせてガンガンとビール飲んじゃうの。別に構わないんだけどサ…。

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いつまでもキングスクロスにいてもしょうがないので、先に進むことにした。今日も天気が悪いのは重々承知していたが、予定通りテムズ河畔をめぐることにした。

そしてTower Hill駅へ向かった。改札を出るとものすごい人!何だろうと思って外を見ると、ナント暴風雨!何だよ、もういい加減にしてくれよ!と怒鳴りたくなるほどのヒドさ…。しかも激寒!

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ほんの少し小降りになったのでロンドン塔(Tower of London)をバックにパチリ。くり子さんのこの格好!!完全防備!

あまりにも天気が悪いので近くのパブに入って少しでも天気が良くなるのを待とう…ということになって辺りをひと回りしたが、まだ時間が早くてさすがにどこも開いてない!Uk_IMG_8148

ま、雨もだいぶ収まってきたのでロンドン塔に戻ってきた。

後ろの壁はローマ時代のもの。切れちゃって見えないが、左にはジュリアス・シーザーの像がある。

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見て、この地面!雨の強さがわかるでしょ?
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現在、タワー・ブリッジ横断中!これ川上の景色。これをずっとさかのぼるとビッグ・ベンがあるウエストミンスターに行ける。
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もう晴れてなくても雨が上がっただけでも足取りが軽い!

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この日一番のリラキシン!なにしろ風が強くて!
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ブリッジのちょうど中間あたりからシティ方面を眺める。ドワー~!ロンドン塔、ものすごい行列!入場料タケェんだゼ~、これ。
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もうソロソロ渡りきってテムズ川南岸に着くよ。

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渡りきったところでちょうど石畳の工事をしていた。専用の広規、イヤ、工機でブロックを掘り起こしてブルで一気に取っ払う。
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この辺りがバトラーズ・ワーフ(Butlers Wharf)。「執事の波止場」か?19世紀の末期に建てられた倉庫が立ち並ぶエリアで、周辺はかつてロンドンの貧民窟の代表だった。サッチャーの時代に再開発が進み、現在ではブティックやレストランやこぎれいなフラットがたくさん集まるおしゃれスポットになっている。こっちでいうと横浜の赤レンガ倉庫みたいなもんだね。

この倉庫群がまたスゴイ。雰囲気満点!通りの左右を結ぶ無数の渡り廊下がまたステキ!ゆっくりと見て歩くと時間がアッという間に過ぎてしまう。
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記念に広規さんにポーズで取ってもらった…なんと!シェー!ひっさしぶりに見たナァ~、シェー。
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この通り、フラットもおしゃれに変身。飾ってあるユニオンジャックは「Diamond Junilee」を祝うもの。
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タワー・ブリッジをバックにリラキシン!

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モノスゴイ悪い天気だけどタワー・ブリッジは相変わらず美しい!
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ロンドン市庁舎。ヘンなの~。

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その前でもタワー・ブリッジをバックにリラキシン!

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対岸のロンドン塔。
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昨日から使っている教科書。ロンドンの名パブガイドだ。お昼をとっくに過ぎているし、お腹も空いてきた…ということでこのマップに出ているパブへ行くことにした。
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一軒は「The Ship」というモニュメントの近くの店。ウワッツ!こりゃなるほど素晴らしい!弾む気持ちで広規さんたちと中に入るとこれまたステキ極まりない!ところが、昼の日中からネクタイを締めたサラリーマンで立錐の余地なし!オマエら真昼間っからナニやってんだ~?!
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仕方ないので2軒目の名パブへ行くことに。途中で見つけたお店でくり子さんが友達へのおみやげを物色。フトそのお店の向かいには屋台のブリトー屋!いいニオイ!

ワシントンDCに住むアメリカ人の友達が遊びに来た時にウチの台所でブリトーを作ってくれた。これがメッチャおいしくて、それからブリトーのファンになった。

このブリトー、店員の女性が満面のドヤで出してくれるほどのサイズ。£5.50だったかな?ま、値段自体は決して安くはないけど、ボリュームを考えればゼンゼン合格!おいしかった!

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2軒目の名パブが見つからず、エールが我慢しきれなくなって普通のパブに入った。スポーツ系のパブだったな。ここは食べるものもあったが、前日の打ち合わせで、「明日、入ったパブに食べ物がなかったら大変だからスルメを持って行こう」ということになっていた。さっそく、ここで出してみて、さぁビックリ!

臭いのである。モノスゴイ強い匂いなのだ!「くり子さん!こりゃマズイマズイ!」とあわててしまうことに!

よく「成田空港に着くと醤油のニオイがするって外国人が言う」という話しがあるが、アレ納得だよね。何かニオイということよりも、そこの空気が激しく拒否反応を示している感じ。
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これはそのパブの前から撮った写真。セント・ポール大聖堂がすぐソコ。
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これなんというのかな?車両進入防止杭?なかなかおしゃれ。
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この時、風がすごくて!私ですらスっ飛ばされそうだった!例によってすぐケロっと収まっちゃうんだけどね。
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こっちが正面玄関。映画『メリー・ポピンズ』でハトにエサをやるところ。曲は「Feed the Birds」。メリー・ポピンズは「チムチム・チェリー」と「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」ばっかり有名だけど、佳曲満載の名作でしてね。その中でも「Feed the Birds」はイチニを争う名曲。

作曲はシャーマン兄弟。お兄ちゃんのロバートは惜しまれつつ今年3月に他界した。

さて、ここでセントポール大聖堂を見るか、ウェストミンスター寺院を見るか、どちらかを選ぼうということになり、ウエストミンスターが勝った。
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その前にトイレ。ミレニアム・ブリッジを渡ってテート・モダンのを借りることに。

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これがテート・モダン。かつてはゴミ焼却場だったが、改装しテート・ブリテンの姉妹美術館としてよみがえった。中がスンゴイ広いの。広規さんもビックリ。

用をたして館内のベンチに座ったらもう動けなくなっちゃって…。疲れた~。しばし休憩。

とてもウェストミンスターまで歩いて行く元気も体力もない。地下鉄か…。でもテムズ川の南岸には駅がほとんどない。ってんでもう一度ミレニアム・ブリッジを渡って、マンション・ハウス駅からディストリクト線に乗る。

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ウエストミンスター寺院もスゲエ人!
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ここは高いけど見応えは十分。久しぶりに入ろうかと思ったら、ナント時間切れ!閉まってやんの!
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結果的にセント・ポールもウエストミンスターも見れずじまいになってしまった。
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ウエストミンスター寺院の売店も「Diamond Jubilee」一色!
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「それじゃ、V&Aへ行ってピート・タウンゼンドがブッ壊したレス・ポール見に行きましょ!」V&Aは結構遅くまで開いてるからね。で、サウス・ケンジントンまで移動。

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行ってみると、こんなのやってた。「ロンドンの近代デザイン史」みたいの。おもしろそう!と入ろうと思ったが、入場料高くてやめた。今回ケチケチでホントお恥ずかしい…。
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ここね~、ヒドイんよ。知らなかったんだけど、夕方になると、まだ閉館時間まで大分あるのにあちこちを閉めて見学できるエリアをメッチャ縮めちゃうの!要注意です。だからピートのギター見れなかった!
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ここでも大休憩。も~動けん!

この後、ロンドン在住の広規さんのお友達と夕食をご一緒させていただいた。その方がロニー・スコッツの会員制クラブの会員になっていらしてご相伴にあずかることに。

アフリカ系っていうのかな?生バンドが入っていて信じられないぐらい演奏うまかったナ~。

これで広規さんとくり子さんとロンドンで過ごした4日間はおしまい。この次の日もお互いにロンドンにいたのだが別行動をすることに。

私はロック名所の取材に出かけた。広規さんはそのロンドン在住の方と過ごし、夜分にはカムデン・タウンのブルース系のライブハウスで1曲演奏されたそうです。リラキシン!

それにしても楽しかったナ~!!広規さん、くり子さん、私の拙いガイドにお付き合いくださいまして誠にありがとうございました。この場をお借りして深謝申し上げます。

伊藤広規の詳しい情報はコチラ⇒伊藤広規ホームページ
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『Relaxin' in London 伊藤広規、ロンドンを往く』はこれにて終了させていただき、『ロンドン紀行2012』に戻ります。

Relaxin' in London 伊藤広規、ロンドンを往く 3 <ウォータールー・ブリッジにて>

2012年8月31日 初出

さあ、ドンドン高くなってきたよ~!ウォータールー橋があんなに下の方に見えてきた!一方、ゴンドラの中では…。

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子供の背中を押しながら「、アラ!ちょっと!Koki Itoじゃないの!いっしょに写真を撮ってもらいなさいよ!」と言っているかのように見えるお母さんとパチリ。
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ますます高くなる~!

写真右の真ん中に見えるはオリンピックのマラソン・コースで喧伝されたセント・ポール寺院。真下の緑の建物はロイヤル・フェスティバル・ホール。
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スゲェ~、ロンドン!際立って高い建物が全然ない!
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ここでも当然リラキシン!

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「このおじちゃん、一体ナニしてるんだろう??????」と思っているに違いない。これも仕事のうちなのよ~!ボウズも聴いてくれよ『Relaxin' at IWAKI ALIOS』!

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国会議事堂があんなに小さ~い!

しっかしスンゲェ雲だな。
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今、てっぺん!

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記念にくり子さん、パチリ!

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もう下がり始めちゃった。
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国会議事堂を眼下に記念撮影ね。
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くり子さんにプレゼントしてもらったロンドン・アイのお土産。360°パノラマの案内図。くり子さん、ありがとう!

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「あ~、絶景だった!」…と少々休憩。広規さんは即刻SNSで近況報告。
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何しろこのあたり、こうして座ってテムズ川を行きかう船や対岸の景色をボーっと見てるだけで本当にリッチな気分になれるのよ。

そう、今のふたりはまるでThe Kinksの「Waterloo Sunset」のテリーとジュリーなのだ…。
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…って放っておくと全然動きそうにないのでゆっくりと歩きだすことに…。

「ウェストミンスター橋のとなりはウォータールー橋。ここは映画『哀愁』の舞台になったところでしてね…」なんていつも通り下手なガイドをつけると広規さん、「ナニ!『哀愁』ってヴィヴィアン・リーの?!」と突然大興奮!

私も驚いて「そ、そうですよ。ヴィヴィアン・リーとロバート・テイラー…原題は『Waterloo Bridge』ってぐらいですから…」、広規さん、「行こう、行こう、早く行こう!ヴィヴィアン・リー」…ヴィヴィアン・リーじゃなくてウォータールー・ブリッジなんですけど!

今までのお疲れムードはどこへやら、もはや競歩状態でパワー全開!なんでも広規さんはヴィヴィアン・リーの大ファンなのだそうだ。
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ウォータールー橋の上にて…
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広規さんの猛烈なセンチメンタル・ムードにくり子さんも私も近寄れず。ベース界のレッド・バトラーはヴィヴィアンへの叶わぬ恋を憂えているのだろうか…。
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映画『哀愁』の思い出を語る広規さん。でももう行かなきゃ!
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「ここを離れるのはツラい!」とダダをこねる広規さん!ホントにお好きなんですね!
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とにかく風も強くて寒い!
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と、橋の向こうに街の明かりが灯り出しているのを発見!一転してヴィヴィアン・モードからパブ・モードへ!

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もう夜の8時ぐらいだよ、コレ。今頃スッキリと晴れやがって…。

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「名パブガイド」にも出ている「The Wellington」でエールをいただきましょう。右下に広規さんがいるよ。

 

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もう9時を回っているのでそろそろ帰ろう。
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夜のコヴェント・ガーデン。

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今晩はスーパーで何か買って宿で食べよう!ということになり、コヴェント・ガーデンのMarks & Spencerで各自食べたいものゲット。

今日も楽しかった~!
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伊藤広規の詳しい情報はコチラ⇒伊藤広規ホームページ
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つづく